壁紙:坂田靖子「バジル氏の優雅な生活」

9月30日(土)
 朝起きたら誰もいない。配偶者はバイトに出かけて子供たちは学校に行っていたのであった。というせいかどうか、リリーが膝上から離れないでべたべたしていた。
 午後、みなが帰ってきて、娘がラーメンを食べていたところ、リリーが欲しがる。娘が試しに与えてみたら、食べた。おお、ラーメン猫誕生か。ラーメン娘にラーメン猫か。飼い主に似るのかもねえ。ついでに、スーパーで試食してうまかったので買ったハムを与えてみたら、これも喜んで食べていた。どうも人間の食い物はうまいようである。ただ、猫は塩分をそれほど必要としないので、人間の食べ物は猫には塩分が多すぎるらしい。食べ過ぎさせてはいけないのである。
 家族でゲーム機を取り合いして、今日はドラクエはできず。
 というわけで、久々に音楽を聴く。最近のテレビCMで聞こえてくるので、ヴェルディ「椿姫」をほんとに久々に聴いてみた。カルロス・クライバー指揮。いい音楽だねえ。耳に心地よい。調子に乗って、季節はずれのビーチボーイズなぞも。録音は古いし、演奏テクニックはいまひとつだったりするけど、このイノセントなロックは心にしみいるねえ。けーむらさんが洋楽カラオケで「Good Vibration」を好んで歌っていたことを思い出しちゃった。
 倉阪さんから新作「不可解な事件」(幻冬舎文庫)が届いていた。いつもご恵贈ありがとうございます。途中まで読んで寝る。
 昼食は食べず、夕方からハムや冷奴を肴に飲み始めて、夕食はボンゴレ・スパゲッティなど。夜食に冷凍うどんを食べる。

9月29日(金)
 体がだるい。季節の変わり目で体調を崩したのかなあ。確かについこのあいだまで猛暑であったが、忽ちにして涼しい秋に変貌してしまったし。などといいながらドラクエだけはやる。最初のフリーズを体験。フリーズするなんて、ゲーム機もパソコン並になったものである。
 配偶者がうっかりしていてリリーにカボチャのスープを飲ませてしまった。タマネギが入っている。猫にネギ類を与えるといけないらしい。赤血球が壊れてしまうと本に書いてあった。大丈夫かな。
 夕食は食欲が湧かず食べられなかった。仕方ないので、コンビニに行ってドリンク剤と冷凍うどんを買ってくる。ドリンク剤をウィスキーで割って飲む。黄色い妙なドリンクになった。体に悪そうな色だった。買ったうどんは結局食べず。
 夜家族でもっくん主演の「ブラックジャック」を見る。もっくんは中上健次原作のドラマに出ても、このドラマでも変わらない。キャラが立ちすぎているんだろうね。ところで、このドラマ、脚本家が原作を大幅に書き換えていて、ブラックジャックじゃなくて、まるでいかりや長介が主人公である。素直にブラックジャックの話にしたくなくて、物語の枠だけ借りようとしているようにも見える。そういう執念にも似た熱情が感じられて、意外に面白かった。ピノコが双子になっているという設定も違和感なし。

9月28日(木)
 一日寝てばかりいた。涼しくなったのでよく眠れる。というか寝過ぎのような気もする。まいいや。とかいいながらドラクエはやる。順調に進んでいる。
 昼食はラーメン、夕食は宅配ピザ。休肝日の予定だったのだが、ピザということで方向転換してウィスキーを飲む。しかしどうも調子が悪くて途中で飲む気が失せてしまう。珍しい。
 夜中、腹痛を覚える。珍しく淫夢を見る。はらいたのせいか。

9月27日(水)
 テレビゲームをすると目が疲れる。ところで、石版をちまちま集めているところである。う〜、まったく時間を食うゲームである。
 夕方、配偶者が職場の歓迎会ということで外出。ならばということで娘は宅配ピザを夕食に食べたいという。宅配ピザか〜、ちょっと味が、と思ったので、ステーキを提案してみる。ステーキなら作るの簡単だし、肉好きの家族も納得するだろうと推測したところ、思った通りであった。ということで近所のスーパーに出かけて、サーロインを買ってきた。オーストラリア産の肉である。昼食は卵かけ御飯。
 ワンピース・スペシャルを見た後、眠気を催してそのまま眠ってしまう。翌朝まで目覚めず。

9月26日(火)
 ドラゴンクエスト7を始める。息子がディスク2に入ったので、ディスク1がフリーになったのである。そういえばこいつを遊ぶためにプレステを購入したのであったが、発売が遅れに遅れて結局プレステ2の方が先に出ちゃったわけだ。7は、出だしは相変わらずたるいけれどもだんだん面白くなってくる。いつも通りなのである。当分の間はまってしまうと思う。

9月25日(月)
 「江戸のお白州」をパラパラ読む。三田村鳶魚の本などを読んで、最近江戸時代の知識が充実してきたので、読んでいて面白い。この本は江戸時代の裁判記録を気儘に拾っているエッセーである。のんびりと読んでみたが、江戸時代も現代も犯罪というのはたいして変わらないようである。食えない貧乏侍の離婚にまつわる殺人やら、情痴事件やら。自暴自棄になった浪人立て籠もり事件で、被害を被りたくない同心の嘘つき頭脳作戦などという話もある。くだらない事件というのはいつの時代でもあるものである←当事者にとってはくだらなくはないのかもしれないが。筆者がさらに突っ込んでいたらもっと面白かろうとも思うのだが、これはないものねだりかな。
 昼食はパンを食べたけど足りなくて、生協のラーメンを追加。夕食はクリームソースのスパゲッティ。なんていうのか知らないけど、きしめんそっくりのパスタを使っていた。一風変わっている。

9月24日(日)
 朝御飯をほしがるリリーに起こされる←やっぱり我が家の給食班長なのであった。猫にまでそう思われるとは。もっとも給食班長は旅行中のことであって、普段は配偶者が御飯を作るのです。
 おかげで、女子マラソンを途中から見てしまった。マラソンというのも見るのにたるい競技であるが、猫を膝の上に載せてみるにはいいかな。予想外の金メダルは凄いと思う。運がいい人っているんだね←もちろん努力しないとダメだけど。でも、世界記録保持者が故障で不調に終わったという偶然を生むのは運だと思う。これも実力のうちだろう。
 昼食はラーメン、夕食は松茸御飯。

9月23日(土)
 テレビでオリンピック中継をぼおっと見る。日本対韓国の野球中継を偶々見てしまったのだが、松坂が初回にぼかすか打たれていた。というか韓国の執念すごすぎる。さらに柄にもなくサッカーも見てしまった(途中からだけど)。日本対アメリカ。アメリカが優勢で圧していたと思うけど←わたしはスポーツにはとんと興味がないのだが、他に見る番組がなかったのだ。でもテレビを見ていていつも感じるのだが、五輪中継ってどうしてあんなに日本贔屓なんだろ、みていてうっとおしくなる。冷静な中継ってないのかなあ。中継・解説なくても良い。
 「北神伝綺(上下)」すっと読む。柳田国男が実質的な主人公なのだが、ワルモノすぎ。満州国という設定は好みであるが、これからいよいよ面白くなりそうというところで終わっているところが残念かな←雑誌が休刊してしまったらしい。ところで甘粕ってどういう最後を遂げたんだっけ。自殺したんだっけ。

9月22日(金)
 午前中リリーを連れて配偶者と共に早稲田の動物病院へ。うちに来て以来久々にキャリングケースに入れられて、子猫は情けない鳴き声を発していた。神楽坂駅まで歩いて行き、それから地下鉄に乗る。動物病院では検便され、予防注射を打たれ、ノミ・ダニ駆除の薬をかけられてもリリーは暴れずにおとなしくしていた。いい子である。しかしこの子自身は結構ストレスを感じていたようである。
 午後、散歩。青葉で中華そばを食べる。結構はまっている。現在だと、新宿よりも飯田橋の方が美味しいラーメンを食べられるんだよね。ありがたいね〜。
●「金融工学、こんなに面白い」野口悠紀夫・文春新書
●「江戸のお白州」山本博文・文春新書
●「「借金棒引き」の経済学」北村龍行・集英社新書
●「北神伝綺(上下)」大塚英志+森美夏・角川書店
購入。他にも種々欲しい本があったのだが、そんなに沢山本を買えないんだよ〜。悲しいね。
 帰宅後、早速「「借金棒引き」の経済学」を読了。うーむ。中世日本の徳政令と現在の金融状況を比較検討した本であるが、内容はうーむ。こういうことはあと何十年も経たないとわからない。
 夕食は、イサキの焼き魚と残り物など。リリーにイサキを与えると喜んで食べていた。この子は肉よりも魚が好きなようである。日本の猫である。ただ美味しい肉の味がわからないというのも人生ならぬ猫生において悔いが残るのではないかと勝手に思ったりする←ホントに勝手である。

9月21日(木)
 テレビで青山特集をしているのをぼおっと見る。
●懐石「亀やま」 懐石ランチが1500円 ベルコモンズ近く外苑前←安くて美味しそう
●根津美術館 とうてつ文←見てみたいな。ってヒマなんだからいけばいいんだよね。
柄にもなくオリンピックなどをぼおっと見ていたがよく憶えていない。ははは。
昼食はトーストと目玉焼き、夕食はゴーヤチャンプルーもどき(豆腐が入っていない)とホイコーロ。休肝日。
夜、テレビで「テレビ探偵団スペシャル」を見る。リリーはよく食べるようになったというか、食べ過ぎ。

9月20日(水)
 昼食はウィスキーとおつまみの冷や奴・ハムなど(笑)、夕食はロールキャベツ。
 昼から飲酒して、酔っ払っていたのでよく憶えていない。

9月19日(火)
 「安倍晴明」を読む。ふーん、晴明の前半生はわからないのか。この本では、そのわからない前半生を伝説などで埋めようとしているが、わからないものは仕方ない。霊狐と人間の間に生まれたというのもなんだかなあ。後世はともかく、そういう伝説が当時の人々に受け入れられたものかどうか疑問である。もっとも当時はそういう伝説はなかったのかも。ただ、ファンタジーとしては面白いと思う。そういう感受性は無くさないようにしたい。
 リリーが家の中を走り回っている。野性に目覚めてきたのか。
 昼食は生協のラーメン、夕食は牛タンと鉄板焼き。

9月18日(月)
 配偶者が友人との昼食会にでかけてしまった。神楽坂「二葉」で名物のちらし寿司を食べるらしい。いいな〜。それでリリーとお留守番。昨日までのうっとおしい雨の日々がうってかわって、快晴となった。散歩日和なんだけどな〜。
 リリーはすっかり回復したのか、アトリエで一人遊びに興じている。東急ハンズの紙袋を玩具にして、引っ掻いたり噛みついたり、中に入ったりして夢中で遊んでいる。遊び疲れると眠ってしまう。猫って本来はこういうものなんだろうね。
 手持ち無沙汰になったので、ワイドショーなぞをみていた。中村江里子のフィアンセはフランス人らしいのだが、なんとロラン・バルトの甥だそうである。名字もバルトである。へーえ。じゃ、エリコ・バルトになるのか。ロラン・バルトの名前を久々に聞いたので、本棚から「彼自身によるロラン・バルト」を引っぱり出してきて、パラパラ読む。いつも通りの、言葉が乱反射するような文章である。
 昼食は稲庭うどん。夕食は食パンとビーフシチュー。

9月17日(日)
 リリーは朝から御飯をたくさん食べた。お腹がすいたと鳴いて訴えるようになった。元気になって良かった。
 朝っぱらからメロン売りが来訪。前掛けをしたメロン売りのあんちゃんは遙々北海道から売りに来たという。そういう高級品を売りたいのなら、お金持ちが沢山住んでいる市ヶ谷加賀町辺りのお屋敷町に行った方がいいよ。
 リリーは御飯の時間でないのにおねだりする。
 わたしの顔を見て「ミャー」←「願いまーす」(花輪和一のマンガから、刑務所の作法ですな)と鳴く
 さらに「ミャミャー」←「御飯、願いまーす」
 もひとつ「ミャ」←「御飯でーす」
 わたし「まだ御飯の時間じゃないからダメ」
 しつこく「ミャー」←「願いまーす」
 こんどは配偶者の顔を見て「ミャミャー」←「御飯、願いまーす」
 配偶者「どうする?」
 わたし「まだリリーはやせっぽちだから、喰わせてやるか」
 リリー「フガフガ、ミャアミャア、ゴロゴロ」←喜んでメシを喰っている
 
 ビデオに録画した「ガメラ3」を復た見る。朝から、雷がごろごろ鳴っている。秋祭りの季節のようで、山車を引く物音が聞こえる。夕方、激しい雷鳴と雷雨となった。
 リリーは回復したようである。
 昼食は焼きそば←自分で作った。夕食も焼きそば←子供たちが食べたがったのでそうなった。少し悲しい。

9月16日(土)
 リリーと一緒に目覚める。朝御飯食べないな〜。どうしたんだろう。心なしか痩せたような気がする。寝ている様がぐったりとしているように見える。おかしいぞ。病院に連れていった方がいいのか。心配である。
 いろいろと考えを巡らせてみた。リリーが御飯を食べないのは与える餌に問題があるのではないか。だとすれば、口にあった食事を与えればいいはずである。ちゃんと御飯を食べれば、回復するはずである。リリーは親猫と同じく成猫の餌を与えられていたと聞いた。うちでは子猫用の猫缶を与えていたのである。じゃ、成猫用の猫缶を食べさせてみればいいかもしれない。ということで、コンビニで成猫用の「しらす入りマグロ」猫缶を買ってきて、昼御飯に与えることにした。リリーの目の前で、猫缶を開けてみたら、猫まっしぐら状態。やっぱりね。随分たくさん食べたのであった。そうならそうと始めから言ってくれればいいのに←猫は喋ることができないから無理なのであった。
 後で聞いてみたら、リリーは昨夜、吐いたそうである。与えた秋刀魚が悪かったのであろうか。
 昼食後もぐったりしていたが、たちどころに回復するわけでもなかろう。ただ御飯を食べていられる間は大丈夫だと思うのだが。食べたいだけ餌を食べさせてみる。寝てばかりいて、遊ぼうともしない。
 夜には随分元気になってきた。よしよし。
 夜、息子とインターネットの取り合いをして敗れてしまったので、早めに寝る。配偶者がリリーを連れてきて、わたしに添い寝させていた。
 朝食はバナナなど、昼食は焼きそば、夕食は茶碗蒸しと煮大根など。

9月15日(金)
 冷凍庫の扉が開いていたようで、中のものが解けてしまったらしい。それが原因で、配偶者が朝から機嫌が悪い。
 終日リリーと遊んで過ごす。
 夕食の秋刀魚を分けてやったら随分食べた。昼食は焼きおにぎりなど←解けた食べ物ね。
 昼、映画「グレン・ミラー物語」を観る。

9月14日(木)
 配偶者はバイトに出かけてしまったし、子供たちは学校へ行った。ということは、わたしとリリーで留守番となった。リリーは相変わらず眠ってばかりいる。今日はわたしの膝上で気持ちよさそうに眠るようになった。昼御飯に種類の違う猫缶を開けてみたら、喜んで食べた。よしよし。
 午後、配偶者が帰ってきたので、リリーの世話を交代して、久々に散歩に出かける。
 再開したと聞いた「青葉」でつけ麺を食べた。いつもながら美味しい。ただ今日はいつもより塩辛く感じた。
 本屋を適当に廻って、
●花輪和一「刑務所の中」
●平井呈一「真夜中の檻」創元推理文庫
●藤巻一保「安倍晴明」学研M文庫
を購入。その後、買い物をして帰宅。帰宅したらリリーはまたもや眠っていた。
 花輪和一が銃刀法違反で収監されたことは新聞記事で知ってはいたが、出所後このようなマンガを書いていたとは知らなかった。刑務所での日常を花輪タッチで描いた怪作であることは確かである。それにしても読んでいて、刑務所の貧相な食事がうまそうに感じられるようになるのは何故であろう。大推薦。
■余談
 娘が読む本がないと言う。
 配偶者「うちにはこんなに沢山本があるのに。」
 娘「だってパパの持ってる本って、暗いのとか怖いのばっかりなんだもん。」
 わたし「確かにそうかもしれない。否定はしない。」
 娘がわたしの本棚からマンガを探したが見つけたのは。
 娘「このマンガはどうかなあ。」
 わたし「それはあんまり怖くないけど、君にはとても怖いかもしれない。」
 「富江」であった。読まない方がいいと思うね、小学生の時分からね。
 配偶者は娘用にと新井素子・吾妻ひでおの交換日記などを取り出してきたが、それも未だ読めないと思うけど。わたしの本棚を探すよりも本屋に行った方が早いと思う。でしょ。
 夕食は鶏料理とチンゲンサイの炒め物など。
 夜、ネットに繋ぐとこういうメールをいただいた。
>子猫をお飼いになったのですね。
>かわいい〜!!長いこと画面を凝視してしまいました。
>うちのMacの壁紙にしたいくらいです。
>ひゃっけんの「ノラや」はお読みになりました?
 リリーを誉めていただいてありがとうございます。是非とも壁紙でお使いください。
 さあて、「ノラや」はうちにあるはずだと本棚を調べてみたら、あっさりと見つかった。で、読み始めた。いい話である。しかし、途中で読めなくなってしまった。百鬼園先生は、庭に頻繁に訪れる野良猫をひょんなことから飼い始めるだが(だから名前は「ノラ」なのである)、このノラが或る日突然いなくなってしまうのである。居なくなってしまってから初めて自覚する、猫に対する百鬼園先生の哀切の情が切々と語られていて、読んでいて我が身が切られるような思いになってしまう。だいたい当の百鬼園先生が仕事にも手が着かず、殆ど錯乱状態になってしまうのである。老齢にもかかわらず。この随筆は、百鬼園先生相変わらずの名文であるがあまりに悲しすぎる。人ごとではない。それで、この本は封印することにした。わたしには読めない。
 リリーはいなくなったりしないでね。お願い。

9月13日(水)
 6時過ぎに目覚めて、階下に降りたら、リリーはわたしの顔を見て安心したように「ミャア」と鳴いた。早速朝御飯を与えるが、ほとんど食べない。心配である。
 朝から職安に行く。ヨドバシカメラに寄って、新しいPalmなどを見物して帰る。帰宅したらリリーは眠っていた。昼前に目覚めたが、昼御飯を食べたがらないので、餌をわたしの手に乗せて食べさせてみたら、やっとのことで食べた。指を噛まれて少し出血したりしたけれども。写真ではわかりにくいかもしれないがこの子は随分と痩せている。しかも食が細い。しかし今は劇的な成長期なのだから、たくさん食べて貰わねば。
 リリーは屈託するとわたしの膝に近づいてきて、体を擦り寄せ甘えるようになった。無防備にも仰向けになって腹をむきだしにしたりする。喉を鳴らしてじゃれかかる。わたしの足指を噛んだり舐めたりもする。どうも母猫のおっぱいと勘違いしているらしい。まだ赤ちゃんなのである。しかしとても可愛らしい。
 リリーは眠っては遊び、遊んだあとは甘えて復た眠る。
 子猫に構ってばかりいるわたしを見て配偶者は珍しくいたく感心したようである。

9月12日(火)
 ミャオミャオ鳴く声がして目が覚めたので、階下に降りてみるとリリーが起きて鳴いていた。朝6時であった。早起きだなあ。僕の顔を見たら、訴えかけるようにミャオミャオ鳴くので、腹が空いたのかなと思って、朝御飯を作ってあげたら、はふっはふっといいながらいっぱい食べた。一回お漏らししたが、その後はトイレを覚えた。意外と賢い。1時間ほど起きていたのだがまた眠ってしまった。よく寝る子である。
 お昼になっても目覚めないので、起こして御飯を食べさせようとしたが、全然食べない。夕食もほとんど食べない。動きが鈍くだるそうである。突然、母親や兄弟と離れて知らない家に連れてこられたのだから、不安になるのは仕方ないにしても、御飯は食べないとね、と考えてあれこれ試してみるがだめ。様子見することにした。
 結局リリーは殆ど一日中眠っていたのであった。
 などと一日中、子猫に構っていた。こういうのも悪くない。まるで隠居のようであるが。
 昼食はそうめん。今夏の食べ納めかな。夕食は、ゴーヤチャンプルー(配偶者が食べたかったらしい)と豚肉の生姜焼き。にがうりが苦くて美味しかった。

9月11日(月)
 うっとおしい雨降りの日が続くこの頃である。今日もずいぶん雨が降った。土砂降りになった時間もあった。こういう日は外に出ない。
 しかし、学校から帰ってきた娘と配偶者は大雨の中を外出した。子猫を貰うのである。娘はペットを飼いたい飼いたいと以前から要望していたのだが、配偶者が首を縦に振らなかった。流石に娘のしつこさに根負けしたのか、最近やっと猫を飼うことを承服したのであった。子猫にかかる初期費用は貯金を使っても良いとまで娘はいったらしい。気合い入ってるな。それで先日、近所のペットショップに仲介して貰い、子猫を選定して晴れて今日引き取ってきたのである。子猫の名はリリー、生後2ヶ月の女の子である。
 娘はずぶぬれであった。子猫も雨の中不安であっただろう。ミャオミャオ鳴いていた(←まだ小さいのでニャアと鳴けない)かごから出て、リリーは家の中を歩き回っていたが、不安なのかダイニングテーブルの下、椅子の上という目立たない場所に落ち着いて眠り始めた。始めて猫が来た日はかまったり、じろじろ見てはいけないらしいが、結局気になって家族でじろじろ見てしまった。
 ということで新しく家族になったリリーちゃん、よろしくね。
 昼食は焼きそば。夕食はフカヒレスープを用いた中華風おこげ。

9月10日(日)
 酒を買うついでに、近所のコンビニで「日経ネットブレイン」を買って読んでみた。ネットベンチャー企業家の特集があった。有象無象の企業があってなかなかに興味深かった。この中で何割生き残れるか僕にはわからないけど。

9月9日(土)
 三度、玉子丼に挑戦する。料理の鉄人・中村某の本が家にあったので、参考に見て、作ってみた。今日は美味しくできた〜。満足したところ、憑き物が落ちた。火加減が難しいけど、10分程度で出来るので手間がかからなくていいよ。
 夜、「ハンター・ハンター」をテレビで観たりしたあと、「リング」を観る。わはは、だめだめ〜。笑うしかないね。
 夕食はトマトのスパゲッティ。

9月8日(金)
 ちょっと二日酔い。夜、「ガメラ3」をテレビで観る。去年封切りだったはずだが、一年でテレビ放映しちゃうのか。制作側はつらいだろう。さて、出来具合は。特撮映像がいい。ハリウッドにはない味がある。映画業界には、日本人が忘れつつある手仕事の細やかさが残っているようだ。円谷プロ以来の伝統がまだ残っているのかな。ところで、シナリオを面白くする技を学習してくれ〜。ジブリを見習って欲しいものである。
 昼、再び玉子丼を作る。まだ今ひとつ。目標の出来に達しない。夕食は、豚肉の焼き物など。

9月7日(木)
 「木島日記」を読む。なるほどね〜。折口信夫が狂言回しか。実物でもキャラが立ったとびきりの変人であった折口が上手に料理されていて、この小説でもキャラが立っている。折口が妙な探偵役を引き受けることなく、単なる目撃者に徹している点もいいかな。小説のネタは、トンデモ本に良く書いてあるヤツ。折口の本からのパステーシュは結構センスがよい。まあまあ良くできていると思う。國學院の人たちは読んで感想をいうべし(笑)。
 三島由紀夫の「三熊野詣」を思い出したりもしたが、内容はスコーンと忘れてしまったのであった←バカ。
 夕方、新宿にでかけて飲み会。辞めた会社の残党たちなど。辞めた会社は僕が予想した通りいよいよいけないらしい。バカだからなあ。やりようはいろいろあったはずなんだけど。ま、もう僕の知ったこっちゃないから、どうでもいいんだけどね〜。二次会でキャバクラにいくというので、別れて帰る。つまらん宴会であった。自分の人生なんだからもうちょっと真剣に考えろよな、と声を大にして言いたい。自己責任なんだぜ。いまさら、先に辞めたオレのことを羨ましいなんて言うなよな←結構怒っている。
 帰宅してさらに飲酒する←やっぱり結構怒っている。
 昼間、玉子丼を作る。鶏肉はあまり好きじゃないし、解凍するのも面倒なので、鶏肉抜き親子丼すなわち玉子丼となった。卵の火の通り加減が難しいね。まあまあの出来。

9月6日(水)
 今日から配偶者がアルバイトを始めた。近所の特別養護老人ホームで朝昼の賄いの手伝いをするという。僕はよく知らないのだが、とうとう家計が逼迫してきたのか←あまりマジに受け止めないようにね。
 また歯が痛くなった。正確に言うと歯茎が痛い。とても痛い。いじくってたら激痛が走った。直したはずなんだけどなあ。あまりに痛いので眠って体を誤魔化して、バイト帰りの配偶者に鎮痛剤をもらう。この薬が良く効いて痛みがおさまった。たぶん歯を抜いたりしたので歯茎が敏感になっていることが原因だと思う。
 夕方、近所の文鳥堂で
●大塚英志「木島日記」角川書店
●鹿島茂「十九世紀パリ怪人伝」小学館文庫
●本所次郎「安売り一代」徳間文庫
●B-ing
購入。
 学研M文庫は在庫なし。ハルキ・ホラー文庫は数点置いてあるだけであった。大きい本屋に行かないと売ってないんだろう。ま、いいや。
 木島日記を娘はチラとみて「未来日記」と間違えていた。僕がそんな本を読むわけないでしょ。就職雑誌をパラパラ眺めてみて、気がついた。雑誌よりもインターネットの方が有益な情報が多い。こっちの分野ではもうすでに主流はネットに移行しているようである。
 で「安売り一代」を読み始める。秋葉原の安売り店(バッタ屋などともいう)マヤ電気を興した人物を小説化したものである。文章は上手ではないが、内容はよい。バッタ屋が儲かり始めると有象無象の妖しげな人たちが、蜜を求める蜂のように寄り集まってくる。きれい事だらけのビジネス本にはない、現実の汚い商売のあり方をかいま見ることが出来よう。秋葉原アンダーグラウンドというところかな。就職する高校生・大学生に読ませたい本だね。おすすめ。
 朝食はトーストと目玉焼き。昼は「一平ちゃん」。夕食は焼きそば(娘が焼いてくれた)と賞味期限の切れた豆腐。

9月5日(火)
 NHKの「プロジェクトX」で東京タワー建設の苦労話をテーマにした番組を放送していた。現場監督と鳶職人が主人公で、高層での建設作業の苦闘と恋愛!を取り上げていた。美談であった。しかし、僕は「怪奇探偵実録ファイル2」を読んだばかりなので、突っ込んでしまおう。東京タワーに関する怪談は多い。東京タワーが墓地の上に建てられているという噂、建設中に死んだのは一人ではなくもっと多いことを隠しているという噂など。土地売買にまつわるきな臭い話があるというのはお決まりだが、怪談が情報戦に使われたふしもあったらしい。美談と怪談は共存しているのである。

9月4日(月)
 連日猛暑であったが、突然涼しくなった。昼寝日和。
 朝日の朝刊一面を読んで笑ってしまった。見出しに「防災演習;銀座上空に対戦車ヘリ」とあった。本文を読むと、対戦車ヘリが少し混じっていたらしい。見だしだけ読むと、大量の対戦車ヘリが出動したようにもとれるのではないかな。僕には誇大表現に思えるがどうであろうか。想像するところ、朝日は自衛隊が嫌いなんだな。東京大地震発生の周期に入っている今、災害時に自衛隊の行動なしでは大変だと思うんだけど。いっそ自衛隊反対の人たちを手を挙げさせて集めて、ここは自衛隊は守りませんという非武装エリアを作っちゃったらいい。そうなったら本当に手を挙げる人は少ないと思うけどね。

9月3日(日)
 朝、目が覚めたら配偶者に「昨晩は酔っぱらってたね。面白かった。」といわれる。さて、なんのこと?
 「怪奇探偵実録ファイル2」を読む。今回は小ネタ集である。よく調べてあって、いつも通り感心する。タクシーに乗る幽霊が座席を濡らす由来やら、池袋の四面塔の由来やら。
 サンデープロジェクトを見たら、孫正義が出演して、冷徹な議論を展開している。昔、ソフトバンクのエレベーターで実物を見かけたことがあるが、都市銀行を買うほどまでになったとは。小さい男であったが、迫力はあったね。新しい財閥が出来つつあるのだろう。
 午後、テレビで映画「サンセット通り」を観る。妄想の世界に生きる、今は忘れ去られた女優と若いつばめの悲惨なはなしである。いまいち。ウィリアム・ホールデンが妙に若かった点が印象的であった。
 昼食はそうめん。夕食はエビチリ・麻婆春雨など。

9月2日(土)
 体内時計が狂ってしまう日。
 bk1に注文した小池壮彦「怪奇探偵実録ファイル2」(扶桑社)が届く。
 午後、新宿にCDを返しに行く。娘を連れていく。伊勢丹に赴いて、「北海道展」を見物アンド試食して廻る。函館にあるというハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」で土産にチャイニーズ・チキン・バーガーを土産に買った。「イカスミカレー」も買おうと思ったんだけど、売り切れていた。香ばしいイカスミは美味しいんだよね。その後、仮設店「味乃やまびこ」でラーメンを食べる。旭川で有名なラーメン用製麺所・加藤ラーメンの出店である。以前、日記に記した四谷「こもり」はここの麺を使っている。加藤ラーメンは、製麺所でありながら年間売上が10億ちかくある(←記憶による)という驚異の製麺所なのである。
 食券を買って、テーブルに座ったが、なかなかできあがってこない。時間がかかると但し書きが貼ってあったが、20分近く待たせるとは、いったいどういう作り方をしているのだろう。さてさて、味の方は。つゆが薄い。娘が薄いと言うくらいだから相当に薄い。肝心の麺は、ややぱさぱさべちゃべちゃである。というか「こもり」とおなじであった。当たり前か。有名であっても、僕はこの麺はだめだな。
 チャイニーズ・チキン・バーガーは家族に好評であった。鶏の唐揚げが入っていて、サイズがとても大きい。味は濃いめ。
 夜、久々に鯨飲する。

9月1日(金)
 さて、朝に帰宅したところ、時間は7時過ぎであった。そうこうするうちに家族が起きてくる。今日から学校が始まるのだ。子供らは学校に出かけて、8時過ぎに眠りにつく。
 夕方、近所の本屋に出かけたら、シェバイクさんご推薦の「ぶるる」(フランス書院)があったので買ってみる。前半1/3が面白いときいた。なるほどそうだねえ。でも、僕はHネタの怪奇話も好きだったりする。いや、作り話だとおもうけどさ。笑えるじゃない。フランス書院の本だとつくづく感じる。
 それにしても、この間行った鴨川シーワールド近くのGホテルが有名怪奇スポットだとは知らなかった。タクシーで前を通った。時間があれば風呂に入ろうとも思っていたんだけど。なんでもバスガイドの幽霊が出るらしい。見たいような見たくないような。家族はきっぱりと見たくないと言っているが。
 夕食はいくら・だだ茶豆等々。こないだ買ったみずなすの漬け物を食べる。これはおいしい。これだけで御飯のおかずとして十分である。おいしいものには威力がある。休肝日。