[5月16日]
「小説すばる」6月号が届きました。「ホラー小説特集」に「夢見の家」という短篇を寄稿しています。題名から察せられますとおり、ハートウォーミングなファンタジーです(嘘)。同誌には翻訳を何篇か寄稿したことがあるのですが、小説は初めて。なお、写真はホラー作家らしくサングラスをかけております。目下、第二作を鋭意執筆中。それにしても、南條竹則・倉阪鬼一郎ってひと昔前までは部数30部のワープロコピー同人誌「幻想卵」だったのに、時代も変わったものですね(笑)。
[5月17日]
山に埋もれてしまっていた皆川博子さんの『聖女の島』(講談社文庫)を読了。「甘美な長編恐怖小説」と紹介されていますが(確かにそうなんだけど)、分類すればミステリです。内容に立ち入ることは控えますけれども、最後まで読むとなぜ綾辻さんが解説を書いているか卒然とわかるとだけ言っておきましょう。むろん、私も好みです。
それから、西條八十の「トミノの地獄」が効果的に引用されていますが、久世光彦氏もこの詩がお気に入りで随所で引用していますね。西條八十はミステリにおける引用率の高い詩人かも。あとは萩原朔太郎と北原白秋でしょうか。統計があれば面白いところです。ちなみに、私はドサクサにまぎれて自作の詩を引用したりしていますが(笑)。
[5月19日]
ガイ・バート『体験のあと』(集英社・1900円)を読了。内容には触れられないのだが、サイコスリラーではあるものの結末はきわめて本格ホラー的、同時に本格ミステリ的でもある傑作。十八歳でこの小説を書いたのはひたすら凄い。脱帽。
さて、ホラー短篇が亀のようにしか進まない。ユーモア物なら三日で書けたのに、なぜこんなに時間がかかるかというと、ワンミスで世界が崩壊してしまうような強迫観念がわくからでしょうな。おかげで何度も頭からディテールをいじっているから、前へ進まないのも当然。翻訳のゲラも早く進めないと次のゲラが来るのだが……。
[5月20日]
みなさん、こんにちは。黒猫のぬいぐるみのミーコです。今日は先生といっしょにおでかけしました。
先生の女性ファンお二人(希望により所属はひみつですが、業界の人ではありません)とカラオケをしたのです。ミーコはとってもかわいがってもらいました。先生は例によってアイドルからド演歌まで30曲以上歌ってました。ミーコも「黒ネコのタンゴ」を一曲だけ歌いました。先生が初めて歌ったのは、だいたい次のような曲です。「涙〜Made
in tears〜」「ロリータ108号」「ウサギちゃん SAY GOOD BUY」「かなしみ笑い」「コレクター」「私はパラダイス」「天城越え」「まっ赤な女の子」「イルカにのった少年」「ダニーボーイに耳をふさいで」「大天使のように」「芽ばえ」「歩」「ガッチャマンの歌」「そのスピードで」「青春サイクリング」「ひまわり娘」。
みなさん、おつかれさまでした。またあそぼうね。おわり。
[5月21日]
四時から神保町で時事通信社のIさんと打ち合わせ。『活字狂想曲』が東京堂書店のベストセラー・ランキングの6位に入ったと聞いて仰天する。なお、同書は現在品薄で見つけにくい状態になっているのですが、来週末には都内の各書店に再版分が入ります。
さて、サイコ訳『夏来健次』じゃなかった夏来健次訳『サイコ』(創元推理文庫・440円)が出ました。原作はもちろんロバート・ブロック、新訳決定版です。ノーマン・ベイツと夏来健次のゴールデン・カップリングをお楽しみください(笑)。
生年月日:1998年7月7日
生まれたところ:おほしさまからふってきたの
買われたところ:大阪梅田・阪神百貨店のおもちゃ売り場
買った人(ママ):橋詰久子さん
なぜ買ったか:先生(倉阪鬼一郎さん)への大阪みやげ
現住所:東京都文京区千駄木
おしごと:先生の秘書、「恐怖の会」のマスコット
体長:55センチ(大の字状態の耳からしっぽの先まで)
体高:24センチ
しっぽの長さ:22センチ
体重:ひみつ(でも、軽いよ)
血液型:ありません
目の色:きいろ
特技:おすわり、肩たたき
持ち歌:黒ネコのタンゴ
性質:おとなしい(でも、いじめたらおこるよ)
おでかけしたところ:カラオケボックス、喫茶店、飲み屋さん、おそばやさん、レストラン、旅館(SFセミナー)
おでかけしたいところ:動物園、公園
将来の夢:三十年生きて本物の猫になる
じゃあ、また日記書くからよろしくね。おわり。