4月11日

都知事選の投票日である。テレビが石原慎太郎の当選を報じている。
物議をかもすような暴言を吐けと思いながら、このホームページのパイロット版を作成している。
このウェブサイトはAdobe PageMillで作ったのだが、ファイルのアップロードがうまくいかない。
具体的にいうと、アップロードしようとするとタイプ2エラーでPageMillが異常終了してしまう。うーむ。おかしい。PowerBookの調子が悪いのかなと思って、Fetchを起動するとちゃんと動く。
不可解だ。設定はあってるはずなんだけど。

4月13日

アスキーから「マックピープル」が届く。特集が、Photoshopの極意なのでじっくり読むことにする。
僕はデザイナーじゃないので、Photoshopを使えなくても別に構わないんだけど、基本テクニックを覚えるとウェブデザインにとても役立つと思ったからだ。わからないところは、会社で仕事しているデザイナーに教わることにしよう。
帰宅途中、新宿紀伊国屋本店に寄る。
・「英国短編小説の愉しみ3 輝く草地」
 じっくり読むことにしよう。
・「だれでもカンタンCGI&SSIサンプル集」
を購入。
CGI/SSIが簡単なわけがない。案の定、UNIXである。暗ーい暗ーいコマンドの世界である。コマンドやスペルを間違えるとコンピュータに怒られてしまう理不尽な世界である。見えないファイルやいじれないファイルがあって厳然たる階級社会なのだ。
でも、悲しいことにちょっとわかるので本を買ってしまうのである。
僕はUNIXもviのコマンドを覚えているのだ。ああ。CGIにはまってしまうかもしれない。やばいなあ。でも自前の掲示板とチャットができるようになると面白いんだよなあ。

4月16日 会社の名前で出ています

怪獣好きとお見受けする中島晶也さんと『怪獣文学大全』編者の東雅夫さんに捧げます

 大阪でも田舎といわれる、四条畷に住んでいた小学生の頃、夏休みになると母から小遣いをもらって、駅前の映画館に怪獣映画を見に行ったものだ。『ゴジラ』シリーズも見たし『ガメラ』シリーズも見た。『サンダ対ガイラ』などという妙に悲しい映画もあった。田舎の映画館だから、『ドリフターズの前進前進また前進』や『タイガース』の映画がバンドルされていて、今となっては、望まずに妙な文化を刷り込まれてしまったような気もする。
 幻想文学会にいたころ、妖精研究の井村君江さんに学園祭で講演してもらったことがある。井村さん取り巻きの文学部学生K君が幻想文学会に興味をもって、時折話にきたものだ。なぜか互いに話があうので、彼とはよく話をした。彼は、大映『ガメラ』シリーズのカメラマンの息子だった。今、国立西洋美術館で、ギュスターヴ・モローの研究者をしている。不思議な巡り合わせだったのかもしれない。
 長じて、勤めている会社の仕事で、東宝に会社で製造・販売していたビデオカードを貸し出して、映画に使ってもらったことがある。『ゴジラVSデストロイア』のときだ。映画をご覧になっていればわかるだろうが、この日本のゴジラ最終篇では、コンピュータ・ディスプレイの場面が多用されている。CGでメインに使われていたコンピュータはマッキントッシュだった。当然コンピュータディスプレイを撮影しなければならないのだが、対応しているグラフィックスカードがなかったのである。原理的な説明をすると、テレビやコンピュータでは30フレーム/秒が基準なのだが、映画は24?フレーム/秒と決まっていて、一秒当たりの表示画面数が異なっている。30フレーム/秒のグラフィックスカードを使っているディスプレイをそのまま撮影すると、画面に縞模様が出てしまう。困った撮影陣が、私の勤めている会社に泣きついてきたのである。私の勤めている会社では、自社で開発設計を行っているから、垂直・水平周波数を調節して表示コマ数をあわせることが可能だ。
 協議の末、無料で調節して貸し出すことになった。
 企画担当の私は、上司の部長とともに、成城学園にある東宝撮影所を訪れて、助監督や制作担当者と打ち合わせをした。富山プロデューサーともお茶を飲みながら話をした。東宝側は、好意的にも撮影の見学も許可してくれた。
 後日、撮影見学に出かけた私は、科学者役の辰巳琢郎と石野陽子が研究室で語り合う撮影シーンを見せてもらった。辰巳琢郎は同じシーンを何度も何度も繰り返し取り直していて、私は撮影の進展の遅さに辟易してしまったのだ。映画の撮影は出来上がりの軽快さと全然違って、かったるいものだと悟った次第である。退屈した私は、助監督に案内してもらって、撮影用のプールを見せてもらった。プールの脇に、信号機を少し小さくした程度の扇風機が置いてあった。そのプールは、ゴジラが海中から現れたり、東京湾に上陸したりするシーンに使われるお馴染みのセットだそうだ。映像でのダイナミックさと違って、25m程度のまあこじんまりとしたプールであった。たぶん『南海の大決戦』なども似たようなセットで撮影したのだろうと想像すると、とても懐かしく、小学生時代に田舎の映画館で見たゴジラシリーズの映像の一部を思い出したりした。
 撮影は順調に進行し、ある日、東宝から試写会の招待券が届いた。会社の有志に招待券をあげて、私は行かなかった。後日、テレビで作品を見て、確かに会社のクレジットと見学したシーンが挿入されていることを確認した。余談だが、富山プロデューサーから、映画の予告編のビデオを借りて、この年に出展したMacWorldEXPOの会社のブースで使わせてもらった。
 翌年、再びグラフィックスカードを貸し出した。『モスラ』に使うということだった。前年と同じように、年末になって試写会の券が届いて、このときは長男と見に行ったが会社のクレジットは入っていなかった。貸したカードがどう使われたかはわからない。確認はしなかった。『ゴジラ』で充分だと思っていたからである。