東 雅夫(ひがし・まさお)

 幻想文学企画室代表。『幻想文学』編集長、ホラー評論家、アンソロジスト。〈怪談之怪〉発起人。日本文芸家協会会員。早稲田大学第二文学部非常勤講師。
 1958年4月11日、神奈川県横須賀市に生まれる。
 県立横須賀高校在学中、横高SF研究会に所属(同人に浅羽通明ほか)。機関誌『百鬼夜行』に、SFとは全く関係のない上田秋成や澁澤龍彦やラヴクラフトの話を書いていた。
 早稲田大学第一文学部日本文学科卒。在学中、幻想文学会に参加(会員に創立者の神宮寺〈屍蒲団〉秀征や倉阪鬼一郎、南條竹則ほか。本HP管理人の櫻井氏、掲示板常連の中嶋さん、謎のMASUDA氏も会員だった)。機関誌『幻想文学』『金羊毛』(現在の『幻想文学』の前身)の編集を担当する。
 卒業後、文芸書出版社〈青銅社〉に一年弱勤務を経て、82年4月『幻想文学』創刊を機に独立、幻想文学会出版局として活動を始める(発行人は川島徳絵)。同社は後に幻想文学出版局と改称、さらに94年7月以降、発行=アトリエOCTA(代表は川島)/企画編集=幻想文学企画室(代表は東)の分業体制に移行した。
 幻想文学企画室では、他の版元での企画・編集・制作業務も意欲的に展開中。おもな出版物に〈学研ホラーノベルズ〉(学習研究社)〈HORRORWAVE〉(ぶんか社)〈書物の王国〉(国書刊行会)〈伝奇ノ匣〉(学研M文庫)等のシリーズほかがある。
 文筆家モードでの初仕事は……うーむ、あまりにも昔のことなので忘れてしまったゾ(笑)。単行本の形で残っているものとしては、『ブック・ガイド・ブック1983』(83年3月/河出書房新社)に書いた日本の古典幻想文学案内、田中光二『闇の牙』(84年8月/集英社文庫)文庫解説あたりが最初期のものかと思われる。
 90年2月より2002年1月まで『SFマガジン』誌上で、ホラー時評を担当する。
 2002年1月より『小説推理』誌上に、幻想と怪奇時評を連載中。ほかに『ダ・ヴィンチ』で「怪談之怪」を、『ムー』で「日本伝説紀行」「伝奇入門」を、それぞれ連載中。
 また、オンライン書店bk1のホラーサイト編集長として「東雅夫のイチオシ新着棚」を連載中。池袋西武コミュニティ・カレッジではホラー小説講座を開講中。
 主要な編著は下記のとおり。

●著書
百物語の百怪(同朋舎)
新訂 クトゥルー神話事典(学研M文庫)
日本幻想作家名鑑(アトリエOCTA/石堂藍と共著)
幻想文学1500ブックガイド(国書刊行会/石堂藍と共著)
日本幻想文学全景(新書館/須永朝彦と共著)
日本怪奇幻想紀行 妖怪百鬼巡り/祟り・呪い道中/幽霊・怨霊怪譚/妖怪夜行巡り(同朋舎/共著)
ワールド・ミステリー・ツアー13 京都篇/空想篇(同朋舎/共著)
映画ベスト1000(学研M文庫/共著)
真夜中の檻(創元推理文庫/共著)
京極夏彦の世界(青弓社/共著)

●編著
陰陽師伝奇大全(白泉社)
皆川博子作品精華 幻妖(白泉社)
伝奇ノ匣1 国枝史郎ベスト・セレクション(学研M文庫)
文藝百物語(角川ホラー文庫)
ホラーを書く!(ビレッジセンター出版局)
妖髪鬼談(桜桃書房)
屍鬼の血族(桜桃書房)
怪猫鬼談(人類文化社)
怪獣文学大全(河出文庫)
恐竜文学大全(河出文庫)
架空の町/夢/月/怪獣/妖怪/分身(国書刊行会〈書物の王国〉シリーズ)
田中貢太郎・日本怪談大全(国書刊行会)
クトゥルー怪異録(学研M文庫)
少女怪談(学研M文庫)