6.1
 二年近くかかった連載長篇がついに下書き段階で完結。達成感と無力感がないまぜになったような複雑な気分。ともあれ、「The End」の末尾にThe Endと記したときは感無量でした。
 

6.2
 短篇Aを画面上で推敲してプリントアウト、夜は「学校の事件」の初校ゲラを仕上げる。では、珍しく二週連続で今週の十句です。季節は夏に移りました。実景はほとんど詠まないので、もう八月の句があったりしますが。
 骸あり初伏中伏末伏も
 夏の昼化鳥[けてう]化鳥と誰か叫ぶ
 片陰を往くやちいさな印度人
 黒い「だが」白い「そして」と夏の海
 八月の摩羅をふふめり聖母像
 うすきものをはらりと夏の蝋燭に
 本日落掌あなたの夏のグッドバイ
 魯の国に鈍ゐて夏になるばかり
 老い先のここより先は黒揚羽
 花氷いつも世界はここで畢[をは]る
 

6.3
 ゲラを返送。ゲラは本から印税になるので、いままで自重してきたAmazonで初めて買い物をする。本は紀伊国屋Webで購入しているため、今日はとりあえずクラシックのCDばかり(そのうちDVDにも手を出すだろうな)。いろいろ検索してみたんですけど、お奨め商品がときに絶妙だったりしますね。森田童子を検索したら山崎ハコのベストアルバムを奨めますか。・・・持ってるけど。
 

6.4
 連載最終回の推敲を完了。なんだか脱力してしまってほかは進まず。
 さて、「田舎の事件」(幻冬舎文庫・533円+税)の見本が届きました。文庫化につき、とくに謹呈はしておりません。ご了承ください。それにしても、限定30部の同人誌「幻想卵」に連載していた作品が文庫になるとはなあ・・・。蛇足ですが、表紙に描かれている人物は私ではありませんので念のため。
 

6.5
 連載をメール。長篇Bと短篇Bを進め、中篇を起稿。早くも気が狂いそうだ。やけを起こしてリニューアル長篇にも着手。「まるで生き急ぐかのよう」(by並木士郎)な仕事ぶりである。夕方は北千住で夏服(夏の黒服)を調達。
 

6.6
 本日は強行軍。まずは短篇Bの取材で都電沿線(私鉄沿線とはかなり響きが違うな)を回る。秘書猫をつれて正午に出発、町屋から早稲田行きに乗り、梶原という小さな駅で下車。軽く肩慣らしをしたあと、メインの飛鳥山へ。飛鳥山公園を撮影後、ついでだから北区が誇る三つの博物館(紙の博物館、北区飛鳥山博物館、渋沢史料館)を全部回る。どこも申し分なく地味だった。再び都電で大塚へ、胡散臭いところをいろいろ撮影。ここからは半ば物見遊山で、鬼子母神と雑司が谷霊園を散策。取材はこれにて終了、次はおなじみの蕎麦ツアー。東池袋から地下鉄で市ケ谷へ回り、徐々に北上しながら蕎楽亭とたかさごをハシゴする。喫茶店で休憩後、七時より神楽坂の出版クラブ会館。高原英理さんの「無垢の力 〈少年〉表象文学論」出版記念パーティに参加する。多方面にわたる活躍ぶりを反映し、純文学・アカデミズム・詩歌・幻想文学・・・とかなり面妖なメンバー構成。途中でスピーチのマイクが回りはじめたから、もし指名されたら死んだふりでもしようかと思いました(笑)。なお、同書は難解そうなタイトルですが、内実は「少女領域」に次ぐ「少年領域」、いたって風通しのいい評論です。個人的には、次は「人形領域」を期待(絶対かぶってるはず)。二次会まで出て十二時ごろ帰宅。お疲れさまでした。
 さて、「無言劇」(東京創元社・1500円+税)の見本が届きました。「広告しないものは存在しない」(by山本夏彦)という箴言もあるので、ここで宣伝をひとつ。すぐ構想がまとまって書ける小説もあるのですが、逆に発酵期間がむやみに長くかかる作品もあります。「無言劇」は後者で、アイデアの芽(アメリカの実話)からさまざまな流れが集まって長篇に構築されるまで約十年かかっています。もっとも、最後にトリックを考えたから通常のパズラーとはまるで作り方が逆かも。そのあたりについては、解説で福井健太氏が五合目あたりまで正確にナビゲートしてくれているので(本当に作者が投影されているのは別の人物だったりするんだけど、まあそれはともかく)、ぜひ解説からお読みください。もう一つ、「2003本格ミステリ・ベスト10」(原書房)のアンケートに「間違いなく前代未聞でしょうが気づかない読者もいるかもしれないという渋めの仕掛けがあります」と記したのですが、どれくらいの確率で気づくものなのか興味深いところです(それがメインじゃないんだけど)。というわけで、「田舎の事件」ともどもよろしくお願いいたします。来週、ほぼ同時発売です。
 

6.7
 反動で不調。頭も足腰も痛い。では、今週の秘書猫です。
 黒猫のぬいぐるみのミーコ姫です。こんにちは。こんしゅうは、クラニーせんせいにはくぶつかんとパーティにつれてってもらいました。おともはリスのコリスちゃんとトリスちゃんでした。はくぶつかんでは、「せいし工場のしくみ」「王子でんききどうのれきし」「荒川のおさかな」と3つもスライドをみました。パーティでは、おともだちにいっぱいかわいがってもらいました。わーいわーい。
 今週のミッドナイト・ソングは森田童子「ぼくが君の思い出になってあげよう」でした。森田童子のなかでいちばん好きな曲なんですけど、残念ながらセレクション盤には入っていない模様。
 

[読書メモ]
(小説)倉知淳「星降り山荘の殺人」(講談社文庫)。
 なぜか読み逃していた一冊。ある程度の予備知識はあったので身構えながら読んだのですが、それでもきれいに騙されてしまった。このミスディレクションは実にうまいな。ちゃんとグローブを嵌めているのがフェアで、サミングもボクシングのうちといったところでしょうか。脱帽。
(小説以外)シオラン「欺瞞の書」(法政大学出版局)、鍬本實敏「警視庁刑事 私の仕事と人生」(講談社文庫)、宇野功芳「新版・クラシックの名曲・名盤」(講談社現代新書)、赤木祥彦「図説沙漠への招待」(河出書房新社)、佐藤榮市句集「猿笛」(北宋社)、高原英理「無垢の力 〈少年〉表象文学論」(講談社)、本多正一「プラネタリウムにて -中井英夫に-」(葉文館出版)、クラフト・エヴィング商會「じつは、わたくしこういうものです」(平凡社)。
 シオラン最後の一冊はいちばん読みにくかったかも。というわけで、今週のシオランはめでたく最終回です。
「一切のものはつねに存在する。つまり、世界はいま生まれ、そしていま死ぬのだ。光と闇、変貌と崩壊、メランコリーと恐怖。私たちは私たちの内部で、この世界を絶対的なものにすることができる」


6.8
 今日は睡眠時間が足りたので、長篇B・短篇B・中篇・リニューアル長篇を進める。囲碁将棋番組のピックアップはNHK将棋トーナメントの神谷七段vs渡辺五段。風車ばかりで久しく矢倉を指していなかったから似たような組み型で練習してみたのだが、やはりいつしか邪道の玉飛接近型になってしまう。これも結構面白いんだけど。
 

6.9
 短篇Aをメール、あとは昨日とほぼ同じ。夜は打ち合わせに備えて長篇のプロットを再検討。
 

6.10
 長篇B・短篇B・リニューアル長篇・中篇と同じパターン。中篇は脳細胞がフル回転していないと書けないので詰め碁をしばらく解いてから臨んでいるのですが、ブルペンで疲れてしまってちっとも進まなかったりする。何をやってることやら。
 井上雅彦監修・異形コレクション「夏のグランドホテル」(光文社文庫・895円+税)が届きました。「グランドホテル」(もう四年前なんですね)に続くモザイク・ノベルの試みです。地味めの短篇「影踏み遊び」を寄稿しています。週にブックフォーム三冊なんてこれが最後かも。
 

6.11
 ネットサイン会用の「無言劇」が届いたのですぐ着手。ご予約いただいた皆様、ありがとうございました。しかし、同じ名前ばかり書くのは飽きますね。たまには「倉坂」と書いてみたい。四時より神保町の古瀬戸、講談社の“もっとぐらぐらさせてほしい”A元さんと打ち合わせ。仙台の話とかいろいろ。その後は書店を回って帰宅。
 

6.12
 連載のゲラとサイン本を返送。仕事は調子出ず。どうも湿気は脳によくないのでエアコンのスイッチを入れる。いまから稼動させてるようではどうですか。
「ジャーロ」No.12が届きました。第3回本格ミステリ大賞の選評が掲載されています。今回は両部門に投票しました(一度しか使えない仕掛け入り)。
 

6.13
 まさに13日の金曜日(おまけに仏滅)である。取材旅行をしたばかりの長篇Bをペンディングにせざるをえない状況となってしまったので意気阻喪。何も書く気にならず、読書に逃避。
 

6.14
 夕方より秘書猫をつれて神楽坂の出版クラブ会館、本格ミステリ大賞のパーティに出席する。テンションは上がらないし体調は悪いし、どうしようかなと思っていたのですが、知り合いの多いパーティに出て正解でした。一次会では山口雅也さんとゆっくり話ができたのが収穫。しかし、「無言劇」のあの仕掛けは誰も気づいてくれないようですね。二次会のバーを経て、三次会はカーニバルの大部屋。もう六月なのに今年はまだ二度目のカラオケである。笠井さんを中心にしばらくお話モードかと思いきや、間髪を入れずカラオケモードに引きずりこんでしまう乾くるみ(笑)。かなり歌いこんでますね。二時ごろまで歌ってタクシーで帰宅。おかげでいい気分転換になりました。では、今週の秘書猫です。
 みなさん、こんにちは。黒猫のぬいぐるみのミーコ姫です。こんしゅうは、パーティにでました。ライオンのマルちゃんをおともにつれていきました。ミーコはピンクのネックレスのパーティ仕ようでした。まえがみをおろしたクラニーせんせいは「さわやかな好青年みたいでじゃあくじゃない」とこうひょうでした。ミーコはおともだちにいっぱいかわいがってもらいました。うれしいにゃ。
 今週のミッドナイト・ソングは、森山直太朗「さくら(独唱)」でした。おお、最近の歌だ。
 

[読書メモ]
(小説)日野啓三「砂丘が動くように」(講談社文芸文庫)。
 日野啓三の小説を読むのはいったい何年ぶりだろう。純文学青年だったその昔は内向の世代をフォローしていて(ほかは森内俊雄とか)、「幻想文学」の前身の「金羊毛」に「鉄の時代」の書評を寄稿したこともあるのですが(黒砥妖名義)、いつしか離れてしまって世評高い「抱擁」すら未読だった。しかし、共通低音ならぬ共通光めいたものは変わっていませんね(作者はもう亡くなってますけど)。私はダウナー系の砂が好きだから世界はかなり違うのですが、妙に懐かしく読みました。
(小説以外)宮脇俊三編「鉄道廃線跡を歩く」(日本交通公社)、久保博司「警察のことがわかる事典」(日本実業出版社)、「名局細解 瀬戸大樹四段vs王磊八段」(「囲碁」7月号付録)、太田裕美「太田裕美白書」(PARCO出版)、小谷野敦「軟弱者の言い分」(晶文社)、栃木よみうり編「栃木そば探訪103」(随想舎)、小池寿子「死を見つめる美術史」(ポーラ文化研究所)、オクタビオ・パス「鷲か太陽か?」(書肆山田)。
「『私』の膿んだ無が取り除かれ、掃除されれば、お前のイメージが取り除かれれば、もはやお前はほかならぬ待機となってひたすら待ち受ける。沈黙の時期、旱魃の時期、そして石の時期がやってくる。ときには、どうということもないある日の午後、名も無い日に、『言葉』がひとつ落ちてきて、あの過去のない地にそっと止まる。鳥は凶暴で、お前の目玉をくりぬくだろう。だが、おそらくそのあとで、別の目玉が生まれるだろう」(オクタビオ・パス「詩人の仕事」より)。


6.15
 どうも睡眠障害が改善されず、仕事は肩慣らし程度。
 

6.16
 久々に7時間眠れたので、短篇B・中篇・リニューアル長篇をぼちぼち進める。さらに、長篇Bも再開。残念ながら宙に浮いてしまったとはいえ、とりあえず優先順位は後回しにして完成を目指すつもり。これは私が書いておかなければならない作品だから。
 それに付随して(私なりにキリスト教をねじ伏せに、いや、蟷螂の斧だが切り刻みに行った作品なので)、よしなしごとをひとくさり。ある種の不幸、と言っても多岐にわたるだろうが、本来なら宗教によって救われる資質なのに絶対にそちらのほうへは行けない存在、端的に言えば楽園を逐われた(ある種の)変態インテリも不幸な存在なのではないかと思う。以上は単なる自分語りではなく、逝った人も含めて周りをぼんやりと見回すとそう思ったりする。だから・・・という展望は何もないのだけれど。
 

6.17
 仕事は昨日と同じ。夜は本日届いた「学校の事件」の再校ゲラに着手。
 

6.18
 また早朝に目が覚めたのでゲラを進める。そろそろ転ばぬ先の杖の手配を考えたほうがいいかも。
 

6.19
 ゲラを返送、執筆のあと、長篇Aを読み返しつつ再検討。
 どうでもいい話だが、横浜のタイロン・ウッズは「史上最強の田代」かもしれない。いや、私は中日ファンで今年は阪神でOKなんだけど、あまりにも見るに忍びないもので。
 

6.20
 一時より神保町の古瀬戸、祥伝社の担当のY田さん、上司のI野さんと打ち合わせ。長篇Aは私なりにエンターテインメントに徹した伝奇小説にするつもりだったのですが、あらぬ方向へ暴走してやはり「ジャンル小説としてはピントの狂った作品」(by福井健太)になってしまったらしく、キャラと構造を含めて大幅リテイクと相成りました。頭から組み直さなければ。その後は暑かったのでどこへも寄らず帰宅。
 夜はNHKのニュース10で「中高年に癒しのぬいぐるみが人気」という特集があると知り期待して見たのだが、実にぬるい企画でむっとする。深夜はストレス解消を兼ね、酔った勢いでamazonにDVDとCDをガンガン発注してしまう。毎日これだと確実に破産だな。今後は自重しよう。
 

6.21
 秘書猫をつれて六時半より赤坂ですぺら、浅暮三文さんの推協賞受賞を祝うパーティに出席する。十名余が参加。久々に説教モードでした(笑)。授賞式の挨拶が5分を超えたらミーコがしっぽを回し、スラデックだのカルヴィーノだのデイヴィッド・ロッジだのバーセルミだのと語りはじめたら暴れるという手はずを整えておいたので、たぶん大丈夫だとは思うのだが・・・。その後は十二時前まで飲んで帰宅。お疲れさまでした。では、今週の秘書猫です。
 みなさん、こんにちは。黒猫のぬいぐるみのミーコ姫です。こんしゅうは、グレおじちゃんのお祝いにでました。オコジョのオコちゃんとジョーちゃんをおともにつれていきました。ミーコは石神茉莉さんなどのおともだちにあそんでもらいました。わーい。
[今週のBGM(不定期新連載)]ブラームス「クラリネット五重奏曲」ウラッハ (cl)
[今週のミッドナイト・ソング]The Doors 「The End」
 

[読書メモ]
(小説)アナイス・ニン「小鳥たち」(新潮社)、デイヴィッド・リンゼイ「憑かれた女」(サンリオSF文庫)。
「小鳥たち」は表題作が忘れがたい。この主人公(変態)の哀しさがわかるか・・・って、べつにわからなくていいんだけど。「憑かれた女」は前半がかったるくて投げかけたのですが、小森健太朗さんの話によると最後まで読むといいことがあるらしいから気を取り直して完読。確かに終盤は「アルクトゥールスへの旅」の作者らしくて満足。埃っぽい画廊の廊下を我慢して進んだら奥に印象深い絵が飾ってあった、といったところでしょうか。
(小説以外)荒井倫太朗「自殺未遂マシーン」(ABC出版)、ジャン・コクトー「エリック・サティ」(深夜叢書社)。
 目下繙読中は大森荘蔵の主著の一つ「新視覚新論」。文系変態SFのアイデアの宝庫だと思うのだが、中盤がむやみにハードでなかなか前へ進まず。


6.22
 リニューアル長篇を長篇B、長篇Bを長篇Cに変更。これに中篇と短篇を加えたらとりあえず今年下半期の仕事はあるかな。問題は来年以降なんだけど。
 

6.23
 長篇Aの再検討→短篇B→中篇→長篇B→長篇C→資料読み。特記事項なし。
 

6.24
 仕事は昨日とほぼ同じ。中篇は一日数行しか進まず。ほんのちょっとだけ本気で書くと、「無意味なまでに手の込んだトリック」(by鷹城宏)はこの無意味な(あるいは凡庸な意味だけで構成されている)世界に対するささやかな異議申し立てだったりするのだが、蟷螂の斧と言うも愚かなり。
 

6.25
 雑事をこなしながら仕事。長篇Cは300枚をクリア。では、今週の十句です。
 
あをい鳥ををいををいと滅びけり
夏日影折れ曲がる釘をんなの首
日盛りの私は存在してゐない
夏の川まだ夏の川そこで死ね
おほいなる白き器の夏野かな
剥がれたる写真の裏や夏の山
花茣蓙に十字も卍もありて燃ゆ
焼かれたり火蛾も蛾のなかの我も
いつか白いこの身ひとつで万緑に
青葉騒ぐとも世の終はりの秘密


6.26
 秘書猫をつれて夕方より新橋の第一ホテル、日本推理作家協会賞の贈呈式パーティに出席する。注目の的だった浅暮三文さんの受賞挨拶は、直前まで「芸はやらへん」と言ってたのに「浅暮でぇーす」のパフォーマンスで始まる。もしこれが「あっさぐっれどぇぇぇーす!」というオーバーアクションで、一瞬客の反応を見てしまったりしたら危惧したとおり大きくすべったと思うのですが、間髪を容れずにトークに入ったのがポイント。しかも内容がコンパクトで、有栖川さんの「ひざがわり」にふさわしい芸になってました。本会と二次会(銀座に移動して浅暮組)のレポートは秘書猫に任せ、三次会のカラオケ(歌広場)へ。両受賞者が再び合流したので60人の大部屋、歌い終わった人が次を指名するというシステム。私の記憶が正しければ、浅暮三文→倉阪鬼一郎→我孫子武丸→有栖川有栖→綾辻行人→喜国雅彦→京極夏彦(替え歌)→集英社C塚(替え歌)→東えりか→黒田研二→太田忠司→(締めに入って再び)浅暮三文(「涙をふいて」)→六甲おろし合唱だったと思う(違ってたらごめんなさい)。一時半に解散、あとは自由行動。というわけで、四次会はまた歌広場に戻り、十人余でカラオケ。私は「狼なんか怖くない」に始まるガールポップ路線(能瀬慶子とか)、久々に「象さんのすきゃんてぃ」までやってしまった。三時半ごろグレさんが合流したので延長。最後は主賓の泉谷しげる「春夏秋冬」、「今日ですべてがむくわれる」とまるで作ったかのようなエンディング・・・になるはずだったのだが、始発まで時間をつぶす喫茶店が見つからず五次会はまたカラオケ(新橋のカラオケ館)。結局、解散は六時前、大変お疲れさまでした。
 

6.27
 日記を書いただけで使いものにならず。知人からさる環境保護活動のために名前を貸してくれないかという打診があったので(あ、ブラニーとは何の関係もありません)、あわてて断りのハガキを書く。今後似たような打診があっても、主義主張および活動内容のいかんを問わず、署名などを含めてけんもほろろに断りますのであしからず。
 さて、「小説推理」8月号が届きました。連載「The End」最終回が掲載されています。皆様、長々とありがとうございました(なんだか遺書みたいだな)。
 

6.28
 それなりに仕事。では、今週の秘書猫です。
 みなさん、こんにちは。黒猫のぬいぐるみのミーコ姫です。こんしゅうは、すいきょうのパーティにでました。おともはペガサスのぺガちゃんでした。ミーコはグレおじちゃんのおくさんとサンモン博士(クマぬい)にごあいさつしました。えっとそれから、宮部みゆきさんが元気をちょうだいというので、おつむをなでなでしました。ほかにもいっぱいおともだちにかわいがってもらいました。わーい。二次会のお店には大きなクロヒョウのぬいさんがいました。おめめがミーコにそっくりでした。カラオケではおうたにあわせていっしょうけんめいおどりました。とってもたのしかったです。おしまい。
 

[今週のBGM]シベリウス「ヴァイオリン協奏曲」チョン・キョンファ(vn)、ハイフェッツ(vn)。
 暗く甘美な第一楽章は何度聴いてもいいな。
[今週のミッドナイト・ソング]中島みゆき「シュガー」「涙 -made in tears」。


[読書メモ]
(小説)歌野晶午「ガラス張りの誘拐」(角川文庫)、真保裕一「誘拐の果実」(集英社)。
 今週から勉強のため未読の誘拐ミステリーの消化にかかる。積み残し多し。
(小説以外)セレクション俳人11「田中裕明集」(邑書林)、藤巻一保「日本秘教全書」(学研)、倉本朝世編「定金冬二句集 一老人」(詩遊社)、鈴木一馨「陰陽道 呪術と鬼神の世界」(講談社選書メチエ)、長山靖生「謎解き少年少女世界の名作」(新潮選書)。


6.29
 プロット作り、練り直し、推敲などで執筆は前へ進まず。囲碁将棋番組のピックアップはなし。「無言劇」が出たとたんにやや熱が薄れてきたようだ。
 

6.30
 長篇Aの再検討→短篇B改め短篇A→中篇→長篇B→長篇E(仮)のプロット作り→長篇C→長篇Bの再検討→資料読み。なんだかバタバタしているだけである。今月の執筆枚数は126枚(C標準)。
 夜は先週のパーティで田中啓文さんから買ったユナイテッド・ジャズ・オーケストラ「ニュー・シネマ・パラダイス」を聴いてみる。ジャケットデザイン・藤原ヨウコウ、推薦文・恩田陸という布陣で、5万枚くらい売れていそうな雰囲気のCD。あいにくジャズはさっぱりわからないのですが(すまん)、ヴォーカルはとても上手でした。