幻想的掲示板99/04

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アメリカがだめなら日本があるさ 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月30日(金)23時58分29秒

「日本のモダンホラー」の範囲については両巨頭にお任せするとして、さらに
風間氏の解説に突っ込みを入れます。
フクさんがお読みになったとおり、アメリカのモダンホラーを基準にして日本の
ホラーシーンを語るというスタンスを風間氏はとっています。「アメリカでは下
火になったけれども、後発国の日本では花盛り」といったニュアンスでしょうか。
ここに欠けているのは「ホラー・ジャパネスク」という視点です。「リング」が
なぜあんなに受けたか、あれは幽霊好きの日本人の琴線に触れた部分も大きいん
ですよ(このあたりも東氏のほうが適任ですが)。また、一般的には科学の部分
が強調される「ブレイン・ヴァレー」にもホラー・ジャパネスクが配合されてい
ます。「屍鬼」や「死国」は言わずもがな。ですから、「アメリカでは下火なの
に日本では・・」というのは新本格批判と同じなんですけど、日本のモダンホラ
ー(ここでは現代に書かれたホラーの意味)は独自の発展をすると思っておりま
す。

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本朝モダンホラー事始め 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月30日(金)23時44分47秒

フク様
>日本における「モダンホラー」というのは具体的に誰ないしはどのような範囲の
ことを指すのでしょう。ここ数年に発表された和製ホラー全部?

 この質問には小生が答えたほうがよいのかいな?>中島さん&鬼さん
 ハッキリ言って、上記の質問に対する定説はありません(笑)。これはそもそも
「モダンホラー」とは何か、という前提自体に定説がないためで、それを考究する
ために、小生、中島さんたちにも御協力いただいて『別冊幻想文学 モダンホラー・
スペシャル』を昨年作ってみたわけで。小生のモダンホラー観については、同誌掲
載の「モダンホラーとは何だったのか!?」を御参照いただければ幸いです。
 でもって、「日本におけるモダンホラー」ですが、これについても、たとえば
『幻想文学41 特集=ホラー・ジャパネスク』所収の「日本のモダンホラー・ベ
スト100」なんてお誂え向きの作品ガイドがありまして(ああ、なんて便利な雑
誌なんだ……)、それと『モダンホラー・スペシャル』を併読していただければ、
一応のパースペクティヴは得られるかと思います。
 しかしまあ、自前の本の宣伝ばかりで終わるのは心苦しいので(笑)、ちょっと
付言しておきますと、小生自身としては、「スティーヴン・キングの日本上陸と定
着」が、日本のモダンホラーを考える場合、ひとつの目安になりうるのではないか
と考えております。
 具体的にいうと、キングの長編が初めて邦訳されたのが75年の『キャリー』で、
そのあと77年に『呪われた町』、78年に『シャイニング』がいずれもハードカ
バーで刊行されています。ところがこれらは見事に不発に終わりまして(笑)、い
ずれも初版どまりだったと記憶します。
 キングが日本の読書家に本格的に認知されたのは、82年の『ファイアスタータ
ー』と83年の『呪われた町』文庫化あたりから、と考えてよいのではないでしょ
うか。実際、先日『ホラーを書く!』でインタビューした際にも、キング初体験は
文庫版『呪われた町』や『シャイニング』、という方が多かったですね(ちなみに
82年にはモダンホラー・アンソロジーの名作『闇の展覧会』も邦訳されています)。
 ですから、80年代前半にキング作品の影響が浸透し、いわゆる「モダンホラー」
の代名詞たるキング的長編ホラーのスタイルが意識されるようになり、それに触発
されて長編ホラーを手がける作家が現れるようになった……というのが、現在流通
している意味合いでの「モダンホラー」の出発点と考えるのが穏当なところかもし
れません。
 さらに具体的に作品名を挙げるなら、やはり小池真理子『墓地を見おろす家』
(88)でしょうか。ただし、それ以前にも、山田太一『異人たちとの夏』(87)
とか佐々木譲『死の色の封印』(84)とか、もうちょい溯って、遠藤周作『悪霊
の午後』(83)、小泉喜美子『血の季節』(82)、橋本治『暗野』(81)等
々、欧米的なモダンホラーと相通ずる要素をもった長編ホラーは、散発的にですが
書かれていたことをお忘れなく。
 まあ、小生は「モダンホラー」という括りにはたぶんに懐疑的立場なので(笑)、
あまり参考になるか分かりませんが、一応御返事まで。

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ジャッカーに戻したり 投稿者:フク  投稿日:04月30日(金)17時51分40秒


 黒岩研『ジャッカー』読了しました。個人的には前半の展開と後半の謎解きに多少アン
 バランスを感じましたけれど(人によってはそれが魅力かも)全体的には楽しめました。
 筆力が高いですね。前半の掴みが巧いです。
 
 細田さま
 『ジャッカー』価格1,900円はあの厚みのせいでしょう。多分。

 皆さま
 風間氏の解説について。米国の状況については勉強不足ゆえ、「ふーん、そうか」とい
 うものでした。皆さんのフォローが有り難いです。
 ちょっと気になったのは
 >>日本で人気のモダンホラーとは(中略)恐怖と戦慄の要素が濃厚なジャンルミックス
 >>の面白小説のことなのだ。
 最近人気のホラー小説は、ジャンルミックスの小説である。本作はジャンルミックスで
 ある。ゆえに本作も人気の作品との共通項が多いので面白さも保証されたようなもの、
 という風に読めちゃいました。
 それともう一つ、歴史を語るのに固有名詞は避けて通れないので良いのですが、せっか
 く初心者向けに丁寧な解説をして下さっていると思ったのに、後半で解題するのに米国?
 の作家や作品名を羅列してそれと面白さを比す、というやり方は初心者には何だかなぁ。
 私には全然イメージが湧きませんでした。

 一つ分からないことがあります。日本における「モダンホラー」というのは具体的に誰
 ないしはどのような範囲のことを指すのでしょう。ここ数年に発表された和製ホラー全
 部?

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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TPOをわきまえろ! と。 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月30日(金)13時05分56秒

 内輪受けがジャンル・ホラーの伝統のひとつというのは、決して弱い論拠じゃな
いっすよ。前にも書きましたが「連帯感」と「内輪受け」は表裏一体のもので、そ
うした共同体幻想自体は否定されるべきものではないと小生も思います。むしろそ
れを精神的な拠り処として頑張ってきた、って側面も大きいですからね。
 ただし、小生の「好み」としては、そうした連帯感の表明は、あくまで「孤立す
る魂におくる連帯の挨拶」(「幻想文学」15号の斎藤慎爾インタビューを参照)
であるべきで、実際に徒党を組んだりすることとは違うように思うんですが。
 要するに「場所柄をわきまえろ!」ってことなんですよ(これについては活字上
でも、すでに指摘したことがあるけど)。
 これは「チェックアウト」に限らず、たとえば〈異形〉の作家紹介欄で小生の批
評に対する当てこすりを(それも婉曲かつ屈折した形で)してみたり、文庫解説で、
その著者とは直接関係のない本について長々と宣伝してみたり……そういう行為が、
作者や読者に対して礼を失していると何故、気がつかないのか(これは『秘神』の
編者解説にも言える)。
 彼らが「作家」として発言しているのなら、まだいいんですよ。アンソロジスト
として、あるいはジャンル・ホラーのスポークスマン的なスタンスで、そういう発
言を繰り返すから、小生としては「ちょっと待ったあ〜」と異議申し立てをしてい
るわけです(笑)。

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弱々しい反論 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月30日(金)10時52分25秒

なんだか「チェックアウト」の話になったら急に盛り上がるなあ(笑)。
ラヴクラフトもあのような内輪受けを書いておりまして、ある意味ではジャンル・
ホラーの伝統の一つ(弱いか)なんですよ。また、それはミステリにおける自己言
及性ともパラレルじゃないかと考えております。ですから、仕掛け自体はOKでは
ないかと・・・。むろんベストとは言いませんけど、あまりに不評なので弁護して
みました。

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私は悲しいです 投稿者:中島晶也  投稿日:04月30日(金)08時01分54秒

>東様

>>  風間賢二氏がジャンル・ホラーに消極的なのは、早川書房編集者時代に企画担当
>> した〈モダンホラー・セレクション〉の悪夢が脳裡をよぎるせいでは!?(笑)

 なるほど。トラウマはB級モダンホラーの十八番ですからね(笑)。

『ジャッカー』の解説については、東さんの読みが恐らく正しいと思います。
そう信じたいです。しかし、風間氏はああいう書き方をされたのでは、恣意的
に読者を誘導しようとしているとの疑われてもしようがないですよ。どうも最
近の風間氏は、文章が粗くなっているように思います。売れっ子評論家(ホラ
ー界の基準では)で、現在唯一のホラーの入門書の著者がこういう調子では一
般読者に悪い影響を与えかねないですし、氏の編集者時代からのお仕事にいろ
いろと教えられてきた私のようなマニアにとってはとても残念で悔しいことで
す。

 サイコ物の台頭がモダンホラー凋落の原因なのか結果なのかは微妙なところ
ですが、普通に考えればまあ結果でしょうね。ただ、それにブラム・ストーカ
ー賞をやってしまったのでは、まるでホラー側の敗北宣言のようなもので、自
ら凋落に拍車を掛けたのだとは言えるでしょう。

 ギャラリー向けに慌てて付け加えますけど、これは『黒い家』が日本ホラー
小説大賞を取った日本の状況とはぜんぜん違います。日本はまだホラー・ジャ
ンルが確立する前の混沌期ですが、あちらはホラーの核が超自然であることが
一般に認知されていて本格ホラー作家がごまんといる状況なのに、それを押し
のけてサイコ物が賞を取っちゃったんです。しかもホラー作家が後追いしてサ
イコに転向したというんですから、こりゃ自滅ですね。

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チェック・アウトサイド 投稿者:松本楽志  投稿日:04月30日(金)07時43分41秒

いまだに釈然としないがくしです。(笑)

倉阪さん
>扉を読むと「小説とあとがきのハイブリッド」であることがはっきりわかる
>と思います。ですから、ミステリ的には(って変かな?)OKで、あとは好
>みの問題でしょう。

 好みといわれてしまえば、そうなんですが、うーん、ああいうのを好きな人が多い
んでしょうかねえ。僕が気嫌いしすぎるのかなあ。

 僕は別にミステリ的に読んだわけではないのですが(無意識にそう読んでるかも知
れないけど)、僕にしてみれば、そもそも、小説とあとがきのハイブリッドぉ? な
にそれ、って感じなわけです。

 もちろん、これも好みの範疇なんですが、ホラー短編のアンソロジーにホラーじゃ
ないのはともかく「小説とあとがきのハイブリッド」なんか入れちゃっていいのかい
ってことですねえ。
(それにしても、ホントにボツにしてたりするんですね……そのわりには、あ、いや)

 あとがきを書く、ではどうしていけなかったんかなあ、って思うんですが……
 チェックインが前書きなら、チェックアウトはあとがきでシンメトリックになって
いいじゃん、ってこれは半ば冗談ですが、あとがきにしてしまうと作家を登場させら
れないから? とか変な邪推をしてしまうなあ。

 あ、そうそう、ちなみにミステリ的に言えば、解決編に当たるチェックアウト直前
まで手がかりが明示されてないので、アンフェアです(笑)

 すいません、たぶんここまでこだわってるのは僕くらいでしょうね。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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あ、それから 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月30日(金)04時12分07秒

倉阪様
 小生は「チェックアウト」に「怒っている」わけではありません。「アタマを抱
えている」というほうが、より実情に近いかと(笑)。
 御本人はキム・ニューマンを気取ったつもりらしいですが、「メタ的」と評する
のも気がひける、こんな浅薄で恣意的な「仕掛け」の引き合いに出されたのでは、
それこそキム氏のほうが怒りそうな気がしますがね。
 それと、多くの作品にボツ出しをしている〈異形〉の監修者が、たとえフィクシ
ョンの形を装っているとはいえ、一部の作家に対する親近感や仲間意識をこうして
臆面もなく露呈するというのは、アンソロジストとしての公平さや見識をも疑われ
かねない……と、他人事ながら心配になるわけですな。

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明日の悪夢!? 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月30日(金)03時50分42秒

 風間賢二氏がジャンル・ホラーに消極的なのは、早川書房編集者時代に企画担当
した〈モダンホラー・セレクション〉の悪夢が脳裡をよぎるせいでは!?(笑)

 風間氏の主張は、要するに――
(1)キングやクーンツの登場で、ホラーというジャンルが、従来とは較べものに
ならない規模の読者層の注目を集めた。
(2)その恩恵を被って、ホラー・プロパーの作家たちにも長編上梓のチャンスが
増えたが、彼らのオーソドックスなホラーは、キングやクーンツのような広範な大
衆性は獲得しえなかった。
(3)また、柳の下のドジョウを狙って、キングやクーンツのスタイルを模倣する
既成・新人作家も続出したが、ほとんどがエピゴーネンの域を出なかった。
(4)出版社サイドもブームに便乗するべく、粗製濫造に走った。
 ……とまぁ、ここまでの状況分析は間違っていないと思うんですよ。
 で、そうした要因が重なって、モダンホラーが下火になり、サイコ・サスペンス
が台頭した……と持っていけば何の問題もないものを(笑)、ああいう(中島氏に
よる引用を参照)強引な係り受けの文章にしてしまったがために、倉阪&中島両氏
の神経を逆撫ですることになった、というふうに思うんですけど、いかがなもんで
しょ?

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ご苦労様でした 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月30日(金)01時32分42秒

中島様
確かにサイコ・スリラーへの移行のほうが重要な原因だと思いますね。
読者層がキングやクーンツとマニア受けする作家とは違うはずなんですよ。
それにしても、どうして風間氏は「マニア受けするお上品な作家」をあんなに
目の敵にするのか理解できませんね。趣味がはっきりしているのはOKなんで
すけど、一応ホラー評論家として認知されている方なんですから、もう少し慎
重に書いていただきたいものです。
で、なぜ私がこんなに突っ込んでいるかと言うと、将来日本の娯楽型モダンホ
ラーが凋落したとして(現在もジャンルミックスだからレッテルが変わること
はありうる)、「その理由は倉阪鬼一郎や牧野修のような一部の熱狂的マニア
にしか受けない作家が輩出されたからだ」などと書かれた日にゃ化けて出るし
かないわけで(笑)。

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米国産モダンホラーの凋落に関する風間氏の説を検証する 投稿者:中島晶也  投稿日:04月29日(木)23時39分39秒

>倉阪様
 予告通り風間賢二氏による『ジャッカー』の解説中の

>>アメリカ本国でモダンホラーが下火になってしまったのは(中略)一部の熱狂
>>的な読者しか喜ばないジャンル・プロパーの作家が数多く輩出されたことによ
>>る

という主張について、検証を試みてみましょう。

 まず最初に、上記の「ジャンル・プロパーの作家」って、いったい誰のこと
なんでしょうね? 同解説の前の方を読むと、倉阪さんのおっしゃる通りラム
ジー・キャンベルやC・L・グラントといった、渋い作風のマニア受けする作
家を指しているように思われます。だけど、キングやクーンツの影響力を押し
のけてホラー・ジャンルのイメージを決定づけてしまうほどの力が、彼らにあ
るはずがないんですよね。例えば、ブラム・ストーカー賞の歴代受賞作一覧(下
記のリンクを参照)を見ても、風間氏流に言えば「マニア向けのお上品なホラ
ー」が米国産モダンホラーの主流になっていたとは、とうてい考えられません。

 さらに、風間氏の『ホラー小説大全』にはやっぱり同じような主張が書かれ
ているのですが、今回の『ジャッカー』の解説とは微妙に食い違うところがあ
るのです。同書の96ページから引用しますと、

>>キングやクーンツが二百万部近い売り上げを記録するからといって、あるいは、
>>ストラウブやアン・ライスが新刊を出せば、必ずベストセラー・チャートにラ
>>ンクインするからといって、彼らの読者がそっくりそのまま他のプロパー作家
>>(C・L・グラントやデニス・エチスンといったジャンル内では極めて評価の
>>高いシブイ作家、あるいは、ダン・シモンズやF・ポール・ウィルスンといっ
>>た一般の読者にもリーダビリティを持つ作家)を読むかというとそうではなく、

 何とまあ、ジャンル・ミックスな娯楽派作家も含まれているんですよ! 全
体の論調としては、『ホラー小説大全』では「キングやクーンツのような一般
にバカ受けするような大型作家が出てこなかった」というような調子なのに、
今回は「マニアにしか受けないようなお上品な本格ホラー作家ばかりが増えた」
となっておりまして、これはいったい、単に意見が変わってしまったのか、何
か目的があって恣意的に表現を変えているのか……。とりあえず今は、よけい
な推測は止めて事実関係を指摘するだけに止めておきます。

 いずれにしても、「マニアにしか受けないようなお上品な本格ホラー作家」
が米国産モダンホラーをダメにしたとはちょっと考えにくいです。私などはむ
しろ、『羊たちの沈黙』のようなサイコ・スリラーがブラム・ストーカー賞を
取ってしまっていることが気になりますね。純然たるホラーとは言い難い作品
が権威ある(はずの)ホラーの賞を取ってしまうということは、もはやホラー
にこだわる理由が希薄になっていたと言えないでしょうか? そういえば日本
のSFも、いわゆる「冬の時代」到来に先駆けて、本格オカルト小説の『帝都
物語』に日本SF大賞を与えたりしていましたが?!

ブラム・ストーカー賞の歴代受賞作一覧↓
http://www.horror.org/chrono.htm

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チェック・アウトその他 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月29日(木)22時37分30秒

というわけで、今後はわかりやすく書くように努力します(>三枝様、皆様)。
さて、コメントしようと思っていて遅くなりました。

フク様
「チェック・アウト」は私も出ているのでコメントしづらいのですが(笑)、
扉を読むと「小説とあとがきのハイブリッド」であることがはっきりわかる
と思います。ですから、ミステリ的には(って変かな?)OKで、あとは好
みの問題でしょう。私はそんなに嫌いな仕掛けではないです。東氏が怒るの
はもっともなんですけど(笑)、それは別問題ということで、仕掛け自体は
フェアであろうと考えます。

中島様
「やはり・・・」のジャンルミックスについては、ちょっと見解が違うので
補足します。まず「リング」ですが、風間氏は「リング」三部作と記してい
るので、これはジャンルミックスでしょう。「屍鬼」はミスディレクション
を誘うところがジャンルミックスです。ただ、吸血鬼物であることが思いき
りバレてしまって(笑)機能しなかったのは作者には気の毒でした。「黒い
家」には本格ミステリの要素が入っています。ですから、これはスリラーと
本格というミステリーにおけるジャンル内ジャンルミックスですね。

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ありがとうございます 投稿者:三枝  投稿日:04月29日(木)20時14分08秒

どうも中島さん。
私は、「何が起こっているのかきちんと合理的に説明されたの
では怖くないじゃないか」と思う方で、だから倉阪さんの書く
ような話の方が貴志さんの書くような話より(貴志さんの話は
ものすごくおもしろいのだけれど)、何倍も怖いと思ってしま
うのです。
ですから、もしかしたら倉阪さんの御発言で理解しずらい部分
があったらファンの興味として質問させていただくかもしれま
せん。
それは倉阪さんと中島さん、東さんの間ではわりと当然なので
はっしょった部分なのかもしれませんが、読んでいる人間には
わかりずらいこともあるのだと御理解ください。

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勝手ですが 投稿者:中島晶也  投稿日:04月29日(木)19時19分33秒

>三枝様
 コミュニケーションの齟齬や有効な議論の手続きの模索というのもたいへん
面白そうな話題ですが、トップ・ページをご覧いただければ判る通り、当掲示
板は幻想文学やホラーのイデアについて熱く語り合う(笑)ために特に設けら
れた場ですので、これ以上ここでその話を続けるのは止めたいと思います。ご
めんなさい。いつかまたどこかで、三枝さんとそんな話をする機会もあるかも
知れません。そのときはよろしくお願いします。
 それはそれとして、ここで交わされているやり取りについて疑問点などがあ
るときには、今回のように遠慮なく質問してください。我々としても助かりま
すので。

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以後気をつけます 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月29日(木)13時40分03秒

中島さんのフォロー、三枝さんのご指摘のとおり、ちょっと省略が多かった
ですね(なにぶん俳人だからなあ)。
なお、梅原氏についての言及がある書き込みの力点は「風間氏の解説におけ
るホラー・ジャパネスクの使い方」でして、それについては東氏が注文どお
り解説してくれたので(笑)完結しています。
経営論が主体のSFとは違ってここでは本格ホラー原理主義者がイデア論を
戦わせておりまして、ちょっとギャラリーの方にはわかりにくいかもしれな
いのですが、了解事項はある程度省略しないと濃い議論が進まないので、ご
理解いただきたいと存じます。

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ジャッカーの解説については 投稿者:三枝  投稿日:04月29日(木)12時33分01秒

念のため、ジャッカーの解説につきましては、私は読んでいないので、
特に意見はないのです。本当に刷り数が少ない本であるのならば(うち
の近所の本屋にはなかったですね)、そういったものの解説によその国
の「ホラーが下火」などと書いている場合なのだろうか?とも思います
ので、結構間抜けな部分のある解説なのかもしれません。
ある程度本を売っている梅原さんが「本を売るには」と言っているのと
は、信頼性が違うようにも思えます。
もっとも私、梅原さんが論理でああ言っているとは思っていませんけど。
直感で出た結論なのに、他人に説明する段階で理屈をつけるから矛盾が
出てしまうのでしょう。「なんとなくその方が良いと思うのだ」で、か
まわんのに、と。まあ、余談ですが。

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どうも>中島さん 投稿者:三枝  投稿日:04月29日(木)09時19分45秒

説明ありがとうございます。

中島さんの言葉が足りないと思ったのではなく、私はむしろ、
どなたにでも説明が足りない部分というものは普通にあって、
それは悪いことではないのではないかと思って、質問させて
頂きました。
あちらの掲示板で「三枝はよく説明を省略して迷惑だ」的な
ことを言われましたので。
その意味では、ジャッカーの解説を単に「梅原が喜びそう」と
だけ表現した倉阪さんも省略型だし、「何が一致したか」の
「何」の部分を略した中島さんだって省略型だな、と、思った
のです。
お二人は知人とはいえ別々の人間ですから、読み違いが
発生することは普通でしょう。相手の読み違いがどこで発生
するか予想がつかないことも普通なのだと思います。だか
らといって、何もかも細かく厳密に説明していては話は進め
られないわけでして、それは全く知り合いとは言えない私と
その他の人達との間でも、程度の違いこそあれ、同じなの
です。
ですから、それを殊更に取り上げて騒ぐ人達の方がおかし
いのではないでしょうか?
人間同士が安易に、「互いに理解しあっている」と思うことも、
「この人は絶対に理解できない」と思うことも、いずれの側
も早計であり、極端な行動だという点で、まったく同じように
おろかなのだと、私は思います。

それにしても奇遇ですね。私も昨夜、「クリムゾンの迷宮」
と「女友達(ホラー文庫 新津きよみ著)」の二冊を一気読み
したところです。
何か縁がありますね……などと考えちゃうのは早計でしょ
う。売り上げ冊数と発売日からいって、昨夜「クリムゾンの
迷宮」を読んだ人間って、日本中に何百人もいるはずです
ね。

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こういうことです 投稿者:中島晶也  投稿日:04月29日(木)03時23分28秒

『クリムゾンの迷宮』を一気読みしてしまったので感想を書き込もうとしたら、
お客様が……。

>三枝様
 その節はどうも。

 えー、三枝さんが大森さんの掲示板で疑問を表明された食い違いはですね、
倉阪さんが風間賢二氏による『ジャッカー』の解説について、具体的にどの点
が梅原克文氏の気に入りそうなのか明記されなかったため、私が倉阪さんの意
図するところを読み違えてしまったのが原因でした。

 で、今回の「思い出したようにterrorとhorror」の「またもや同じ意見」と
いう表現ですが、ここで前提になっている意見の一致とは、もひとつ前の私の
発言「ジャッカーと言えば電撃隊」(我ながらアホなタイトルなので引用して
て恥ずかしい)に書いた『ジャッカー』についての感想についてなんです。こ
れは私の感想が、倉阪さんが「ジャッカー読了」に書かれている感想――

>> 確かに手堅くて文章も物語作りもていねいなのですが、どうも優等生のモダンホラー
>> といった印象で、あまり好みではなかったですね。むしろ音引き入りのミステリー・
>> サイドから評価される作品かと思います。

――とほぼ一致しているということでして、ここまで具体的に書かれたことで
すからまあ間違いなく大丈夫なはずです。そりゃあ優等生の定義が倉阪さんと
は違うかも知れないとか、細かいところまで突き詰めていくと食い違いはある
でしょうが、三枝さんとしてもそこまで厳密さを要求されているわけではない
ですよね?

 で、今回何がほぼ一致したと言っているかというと、倉阪さんのご発言「ワ
ープ完了?」に書かれている内容ぜんぶです。発言まるごとなので引用しませ
んけど、これも具体的なのでまず大丈夫なはずです。

 大森さんの掲示板での経過説明の後に「またもや」と書いたので、三枝さん
は私が大森さんの掲示板でのやり取りまで遡って「倉阪さんと意見が一致した」
と言っていると解釈されたようですね。 ところが私としては、倉阪さんとの
対話中最新の自分の発言が「概ね倉阪さんと同意見です」という趣旨のものだ
ったので、今回「またもや」と言ったつもりだったのです。

 公開の場でのやり取りではありますが、所詮は知人同士の対話でもあるわけ
でして、傍から見ているとアバウトなところがいっぱいでよく解らないことも
あるでしょうね。こちらとしても極力ギャラリーにも配慮しようと努めている
つもりなのですけど、至らない点も多いかと思います。

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ジャッカー 投稿者:細田  投稿日:04月29日(木)01時48分04秒

オレ的にはちょっとダメでした。最後にワルモノとか超能力系キャラが死ぬ(?)ときの
セリフには大笑い。今どきこれは無いだろ!

『奇蹟の輝き』(映画&小説)とイメージがダブりますな。

しかし、この値段はどこから出てきたんでしょうか。刷り部数かな、やっぱ。

http://www2c.biglobe.ne.jp/~hosoda/

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あのう…… 投稿者:三枝  投稿日:04月29日(木)01時11分42秒

》またもや倉阪さんとほぼ同意見です

その別の掲示板での御発言では、おふたり(倉阪氏と中島氏)は、
全然違った御意見だったように思うのですが。
「またもや」とまで言ってしまう前にもあった「ほぼ同じ意見」とは、
どれを指して、同じであったというお話なんでしょうか?
とりあえず、その解説に「突っ込みしたい」って部分?
お二人は、今回は、同じ部分を指して、「同じ意見だ」と仰ってい
るのでしょうか?

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思い出したようにterrorとhorror 投稿者:中島晶也  投稿日:04月28日(水)23時41分24秒

 先日、ジュンク堂梅田店でラドクリフの『ユードルフォの謎』(大阪教育図
書)を入手しました。といっても、全訳ではなくて抄訳とあらすじが入った研
究本なんですが(笑)。これを頼りにすれば比較的楽に原書が読めそうなんだ
けど、全2巻で計4000円はちょっときつかったなあ。それから、ネット上
の古書店を探し回ってようやく見つけた『イタリアの惨劇』(国書刊行会)も、
今日拙宅に届きました。あとはいつ読むかですね(笑)。

>倉阪様
 そういう書き方をされては、この掲示板しか読まれていない方には何の事や
ら判りませんよ(笑)。
 というわけで補足――倉阪さんの先だってのご発言「黒岩研「ジャッカー」
の解説」は、

>>アメリカ本国でモダンホラーが下火になってしまったのは(中略)一部の熱狂
>>的な読者しか喜ばないジャンル・プロパーの作家が数多く輩出されたことによ
>>る

 という箇所を指しているのだそうです。で、それを受けて私が、

>>と言われたって、日本じゃブロックバスター系のホラー作家しか翻訳されてな
>>いから、風間賢二氏ぐらい原書を読みこなせないと検証しようがないんですよ
>>ね。

 と某所で発言。その続きが「ワープ完了?」なのです。さて、そのお返事で
すが――またもや倉阪さんとほぼ同意見です(笑)。しかし、「検証不可能」
と放り出しておくわけにも行かないので、ちょっと調べ物をしてから詳しい話
をします。

 というようなわけで、また明日。

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ワープ完了? 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月28日(水)20時32分14秒

中島様
というわけで議論の続き・・・と言っても論証のしようがないですよね。
でも、向こうで娯楽型のモダンホラーが下火になったのはチャールズ・
グラントのせいでもラムジー・キャンベルのせいでもないと思うがなあ。
ジョン・ソールがクーンツ・タッチのつまらない作品を書いたのはほんの
少し責任があるかも(笑)。要するに、キングにはキングの、クーンツに
はクーンツのオブセッションがあるわけで、エピゴーネンが表面だけなぞ
っても読者はそのあたりに敏感に反応するでしょう。そちらのほうが原因
じゃないのかな。

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ジャッカーと言えば電撃隊 投稿者:中島晶也  投稿日:04月28日(水)00時24分49秒

 発言タイトルは昭和40年代生まれ限定です。

>倉阪様
 ただいま帰りました。置いてけぼりは怪談だけにしてくださいよ(笑)。
 巻き込むつもりは無かったのですが、正確を期したらお名前を挙げざるを得
なくなってしまいました。以後気を付けます。

『ジャッカー』、私も読了しました。概ね倉阪さんと同意見です。クーンツは
デタラメなところが良いので、クーンツを期待して読んだらがっかりするので
はないかと思います。だけど腕を上げたら、クーンツというより貴志祐介みた
いな作家に化けるかも。

 ※次は『クリムゾンの迷宮』、その次は『バトル・ロワイアル』、最後に<異
形>の時間怪談編を読んで、東京に行く予定。ほんとは古典も読みたいのだけ
どなあ。

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ああ驚いた 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月27日(火)23時30分14秒

中島様
びっくりさせないでくださいよ(笑)。
何のことかわからない方は大森掲示板をごらんください。

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ジャッカー読了 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月27日(火)22時42分55秒

中島様
確かに手堅くて文章も物語作りもていねいなのですが、どうも優等生のモダンホラー
といった印象で、あまり好みではなかったですね。むしろ音引き入りのミステリー・
サイドから評価される作品かと思います。個人的には「バトル・ロワイアル」の鬼畜
なセンスのほうに軍配を上げたいところ。
で、また解説ですが(笑)、どうもアメリカを基準に物を言われるのは腹が立つ部分
がありますね。和製ジャンル・ミックスの恩田陸がブレイクしているように、ジャン
ル・ミックスってクーンツ型だけじゃないでしょうに。

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このややこしい時に 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月27日(火)18時09分46秒

 オイシイ話題をふるんだもんなー。>鬼さん

>ところで「ホラー・ジャパネスク」の使い方はあれでいいんですか?
 良くありません。
 これじゃ、たんなる「ジャパニーズ・ホラー」の意味では?(ただ、ここの文章、
係り受けが曖昧で、小野不由美『屍鬼』のみを指すとも考えられないことはないけ
どね……)
 どうも勘違いしている方が多いようで、たとえば井上雅彦センセイも〈異形〉の
解説で「なぜ日本語で呼ばないのか不思議ですが」などと皮肉のつもりなのか、寝
ぼけた発言をしていましたが(笑)、そもそも「ジャパネスク」という言葉は「日
本風の」とか「日本的様式」を指すタームなのであって、別に気取ってカタカナ表
現をしているわけではないのですね(常識だと思うけど)。
 つまり「ホラー・ジャパネスク」とは、たんなる「日本のホラー」とか「和風ホ
ラー」という意味ではなくて、日本人にしか書けないようなオリジナリティをもっ
たホラー、あるいは、「日本的なるもの」の遺産継承に自覚的であるようなホラー
……と、いうような意味合いで、小生はこの言葉を用いております。
「自覚的」ってのがポイントっすね(笑)。

治田様
 ハイ、ほぼそんな感じでよろしいかと(笑)。
 律儀なレスポンスに感謝、です。

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蒸し返しですが 投稿者:フク  投稿日:04月27日(火)12時33分59秒

今更ですが、『グランド・ホテル』読了しました。恥ずかしながら『ラヴ・フリーク』
から以来、間を一冊も読まずに、すっ飛ばしでホテルに来ちゃいましたが、作品集全体
から感じたテンションは相変わらず高く、そのあたりは安心しました。

『チェック・アウト』については、偏狭であるとか以前に、メタフィクション的趣向を
導入することで「折角の作品世界をわざわざ壊してしまっている」という印象が強くて
他の方とは少し違った意味で、自分的にはダメでした。余韻を期待していた部分で、無
理矢理に「超」のつく現実まで引き戻されてしまい、ホラーを味わった後の独特の読後
感が完全に損なわれてしまいました。主張は主張として拝聴すべきなんでしょうけれど
も、方法としては失敗だと感じました。

返す刀で読んだ岡本綺堂の怪談短編集が目茶苦茶素晴らしく、余計厳しい意見になって
いるかもしれませんが。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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やはり…… 投稿者:中島晶也  投稿日:04月27日(火)01時42分32秒

>倉阪様
『ジャッカー』の解説、倉阪さんから何かリアクションがあると思ってました。
「マニアでなく一般の読者にとって面白い作品は」って、決めつけてしまうの
はどうなんでしょうねえ。いろんな本を読みたいという向上心のある読者だっ
ているはずなのに、そんな風に選択の幅を狭めてしまっていいのかなあ。
 即物的・視覚的なホラーはゴシック・ロマンスの時代から連綿とあるでしょ
とか、パルプ・ホラーはジャンル・ミックスだったじゃないかとか、『リング』
『黒い家』『屍鬼』はちっともジャンル・ミックスじゃないでしょうとか(『黒
い家』は本格サイコ・スリラー)、突っ込みどころが多いですね。

『ジャッカー』自体の方は、帯や解説には「和製クーンツ」(3人目?)とあ
りますが、半分ほど読んだ限りではクーンツよりも手堅く書いている感じです。

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黒岩研「ジャッカー」の解説 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月26日(月)23時54分11秒

まだ風間賢二氏の解説しか読んでいないのですが、梅原が喜びそうな文章でした
ね(笑)。モダンホラーとホラーをはっきり分けてくれるのはいいんですけど。
ところで「ホラー・ジャパネスク」の使い方はあれでいいんですか?(>東氏)。

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すみません。 投稿者:柏崎玲央奈/みらい子  投稿日:04月26日(月)22時49分36秒

改行入れ忘れました。
読みにくくてすみません。
http://www.twics.com/~hamada/sfseminar/

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SFセミナーの件 投稿者:柏崎玲央奈/みらい子  投稿日:04月26日(月)22時47分53秒

 SFセミナーのスタッフです。このたびは合宿企画への御出演を御快諾くださり、ありがとうございました。代表して御礼申し上げます。
 合宿からの参加の件なんですが、近年SFセミナー参加者はみなさん礼儀正しく真面目で、合宿から参加するケースはほとんどありません(昼の企画が終わる直前に来る例はあります。あ、昼の企画の受付も最後の企画の前には締め切ってしまいます>大森先生)。また宿泊には人数制限がございます。
 合宿への参加表明をされてる方には個別でメールを差し上げました。参加するつもりであるが、メールが来ていないという方はお知らせください。ホラー企画の時間は21:30〜23:00の予定です。
 またSFは身内に厳しいなどと言われてしまいますので(笑)、念のため、今回は特別の場合であることを明言しておきます。かたいことばかり言って申し訳ありませんが、御理解のほどお願い申し上げます。
 昼間の企画の篠田節子氏はホラーの名手でもありますので、可能でしたらなるべく昼間の企画から御参加いただければと思います。

 それでは、なにとぞよろしくお願いいたします。

SFセミナー事務局
柏崎玲央奈

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デート、デート、デート 投稿者:中嶋千裕  投稿日:04月26日(月)08時06分13秒

エー題名は、J-popの曲名です。

石堂様
 五月の半ばなら、ちょうどいいです。デートしましょう。積もる話がいろいろ。
 もちろん二人だ・け・で。
増田様
 クリムゾン自慢リスト、はやく、はやく。私は例のビルのサインだけよん。けけけ。
 来週、お金がはいったら、禁断のCD屋に行きますので、そうしたら、
 いろいろ書きます。
 BECKのコンサートに行きましたが、まあまあだったよ。
管理人様
 ラジャーです。

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発展阻害 投稿者:治田豪和  投稿日:04月26日(月)01時02分58秒

 東様
 補足説明を有り難うございます。
 いや、多分、そのあたりのことは自分でも頭の中で理解していた・・・と思
います。なにぶん相当な時間をかけないと、頭の中にある言いたい事柄とい
うものを、文字でも口でもきちんと明確に纏めて意図どおりに表現できない
もので(悲)。ゼミ発表で困ります。
 恐らく、編集者がマニア魂に走ってクトゥルーと出てれば何でもかんでも
収録してしまうようでは進展性はない、読者がものの善し悪しを見極める能
力を育む機会を奪って、悪い意味でのマニア性「のみ」を身につけて客観視
出来なくなるし、彼等が書き手となれば事態はさらに悪化する一方、という
事ですよね。
 前に挙げた例えは、何と言ったら良いのでしょうか、そのような風潮に毒さ
れた読者や編集者に対して極端な反感を抱く人が批評家、評論家、或いは
新たな編集者(注・東さんを指しているのではないですよ)に回ったとき、今
度はそのクトゥルーに対する過敏な反感が強い偏見となって、クトゥルー
即、閉鎖性、と考えるようになってしまう、言わば逆方向からの弊害とでもい
いましょうか、その様なものさえ生じてくる可能性があるのではないか、広
まっていけば両方とも結局は良作をも埋もれさせる可能性を生じさせ、ク
トゥルーを、もっと大きく見ればホラーの分野を制限し、萎縮させる原因とな
る(だろうから注意すべきなのでは)、というような極論的な意味を込めて書
いたのですが・・・。
 余計な例を出してしまったためにかえってわかりにくくなってしまいまし
た。どうもすいません(依然としてまだ私が何か勘違いしてたら嫌だな・・・)。

中島様
 ダークファンタジーの話、一解釈として頭に留めておきます。

 本の注文の話は、倉阪さんにした矢先とあっては肩身が狭い思いであり
ます(焦) 
 

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(無題) 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月26日(月)00時13分41秒

こんにちは、みなさん

中野さん
 さうですね。怪奇小説と云つても怖くないものの方が多いですね。怖くてなおかつ
文学的小説的に優れてゐるといふのはほんたうに稀有でせうか。

東さん
 なるほど、それぞれが超自然的存在に際会してゐるので複数ですか。それは考えま
せんでした。

               古典SFの例会があるのを忘れてゐた 西崎 拝

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情報 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月25日(日)22時42分17秒

岡本賢一さんのサイトに牧野修インタビューが掲載されています。
面白いよ。

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本の御注文は―― 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月25日(日)20時29分38秒

松本様
 え〜お尋ねの件ですが、アトリエOCTAの本を注文される場合は、最寄りの本
屋さんで(大学生協でも可)「地方小出版流通センター扱いの本」と指定して、書
名と版元名を伝えて注文すれば取り寄せてもらえます。
 直接購読を希望される場合は、アトリエOCTAに直接お問い合わせください。
電話番号は048−825−0683(FAX兼用)。とっても優しいお姉さんが
親切に教えてくれるハズですよ(留守電のときは臆せず用件・連絡先を吹き込みま
しょう)。石堂藍(=社長の川島)あてにメールで問い合わせてもオッケーです。
 なお、当企画室は販売業務には関与しておりませんので、小生あてのメールで注
文とかはしないよーに(笑)。
 ついでに告知を。いまだに混乱があるようなので確認しておきますが、『幻想文
学』は企画編集を幻想文学企画室(=東)が、制作発行をアトリエOCTA(=川
島)が分担しておりますので、東あてに営業関係の、OCTAあてに編集関係の郵
便物とかを送られますと、それぞれ受け渡しにかなりなタイムラグが生じてしまい
ます(特にOCTAの所在地は山梨県になっていますが、そちらには人が常駐して
いるわけではないので御注意ください)。
 ややこしくて恐縮ですが(笑)、何卒よろしゅうに。

 あ、それからミス研とホラー界の件、問題の根っこは全く同じだと思うので、苦
笑こそすれ、別に気を悪くしたりなんてことはないっすよ、御心配なく。

西崎様
 なぜ複数形か? ランダーとブリントンそれぞれに一匹(一人? 一頭!?)ずつ
出現するから複数なのでは……と単純に考えていたんですけど(笑)。

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あれ? 投稿者:松本楽志  投稿日:04月25日(日)19時55分06秒

こんばんは。
最近日記のネタがぜんぶここがらみなので困っています(嘘)

えーと、
こういう質問はメールですべきなのかも知れないのですが、
あの、倉阪先生の「怪奇十三夜」はどこへ注文したらいいのでしょう?
知り合いが欲しいと言ってるのですが。
東さんにゆうたらええのかしら?
(直接倉阪先生にゆってもしかたないっすよね?)

ISBNがないのでネットで注文が出来ませんでした……
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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一言だけ 投稿者:中野善夫  投稿日:04月25日(日)17時15分40秒

私は西崎さんの言葉に全然反感など感じてはゐませんでした。どうしてかなあ、
と思つただけでした。さういへばあまり怖くはありませんねえ。実は私は怪奇
小説を読むときにさほど怖さを求めないので、どこが怖いのか語る資格はない
のでした。

反感を抱いたやうな文章を書いてしまひすみません。本当は「防人」つてどん
な話だつたか全然覚えてゐなかつたんです。これを機会に読み直すことができ
て私にとつては有益でした。

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お返事 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月25日(日)15時25分23秒

倉阪様
 ノーコメント!(笑)
 正解者には抽選で、学研ムック版『クトゥルー神話大全』を進呈、なんちゃって。

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ウルフ難解なり 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月25日(日)14時24分21秒

こんにちは、みなさん

中野さん
 えー、じつは私にはこれほど紙数と時間を割くような問題とも思えない
ので、もうあまり時間はかけたくないのですが、どうも答えざるを得ない
ようですね。まず、私は確かに「どこが怖いのか判らない」とは言いまし
たが、「どこが面白いのか判らない」とは言っておりません。べつに面白
くなくはないのです。中野くんは好きということで、私の言葉に反感を持
たれたのかもしれませんが、そのあたりは趣味の違いということにして気
持ちを収めておいていただければと思います。そうしたレベルのことを話
してもあまり得るところはないような気がするので。私が「防人」をそれ
ほど買わない理由を一応記しておくと、短歌や俳句でいう「理に落ちる」
(べつに短歌や俳句だけではないのかもしれないですけど)感じを受ける
からです。もうひとつ付け加えておきますと、どちら側からの防人である
かについて明瞭な解釈を下すのはかなりの難事でしょうね。現実側の防人
だとすれば、ランダーとブリントンということで、"Guards"の複数形は納
得できますが、どうも全体の印象から、向こう側からの防人という感じで
ウエイクフィールドは書いているような印象を私は受けています。しかし
向こう側からきた防人だとしたら、なぜ"Guards"と複数にしているのか、
それは私も知りたいところです。たぶんちゃんとした理由があるのでしょ
う。慣用かもしれないし、先蹤があるのかもしれないし、アリュージョン
かもしれないし。しかし、このやりとりで「防人」を読み返したかたが、
おそらく五人ほどはいるのではないかと想像して何となくおかしくもあり
ますね。

東さん
 なるほど「ランダーの驕りと浅慮」ですか。そうかもしれませんね。原
文のほうが訳文よりランダーにたいしては寛容のようではありますが。

                          西崎 拝

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スーパーナチュラル・ホラー 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月25日(日)11時12分26秒

アメリカでは一般的な言い方ですが、「異世界ファンタジー」同様、とても
違和感がありますね。「推理ミステリ」とは言わないよなあ。

東様
単なるツッコミですが、別の単語って何ですか?
思いつかないんですけど。

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ダーク・ファンタジー 投稿者:中島晶也  投稿日:04月25日(日)09時31分27秒

 前発言で「考えるだけ無駄」と言いつつ『このホラーが怖い』にはダーク・
ファンタジーの解説を書いたりしているので、ちょっとフォローしておきます。
 最初に『このホラーが怖い』の依頼を受けたとき、私は担当編集者に「ダー
ク・ファンタジーの定義は混乱を極めており、私は実体のない単なる売り文句
だと思っているのだが、そう書いて良いのか?」と一応自分の意見を伝えては
みました。返答はやはりノーで、「『このホラーが怖い』はホラーに初めて手
を出したぐらいの層を狙った本なので、深すぎる話題は読者が退く。また、ス
ペースが限られているので、そんな込み入った事情を書くのは無理。ダーク・
ファンタジーと銘打って売られている本は現に存在しているのだから、それが
どういうものか大まかに説明して欲しいだけ」というようなことでした。
 自分が思ってもいないことを書くのは絶対に嫌なので少し迷ったのですが、
ここで私が断って誰かに「ダーク・ファンタジーはホラーを改革する新しいム
ーブメントで云々」とか適当なことを書かれては(注:特定の誰かを想定して
いるわけではありません!)初心者層に悪い影響を与えると判断、とりあえず
引き受けて、自分の主張と編集サイドの意向を両方満たすことに挑戦してみる
ことにしました。前発言の3類型のうち、2.と3.は噴飯物で論外であり、
また日本ではそれほど浸透していないのでカット。1.に焦点を絞って、「昔
からあるロー・ファンタジーのうちホラー寄りのものが、新たな名前で売り出
されているだけ。異世界ファンタジーばかりが受ける一方でロー・ファンタジ
ーの影が薄くなっていた反動に過ぎない」という趣旨で(その証明としてブッ
クガイドのトップにブラッドベリを持ってきました)表現を柔らげて原稿を仕
上げたのです。結局は「ダーク・ファンタジーなどない」と言っているのと同
じなので、一度は手直しを命じられるだろうと覚悟していたのですが、意外に
も担当編集者から一発で快諾を頂戴し、そのままの形で掲載していただけまし
た。
 そんなわけで、若干の省略こそあれ自分では主張は一貫しているつもりなの
です。

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要は作品の質でしょう 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月25日(日)05時52分44秒

治田様
 若干、小生の意図がうまく伝わっていない点があるように思うので、付言してお
きます。
 別にクトゥルー神話固有のアイテムが作中で用いられていようといまいと、それ
が作品の出来具合や評価に直結したりすることはありませんし、ましてや、クトゥ
ルー・アイテムがあるから即「閉鎖的だ」と決めつけられるわけではありません。
 小生が問題にしているのは、「クトゥルー神話」であることに、何の疑いも抱か
ず安住してしまうような傾向のことなのです。
 別の言い方をするなら「クトゥルー神話」であることを除いたら、同人誌レベル
にすぎない(なんて言ったら真剣に同人誌活動している方に怒られそうですが……)
凡作が、「クトゥルー」という看板を掲げることで、商品として流通してしまうよ
うな傾向を指します。
 幸か不幸か日本では、いまだ「クトゥルー」という看板が普遍性をもつまでに至
っていないので、これまでのところ良質の作品が過半を占めているのですが、今後
『秘神』のような試みが定着していくとしたら、そうした面に注意していくべきだ
ろう……ってな感じですか(ちなみに〈クトゥルー〉を別の単語に置き換えれば、
まさにいま現在のジャンル・ホラーが直面する問題に直結するわけですが……さて、
その「単語」って何でしょうね〜(笑)。なーんてコトをうっかり言うから、誤解
されるんだよな。>俺
 実際、「あ〜しょーもねー」とか思いながらも「ナイアルラトホテップ!」とか
叫ばれると、ついつい読んでしまう(笑)ようなことは、小生も大いに身に覚えの
あるところなので、要はそこに安住するのではなく、作者も読者も、常に新しいプ
ラス・アルファを求め続けること――それが「クトゥルー神話」という類稀なる発
明品を常にバージョンアップさせ、活力を持続させるための早道だと思うんですけ
どね。

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「防人」、それから平井呈一 投稿者:中野善夫  投稿日:04月25日(日)05時46分11秒

「防人」(Frontier Guards)といふ題名に疑問を感じたのは、屋敷の入口、あるいは屋敷
そのものが"frontier"なのだらうとは思つてゐたのですが、"guard"といふと中にある何
かを守る、領域を侵犯しようと来訪する者どもから守るものがあるやうな印象を抱いてし
まふのですが、この作品の場合には境界で待ち受けてゐる異界の者はゐてもその向かふで
守られてゐるものが見えないので些か落ち着かない気分であつたのです。でも、まあ異界
の者たちのしてゐることの動機を考へるなど野暮なことでせう。さういへば「野暮と化者
は箱根から先」といふ言葉が昔ありましたね。関係ないけど。
 西崎さんの<ランダーは「向こう側からきた防人」になつてゐる……のかもしれない>
といふのには同意しかねるところです。"Guards"が複数形だし。中に入つた人間が次々
と「防人」になるといふことならいいのですが、さうではないでせう。
 案内がどうかういふことは東さんのご意見を読んですつきりしました。さうですよね、
それ以上の意味はありませんよねえ。
 実は私はこの作品は好きなのですが、西崎さんの「どこが怖いのか判らない」といふ
のを読み、「一体どこがいけないんだ?」と疑ひの眼差しで読み返してしまつたのでし
た。私は視点が入れ変はる話が好きで、視点が変はつたと判つた瞬間のちょつと平衡感
覚が乱れるやうなくらくらした感じがたまらなく好きで、この「防人」もなかなかいい
作品だと思つてゐるのです。しかし、SFマガジンに伊藤典夫訳があつたとは。SFマ
ガジンは全部持つてゐる筈なのですが、手元にないので読めないのが残念。平井呈一訳
も手元になく埼玉の実家の方にあつて読めないのでした。ああ、本を沢山置ける部屋に
住みたい。

 私は平井呈一を崇拝してゐます。「超自然的なにおいのしない怪異小説は、私にと
ってはおもしろくも何ともない。」といふところは私も全く同感なのです。尤も「科
学がまだ見残している」といふのは、私は科学を生業としてゐるので「それとこれと
は別でせう」と云ひたいところですが。

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防人私感 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月25日(日)04時01分43秒

 ウエイクフィールド「防人」というのは――以下ネタばらしね――霊媒気取りの
アマチュア作家ランダーと霊感に恵まれていない友人のブリントンが、悪名高い幽
霊屋敷を探訪に向かい、結果的に「自分は別格」とタカをくくっていたランダーの
ほうが、より恐ろしい目に遭う……と、まあ、めいっぱい乱暴にまとめればそうい
う話ではないか、と。
「防人」というタイトルは、異界に通ずる屋敷の入口で、領域を侵犯しようと来訪
する人間たちを待ち受けるモノ(つまり本国=異界の外へ派遣されている妖物)、
に由来するのでしょう。
 中野さんが疑義を呈していらした案内云々の件は、要するにオカルト的および伝
聞情報的の両面において「自分は屋敷の事情に通じているから……」というランダ
ーの驕りと浅慮を示唆しているのではないかと小生は解釈します。
 この作品が読む者にイマイチ釈然としない読後感を与える直接の原因は、クライ
マックス直前まで通常の三人称の視点で語られているのに、屋敷に入った時点から
は、ランダーとブリントン、それぞれの視点に密着せざるをえない……それはまぁ、
作品の構造上やむをえないことなのですが、その手際がちょっと強引かな、という、
そのあたりに起因するように思います。
 しかし、幽霊屋敷物の定型を破ろうとする意欲と、ショッキングな幕切れの印象
は鮮烈なので、そんなに悪い作品ではないですよねぇ?
 ちなみに平井翁はこの作品について「私はこの人のものが好きで、セイヤーズの
アンソロジーで The Frontier Guards を初めて読んでいっぺんに共鳴し」とも述
べています(「海外怪談散歩」より)。よっぽど気に入っていたんでしょうねー。
 ついでだから、上記のエッセイより次の一節を引用しておきましょう。
「……もともと怪談好きの私には、SF傾向の怪異作品はどうも肌にあわない。怪
談好きというよりも、だいたい私はお化けと幽霊が好きなのであって、だから、古
いといわれようが何といわれようが、それの出てこない――あるいはそういう心霊
的な、超自然的なにおいのしない怪異小説は、私にとってはおもしろくも何ともな
い。(中略)つまり、人間というこの不思議な生物、発達した科学がまだ見残して
いる暗い分野、精妙な脳神経の世界、補足しがたい心理の密林、そういうものに懐
疑と興味をしかと踏まえている作家の書いたものでなければおもしろくないという
意味である。由来、怪談とはそういうもので、人を恐怖に誘うのも、この真諦への
思い入りの度合によるのだと思われる」
 これは1962年の時点での発言ですが、いま現在にこそ噛みしめるべき味わい
深い言葉だと思います。

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そしてクトゥルーも難しい 投稿者:治田豪和  投稿日:04月25日(日)03時28分24秒

 東様
 確かに過剰な思い入れが無いかといえば、嘘になるでしょうね(少なくとも
自分の場合)。
 私だって、ここでこうしてホラーの本質についていろいろ窺がったり、それ
を基にどのようにあるべきかなど、あれこれ自分なりに(特に最近ですが)偉
そうにも考えるようになった一方で、殊クトゥルーなんかについては未だ「楽
しければいいじゃん」的な、まるっきり深く考えない兆候が頭の中に同居して
いるも確かなのです(実際楽しくないもののもあるのですが)。クトゥルーに
関わっていれば「つまらなくても楽しい」「楽しければもっと楽しい」とでも言う
ような、それこそマニア的な思考が。そのあたりは頭の切り替えが必要で
す。
 そのノリでいくと、クトゥルーの楽しさは世界観の共有にあり、別個の作品
に、他作品の中で見られた名称や設定を発見してその繋がりを想像する楽
しさであったりするのです。 しかし別にこの段階では、東さんのおっしゃると
おり、難しくはあってもそのようなクトゥルー神話という大きな枠組みの中
で、己の世界をひろげ、自分の「色」を主張しながら良質なホラーを作り上
げる可能性は十分にあるものではないかと。それに極論じみた事をいえ
ば、ある作家がある優れたホラー小説を書いた、そのなかでは時に作者の
創作による不気味な書物や邪神の信仰、驚異といった類のものが濃密に
描かれてもいるが、それでいて既成のクトゥルーものの世界観に共通する
内容を見出せないとするとき、読者なり評論家なりがクトゥルーをリンクさせ
ることなく「すばらしい本格ホラーだ」と絶賛したくせに、あとから作者本人に
よる「これは自分オリジナルのクトゥルー神話小説だ」宣言が為されたり、あ
るいは同様に良質ホラーだが、既成の神話にリンクする続編なりが書かれ
たとたんにその読者、評論家がが閉鎖性云々を持ち出して批判側に回るよ
うならば、それはそれで偏見に彩られたうわべだけの「閉鎖性、クトゥルー
信者批判」の傾向が強いのではないでしょうか。もっともそのような偏見を
ふっとばすほどの「非マニアをも唸らせる」神話小説というのが出てくる方
が、話は早いですが。
 ちなみに私は秘神について以前ここで述べたような意見を持ちながらも、
オリジナルの土地を舞台としての各作家の連作というアイデアはとても面白
いと思いましたし、朝松さんの話のような「時代ものクトゥルー」というものも
クトゥルーファンとして本格的なものを是非見てみたかったものですし、斬新
さ、楽しさを素直に感じましたよ。

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それで進まないのか 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月24日(土)23時47分04秒

いま書いている短篇が進まないのは、ホラーではなくダーク・ファンタジーだ
からだとふと気づきました。でも、感覚としてはわかるんですけど、具体的に
どう違うのか書いている本人にも説明できないので(笑)、やはり考えても無
駄でしょう。
なお、一つ前の書き込みは作家モードでの発言でして、ダーレス以降を評価し
ていないというわけではありません。念のため。

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精進を誓へること 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月24日(土)22時15分47秒

こんにちは、みなさん

左耳さん
 情報ありがたうございます。伊藤氏が訳されてゐたことは知りませんで
した。伊藤氏が自分の好みでウエイクフイールドを選んだのかどうかは興
味深いです。SFマガジンの怪奇小説特集号はほんたうに意外なものが訳さ
れてゐたりするのですよね。平井呈一は嫌はれることも少なくないので、
その時の伊藤氏の口調が挑戦的になつてゐたとしても驚くにはあたらない
でせうね。平井呈一は好き嫌ひの明瞭に分かれる訳者だと思ひます。しか
し、ついでに以前の自分の訳を読みかえしてみたところ怪奇小説の文章と
しては平井翁のそれに遠く及ばないことを発見してしまひ聊か憮然として
をります。精進しなくては。

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通りすがりの者ですが… 投稿者:左耳  投稿日:04月24日(土)20時57分04秒

始めまして。この掲示板はいつも楽しく拝見させていただいてます。皆さんの議論に触発され「秘神」を読んでみて驚きました。巻頭の「襲名」はどえらい傑作ではないですか。間然することのない語り口に圧倒されました。触手と金歯が前後して出るところなどすばらしい。この傑作に誰も触れていないのが残念で、ついつい書きこみをしてしまいました。
 また「防人」ですが、SFマガジンの古い号に伊藤典夫訳で載っています。翻訳あとがきに「先行訳としては平井呈一訳がある」と若干挑戦的な形で書かれていたので何か新しい解釈があるのかもしれません(僕自身は読んでいません)。とっくにご存知のこととは存じますが老婆心までに…

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こんなことをしている暇はないのですが 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月24日(土)16時48分53秒

こんにちは、みなさん

中野さん
 うーん、また面倒なことを。
 しょうがないのでもう一回読み直してしまいました。まあ、自分でも気に
なるし、「F・マリノス対アントラーズ」を見ながらだからいいのですが。
 ホストであるウィリー・ランダーの性格に何かしらあるような気もします
ね。「赤い館」と随分共通点があるのですが、ウィリー・ランダーも借り手
が屋敷を見にくると、借りないように忠告を与えているようですね(呈一訳
ではそのあたりうまく訳されていないかな)。そして自分では「屋敷のなか
に足を踏み入れていない」と言っていますね。にもかかわらず中野くんが言
うようにブリントンに「なかに入ったことがないのならどうしてなかを案内
できるんだい」と訊かれて「そのことについては心配することはないよ」と
答えますよね。しかし後のほうでその理由らしいものは出てきません。それ
からランダーがブリントンに向かって"if you are psychic"ならば屋敷の雰
囲気はすぐに君に影響を与えるだろうと言っています。この部分の"are"は意
味ありげにイタリック体になっています。またランダーは、自分は屋敷の影
響を受けるとトランス状態に、時間と空間が歪められたような状態になると
話しています。そして「自分たちは屋敷に入ると"a frontier"を越えるだろ
う、と言っています。タイトルはこのあたりからでしょうか。そしてランダー
は屋敷のなかに入ると、"something"がすぐに迎えにやってきます。そして
知っているはずのない、死体が発見された場所などの細々としたことを饒舌
に喋りますよね。もしかしたらここですでにランダーは「向こう側からきた
防人」になっているということをウエイクフィールドは言いたいのかもしれ
ません。私の解釈力が足りないのか、それともウエイクフィールドの出来が
これはあまりよくないのか、何となく疑問の残る感じです。ブライラーも
「二人は離ればなれになり、それぞれ話しかけていたのが思っていた相手で
ないことに気づく」と粗筋を述べていますね。
 SFセミナーはほかにも知合いがたくさん行くようなのですが、クラシッ
ク・ゴースト・ストーリーの翻訳者がいるような場所はないような気がする
のでまず行かないかと思います。残念な気もするのですが。F・マリノス同
点に追いつきました。

                            西崎 拝

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ファンタジーも難しい 投稿者:治田豪和  投稿日:04月24日(土)16時39分50秒

中島さん、中野さん
 詳しい解説に感謝いたします。
 なるほど、もとから特にダーク・ファンタジーはかなり定義が難しいのです
ね。
 きっちりホラーと分ける人もいれば、ホラーでもSFでも、ともすればファン
タジーになってしまう場合もあると(笑)。
 エピックは察するに取り巻きの動向や、大きな状況変化や時間の流れが大
事なのですね。
 ホラーなエピック、楽しいかも。

 

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皇室列車はたまに走る 投稿者:橋詰久子  投稿日:04月24日(土)15時14分32秒

大森さま
 丁寧なご案内ありがとうございました。当日なるべく早く到着する
ようにいたします。訳わからぬまま勝手なこと書いてしまいまして申
し訳ありませんでした。

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私は小乗仏教徒です 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月24日(土)11時52分07秒

Cthulhuに関してですが、基本的に私はダーレス以降はどうでもいいと
思っています(暴言)。それに、アザトースやヨグソトースのほうがず
っと偉いはずなんですよ。まあこのあたりは今年出す予定の出版芸術社
の書き下ろしをお楽しみに(思いきり地味かも)。
niftyの会議室を発見して最初のほうを読んでるんだけど、学研の影が
薄いなあ(笑)。

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しつこく「防人」について 投稿者:中野善夫  投稿日:04月24日(土)11時34分14秒

お前は何も判つちやゐないと云はれそうですが、「防人」について質問が
あります。そもそも何故「防人(Frontier Guards)」なのでせう。「防
人」とは何を指してゐるのでせう。それから、ブリントンが「一度も中に
入つたことがないのに案内できるのかね」とランダーに訊ねると「そんな
ことは気にしなくていい」と答へるのですけれども、これは何故? どう
して気にしなくていいのでせうか。私は気になるのですけれどね。別に深
い意味などないのかなあ。

ところで、西崎さん。忙しいのに「防人」を原文と平井呈一訳とで読み比
べたりしてゐていいのですか。そんな暇があるのだつたらSFセミナーに
でも行きませう。

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ファンタジーの分類 投稿者:中野善夫  投稿日:04月24日(土)11時13分22秒

おや、どうして私の名前が、中島さん?

××ファンタジーといふ分類はそれこそ無数にあつて、そしてまた中島さんが
ご指摘のとほり色々な意味で入り乱れてをり、考へると疲れるので私はあまり
考へないやうにしてゐます。中でも判らないのがダークファンタジーですね。
私は未だにこれが何だかよく判らないのです。困つてゐます。昔、SFセミナ
ーで「ダークファンタジーとホラーつて違ふの?」と訊いたら回りにゐた人た
ちに「違ふに決まつてゐるだろ!」と莫迦にされた暗い思ひ出があるくらゐで
す。

といふ訳で私は頭を混乱させないやうにファンタジーについての原稿を書くと
きには極力××ファンタジーといふ分類は使はないやうにしてゐます。せいぜ
い「異世界ファンタジー」くらゐでせうか。これは使ふときに密かな嫌悪感を
込めてしまふので控へてはゐるのですが。

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深い意味はないのです 投稿者:中島晶也  投稿日:04月24日(土)07時32分51秒

>倉阪様
 生業が不動産関係なので、「領土問題」と聞くと反射的に燃えるんです(笑)。
職業病みたいなものですね。不動産屋で名前が「あきや」(「まさや」ではな
いのです>皆様)ってのは、なかなかイカすでしょ。

>治田様
 ヒロイック・ファンタジーの話は私の単なる個人的なこだわりであって、異
論というほどのものではないです。あんなことを言っているのは、世界中で私
だけかも知れません(笑)。
 ファンタジーの分類は、非常にややこしいのでたいへんです。倉阪さんの解
説されたハイ←→ローの2つの極の間で、ヒロイック、エピック、ダークその
他が複雑に重なり合って分布しているんです。
 ヒロイック・ファンタジーはハワードの「コナン」シリーズが元祖で、最初
は「コナン」の模倣作――ムキムキマン(←古いな)が魔法使いと戦うような
お話――を指したのですが、マイケル・ムアコックの「エルリック・サーガ」
(主人公が軟弱な魔法使い)が出てきて以降、ハイ・ファンタジー一般との境
界が極めてあいまいになりました。あ、それと作品の舞台については、ヒロイ
ック・ファンタジーは必ずしも異世界とは限りません。さらにバローズの火星
シリーズみたいなデタラメな(そこが魅力)スペース・オペラを、ヒロイック
・ファンタジーに分類してしまう論者もいます。
 エピック・ファンタジーはその名の通り、叙事詩的スケールのファンタジー
ですね。ハイ・ファンタジー、ヒロイック・ファンタジーの中に入りますが、
主人公が一匹狼の風来坊だったりすると×です。

 基本的にこの手のサブ・ジャンルの分類というやつは、評論家が勝手に線引
きを変えちゃったり、版元が適当なレッテルを貼って売り出したりするので、
真剣に頭を悩ませても徒労に終わることが多いです。
 その最たるものがダーク・ファンタジーで、

 1.ホラーとファンタジーの境界領域の作品
 2.T・E・D・クラインやC・L・グラントなどの渋い本格モダンホラー
 3.V・C・アンドリュースなどのサイコ風味の現代ゴシック・ロマンス

がどれもダーク・ファンタジーだというのですから、考えるだけ無駄というも
のでしょう。

 というような感じでよろしいでしょうか、中野さん?

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おっと失念(笑) 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月24日(土)06時51分06秒

中島様
>お昼の12時に書き込みというのは、起床直後ですか? 就寝直前ですか?
 起床直後です(笑)。
 そして今は就寝直前。
 それではおやすみなさーい。

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ルルイエが浮上する日 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月24日(土)06時39分51秒

治田様
>クトゥルー作品集と銘打つからには、もっとその部分を強調してほしかったので
>す。今回のような話だったら、別に「クトゥルー」としなくても良い感じのもの
>が多いではないですか。
 ほとんど同じ意見を、この分野での先駆者のひとりである某作家氏(特に名を秘
す)も口にされていました。マニアの共通見解かもしれませんね。
 マニアックであるからといって閉鎖的になるとは必ずしもいえない、というか、
むしろマニアックでありながら同時に非マニアをも納得させ魅了するような方向を
模索するしか、「ルルイエ本格浮上」の道はないと思うのですが(笑)。難しいこ
とかもしれませんが、決して不可能ではない。たとえば倉阪鬼一郎という人の『赤
い額縁』は(クトゥルー神話とは違いますが)、そういう二律背反を止揚しえた好
例でしょう。
 ちなみに、とあるギャラリーの方から、クトゥルー問題に関して、次のような御
意見をいただきました。

「ホラーの人というのは皆、クトゥルーに過剰な思い入れがあるようですが、私か
ら見たら、大昔の作家が作った古臭いコンテンツでしかないのです。後の作家が書
いてるクトゥルー神話なんて、要するに、他人の設定を拝借してあーだこーだやっ
てるだけで、オタク的遊び以上でも以下でもない。そんなものをさして『秩序の破
壊』だなんて、『笑わせてくれるぜ』って感じなんですけど。秩序からはみ出した
つもりが、結局、ホラー者の連帯という秩序を求めてるだけじゃないですか。クト
ゥルー信者の方には、そういう胡散臭さを感じちゃって、どうもシラけます」

 極論だけど、痛いところを突かれたな、って感じしませんか(笑)。こういう外
部の意見にも、何らかの形で応えていかなければいけないように、小生は感じてい
る次第。

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ことなかれ主義より内部抗争を!? 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月24日(土)06時36分11秒

森様
 お世話をかけております。そのスケジュールにて、よろしくお願いいたします。
 しかし、進んで自己申告されるとは、まさに執筆者の鑑! 見習ってほしい方が
あそこにもここにも……え? 真っ先にオマエが見習えよ、って!? そうですね、
すみませんすみません。>関係各位

中島様
>ところが評判になってるのは、むしろ是々非々の「非々」の方なのでは?もちろ
>ん下世話な話を喜ぶ不逞の輩(私も人のことは言えないなあ)が悪いのですけど、
>それを見越したバランス配分というのもありなのではないでしょうか。
 いや、まさに「バランス」を考えるからこそ、小生は〈異形〉には特に厳しく対
しているんですけどね。他に批判らしい批判が出てこないというのが、そもそも不
思議なわけで。SFサイドからの批評を見ても、ほぼ全面称賛じゃないですか(毎
度のことだけど)。
 小生としては、〈異形〉の評価すべき点はキチンと強調しているつもりなのです
が(たとえば『このホラーが怖い!』での国内作品総括を御参照ください)、結局
のところ、外野が面白がるのは「非々」に集中してしまうんでしょうねぇ……。
 実はあるギャラリーの方にも「ヒガシ氏がいくら言葉を尽くして説明しても、外
から見たら〈内部抗争〉にしか見えない」と辛辣なことを言われまして(笑)。そ
うなのかもしれません。小生の批判の鉾先が、ジャンル・ホラーの内輪ボメ体質改
善/意識改革(!?)という内向きのベクトルのものであることは確かですしね。で
も、そうやって恥を露呈してでも、問題提起を行わなければいけない時期というも
のがあると、小生は思っています。そして、日本のジャンル・ホラーにとっては、
今がその時期だろう、とも。
 もちろん「内部抗争」にばかり明け暮れていてはどーしよーもないですけど、決
してそんなことはないと思うんですよ。
 ちなみに本日、「ホラー・ノワール」と銘打たれた朝松健氏の『夜の果ての街』
が届きました。1600枚の大長編です。まだ読んではいませんが、新境地開拓へ
の気迫がひしひしと伝わってくるような本です。『秘神』にはアタマを抱えた小生
も、こういうのを見ると思わずニコニコしちゃいます(笑)。
 要するに、言うべきことは直言しあったうえで、作家は作家としての、評論家は
評論家としての本業に緊張感をもって取り組めば、それこそ結果的にジャンル・ホ
ラーの真の浮揚へとつながると思うのですよ。
 これは中島さんの言う――
>そういう形で競い合っていただくと、読者としてはとても嬉しいです。議論も必
>要だけど、やはり実践が一番ですよ。
 に、つながりますよね。
 まあ、詳しい戦略はSFセミナーの夜にでも!(お目にかかるのが愉しみっす)

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レスです 投稿者:治田豪和  投稿日:04月24日(土)03時56分06秒

倉阪様
 ファンタジーについてのご教示を有り難うございます。中島さんの異論な
ども含めて参考になります。この分け方でいくと、私の認識はかなりハイ・
ファンタジーに寄っていたようです。ホラーの気があってもハイ・ファンタ
ジーが絡むとアクション性が濃くなってしまうというのは同感です。
 でもダーク・ファンタジーについてはで敵を圧倒し、倒してゆく爽快感に比
べて主人公の切羽詰まった恐怖感が強かったり、物語全体の雰囲気として
その世界の現実を侵犯する恐怖、怪奇性が出張っていたりするとき、異世
界でのヒロイックファンタジー +ホラーであっても、怪奇アクションというより
ダークファンタジーというように感じていました。
 エピック・ファンタジーというような言葉もどこかで聞いたような気が、、、。

東様
 連帯感と閉鎖性の見極めが、良く分かりませんがともすればホラー執
筆業に常に関わっていることでかえって鈍ってしまう人もいるのかもしれま
せんね。東さんが前書いていたような読者や批評家の様々な意見を公表す
る場として、それらが同時掲載されるアンソロジーでもあれば効果的でしょ
うか(スペースの問題がありますが)。
 秘神に対するあの時の私の意見は、クトゥルーとしてみた場合のマニア
的な部分が入っているので、あまり純粋にホラーとしてみた場合は参考に
ならないかも(笑)。一番恐いと思えたのは「ウツボ」の、チンピラに絡まれる
話を描いた現実的な恐怖だったりします。
 要するに、クトゥルー作品集と銘打つからには、もっとその部分を強調し
てほしかったのです。今回のような話だったら、別に「クトゥルー」としなくても
良い感じのものが多いではないですか。安易に神話アイテムや用語を出し
ても作品としてはなかなか上手く行かないのだろうとは思いますが、それでも
「クトゥルー神話」作品集であるのなら、神話の邪神なり、その周辺の諸々のコンセプトなりをもっと明確に絡めて、そこに強烈に踏み込んでほしかった
という。日本人作家がクトゥルーを書くと、神話作品とはいいつつもどうもその
「濃度」が薄いのが多いように感じます(もしくはSF、ファンタジーに走る)。ど
うせならもっと濃い神話作品集がみたいと思ったのです。(ヨイショではあり
ませんがその点「クトゥルー倶楽部」など、神話の影がはっきり認識できる
良い特集、作品集であったと思います)。
 と、これこそ「連帯感と閉鎖性の紙一重」に注意すべき話ではありますが、
これが一つのマニアとしての意見であります。

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レス忘れました 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月24日(土)00時40分53秒

森様
はじめまして。よろしくお願い申し上げます。
藤原さんのほうからストリブリングの第二期のテキストが揃ったら「ポジオリ教授の
復活」を出そうという話もあります。現状ではあまり考えたくないのですが(笑)。

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「防人」あれこれ 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月23日(金)23時40分13秒

こんにちは、みなさん

中野さん、吉村さん

 "Frontier Guards"の原文と平井呈一の訳文をつきあわせて読んでみま
した。細かい箇所の誤訳、ケアレスな誤訳が散見せられましたが(quite
と not quite の取り違えなど)大筋では呈一訳の通りでした。訳文を読
んだ時、ウエイクフィールドにしてはどうもポイントレスな話だなと思い、
訳のせいにしてしまったのは誤解だったようですね。話の眼目はブリント
ンが三階の窓を見上げているあいだにランダーが鍵を開けて屋敷のなかに
入るところから、二人の視点が分かれるところで、その辺りの微妙な面白
さを私は訳文を読む時にうまく汲み取れなかったようです。視点がブリン
トン、ランダーとふたつに分かれる箇所は、原文で一行空けになっていて、
訳文ももちろんそうなっているのですが、まずいことにちょうどページの
最後にその空きがきてしまって、一読した際にはつながっているように読
めてしまったことも影響しているでしょうか。『怖いはなし・気味のわる
いはなし』(表記うろおぼえ)で読めばよかったのでしょう。
 ウエイクフィールドは比較的読みやすい文章ですよね。またいつか訳し
たいと思いました。

森さん

 今日、留守番電話に担当の編集氏からの伝言が入っておりました。この
身を憑座と変えベンスン氏の霊を降ろして翻訳に携わりたいと思います。
よろしくお願いいたします。

                          西崎 拝

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私はコウモリです 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月23日(金)21時58分17秒

中島様
ご教示ありがとうございました。道理で何もメールが来ないはずだ。
通知を出すのも忘れてたしなあ。
ところで、「領土問題では一歩も譲りません」とありますが、何を譲らないので
しょうか(笑)。大森さんは私よりホラー原理主義者でSFの人だから「パッケ
ージはホラーだけど、あれもSFこれもSF」という方向で進むと思うんですよ。
で、そこは気前よく返してあげて(笑)、代わりにSFの名作をホラーにもらお
うかと考えているのですが、まあ成り行きですね。
なお、話に出ると思うので、目下「バトル・ロワイアル」を読んでます。666
ページねえ、また似たようなことを・・・。

管理人様
カメラはいっさい持っていません(笑)。

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行間を読むに 投稿者:フク  投稿日:04月23日(金)21時46分27秒

 SFセミナー、お金さえ払えば正々堂々?潜り込めないこともなさそうですね。
 隅っこでひっそりとしていよう。(出来れば)それよりホントに行けるのかどう
 かということに。
 大森さま、詳細をどうもありがとうございます。

 ということで橋詰さま
 をを、なんか楽しみでごわす。

 管理人さま
 1,000アクセス、おめでとうございます。

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SFセミナー 投稿者:管理人  投稿日:04月23日(金)21時02分32秒

参加者の方に管理人からのお願いです。
チャンスがあれば、合宿場面の写真を撮って残してくださいね(デジカメ、写真紙焼きどちらでも可)。
前回の恐怖の会は、ここのページ開設以前だったし、開設意志確認が目的ででかけたので、
僕はデジカメもっていかなかったんです。
今回は、現在のウェブに十分容量があるので、写真データを入れたいと思います。
写真データを公開する程度でしたら、オーケーですよね>大森さん、事務局の方。

アクセス1000人目の方、管理人まで連絡お願いします。よろしく。

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ありがとうございます 投稿者:中島晶也  投稿日:04月23日(金)20時58分30秒

>大森様
 では、ご厚意に甘えて合宿企画から参加させていただきます。
 参加費はきっちり11,000円支払いますよ。その換わり、領土問題では一歩も
譲りません――なんて強気なこと言って、夜中に外へ放り出されたらどうしよ
う(笑)。
 ところでバカなことを尋ねますが、会場内に風呂、もしくは近辺に銭湯はあ
りますでしょうか?

>東様
 お昼の12時に書き込みというのは、起床直後ですか? 就寝直前ですか?

>>  引用が何度も重複するのは煩わしいと思うので省略しますが、そういう形での
>> 「利用法」なら、すでに評論家パートでは実践しているつもりなんですが(笑)。

 東さんがそういうつもりで批評に取り組んでいらっしゃるのは承知していま
す。ところが評判になってるのは、むしろ是々非々の「非々」の方なのでは?
もちろん下世話な話を喜ぶ不逞の輩(私も人のことは言えないなあ)が悪いの
ですけど、それを見越したバランス配分というのもありなのではないでしょう
か。

>>  そういう意味ではなくて、〈異形〉は〈異形〉で頑張っていただいて、もっと他
>> の性格を有する「器」を、同時多発的に用意していく必要があるだろう……という
>> ことですな。

 そういう形で競い合っていただくと、読者としてはとても嬉しいです。議論
も必要だけど、やはり実践が一番ですよ。

>>  まんま、です(笑)。得がたいキャラクターであります。「作家」としては、そ
>> れで何の問題もないんだけどなー。

「チェックアウト」にも、作家であり編集者でもあることの葛藤について触れ
られていますし、井上氏ご自身もいろいろと考えていらっしゃるようです。そ
れは何らかの形で、今後の<異形>に反映されるはずだと思いますよ。

>倉阪様
 ふと気が付いたのですが、掲示板に表示されてるメールアドレスの2番目の
kが全角文字になってますね。ひょっとしたら、それではメールが届かないか
も?

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ご連絡 投稿者:森 英俊  投稿日:04月23日(金)20時35分41秒

東さま、
 ジョン・サイレンスやら、カーナッキやら、フラックマン・ロウを読み、20年
前に『ミステリマガジン』に訳載されたブリーニイの評論を再読、どうにか構想が
まとまってきました。あとは『火刑法廷』を再読し、25日か26日には原稿をお
送りできると思います。
 ちなみにカーといえば、翔泳社の『グラン・ギニョール』に入っている「悪魔の
銃」は純粋なホラー短編です。21歳のときの作品とは思えない、完成度の高さな
のでは?

西崎さま、
 藤原氏経由で話をさせていただいた某社のアンソロジーの件ですが、ベンスンは
収録がきまりましたので、翻訳のほう、なにとぞよろしくお願いします。いずれ、
某社経由でご連絡がいくはずです。

倉坂さま、
 野村氏のほうからメールにて連絡させていただいた翻訳の再掲載の件ですが、こ
ちらもやはり収録されることになりました。やはり、上記の某社からそちらにご連
絡が入ると思いますので、よろしくお願いします。

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(無題) 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月23日(金)12時00分34秒

福井〈原稿進んでますか?〉健太様
>こういう認識で良いのでしょうか?
 良いです。
>他人の作品に関してまで、読者の読み方を誘導しかねない介入をしてしまうのは
>ちょっと。最初から全体主義的な発想で作っているのだという解釈も有り得るの
>でしょうが、だとすれば「作家に介入しすぎる編集者」にも似た印象は否めない
>し。「チェックアウト」という文章は、良くも悪くもその集大成的なものだった
>んでしょうね。
 そういうことなんですね。オリジナル・アンソロジーというのは「雑誌」に限り
なく近いメディアだと思いますが、雑誌の編集者が編集後記とかで各作品の読み方
を規定するなんて、通常ありえないわけで(笑)。まあ〈異形コレクション〉は、
その名のとおり、井上雅彦という一作家が、自分の培ってきた人脈(ホラー系、S
F系、ショートショート系、ヤングアダルト系)に呼びかけて、彼の趣味嗜好に合
致する作品をコレクションして成り立っているものですから、全体主義も合意の上、
なのかもしれませんがね。

松本様
>それにしても東さんの書き込み熱意はすごい(笑)
 そうかなぁ。批評活動の一環として、インターネットというメディアがどういう
形で有効かを確認する試み、とワタクシ的には位置づけているので、いちおう気合
い入れてはいますが。起床直後&就寝直前の眠気覚ましに書いてる、という実用的
側面も否定できないかな、と(笑)。

>東さんの危惧というのは、ホラーを読まない人間には「チェックアウト」が僕が
>思ったような「あれはないだろう」感を感じさせてしまうんではないか。そして
>それは、ホラーの未来としていかかがなものか、という二段階の意見ですよね
 ほぼ、そんな感じでオッケーかと。まあ「チェックアウト」そのものが問題とい
うよりも、あの作品に象徴されるジャンル・ホラーの一部の傾向について憂慮して
いるわけですがね。

中島様
 引用が何度も重複するのは煩わしいと思うので省略しますが、そういう形での
「利用法」なら、すでに評論家パートでは実践しているつもりなんですが(笑)。
 それと「傑作選型のアンソロジーのネタ本にしちゃうってのはどうでしょう?」
ってのは、何年か先の話としてなら可能でしょうが、現時点では不可能だし、あま
り意味がないでしょう。廣済堂さんは〈異形〉を自社資産として徹底活用する方針
みたいだし(それは出版社として当然の戦略ですけど)。
 また、祥伝社文庫の『さむけ』を見ても分かるように、既成の文芸系出版社によ
るジャンル・ホラーの取り込み作業も、ようやく本格始動する気配ですしね。しか
し、あの本、帯背には「ホラー・ニューウェーブ」とあって(どこかで聞いたよう
なネーミングだぞ)、目次を開くと、これまたどこかでおなじみの名前が並ぶ……
こういう形で「商品化」は進められてゆくのね、と若干の感慨をもよおした次第。
 ですから、すでに状況は「ポスト〈異形〉」へ向けて動き出していると考えたほ
うがいいんじゃないですかね。
 あ、また無用な誤解を生むといけないので付言しておきますが、上記の発言は
〈異形〉の役割が終わったと言っているのではありません。〈異形〉には今後とも
ジャンル・ホラー短編の供給源として半永久的に機能してもらわないと困ります
(真剣に、そう思います)。
 そういう意味ではなくて、〈異形〉は〈異形〉で頑張っていただいて、もっと他
の性格を有する「器」を、同時多発的に用意していく必要があるだろう……という
ことですな。

>「陶酔」は井上雅彦の作風のキーワードという気がします。ちょっと芝居がかっ
>た大仰な感じが全体にあるのですけど、そこを楽しむものなんじゃないかと(お
>目に掛かったことはないのですが、ご本人もそんな雰囲気なのでしょうか?)。
 まんま、です(笑)。得がたいキャラクターであります。「作家」としては、そ
れで何の問題もないんだけどなー。

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SFセミナーの緊急避難的参加方法など。 投稿者:大森望  投稿日:04月23日(金)09時01分30秒

 多数のご参加表明、ありがとうございます。

「SFセミナーの申し込みが締め切られた」と誤解してらっしゃる人もいるみたいですが(←なんとかしてとメールが来た(笑))、締め切ったのは事前申し込みだけです。

 当日参加はまだ余裕があります。合宿のみ参加っていうのは、公式的には存在しないの
ですが(宴会コンベンションにしたくないという最後の良心らしい)、合宿所に行ってし
まえば勝ちだというのは用意に推察できるところであります。

 参加費は、昼間のみが4000円、合宿込みが11000円なので、合宿だけなら7000円だろう
というのが常識的判断ですが、公式の料金体系が存在しないのでよくわかりません(笑)。
まあ、最悪でも、バリューセットを買ってポテトを捨てる自由はあるはず。
 なるべくなら昼間からご参加いただきたいところですが←とか書いてないとスタッフに
怒られそうだ(笑)、よんどころない事情で合宿のみ参加の方に関しては、柔軟な対応をす
るようスタッフに交渉しておきます。

「宿泊」するつもりはないので合宿費は払いたくないとか、合宿費を払うと連休が越せな
いとか、そういう方は別途メールでご相談ください(福井健太不可)。

 倉阪さんとミーコさんと東さんは公式ゲスト扱いですので、もちろん参加費の心配は無
用です。中島さんと笹川さんも、ゲストとして申請してあります。参加費を払ってくださ
ると言えばスタッフは泣いて喜ぶでしょうが……赤字が黒字か、ふたを開けないとわから
ないコンベンションなので(^_^;)

 なお、合宿所に「部屋割り」はありません。日本旅館の畳部屋(修学旅行なんかで使う
ような旅館です)に男性部屋・女性部屋の区別のみがあり、雑魚寝です。しっかり寝ない
とダメな方は、お誘い合わせのうえで、はやめに布団を確保しておくことをおすすめしま
す。
 夜食等はある程度用意されていますが、食事はすませてからいらっしゃるほうが無難で
しょう。まあ、徒歩十分圏内にコンビニなんかはありますが。

 よく考えたら「合宿コンベンション初参加」な人が多いでしょうか? ホラーなコンベ
ンションやってもよさそうだけど。

 なお、くれぐれも申し上げておきますが、この発言は、「合宿からの参加」を奨励する
ものではありません。可能な限り、全逓会館から参加されることを強くおすすめしておき
ます。
全逓会館会場では、終日受付が開いてますから、午後5時までなら申し込み可能です(そ
のあとぞろぞろ食事に行く感じ)。

 あと、東さんと倉阪さんは、合宿オープニングでゲスト紹介がありますので、可能なら
8時までにおいでください。

 合宿の正規の受付は、夕17:45-19:30 です。ただし、7時ぐらいまでは食事タイムなの
で、合宿所にはスタッフしかいないと思います。直接会場にいらっしゃる方は、19:30到
着を目安にされるとよいでしょう。
 これより遅くなると入れないってことはないんですが(そんな杓子定規なコンベンショ
ンではない)、受付担当者がいなくなってる可能性はあります。

 と、これでいいのかな? スタッフもここ見てるはずなので、まちがってたら書いてね。

 その他、質問がありましたらどうぞ。

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「チェックアウト」私感 投稿者:中島晶也  投稿日:04月23日(金)08時09分35秒

 私の好みではないけれど、批判しなくてはならないほど酷いとも思いません
でした。好き嫌いで言えば嫌いだけど、ダメとは言わない。退く読者もいるだ
ろうし、惹かれる読者もいるでしょう(現にそうなってるし)。出来不出来で
はなくて、好みの領域なんじゃないですか。
「陶酔」は井上雅彦の作風のキーワードという気がします。ちょっと芝居がか
った大仰な感じが全体にあるのですけど、そこを楽しむものなんじゃないかと
(お目に掛かったことはないのですが、ご本人もそんな雰囲気なのでしょうか
?)。うまく作用している場合には、独特の緊張感とめまいを味わわせてくれ
ますものね。
「チェックアウト」もその延長にあるわけで、彼の熱心なファンなら楽しめる
でしょう。私はあそこまで行くとちょっとなあ……という感じです。だから、
できるだけ多くの読者を納得させるべきだということなら批判もできますが、
それも多数決みたいで詰まらないですよ。
 好意的に評するならば、通常の解説の形式でやるとみっともなくなってしま
うところを、小説の形式を使うことでうまく回避しているとも言えるのではな
いでしょうか(『秘神』の解題と比べてみてください)。

 Niftyの<異形>会議室も見てきました。発言者中の作家の比率が高いですね
え。それだけ執筆陣も燃えてるってことなのでしょう。東さんの批判に対する
反発のわけが、ちょっとだけ理解できた気がしました。

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一応もう一度覗いてみた 投稿者:石堂藍  投稿日:04月23日(金)05時17分06秒

ページを何枚もめくって桜井さんのメッセージを発見。どうもありがとうございます。
もうちょっと時間が出来たら御連絡します。
BBSには興味なくって。東に言われたので、このあいだ初めて見たんですよ。で、今日は二回目。
みなさんの記事も面白そうだけど、読んでる隙はありません。
則子さん、メールなんて面倒な。今度私が暇になったら(たぶん五月半ば)デート致しましょ。

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「防人」 投稿者:中野善夫  投稿日:04月23日(金)04時09分30秒

ウェイクフィールド「防人」について:

原文を読んでみました。平井呈一訳と同じやうな印象しか受けませんでした。私の英語の理
解力ではそもそも違ひなど判る筈がありませんが。それに、平井呈一訳が手元にないので、
詳しく比較出来なかつたといふこともありまして。ただ、自分が非常に重要なことを読み
落としてゐるやうな気分がつきまとふのが気になります。大事なものが自分には見えてゐ
ないやうな気分です。

今回"Frontier Guardsを読んでみて、ウェイクフィールドはそんなに読みにくくないと思ひ
ました。これを機会にAsh-Tree Pressのウェイクフィールドを読んでみようかなといふ気持ち
になりました。しかし、Ash-Tree Pressの本を全部集めて、Ash-Tree Pressの本を日本で一番
多く持つてゐながら一冊も読んでゐない男になる野望を抱いてゐたのですが、それは諦めざる
を得ません。倉阪さんのところにはAsh-Tree Pressを含めてFantasy Centreから本がたく
さん届いたやうですね。羨ましい。

ところで、ウェイクフィールドの本を探してゐたら、Hearken to the Evidence (Doubleday
1934)といふ本を見つけました。見つけましたと云つても自分の書棚でですけど。どうやら
ミステリ長篇のやうで、どうしてこの本がここにあるのかよく判りません。間違へてウェイ
クフィールドの長篇ミステリを買つてしまつた微かな記憶があるので、多分その時のもので
せう。是非欲しいといふ方、いらつしゃいますか? お譲りしてもいいのですけれど、多分
ゐないでせうね、そんな人。

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一般人というと 投稿者:中島晶也  投稿日:04月23日(金)01時28分37秒

 私なんて一般人以外の何者でもないなあ。夜行バスに乗れば、当日の朝申し
込むこともできるかも知れないんだけど、夜まで体力が続かないし……弱った
な。

>東様

 前に福井さんの掲示板でも書きましたが、

>> 作家は優れた本格ホラーを<異形>に書かせてもらう。編集者はそのような
>>作家を<異形>からスカウトし、さらなる活躍の機会を与える。評論家は<異
>>形>の中から優れた本格ホラーを取り上げ、然るべき評価をしてあげる。そう
>>して本格ホラーの勢力を伸ばしていく

というのが理想的だと思います。もう一つ、傑作選型のアンソロジーのネタ本
にしちゃうってのはどうでしょう?(顰蹙を買うな、きっと)

>松本様
 げげっ、作家から抗議メールが来たのですか? 私も覚悟しとかないと。

>倉阪様
 私はR・E・ハワード派なので、血に飢えていなければヒロイック・ファン
タジーと呼びたくありません。ハイ・ファンタジーとは分けたい気持です。
 最近のものでは、カール・エドワード・ワグナーの『闇がつむぐあまたの影』
が悪人ばっかり出てきて最高なんですが、日本ではちょっと受けなかったみた
いですね。

>Kai様
 見つかりましたよ、『死の舞踏』。これから読み直してみます。

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粗忽者参上 投稿者:橋詰久子  投稿日:04月22日(木)23時52分07秒

大森さま
 すみません。参加手続、料金等どこを見たらよいのか教えて下さい。
宿泊が無理なら、残念ですが見合わせます。
 
フクさま
 お会いできるなら、何か絶版本おみやげに持っていきます。お礼は
いいぜ。

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むー 投稿者:フク  投稿日:04月22日(木)23時39分43秒

SFセミナー行きたいなぁ……でも調べると、一般人は当日朝申し込みでないと
宿泊は出来ないんですね。くすん。

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ぬいぐるみはタダだよ 投稿者:ミーコ  投稿日:04月22日(木)23時30分43秒

ミーコも行くよ。楽しみだな。

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SFセミナー参加します 投稿者:中島晶也  投稿日:04月22日(木)23時08分52秒

>大森様
 なんとか家族の了解が取り付けられましたので、SFセミナーの合宿企画に
参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
 ただ、どう考えても私はゲストなどという器ではありませんので、参加費は
自分で払います。
 また、もし当日ネタにする予定の本などがあるようでしたら、メールでお知
らせいただけないでしょうか?(←実は取りこぼしている新刊がけっこう多い
のです)

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民族小移動 投稿者:橋詰久子  投稿日:04月22日(木)23時04分39秒

大森さま
 こんにちは。2日夜の集いでありますが、巽昌章が参戦もとい参加したいと
言ってるんですが、構いませんでしょうか? 東京に出てくるのが夕方以降に
なりそうですので、ほかの方々同様9時に現地へということなのですが。
 おっさんは実はラブクラフト鏡花百鞳Y堂他他怪奇小説好きなので、ずっと
興味深く思ってたそうです。あと、私もオマケでついていっていいですか?

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二種類のファンタジーとホラー 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月22日(木)22時55分49秒

治田様
ハイ・ファンタジーとロー・ファンタジーという分類法があります。べつにこれは
優劣ではなく、前者は魔法が通用する異世界、後者は現実により近い下界を舞台と
します。専門家がたくさんいるので冷や汗なのですが、ごく大雑把にヒロイック・
ファンタジーは前者、ダーク・ファンタジーは後者に属すると見取り図を引くこと
は可能でしょう。
さて、どちらのファンタジーもホラーとの親和性があります。ダーク・ファンタジ
ーとホラーはことに境界があいまいなのですが、ヒロイック・ファンタジーとホラ
ーが接近するともっぱら怪奇アクションになります。悪鬼や魔人をヒーローがやっ
つけるやつですね。これは広義のモダンホラーには含まれると思いますが、現実を
侵犯することが要諦であるホラーの中枢からはやはり遠いと思います。

藤原様
まだいいじゃないですか。私はジャンル・ホラーの書き手と目されているのに、
「ホラーのホの字は円満で抵抗がある」と放言してしまいましたから(笑)。

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あわわ、文章がヘンだ 投稿者:松本楽志  投稿日:04月22日(木)21時18分51秒

某所で某知り合いの文章がおかしいなどとつっこんでる場合ではない>俺
わかりにくいかもしれないので、以下のように訂正します。

 東さんはおそらく、その「あれはないだろう」ということを読者に思わせてしまうのは、
ホラーの未来としていかかがなものか、ということですから、つまり、東さんの危惧の実例とし
て、僕の意見がちょうど適しているのではないか

 ↓

  東さんの危惧というのは、ホラーを読まない人間には「チェックアウト」が僕が思っ
たような「あれはないだろう」感を感じさせてしまうんではないか。そしてそれは、ホ
ラーの未来としていかかがなものか、という二段階の意見ですよね。
 で、その危惧はある意味当たっているのでは、という実例みたいなものとして僕の意見
をあげてみたわけですね。
 なんか、おれ、当たり前のことを書いてます?

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チェック・キック・イット 投稿者:松本楽志  投稿日:04月22日(木)21時09分58秒

こんばんは。

福井さん:
> 松本さんが期待したのであろうオチは、恐らくはミステリ的な発想に根ざしたものですね。

 基本的にはそうなんですが、

> 一応、僕の「感想」を書いておくと、全体を統一しようとする発想はわりと好みだし、そ
>れ自体は大いにOKです。

 僕もこれなんですよ。
 つまり試みはすごく好きだし、いいんです。
 でも、それをするのにあのやり方はないだろう、ということなんですよね。
 あとがきでやればいいことじゃないですか、と思ってしまう。
 こちらは作品という意気込みで読んでいってるし、各短編の雰囲気に浸りたいのに、いきなり
舞台裏はこんなかんじー、とか言われたら冷めてしまうんですよね。そこにきて、身内意識とい
うものを感じさせるものが入ってくるからなおさら……ということなんです。
 とくにインターミッションがすごく雰囲気が良かっただけに。

 で、東さんはおそらく、その「あれはないだろう」ということを読者に思わせてしまうのは、
ホラーの未来としていかかがなものか、ということですから、つまり、東さんの危惧の実例とし
て、僕の意見がちょうど適しているのではないか
(と、思ったから、いまさら日記に書いたんですよね)

 それにしても東さんの書き込み熱意はすごい(笑)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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チェック・イット・アウト 投稿者:福井健太  投稿日:04月22日(木)13時32分52秒

 こんにちはです。
 いくつか「チェックアウト」の話が出ていましたが、これに関して一言だけ。
 松本さんが期待したのであろうオチは、恐らくはミステリ的な発想に根ざしたものですね。
でもって、たまたま「チェックアウト」はそういう趣向ではなく、むしろ(結果的に?)異
形作家の結束性をアピールするかのような印象を与えかねないもので、それが東さんのツボ
にはまってしまった――と、こういう認識で良いのでしょうか? いずれにせよ、批判対象
が重なったということはよく解ったので、今度は互いの見解を止揚(というのかな?)させ
ていくべき段階ですね。楽しみにしております。

 一応、僕の「感想」を書いておくと、全体を統一しようとする発想はわりと好みだし、そ
れ自体は大いにOKです。ただ、各短編に付したコメントその他に関しては、他人の作品に
介入しすぎているという印象もあるんですね。他人の作品に関してまで、読者の読み方を誘
導しかねない介入をしてしまうのはちょっと。最初から全体主義的な発想で作っているのだ
という解釈も有り得るのでしょうが、だとすれば「作家に介入しすぎる編集者」にも似た印
象は否めないし。「チェックアウト」という文章は、良くも悪くもその集大成的なものだっ
たんでしょうね。

 まあともかく、詳しい話はセミナーあたりで。……あ、でも、その時間は三村部屋あたり
に逃げ込んでいるような気が。「怖い話」は(←「ホラー」ではなくて?)苦手なので。
http://member.nifty.ne.jp/kfukui

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ひたすら忙しい 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月22日(木)12時03分07秒

こんにちは、みなさん

中野さん
「防人」の原文は読んでいないのですが、平井呈一の訳を読むと何かの情報を訳しの
こしているような印象を受けるのです。まあ、自分で読んでみればいいのですけど。
私は平井呈一の弟子のつもりです。じつは呈一が言及している作品はすべて訳してみ
ようかなと思っています。ビアスの「犬の油」とか。訳はあるようですが。

           合宿に行きたいが、こまねずみのように忙しい 西崎 拝

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異形コレクション短編集楽しみですね〜 投稿者:松本楽志  投稿日:04月22日(木)10時22分10秒

おはようございます。
腰が痛いです。くそー。

倉阪さん:
>東様、松本様
>「チェックアウト」については感動したという感想もありますね(私が感動したわけ
>ではありません。いちいち断らなきゃいけないのは面倒だな)。「週刊朝日」の千街
>氏とかniftyの異形会議室とか。

 niftyにそんな会議室があるのですか、へえー。見てみたいなあ。
 感動した方、はどういう部分になんでしょうかね。
 井上先生の熱意に、ならまだ納得しなくもないですが、それ以外ならどうにも理解に
苦しみますね……

 そういえば、時間怪談、まだ買ってません……
 だってコンビニにある本って傷だらけ……本に対する愛がないですねえ
 本屋に行く暇もなし。しくしく。

>そこで、一部の作家の皆様に訴えます。
>ちょっと批判されただけで逆上したり、抗議のメールを送ったりする行為はやめ
>ましょう。みっともないです。

 まじでそう思います。かっこわるいです。
 (ぼくは被害者)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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お返事など 投稿者:中嶋千裕  投稿日:04月22日(木)08時29分27秒

●櫻井様
 錬金術出版(そんもんあるのか?)フランスニュース!

 ずいぶん前に平凡社が出した、バルテュスの親戚筋であるクロウソウスキー・ド・ローラ
の『錬金術図像大全』の仏訳が出ていましたので、2月に渡仏した際、買ってきました。日本
版はタイトルの大仰さに負けない価格の(笑)1万円以上する豪華本でしたが、仏版は半額
以下の廉価版(?)。タイトルは原書(なぜか英語)とほぼおなじの『黄金遊技』でした。
ブルース・リーみたい。でも、ふふふふふふふ。

 昨年は、TASCHENから、やはり3000円弱で、710ページ、オールカラーの『錬金術と神秘
学』というお求め安い図像事典が出ていました。ちなみに、これにのった図像は、昨年の日
めくりカレンダーともなり、おかげさまで、毎日楽しく日めくり生活をおくりました。ポス
トカードブック(1200円)にもなっています。
 さらに、やはり昨年、LIBRE DE POCHE(リーブル・ド・ポッシュ)からオールカラーの
3000円弱、820ページで『象徴図像事典(イコノロジー)』もでるなど、最近はすばらしい啓
もう書がかの地では発売されております。両方とも、買いやすい値段であるだけでなく、大
変分かりやすく、すてきな解説がついています。両方とも、もうどこかで翻訳したかしら
ん。だれもやってなかったら、企画書出そうかな。
 かの地でも錬金術はマニアックなものにもかかわらず、このようなメジャー展開をみせる
という妙な現象が起きております。おもしろいね。
 ちなみに、神秘学研究誌は『エルメス』といいます。どっかで聞いたことがあるけど…
…。

●石堂様
 こんにちは。わーい。でへへへ。ひさしぶりです。メールください。

●増田様
 トニー・レビンのサイトをチェックしてみて。写真がいっぱいあるよ。
 最近の動向もわかるので、とってもうれしい。
 新しいクリムゾンのコンピ(なのかな)は買いましたか?
 私は今お金がないので、買えません。来月になったら買えるかもね。
 

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Wakefield 投稿者:中野善夫  投稿日:04月22日(木)07時44分26秒

西崎さんに質問があります。
「平井呈一訳ではどこが恐いのか判らない"The Frontier Guards"の恐い箇所
を教えてください。」といふのは、原文では判るのに平井呈一訳では判らな
いといふ意味でせうか。

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やはり頭がもーろーと 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月22日(木)06時53分58秒

 してるとダメだな。
 前信の宛先は「笹川様」です。
 失礼しました(笑)。

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俺はいつ寝てるんだろ!? 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月22日(木)06時52分38秒

「ホラーをメインにおいた評論家として認知」されているのは別に小生だけじゃない
のでは?
 風間賢二さんや尾之上浩司さん、三橋暁さんをはじめ幾人か先駆的存在がいるわけ
ですが、皆さん、国内よりも海外作品をメインにしていらして、国内の、それもジャ
ンル・ホラーにこだわっている職業評論家が小生ぐらい……というのがより正確な表
現だろうと思います。
 何故そうなのか? ある評論家氏は「だって海外作品のほうが面白いんだもーん」
と、うそぶいてましたな(笑)。
 そういうことを踏まえて、敢えて憎まれ役に徹して挑発的な言い方をすれば、魅力
のある分野、もしくはゼニになりそうな分野には、黙っていても評論家が輩出するも
のではないでしょうか。市場原理から言ってもね。
 残念ながら、いまだ国内のジャンル・ホラーをメインにしたのでは評論家としてメ
シが食えない、というのが現状だと思いますし、それはジャンル・ホラーの内実を反
映したものに他ならないだろう、と。もちろん、ここへきて、笹川さんや中島さんの
ような人たちが出てきてくれたのは、ジャンル・ホラー自体が上昇気運にあることと
無縁ではないわけですね。その意味で状況は着実に良い方向に向かっていると思いま
す。
 とはいえ現時点においては、小生だって「ホラー評論家」としての仕事なんかまだ
まだ微々たるものなわけで、分けるほどのオファーなんかどこにあるんじゃ、っての
が正直なところ。幻想文学全般を営業品目にして、おまけに編集兼業でやっているか
らこそ、何とか糊口がしのげているという情けない状態であります(「企画室通信」
参照!?)。
 もちろん昨年の『別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル』みたいに、小生の裁
量で発注可能な仕事があれば、どんどん若手の方に書いてほしいと思っていますし、
今後そういう機会があれば、当然、笹川さんにも御協力をお願いしたいと思っていま
す(いろいろ画策中ですので、よろしくねん)。

「怪奇アクション」をめぐる見解については、小生は、怪物対人間(超人)の対決図
式を基調とするかぎり、いかに「怖い」敵役が出てこようと超自然的恐怖は減殺され
るというクラサカ的立場に与するものです。しかしながら、それとは異なる意見が出
るのはむしろ歓迎すべきことですから、さらなる理論武装をかためて、我々ロートル
怪奇党をも頷かせる御説を展開していただきたいと切望します。あ、それと「枚数が
足りなかった」とか「初校では」云々というのは、評論家として言い訳にも値しない
ので御注意を。この世界、最終的に活字になったものがすべて、でしょ?

 それから、拙文をお読みいただければ分かるとおり、小生は笹川さんのことを「御
用評論家」と断じたりはしていません(御本人はお分かりでしょうが、いちおうギャ
ラリー向けに(笑)。編者氏のこれまでの言動から推して、そのように解釈されかね
ないから気をつけたら如何、と編者サイドへ向けて申し上げているだけのこと。あい
だに挟まれる形になった貴君は、とばっちりを被った「被害者」さながらですし、ま
たそれだけに「万一“紐”を付けられるようなことになれば、私は力の限り抵抗しま
す」という勇気ある(!?)「宣言」を頼もしく思います。そのあたりは今後の批評活
動を通じて、是非とも実践していってくださいね。

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お返事あれこれ 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月22日(木)06時46分33秒

中島様
「裏切られた」と思ったのかどうなのか、小生のほうが問い質したい心境です(笑)。
まあ監修者は「表向き」には、〈異形〉をめぐる対立などない。なぜヒガシが最近、
自分に批判的なのか分からない、という姿勢を堅持しているようなので……。
「揉めてる場合ではない」のは当然ですが、小生は〈異形〉をめぐる一連の騒動を、
全面的にネガティヴには捉えていないんですよ。別に個人的に喧嘩しているわけでは
ないんだから(少なくとも小生の側は、そう思っている)。現に一緒に仕事をしたり
もしているし。
 また、こうやって評論家サイドから一石を投じたことで、良い意味での緊張感が生
まれているようにも思いますしね。『時間怪談』のあとがきなんか見ると、井上氏の
側もかなり「分かってきた」感じを受けるし。結果オーライ……となることを祈りま
しょう(笑)。

>東さんの方でも<異形>の商業的成功を積極的に利用することを考えた方が得策な
>のではないでしょうか
 もちろんです! というよりも、こうした問題提起をしていること自体、評論家と
して〈異形〉を積極利用しているのだと自分では思っているんですけど。
 いや、そもそも小生が〈異形〉についてあれこれ言うのは、評論家・アンソロジス
トの立場で〈異形〉のムーヴメントに積極参加しているつもりだったんですけどねー。
実際、こうやってこの掲示板で話題になっていることでの「宣伝効果」だって、バカ
にならないと思うんだけどなぁ!?(笑)
 逆に質問。たとえば他にどういう利用方法があると、中島さんはお考えですか?

 それからSFセミナーは、小生も合宿しか顔を出せないと思うので、よかったら是
非。なかなかお目にかかる機会がないですしね。

治田様

>他を寄せ付けない雰囲気さえ感じさせないように出来れば、秘神のような(クトゥ
>ルーに限らず)共有するテーマ、事項で繋げられるような共同体でも切磋琢磨して
>より良い物を目指し、そのうち優れたホラーが生まれてきたりして、
 同感です。『秘神』自体だって、前にも言明したように、作品集としての出来は決
して悪くないんですよ(あ、でも治田さんはわりと厳しい御意見でしたっけ?)。
 要は「連帯感」と「閉鎖性」は紙一重だってことを忘れなければいいのでは? 解
題で「クトゥルー信者」なんて不穏当な表現を連発するから、こっちもアタマを抱え
ちゃうわけでさ。あと不可欠なのは、より広く、より斬新な視座に立ったテーマへの
取り組み、かな。笹川氏も言ってたように、困難=不可能ではないですからね!

倉阪様
 週刊朝日は未見なので、確認したうえで、千街氏にも機会があれば真意をうかがっ
てみませう(笑)。
 異形会議室は小生も覗いてますが、ちょっと、ねえ……。〈異形〉の中だけで云々
するのでなく、もう少し大局的・客観的に見られないものかな、とは思います。
『グランドホテル』にしても、井上作品は別格……とかって、最初から特別扱いして
ど〜すんだ、とかね(笑)。
 しかしまぁ、人の趣味嗜好は様々ですし、井上氏のああいうナルシスティックな自
己陶酔癖も、作家の「芸風」と考えれば、むしろ愛すべき持ち味なんですが、ただし
――笹川氏の言い方を援用させてもらうと――ジャンル・ホラーのスポークスマン的
立場での発言が「“政治的”な重みを好むと好まざるとにかかわらず、持ってしまう」
ところが問題なのであって、そのへんもう少し自覚が欲しいかな、と。これは朝松健
氏についても同断ですが。

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SFセミナーの段取り 投稿者:大森望  投稿日:04月22日(木)05時18分51秒

合宿から参加でもちろんOKです。
時間割はまだ確定してないみたいですが、たぶん2コマ目以降なので、
企画開始ははやくても9時とかだと思います。
合宿所の受付で、大森を呼ぶか、名乗っていただければわかるように
しておきます。

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SFセミナー 投稿者:中野善夫  投稿日:04月22日(木)03時35分23秒

大森望様

行きます。

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コ、コンピューターが! 投稿者:笹川 吉晴  投稿日:04月22日(木)03時29分02秒

昨夜はパソコンが生意気にも叛乱を起こし、ネットに繋がらなくなってしまいました。始めた
ばっかりなので、こういう事態にはお手上げです。

大森様
というわけでご返事が遅くなりましたが、私も当日は東京にいないので、帰ってこられるよう
であれば遅れて参加させていただきたいのですが。

皆様(主に東様)
というわけでだいぶご意見が出てきていて、大雑把にまとめないと追い付きませんが、私は基
本的に、倉阪さんのおっしゃっていたように評論・批評の数不足というところに、問題の大部分
は還元されるという気がします。ホラー・プロパー、あるいはホラーをメインにおいた評論家と
して認知されているのが東さん一人という状況では、やはりその意見は“政治的”な重みを好む
と好まざるとにかかわらず、持ってしまうのは仕方がありません。
そのときに、評論家・書評家の頭数がある程度あれば、まさに東さんのおっしゃるように「作
家も評論家も編集者も読者も、それぞれのスタンスから、それぞれの意見を開かれた場で表明し
客観的判断に委ねる」環境が生まれるでしょう。そういう環境を作ってこられなかったところに
現在のホラー界が抱える問題が発生していると思えてならないのです(何だか仕事分けろとでも
言っているみたいですね)。

ところで、「「怪奇アクション」物の強引な取り込みや異様に好意的なラムレイ評価」につい
てですが、ここには東さんが感じられているような“力”は働いておりません。
私としては、“敵”が怖くなければ「怪奇アクション」も、当然気の抜けたものになってしま
うと思います。例えば『仮面ライダー』旧一号編の怪人など、トイレに行けなくなる怖さでした。
それに勝つからこそのヒーローなわけです。だから“ホラー”と“アクション”は両立すると思
うのですけどね。
あ、ラムレイとダーレスに関しては、初稿などではもう少しきびしいことを言ってました。枚
数を削っていく中で、肯定的なニュアンスの方がより残った結果という側面はあるかと思います。
とにかく「御用評論家」と思われてしまうのは、私としては心外ですし、そういう意図のな
い(ととりあえず信じています)作家の方たちにも失礼かと。今のところは私個人の力不足が責
めを負うべきでしょう。ただし、万一“紐”を付けられるようなことになれば、私は力の限り抵
抗します。

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ホラー難しい 投稿者:治田豪和  投稿日:04月22日(木)02時44分48秒

中島様
 いや、特にカタをつけてやろうなどと思っていたわけではありません(笑)。
そうするには余りにホラー全般について、知らないことが多かったり、色々
な本を読んだりして実際に接していない部分があり過ぎますし。ただ、今ま
でのお話を総合したらどうなるのだろうと自分の頭なりの考えをまとめてみ
ただけで、これですべて解決などと思っていたのではないです。
認識不足の部分が相当あると思うので、ここはどう見ても違うぞという部分
がありましたらご指摘してくだされば幸いです。
 中島さんの箇条書きの terror, horror 観は見ていて分かりやすかった
です。
これを見ると、分類の仕方そのものが違うのだから、唯一の分類体系で
全てを表そうというのは不毛だった気もします。Kaiさんの3分類を見て、ま
すます混乱(笑)。terror, horror を異なる分類の仕方ごとに使い回している
のが問題なのだから、それぞれ別別の用語、呼び方が独自にあれば、混
乱は避けられるかもしれないですね。

管理人様
 今更ながら、私は前回、とんでもない大ぼけをかましてしまってましたね。
オフ会で会っていたのだから、全然はじめましてではありませんでした。
 顔と名前が一致し切れず、、、大変失礼いたしました。

東様
 私はあまり複雑なことは良く分かりませんが、「現実に対するテロリズム」
等をとなえることで、実際の多くのクトゥルー神話なり、何なりにギャップを
感じて、ホラー全般から離れていってしまったり、過度の内輪意識、閉鎖的
な状況を読者に意識させてしまうというのはホラー全般に大きくマイナスで
あるだろうとは思うのですが、そういう、他を寄せ付けない雰囲気さえ感じさ
せないように出来れば、秘神のような(クトゥルーに限らず)共有するテー
マ、事項で繋げられるような共同体でも切磋琢磨してより良い物を目指し、
そのうち優れたホラーが生まれてきたりして、ホラーの再編に一役買いそう
な気がしないでもないです。そんな簡単に行くものでもないのでしょうか?

倉阪様
 前書き忘れましたが、たしかにヒロイックファンタジーに偏ったイメージを
持っていたかもしれません。
 そこらへんの区分も明確に認識できてないです。機会あらばお聞きしたい
です。

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異形の原稿が進まない 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月22日(木)02時18分44秒

大森様
中島さんと同様、合宿から参加したいのですが可能でしょうか?

東様、松本様
「チェックアウト」については感動したという感想もありますね(私が感動したわけ
ではありません。いちいち断らなきゃいけないのは面倒だな)。「週刊朝日」の千街
氏とかniftyの異形会議室とか。

中島様
全然厳しいとは思いませんでした(笑)。

そこで、一部の作家の皆様に訴えます。
ちょっと批判されただけで逆上したり、抗議のメールを送ったりする行為はやめ
ましょう。みっともないです。

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生意気な私 投稿者:中島晶也  投稿日:04月22日(木)01時04分03秒

>東様
 生意気言ってすいませんでした。自由な批評活動を可能にするための地なら
しをしてくださるとのお言葉にこちらも過剰に期待する気持があって、ちょっ
と熱くなってしまいました。

 さて、<異形>問題ですが、東さんの『ラヴ・フリーク』評が問題になった
と初めて聞いたときには、正直言って「なんでこの程度で」と意外に感じまし
た。だって、これが問題になるぐらいなら、『幻想文学』のファンタジー時評
の方がよっぽど――あ、いや、失敬。他人の仕事を引き合いに出すのは止めま
しょう――私が『幻想文学』に書いた、倉阪さんの『百鬼譚の夜』や『妖かし
語り』についての評やなんかの方がよっぽどきびしいですからね。この程度で
問題にされてはかなわないなあ、というのが率直な感想でした。
 基本的には東さんの評は、「ホラーでないものもあるではないか」というこ
とに尽きる(それ以外のこともちらっと書かれていますが……)わけです。小
説としての巧拙について書いているわけではない。それが過剰な反応を引き起
こすというのは、やはり「裏切られた」という気分が相手にはあるのでしょう
か?
 しかし、その後の展開については……揉めてる場合ではないだろう、とも思
うのですよ。福井さんの掲示板の方でも書きましたが、東さんの方でも<異形>
の商業的成功を積極的に利用することを考えた方が得策なのではないでしょう
か……と、またもや生意気なことを言う私(笑)。

 SFセミナーの件、無理をすれば行けないこともないのですけど、前日も会
社ですので時間的に合宿企画のみの参加しか無理ですね。
 大森さん、その辺はどうなのでしょう?

 そういえば去年のゴールデン・ウィークは、ずっと家に閉じこもって『モダ
ンホラー・スペシャル』の原稿を書いていたなあ。

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読んだよん 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月21日(水)21時30分35秒

松本様
 「チェックアウト」評、拝読しました。
 まったく同感、です。思わずプリントアウトして事務所の壁に貼っとこうかと思っ
たくらい(笑)。
 それ以上のコメントは、いかにも若いモンの尻馬に乗って発言しているみたいでみ
っともないだろうから自粛しときましょう。
 しかしなぁ……あちこちでアタマを抱える人の姿が目に浮かぶよーな(笑)。
 誰か〈井上雅彦/異形〉サイドに立って発言する人はいないのか! 倉阪鬼一郎ひ
とりに重荷を負わせてどうする!! って感じなんですけどね〜。
 議論のバランスをとるためにも、他の〈異形〉関係者の方や愛読者の方の意見も、
是非うかがいたいと思うのですが……。

>それにしても東さんががんばってる雰囲気ってなんだか、ミステリ研を辞めるとき
>のおれみたいだなあ
 どきっ(笑)。
 ま、確信犯で始めたことですからね。
 それに、この程度の「地ならし」作業で決定的対立・亀裂が生じるような情けない
ことはあるまいと、小生は信じていますし。

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チェックアウト 投稿者:松本楽志  投稿日:04月21日(水)20時12分37秒

こんにちは。

>東さん
ちょうど良い機会でしたので、グランドホテル収録の「チェックアウト」について、
読んだときに思っていたことを、素人目から見た感想として、
ぼくのページの本日の日記に書いておきました。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/
の「最終更新分」からいけます。3/21日付。
参考にしていただけると幸いです(なるのか?)

あ、日記にあったA氏というのは、綾辻さんですか?
……ってお忍びだからいっちゃだめなんかな(笑)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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re:SFセミナー 投稿者:大森望  投稿日:04月21日(水)18時01分52秒

 急なお願いにもかかわらずご快諾いただきありがとうございまし
た>倉阪様、東様。
「恐怖の会」のときみたいなざっくばらんな話でかまいませんので
よろしくおねがいします。

>>管理人さま
 こちらこそ、その節はどうも。またよろしくおねがいします。
 掲示板のにぎわいのおかげでカウンタはまわってるんですが、バ
ナークリックは全然増えません。とほほ。

>>中野さま
 今年はセミナー来るんだっけ?

 なお、今年のSFセミナーの企画はこんな感じです。

〈昼の企画〉
○「篠田節子の世界」篠田節子、山岸真
○「スペース・オペラ・ルネサンス」大宮信光、堺三保、森岡浩之
○「文庫SFあれやこれや」高橋良平、ハヤカワ文庫・創元SF文庫・ハルキ文庫各編集担当者
○「『雪風』また未知なる戦域へ」神林長平、牧眞司

〈合宿企画〉
○「『SF風景』のそのむこうへ」田中光、岩郷重力
○「『SF風景の解読』の解読」中村融
○「スターウォーズの部屋」渡辺麻紀、大森望、添野知世、柳下毅一郎
○「老いたる霊長類のためのフェミニズムSF」牧眞司、柏崎玲央奈
○「少女漫画(SF)の部屋」柏崎玲央奈、須藤玲司
○「サイコドクターあばれ旅・SFセミナー特別篇」風野春樹
○「ヴァーチャル読書会」森太郎
○「ネットワークのSF者たち」森太郎、田中香織
○「本とひみつ(サブタイトル確認中)」&「オークション」三村美衣ほか
○「春の新作アニメの部屋」日下三蔵、須藤玲司
○「お茶大SF研の部屋」野田令子
○「真夏の前のホラーの部屋」東雅夫、倉阪鬼一郎、大森望

 詳細は↓このページで。

http://www.twics.com/~hamada/sfseminar/

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ホラーって…… 投稿者:藤原義也  投稿日:04月21日(水)17時50分29秒

お引っ越し、順調のようですね。
ホラーって間抜けな感じがするという発言で、真面目なホラーな人々の
顰蹙をかってしまった藤原です(「幻想文学」次号参照)。
あわてて誤解のないように言い足しておきますと、間抜けな感じがする
のは、カタカナで「ホラー」と書いたり云ったりするときの語感が、な
んだかのどかな感じがして緊張感がないような気がするという意味で、
藤原はけっしてホラーの敵ではありません。念のため。
(でも、「恐怖」よりも「怪奇」なものを求めているように思う)

業務連絡を少し。
【幻想文学大事典】(国書刊行会)、今月末で特価期間は終了です。お
見逃しなきよう。
アレクサンドル・グリーン【消えた太陽】は、大方(って誰だ)の予想
通り6月にずれこんでしまいました。訳者の沼野充義氏はいまモスクワ
の空の下で、懸命に解説をお書きになっている、はずです。

最近、手がけたある本にウエイクフィールドの探偵小説Belt of Suspicion
についての『タイムズ文芸付録』の書評が一部引用されているのですが、
かなりの酷評です。やはりミステリ作家としては二流だったのか……

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ナイスなレスに感謝(笑) 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月21日(水)17時40分54秒

倉阪様
 誤解を招きそうなので、ここで確認しておくと、小生はこれまで、確かにジャンル・
ホラーに好意的な評論家ではあったけれど、つまらない作品を無理矢理ホメたりした
ことはないつもりです。
「こら、アカン」と思う作品は黙殺する――これが基本姿勢(ただし紙幅の都合でコ
メントしそこねたり、他欄の筆者に譲ったり、期間中に見逃していたり……なんてケ
ースも間々ありますので、時評で取り上げなかった作品、即、駄作ではありません。
念為)。
 でね。是々非々で臨む、と言っても、その姿勢に変わりはないわけです。実際、問
題の『ラヴ・フリーク』書評でも、良いと思った作品については具体的に何人かの名
前を挙げてコメントしているし、「これはホラーではない」と名指される形となった
岡崎弘明「太陽に恋する布団たち」についても、作品自体の出来は非常に高く評価し
ていたでしょ(というか、わざとそういう作品を例に選んだんだけどね)。
 確かにその手の不満は、小生も間接的に耳にしました。もっと露骨に「ヒガシは
〈異形〉書評で、菊地秀行とか皆川博子とかエラい作家ばかりを持ち上げる」とかね
(笑)。
 了見違いもはなはだしい、と思うわけですよ。彼らがステイタスのある作家だから
評価するのじゃない、そういう抜きん出た作品を書く実力者だからこそ、「ジャンル・
ホラー」という枠を越えた世界でも、彼らは評価されているんじゃないですか!
 これはジャンル・ホラーの将来にかかわる問題なので特筆しておきたいのですが、
そういう仲間意識というか甘えの構造を払拭しなければ、ジャンル・ホラーはいつま
で経っても「おたくの玩弄物」(敢えてキツい表現を使いますが)という偏見を払拭
できないだろうし、それはこの分野に思い入れある小生としては、とても口惜しく不
本意なことです。
『リング』でも『屍鬼』でも『神鳥』でも『水無月の墓』でも何でもいいですが、本
格ホラーの近年の傑作が、ジャンル・ホラーとは一線を画する作家たちの手で生み出
されてきているという事実を前に、「ジャンル・ホラーの書き手はほかでなかなか取
り上げてもらえない」なんて言ってていいのか! とは思いません?
 それはホラー時評の数が増えたところで解決するような問題ではないと思うのです
よ(もちろん時評とかレビューの数が増えることは大歓迎だし、小生としても、『ホ
ラーウェイヴ』では書評に極力ページを取って、〈異形〉も取り上げていたのにねー)。
『秘神』をめぐって小生が、笹川氏に同情しつつも厳しいことを言ってるのも、その
裏に、そういう作家サイドの甘えが看守されるからなんですよね。鬼さんが疑義を呈
していた「怪奇アクション」物の強引な取り込みや異様に好意的なラムレイ評価とか、
その延長線上に、どうしても編者の顔が浮かんでしまうところがね〜(笑)。
 かれらの言う「ホラー評論の活性化」ってのは、ジャンル・ホラーの御用評論家を
養成しようということなのか? と、これはホラー評論の分野で「後から来る」人々
のために、牽制球を投じておきたいと思います。

 あ、ちなみに上記の発言は、作家・倉阪鬼一郎に向けて発しているわけじゃないっ
すよ。言わずもがな、かもしれないが、小生が評論家モードで倉阪作品に非常に控え
めなコメントしかしないのは、両者の関係性に鑑みて「仲間ボメ」と解される可能性
が極めて高いがゆえ、です。>皆様

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ホラー時評の数の問題 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月21日(水)15時09分42秒

これは言っても詮無いことなのですが、確かにホラー・シーンは盛り上がりを
見せたものの、ホラー時評は依然として一つだけで増えなかったというのが主
たる原因ではなかろうかと思います。たとえば三橋暁氏あたりがべつの媒体で
あたりさわりのない時評を始めたとする。そこで機は熟したとばかりに「これ
からは是々非々で臨む」と明確に宣言して東さんが方針を変えたとすれば、
「昔はほめてくれたのに」という不満は出なかったと思いますね(ジャンル・
ホラーの書き手はほかでなかなか取り上げてもらえないという事情もある)。
まあ、いまからでも遅くはないので、編集者の皆さんご一考ください(私はや
りませんよ)。

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長いコメント/パート2 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月21日(水)01時09分36秒

 ところが! それに対する監修者および〈異形〉作家陣(の一部)からの反応は、
小生にとって予想外のものでした。
 そのあれやこれやは、書けば書くだけジャンル・ホラー全体のイメージダウンにし
かなりませんし、しかもその過半は口頭もしくは伝聞によって小生に伝えられたもの
なので、ここには一切、記しません。
 かれらの反応を一言であらわすならば――「〈異形〉に関して称賛以外の批評は容
認できない、不快である」に尽きると思います。「我々が井上氏を先頭に、こんなに
一丸となって頑張っているのに、なぜヒガシは水を差すような発言をするのか」……
いかにも日本的、ムラ社会的反応ではあるのですが、そうした反発が、もっぱら当の
ジャンル・ホラー作家の側から飛び出したことに、小生は当惑と憤りを感じたわけで
す(ただし、それはあくまで一部の作家であることを、お忘れなく)。
 まあ、小生の個人的感慨などどうでもよいのですが(笑)、どうでもよくないのは、
こうした偏狭な仲間意識を放置しておいたのでは、真っ当な批評行為など成り立つは
ずもないし、ひいてはジャンルの健全な発展など望めないだろう……ということです
(このあたり、SFがかつてたどった道を、大いに他山の石とせねば、と思うわけで
すな)。
 そこで問題なのは――わざと抽象的な言い方をすると――ジャンル・ホラー作家の
中でも、アンソロジーなどを音頭取りになって主唱する人たちの周辺に、そうした仲
間意識がとりわけ濃厚である、ということなのですね。
 たとえば『グランドホテル』の「チェックアウト」や『秘神』の解題は、そういう
弊害が歴然と露呈された一例である、ということです。
 では、どうすればよいのか。
 これはもうカンタン。作家も評論家も編集者も読者も、それぞれのスタンスから、
それぞれの意見を開かれた場で表明し、客観的判断に委ねる。これしかないと思うわ
けです。
 そういう真っ当で風通しのいい相互批評の風土が培われてこそ、日本のホラーはさ
らなる発展を遂げることができるだろう、と。
 ここで自己批判しておけば、これまで小生はジャンル・ホラーにひとかたならぬ思
い入れがあり、その興隆へ向けて微力を尽くしてきたつもりです。それゆえにまた、
ジャンル・ホラーの悪い面には目をつぶり、良い面ばかりを意図的に強調してきた、
という反省があります。
 ようやくにして日本のホラーに、ホラー・ファン以外の多くの目が注がれるように
なってきた今だからこそ、我々インサイダーが率先して、ジャンル・ホラーにつきま
とう内輪意識や独善性、過剰なマイノリティ意識みたいなものを払拭していかなけれ
ばならないと思います。
 ホラーってのは、ただでさえ「おたく」性の強い世界なのですから!(笑)

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長いコメント/パート1 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月21日(水)01時06分14秒

 ホントに長くなったので(笑)、分載します。

 1998年は、日本のホラー文学史において、特記されるべき年でした。何故そう
思うのか、思いつくままに列挙してみましょう。
(1)映画『リング』のヒット→本格ホラーの大衆への浸透
(2)〈異形コレクション〉シリーズの成功→超自然ジャンル作家(ホラー、SF、
ファンタジー)の自主流通運動と新市場開拓
(3)ぶんか社ホラーの展開→『ホラーウェイヴ』(史上初のホラー小説専門誌)、
〈HORRORWAVE〉(ハードカバーによるホラー叢書)、『このホラーが怖
い!』(年間ランキング本)等、ホラー・プロパーの多角的出版の実験
(4)小野不由美『屍鬼』のベストセラー化→本格ホラーにおける里程標的長編の出
現と成功
 こうしたかつてないホラー・シーンの盛り上がりに接して、小生としても色々思う
ところがありました。
 なにより焦眉の急と感じたのは、これからは「ホラー」というジャンルに、従来と
は較べものにならないくらい幅広い層の関心が向けられるだろう、ということ。それ
は歓迎すべき事態である反面、一歩間違うと、ホラーの変質や形骸化を招く――一過
性のブームで終わってしまいかねないおそれがある、ということでした。
 そのことを何より強く認識させられたのが、〈異形コレクション〉の第一巻『ラヴ・
フリーク』書評をめぐる騒動です。
 同書に接して小生が最初に感じたことは、そのただならぬ充実ぶりと(ただし第一
巻についてのみ、以降はバラつき多し)、「ホラー・アンソロジー」を全面に掲げな
がら、実質的にはホラー+SF+ファンタジーの混成アンソロジーになっている、と
いう二点でした。しかも、同書は大部数を前提とするコンビニ展開で売り出されると
いう……これはマズイかもしれない、と思ったわけですね(笑)。
 つまり、内容充実していて、流通面でも恵まれていれば、売れて当然。ということ
は、これまでホラーとは無縁だった大量の読者が同書で初めてホラーに接することに
なる。ところが同書にはホラーとSFとファンタジーが同じ程度のバランスで渾然一
体となっているのだから、何も知らない多くの読者は、そんなジャンル区分などおか
まいなしに、〈異形〉全体を「いまどきのホラー」と誤解して受け取るのではないか
……。
 そこで小生は、自分が担当している「SFマガジン」のホラー時評欄で、同書だけ
に丸々1頁を費やすという破格の扱いでその壮挙を顕彰する一方、アンソロジーとし
てのパッケージングおよび方向性に関しては「これはホラーではない」などと、意図
的に過激な口調を交えて批判したわけです。
 これにはもちろん、監修者である井上氏を側面支援しようという「読み」もありま
した。つまり、大部数を前提とする企画で「ホラー純血主義」を貫くのは困難だし現
実的ではない。おそらく監修者としては、対出版社的にも対寄稿作家的にも、ホラー
寄りの姿勢を強くは打ち出しにくいのであろう。それならば小生が、「ホラー評論家」
としてのスタンスから、「もっとホラーを!」「もっとレベルアップを!」という主
張を声高に掲げることで、なにがしかの援護射撃となるのではないか……そう思った
わけです。
(以下、次信につづく)
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いきなり動いたな 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月20日(火)23時31分34秒

大森様
了解しましたよん。

中島様
いや、むろん本格ホラーを書きますけれども、媒体によってはジャンル内ジャンル
ミックスもやります。現実があり、現実的な恐怖が前座として現れ、最後に真打と
してスーパーナチュラルが登場するというコードですね。読者の不信を段階的に崩
していくわけです。でも、これは下手するとスリラーのまま終わってしまうからな
あ・・・。

で、それに付随してですが、現実・怪奇の二元論に基づいてホラー・アクションま
でホラーの中枢に含めると、やはり超自然的「恐怖」の影が薄くなりますよね。や
みくもにスーパーナチュラルなものが跳梁しても、それはファンタジーであって、
確固たる現実を、現実とは次元の違う想像力(これはどんな事件が起きてもゆるが
ない)によって侵犯するコアなホラーとは言いがたい。だから、ラヴクラフトとラ
ムレイは全然違うわけですよ。笹川氏の評論に関して不満があるとすればそのあた
りなのですが、話を混乱させているかな?

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まあまあ 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月20日(火)22時35分09秒

中島様
 物事には順序というものが(笑)。
『秘神』問題では、レスの間が空いてしまったので、とりあえず順序からいって、笹
川氏の評論を読んで最初に感じていた問題点をまとめてみたまでっす(クトゥルー問
題だって、これはこれで大事なことだと思うんですよ、いろんな意味でジャンル・ホ
ラーのシンボルみたいな分野ですからね〜)。
 でもって、笹川氏への前信で予告(?)した「長くなるコメント」が、ギャラリー
のリクエストに応えるものになるかな、と思います。
 ただ、そっちの話題に関しては、「作家と評論家の角逐なんて一般読者にはカンケ
ーない」という、やはりギャラリーからの意見もありまして(笑)、また小生として
も、インターネットをやっていない相手について直接的な批判をするのは、いかにこ
こが公開の場とはいえ、ちょっと欠席裁判臭くなってイヤかな、というためらいもあ
るので、まあ極力、フェアに書いてみようかな、と思います。
 ところで!
「SFセミナー、がんばってください!」って、他人事のように(笑)。
 連休中だし、もしも可能でしたら、ぜひ中島さんにもいらしていただきたいものだ
なぁ、と思うんですけど。無理かなあ。

Masuda様
 だから探さないでください……って、冗談ですよ。がんばります。

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『隣の家の少女』 投稿者:中島晶也  投稿日:04月20日(火)22時24分04秒

>Kai様
 はじめまして。
 ホラーとして見た『隣の家の少女』については、現在発売中の『幻想文学』
第54号に書評を載せていただいたのですが、ちょっとだけ補足しますと――
はっきり白黒付けろとおっしゃるのなら、あれはホラーというよりスリラーで
しょうね。Kaiさんが疑問を感じられたのも、そこではないですか?
 ただ問題なのは、ケッチャムが伝統的なホラーを時代遅れと非難し、自分の
作品こそホラーのあるべき姿であるというような主張をしていることです。『隣
の家の少女』は厳密にはホラーとは言い難いのですが、小説として非常によく
出来ており、読者に与えるインパクトの強烈さは凡百のモダンホラーの比では
ありません。言わば挑戦状を叩き付けられているわけで、本格ホラー派にはこ
れを迎え撃つ義務があるように思うのです。超自然的な題材を使い、『隣の家
の少女』を上回るインパクトを持った作品を生み出すこと――これが出来なけ
れば、ケッチャムの主張を完全に否定はできないのではないでしょうか(ね、
倉阪さん)。

『死の舞踏』については、該当個所を読み直してご返事を、と思ったのですが
……すいません、訳書が本の山に埋もれてて見つからないんです(笑)。ま、
terror/horror問題は長期企画のつもりでおりますので(←何を勝手なことを)、
のんびりお付き合いくださいませ。

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催促のご連絡 投稿者:Masuda  投稿日:04月20日(火)21時31分01秒

東様
 すでに全体の4分の1ほどがアップしておりますが、東先生のほうはいかが
 なものでしょうか。……いえ、ちょっと不安にかられたもんですから(笑)。

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敢えて火に油を注ぐ 投稿者:中島晶也  投稿日:04月20日(火)21時02分10秒

>東様
 いやあ、もう一度見たいですよね、『ガメラ3』。ロードショー公開は終わ
ってしまいましたけど、二番館ならまだ……えっ、そういう話題じゃないんで
すか?!

 うーむ、こういう方向に話が転がっていくとは予想外だったので、ちょっと
戸惑っています。これでは東さんに疑義を提示されたギャラリー諸氏に応えて
いるとは言い難いような……。
「新しい秩序作りなんぞに、よりよってクトゥルーを利用するな!」というの
は大賛成なんですけど(あれは「秩序なき繋がり」こそが魅力なんですよね)、
東さんが本当に問題視されてるのは、「クトゥルーを利用すること」ではなく
「新しい秩序作り」の方なのではないですか?
 そうでなければ、

>> むしろ貴君は被害者に近いのでは、と小生はなかば同情している次第。

>>  そういうところをキッチリ整理して書かないから、安直なメジャー/マイナーの二
>> 項対立図式ばかりが目立って、全体として「日本ホラー派のスポークスマン」みたい
>> な印象を与えてしまうのでは?

>>  それより問題なのは、ごく一部の作家のくだらん権力欲や虚栄心のせいで、ジャン
>> ル・ホラー全体が自閉的な被害妄想集団であるかのような誤解を、一般読者に与えて
>> しまいかねないという点でしょう。

といったご発言は出てこないはずです。
 そうだとしたら、なぜそちらを直接討とうとされないのですか? 東さん自
身が「被害者」とおっしゃられている笹川さんの評論について云々している場
合ではないでしょう。その背後にある(と東さんがお考えの)根本の原因をは
っきり明言して議論するべきなのではないですか?
 何らかのお考えがあって、わざとそういう姿勢を採られているのかもしれま
せんが、今のような状況が続くと、「ホラー帝国とホラー共和国の覇権争い」
みたいな下世話な理解をしてしまう者が現れる危険すらある、と私は思います
よ。

 それはそれとして――SFセミナー、がんばってください! 今までお世話
になった恩義はもちろん忘れてはなりませんが、たとえ小さくともホラー帝国
は独立国であることをSF者の皆さんに知らしめてください(さっきの話題と
表現が矛盾しているかな?)。余裕があったら景気はいいけど内情はメタメタ
なファンタジー連邦の建て直しもお願いしたいところですけど、これは石堂さ
んの守備範囲でしょうか(笑)。

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おくればせ 投稿者:松本楽志  投稿日:04月20日(火)19時39分31秒

こんにちは。
遅ればせながら(ほんとに遅い)お引っ越しおめでとうございますです。
意外にさわやかなのでちょっとがっかり(笑)

西崎さんに振ろうと思っていた翻訳文体の件は、
考えているうちに、単に僕の理解力がないだけなのではないかと、
どんどんわけがわからなくなってしまったので保留しときます……

ただ、イメージとして、紀田先生のMRジェイムス傑作選は、
指示代名詞が多すぎたのが妙にひっかかったような気がするのですが、
ちょっと確かめてきます。

それでは今後もよろしくお願いします。
勉強させて下さいね。

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参戦表明 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月20日(火)15時27分39秒

大森様
 余程のことがないかぎり(あるだろおぉぉ〜ってか?>某氏)出席できると思います。
 朝松健さんや井上雅彦さんには声をかけないのですか?(笑)

管理人様
 そうか、会社のアドレスでしたか。失礼しました。
 よろしくお願いします(でも「日誌」じゃ、ないんだけど……)。

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おお、素早い(笑) 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月20日(火)15時20分37秒

笹川様
 迅速なリアクション、恐縮です。

>コアな議論と、周縁や予備軍に対するアピールは分けて考えるべきではないかと思
>うわけです。プロパーの人間が思うほど、非プロパーの人たちはジャンルに対して
>理解があるわけではありません。
 そう、まさにそれだからこそ、「いかがなものか」と心配しておるわけですよ。
「すれっからし(失礼!)のマニア」ならば、過去の神話作品の内実がどういうもの
だったか、すでに共通理解があるのだから、笹川氏の所論も一種の理想論として「お
お〜燃えるぜ」で済ませられるわけですが(笑)、初心な読者が『秘神』をきっかけ
に過剰な社会派的期待をもって〈クトゥルー〉や〈真クリ〉に手を伸ばしたとして、
そのとき個々の作品にどのような感想を抱くのだろうか、ということです。
「これが現実に対するテロリズム? バッカじゃないの」と呆れられないことを、切
に祈りたい心境です。
 それともう一点。「周縁や予備軍に対するアピール」に、こうした形でオウムや酒
鬼薔薇の件を持ち出すことの危険性も、ついでに指摘しておきたいと思います。
「ラヴクラフトが必死に物語を語ることによって辛うじて拮抗しえた現実に彼らは、
稚拙な物語しか紡げなかったために打ちのめされた」とありますが、これは誤解を招
きかねない表現ではないでしょうか?
 オウムや酒鬼薔薇の行為は、フィクションとしてのホラーとは無縁である、という
大前提を、どこかで強調しておいてほしかったと思います。それを大前提とは認識し
ていないかもしれない「予備軍」のために。
 いずれにせよ、「周縁や予備軍に対するアピール」の場合にこそ、細心の配慮と十
二分に練られた戦略が必要になるだろう、ということです。威勢のいいアジテーショ
ンもいいのですが、それが実態から遊離し、実態を誤解させたり幻滅させたりするも
のであってはならないと思います。(←もちろん自戒とともに。実感こもってるでし
ょ!?(笑)

 以下、レスが前後しますが――
>現実問題として、それにはまずある程度ジャンル(あるいはマーケット)を確立し
>なければならないのではないでしょうか?
 マーケティング戦略としてのジャンル確立ということなら、たとえば専門の雑誌や
オリジナル・アンソロジー、あるいは入門書やランキング本といった「器」が同時多
発的に用意されれば、とりあえずオッケーなのでは? そこから先の啓蒙活動や舵取
りは、むしろ小生や貴君のような評論家や編集者の仕事でしょう。
 で、そのための基盤は、一人でも多くの作家が、一編でも多くの優れたホラー作品
を書いてくれること、であって、それは個々の作家の奮闘・精進に期待するしかない
し、それが結果的に「ホラー界の再編」につながっていくことはあっても、逆は無意
味かと忖度する次第。

>それまでは、ある程度戦略的に立ち回ることも必要だと思います。最前線に立ち続
>けてきた東さんであれば、痛感されているのではないでしょうか?
 もちろんです。98年を境に、小生が「ホラー評論家」としてのスタンスを意識的
にシフトさせたのも(カンタンに言えば「ホラー全面擁護」から「是々非々」へ、か
な!?)、ひとえにそれゆえです。
 この点については長くなるので(またかーい!)改めてコメントしたいと思います。
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管理から2 投稿者:管理人  投稿日:04月20日(火)12時16分07秒

大森様
 先日のオフ会どうもです。書き込みもありがとうございます。
 しかし、大森さんとこの掲示板えらいことになってますね(僕にはそれしかいえない)。では。
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管理人から 投稿者:管理人  投稿日:04月20日(火)12時06分41秒

東氏の原稿会社のマックに届いてました。
会社に届いてたので、原稿を土日寝かせてしまった(笑)
今晩アップロードします。

石堂さま>
 これは実にお久しぶりです。
 しかも、やっぱり見てたんだ(笑)
 アトリエOCTAの件、オーケーです。原稿ファイルを送って下さい。

笹川さま>
 いらっしゃいませ。今後ともよろしくお願いします。

Kaiさま>
 いらっしゃいませ。ホームページを一部拝見しました。ブランショですか、
 私は学生時分『文学空間』に挫折した経験があります。

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ウエイクフィールドの秀作 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月20日(火)11時57分24秒

こんにちは、みなさん

吉村さん
 ウエイクフィールド少し考えてみました。IMAGINE A MAN IN A BOX は持っ
ていないので(いま、註文しようかどうか迷っているところです)、リファレン
スから内容を調べて書いています。

◆THE CLOCK STRIKES TWELVE AND OTHER STORIES
 これで私が一番面白かったのはやはり自分で訳した"The First Sheaf"ですね。
あと、訳があるのですが、"Lucky's Grove"も恐いです。ほかは少し薄味の作品
が多いかなという気がします。
◆IMAGINE A MAN IN A BOX
 普通の小説も混じったコレクションのようですね。平井呈一訳ではどこが恐い
のか判らない"The Frontier Guards"の恐い箇所を教えてください。ブライラー
の書いた粗筋を読みますと"Corporal Humpit of the Fourth Musketeers"とい
うのが面白そうな気がします。
◆OLD MAN'S BEARD
 3冊のなかでは一番好きなコレクションです。タイトル作もいいし、"The Cairn"
はつぎに訳すつもりの怪談集に収めるつもりでいます(といっても版元とか全然
決まっていないのですが。求む版元)。"Present at the End"は微笑ましいよう
な、詰まらないような何だかへんてこりんな話です。ほかの作品もなかなか粒が
揃っていますよ。読み終わったら感想を聞かせてくださいね。怪奇小説万歳。

                              西崎 拝

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ホラー3分類 投稿者:Kai  投稿日:04月20日(火)09時45分53秒

はじめまして。移転前からホラー掲示板を興味深く読ませて頂いている1ホラー読者です。
モダンホラーとは何かをつかもうと別冊幻想文学「モダンホラースペシャル」は熟読しました。
本や雑誌でお名前を拝見している方ばかりのところに書き込むのは気が引けるのですが、
horror/terrorの分類が話題になり始めた頃から気になっていたことがあるので、ここで
書き込ませて頂きます。私はとにかくキングが好きで、『死の舞踊』(DANSE MACABRE)
(安野玲訳、福武書店)をホラーの教科書のように思っているのですが、ここでキングは
自分なりにホラーを3つのタイプに分けています。それは、1. terror<戦慄>(と訳されて
います)2.horror<恐怖> 3.revulsion<不快感>です。それぞれ例を挙げて説明しているの
ですが、簡単にまとめますと、terror(戦慄)は、恐怖を与える何ものかが実際に現れる訳では
ない。何ものかがそこにいるのではないかというしるしのようなものが出てくるだけで、あくまで
こちらが勝手に恐怖を感じる、といったもの。(「フックの話」というのと、ジェイコブズ『猿の
手』の例。)続いてhorror(恐怖)は、「正体は分からないが実態のある何ものか」。最後の
revulsion(不快感)は、様々な小説や映画が思い浮かべられると思いますが、要するに吐気
を催させるようなシーンということです。そしてキングは結論として次のように述べます。この
掲示板の議論で問題のあるところかもしれませんので引用します。「最上層にはterrorが、その
下にはhorrorが、そして、最下層には吐気を催させるようなrevulsionが存在する。こうした区別
は時と場合によっては便利なこともあるので、私のような"日曜"ホラー作家としてはきちんと認識
しておくべきだろう。(中略)例えば私はterrorこそが最上だと考えている(中略)からこそ、
読者には常にterrorを与えようと努力している。それでも、もしその試みがうまく行かなかった
場合には、horrorを与えようとするのにやぶさかではない。さらにそれにも失敗すればまちがい
なくrevulsionタイプに走るだろう。自慢できることではない。」(因みにここの"日曜"の意味
が分かりません。原語を確かめていないのですが。むしろ"平日"ホラー作家のはずですが。)
このようなキングだからこそ、確か『ホラーウェイブ』だったと思いますが、「キングは健康的す
ぎる」という発言があったりするのも理解できます。ここでキングを持ち出すのは的外れなので
しょうか?ホラー全史的にこのキングのホラー論はどのような位置づけになっているかご教示頂け
ればと思います。
長くなりましたが、ついでにあと1つ。私は帯に「キング絶賛」とあるとつい読んでしまうので
ケッチャムも以前読んだのですが、首を捻ってしまいました。ジャンル的にはあれはホラーに
入るのでしょうか?>中島様
http://www.geocities.co.jp/Berkeley/4761/detruire.htm

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SFセミナー合宿ホラー企画 投稿者:大森望  投稿日:04月20日(火)09時40分45秒

 うちの伝言板(http://www13.pair.com/kt/bo1/ohmori/brd01.htm)をご覧の方は
お気づきかもしれませんが、毎年五月にやってるSF系のイベント、《SFセミナー》
の合宿で、なりゆき上、ホラー企画をやることになりました。

 SFとホラーの境界領域に属する小説が最近多いんで、ここらへんで領土問題をき
ちんと解決しようとか(笑)そういう趣旨です。

 というわけで、できればぜひ、この掲示板にお集まりの皆様のゲスト参加をおねが
いしたいんですが。合宿企画なので無料奉仕です。参加費免除ぐらいは大丈夫。ホラ
ー布教演説でもなんでもOK。
 とくに、倉阪さんや東さん、笹川さんにはぜひお越し頂きたいのですが……。

 5月2日の夜、場所は本郷の日本旅館。和室の片隅で、車座になって……という気
楽な企画です。
 SFセミナーの詳細は、
http://www.twics.com/~hamada/sfseminar/arc1999/sfs-ad99.html
 をご覧ください。合宿企画については上記掲示板参照です。企画と関係なく遊びに
来てくださる方も歓迎です。

 って、最初のポストがこんなのですみません。

http://www.ltokyo.com/ohmori/

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いよいよですね 投稿者:笹川 吉晴  投稿日:04月20日(火)04時38分08秒

関係者各位様
まずは遅れ馳せながら、ご引越しおめでとうございます。

東様
久し振りに覗いたら、その日に「大問題」が始まっていたとは、偶然とは恐ろしいものです。
現在某賞の下読みやら、引越し準備やらを抱えているため、当面はごく簡単にしか意見を書き込
めないと思いますが、極力目を通していきます。
さて、まずは“ホラー界再編”についてですが、僕自身も作家に徒党を組んでほしいわけでは
ありません。個々の作家がそれぞれ評価されていくというのが理想でしょう。しかし現実問題と
して、それにはまずある程度ジャンル(あるいはマーケット)を確立しなければならないのでは
ないでしょうか? やはり「構築」のないところ「脱構築」(言ってて恥ずかしい言葉ですが)
もないわけで。それまでは、ある程度戦略的に立ち回ることも必要だと思います。最前線に立ち
続けてきた東さんであれば、痛感されているのではないでしょうか?
もちろん、そこで党派主義に陥ることがあってはならないとは思いますが、これはホラー、い
や小説に限らず、人間社会のどんな営為にも付き物の危険でありましょう。
それから現実とのスタンスという問題ですが、オウムや酒鬼薔薇は結局「良識的」な論理体系
に取り込まれてしまったという点において、やはり「敗北」したのだと思います。そして震災も
結局のところ急速に風化させられてしまった。こうした、「現実」を隠蔽して安寧を得ようとい
う意識的・無意識的な欺瞞を曝け出す機能を、今こそフィクション、とりわけホラーには発揮し
て欲しいと思うのです。困難=不可能ではありません。
もちろん、作家があからさまに意図的である必要はまったくないし、それどころか端っからそ
んな意図がなくたって、ちっとも構わないと思います。むしろ作品を委ねられた読み手側が、何
を読み取っていくかという問題でしょう。そのときに、すれっからし(失礼!)のマニアよりも
あまりホラーの読み手として自覚的でなかった人々が、対象として想定される媒体で文章を書く
ことが多いというのは、これは僕の個人的な事情でした。
ここで第一の問題に戻るのですが、コアな議論と、周縁や予備軍に対するアピールは分けて考
えるべきではないかと思うわけです。プロパーの人間が思うほど、非プロパーの人たちはジャン
ルに対して理解があるわけではありません(これはもちろんどんなジャンルでも同じだと思う
ので、優越意識の類ではありません)。
以上、小論の言い訳であると取られなければいいのですが。とりあえず今日はこれにて。

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Terror/Horror 投稿者:中野善夫  投稿日:04月20日(火)04時10分04秒

中島さんが私が心に抱いてゐた疑問を解りやすく纏めて下さいました。「2」と「3」
の間の隔たりが私にとつても大きな疑問でしたが、怠け者の私はつい黙つてとほりす
ぎようとしてゐました。

何故、2と3の間に隔たりがあるのか。
いつからさうなつたのか。
もしかしてアメリカとイギリスで違ひがあつたりしないのか。

といふやうな疑問がある訳ですが、もちろん私には答は解りません。

さういへば、1930年代にアメリカのパルプ雑誌で、Terror TalesといふのとHorror
Storiesといふのがありましたが、あれは一体どういふ作品が収録されてゐたのでせ
うか。やはり私はWeird Talesの方がいいな、といふのは全く関係ない話でしたね。
すみません。

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裕福ならざる身ゆえ 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月20日(火)02時25分24秒

こんにちは、みなさん

倉阪さん

 バリー・ペインですか。すごいですね。でも、そのあたりまで買っていくと、き
りがないという気も少しします。私もこのところ久々に本代が嵩んでおります。ど
うしても欲しい本はしかし段々少なくなりますね。ニュージェント・バーカーの
『左手が書いた物語』(だっけかな)とか『ルクンドー』とかギルクリストとか
(これはどちらも持ってらっしゃいますよね)。インターネットで本を買うのは密
かな愉しみという感じでなかなかいいものではあります。

                              西崎 拝

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はじめまして 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月20日(火)02時00分43秒

石堂さま

 いつもお世話になっております。えーと、明日の朝、送付するという感じで
よろしいでしょうか。量が少なければファックスで送りたいと思っております。
私はじつはかなりファンタジーが好きです。今度お話をうかがわせてください。
長篇のシリーズの原案、メールで送付させていただきます。よろしくお願いいた
します。

                              西崎 拝

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短信 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月20日(火)00時17分04秒

倉阪様
 座談会、お疲れさまでした。
 健闘を称えたいと思います(笑)。

石堂様
 いつもお世話になっています。
 ぜひ、この場でも、忌憚のない発言をバシバシぶちかましてください。
 陰ながら応援しております(笑)。

Masuda様
 さがさないでください。

皆様
 お待たせしておりましたが、先日、管理人様あてに「幻想文学企画室通信」第一弾の原稿を送信しておきましたので、近日中にお披露目できるかと思います。
 よろしくお付き合いのほど、お願いいたします。

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再説「terrorとhorrorに纏わる混乱」 投稿者:中島晶也  投稿日:04月20日(火)00時14分29秒

 どうやら治田さんは一挙に片を付けようとされているみたいですが(そうで
もないですか?)、新しい場所に移ったこともありますし、まず最初に混乱し
ている状況を整理しておこうと思います。
 何かお気づきの点がありましたら、どなたでも遠慮なくご指摘ください。
───────────────────────────────────
1.辞書に見られる定義
 terror:語源は「脅かす」。強い恐怖。強弱以外に特殊な意味付けはない。
 horror:語源は「毛が逆立つ」。嫌悪感を伴った、強い恐怖。

 OEDほどの大規模な辞書になると、中野さんのご報告の通り、嫌悪を離れ
畏怖の念や超自然と関連づける記述もあるようですが、一般的な辞書には嫌悪
感との関連についてしか書かれていないようです。
「恐怖」を意味する英語の使い分けについては、私のパソコンに入っているプ
ログレシッブ和英中辞典第2版の説明がなかなか解りやすかったので(何たっ
て日本語だし)、参考までに引用しておきます。

「fearは不安,おびえを表す一般的な語. dreadは fearとほぼ同じだがいやなも
のに出会うのをいやがる気持ちが入る. terrorは恐慌状態寸前の激しい恐怖.
frightは突然ぎょっとする気持ち,通例長続きしない. horrorは恐怖を伴う嫌悪
感を強調する」

2.ゴシック・ロマンスにおけるterrorとhorror
 terror:受け手の魂を拡大させるような崇高美を喚起する恐怖。
 horror:受け手の魂を萎縮させるような嫌悪感を喚起する恐怖。

 これはラドクリフによる定義ですが、横山茂雄さんの『異形のテクスト』に
よると彼女に先行する論者もあったそうで、ある程度の広がりを持った認識だ
ったようです(今日でもゴシック・ロマンスの研究書などでは、この定義付け
が用いられています)。また、それまではterrorは超自然(幻想)の間接的な
恐怖、horrorは自然(現実)の生々しい恐怖と位置づけられていたのに対し、
ラドクリフは恐怖の原因よりも効果を重視、超自然抜きのterrorを実現したこ
とに意義があるのだそうです。

3.現在の一般的通念(特にフィクションのジャンルとして)
 terror:恐怖一般を指す。ジャンルとしては、はっきりと確立していないも
    のの、怪奇小説+スリラー。
 horror:超自然現象による恐怖を指す。ジャンルとしては怪奇小説。

 ただし、フィクションを離れた恐怖そのものを現す言葉としては、それほど
明確に使い分けはされていないようです。
───────────────────────────────────
 1.2.はなんとなく繋がっている感じがしますけど、2.と3.の間には
かなり隔たりがあるんです。倉阪さんが帝国の中枢をterrorに置いて地図を書
かれていたのは、他の発言でもゴシック・ロマンスから説き始める姿勢を一貫
して採られているので、特に違和感は感じなかったのですが、それにしても何
でこういう食い違いが生じているのだろうと不思議に思ったので、話題にして
みたわけです。

 最後に告白――実は私もラドクリフは読んでません(笑)。合理的な解決が
着くと聞くと、どうしても後回しになってしまうんですね。訳書も1冊しか出
てない上に、なぜか古書目録でもあまり見掛けないし。

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つづきだよん 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月20日(火)00時11分24秒

 笹川氏は評論の末尾近くで、酒鬼薔薇やオウム真理教を引き合いに出して「ラヴク
ラフトが必死に物語を語ることによって辛うじて拮抗しえた現実に彼らは、稚拙な物
語しか紡げなかったために打ちのめされた」と述べていますが、別の見方をすれば、
かれらの愚行は、しかし確実に、この現実の一部を震撼させた。これは否定しようの
ないところでしょう。
 小説業界の現場に身を置いてきたものの実感として、オウムと阪神大震災を契機に、
フィクションの地盤沈下が加速されたことは事実だと思います。
 つまり、「今時邪神や怪物など誰もまともに取り合いはしない」のは、それが非合
理な絵空事だからではなく、すでに我々は不条理な力によって大都会が灰燼に帰し、
カルト集団(邪神崇拝者!?)によって無差別殺戮が決行される「現実」に、否応なく
立ち会わされてしまったから、だと小生は思います。
 たとえば――いきなり飛躍するようですが(笑)――「ガメラ3」には、そうした
ポスト震災、ポスト・オウムに対する表現者としての自覚が(少なくとも映像的には)
ひしひしと感じられました。
 ひるがえって、本格ホラーの現状は……。
 現代日本において、本格ホラーを書くということは、ことほどさように二重三重の
意味で困難な営為であり、それゆえにまた挑戦しがいのある営為であり、それゆえに
またまた(笑)小生はそうした困難に挑もうとする作家たちに満腔の敬意を表するも
のです。
 だからこそ! そうした現状を直視することなく、ダーレスもラムレイもみーんな
偉かった、と「アウトサイダーたちのユートピア」みたいなものを一方的に宣揚する
だけでは、「おたくの独りよがり」と受け取られかねないだろう……と、ロートル怪
奇ファンは思うのでありますが、いかがなもんでしょうね?

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たーいへん長らく 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月20日(火)00時07分16秒

 お待たせいたしました。
 ようやく人間に戻れたみたいです(笑)。
 で、早速ですが「根本的に見解をうかがいたい大問題」について。
 いや、あまりにも引っぱりすぎて(わっはっは)、今さら話題にするのも気がひけ
るようなことなのですが……。

『秘神』所収の評論「邪神崇拝者の肖像」の中で、笹川氏はホラーの本質は〈恐怖〉
でなく〈怪奇〉であると規定し、「〈恐怖〉は秩序の側に属しているのだ。それに対
し、〈怪奇〉は秩序に疎外される側から世界を見ている」と述べ、さらに「クトゥル
ー神話大系に集った作家たちもまたアウトサイダーであり、自分たちを疎外し、ある
いは屈服を要求する世界に対して邪神によるテロリズムを仕掛けていった。日本人作
家が神話作品を書くというのはこの、現実に対する想像力による抵抗戦に参戦すると
いうことであり、日本を邪神怪物の跋扈する無秩序なユートピアに変えてしまうこと
だ」と、勇ましくも高揚感みなぎる主張を展開しています。
 右の主張自体は、確かに鬼さんや中島氏も同意していたように、思わず「昔の血が
さわぐ」類のもので、別にことさら異議をとなえる必要はないとも思いますが、それ
に続けて――
「ホラー作家の集合による架空世界の創造という日本初の試みは、我が国のホラー界
を強いジャンル意識の下、再編する可能性を秘めている。現実からの逃避ではない。
現実にねじ伏せられていたホラーが結集し、再び現実に対し想像力による侵攻を開始
するのだ」
 ……となると、「ちょっと待ったあ!」と思わざるをえません。「ホラー界を強い
ジャンル意識の下、再編する」って……それもひとつの「秩序」化なのではないです
か? 秩序から疎外されたアウトサイダーたちが、またぞろ自前の秩序を生み出して
どうするんだ、というのが問題点のひとつ。
 さらに「現実に対する想像力による抵抗戦」というものは、本来、集団とか数を恃
んでなされるべきことではないのではないか……という疑問もあります。駄作が百編、
千編集まっても、現実は微動だにしないわけで(笑)。
 そもそも、クトゥルー神話なるものが「邪神によるテロリズム」といえる実質を備
えたことが、これまで何度あったでしょうか? 確かにラヴクラフト作品には、そう
した「力」――現実を侵犯しようとするフィクションの呪力みたいなもの――がある
と小生も思います。
 しかし、ダーレスをはじめとする後続神話作家が行なったことは、大局的にみれば、
神話の先鋭化・武闘化(対現実抵抗戦における)ではなくて、限りないゲーム化・遊
戯化の道だったのではないか……という歯がゆさを、小生は拭い去ることができない
のです。
 ラヴクラフトの没後、クトゥルー神話とは訣別したロバート・ブロックが、その晩
年に至って発表した長編『アーカム計画』が、ダーレス流神話大系とは明確に一線を
画すことによって、唯一例外的に、ラヴクラフトの精神を忠実に継承し、現実に対す
る毒に満ちた神話作品たりえていたのは、いかにも象徴的であると小生は思います。
 ここで誤解のないように一言しておきますが、小生は、「だからクトゥルー神話は
ダメなんだ」といった類の批判をしているのではありません(『クトゥルー神話事典』
の著者がそんなことを言うはずもないですが)。
 現状における大部分のクトゥルー神話作品は、端的に言って「遊びの精神」の産物
であり、ホラー・ファンの連帯感を確認する祭祀的(!?)意義はとても大きい。それ
をことさらに「現実に対する想像力による抵抗戦」といった土俵へ引っぱり出すこと
に疑問を感ずるだけのことです。(以下、次信へ続く)

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サイコ座談会が終わったぞ 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月19日(月)22時57分10秒

石堂様
ようお越し。本日投函しました。

西崎様
バリー・ペインの短篇集当たりました(嬉)。ああ、7冊で180ポンドか・・。

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こんにちは 投稿者:石堂藍  投稿日:04月19日(月)15時12分20秒

管理人室をひらこうとしたら時間がかかりそうだったのでここに書いておきます。
いろいろどうもありがとう。今度アトリエOCTAのホームページも作ってください。
今のところただ目録を入れておきたいだけですけど。
とにかく忙しいので、これで失礼。
追記・西崎憲様倉阪鬼一郎様、校正よろしくお願いします。

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うう、 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月19日(月)10時30分12秒

お二方は、マニアなのですね。日本にあるアッシュ・トゥリー・プレスの4分の1くらい
は二人で持っているのでは。

                            西崎 拝

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完全復活か? 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月19日(月)10時07分17秒

やっとメールが使えるようになりました。
ウイルスなどという高尚なものではなく、私のメカ音痴のせいだと思います(笑)。

Ash-Tree Press、24冊持っています。むろん怒っております。今年になってから
何一つ読んでませんから。

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「先生」はよしてくれ 投稿者:中野善夫  投稿日:04月19日(月)04時01分27秒

Ash-Tree Pressについて:
私もAsh-Tree Pressのウェイクフィールドは四冊持つてゐますが、一冊も読んでは
ゐません。Arkham Houseのも二冊持つてゐますが、全然読んでゐません。さういへ
ば Ash-Tree Pressは18冊持つてゐるけれども一冊も読んでゐないのでした。それで
ももつと買はうとしてゐるのですから、莫迦としか云ひやうがありません。倉阪さん
のところでも「一体いつになつたら読んでくれるのかね」と書棚からAsh-Tree
Pressの本が見下ろしてゐるさうですが、まだ彼らは怒つてゐるのでせうか。

吉村さんは自分が註文したウェイクフィールドの書名が解らないと思ふので、私
が代はりに答へますと、
THE CLOCK STRIKES TWELVE AND OTHER STORIES
IMAGINE A MAN IN A BOX
OLD MAN'S BEARD
の三冊です。

吉村さん、ここでは私も先生といふのはよしてください。それから投稿者のところの
名前が消へないなどといふことは掲示板に書くことぢやありません。私に直接云つて
ください。でも、次に書くときに入力しなくて済むのだからそのままで構はないので
はありませんか。いや、職場のだから少々問題あるかな。

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(無題) 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月19日(月)01時13分52秒

こんにちは、みなさん

吉村さま
 ウエイクフィールドお買いになったのですね。アッシュ・トリー・プレスはしかし奇特な出版社です。書名がわかれば、何か参考に書けるのですが。年間集は買っていないなあ。
 うーむ、私の場合は先生というのはよしましょう。

                                 西崎 拝

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ご心配なく 投稿者:管理人  投稿日:04月18日(日)09時10分11秒

倉坂様
 ご心配なくメールを送ってください。
 あたしはウィルスなんぞちっともこわがっておりませんから。
 むしろ、本物が見れるなら(ら抜き言葉だ)と面白がっておりますので。
 幽霊見たいってのと同じです。よろしく。

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唐突で申しわけありません 投稿者:吉村 満美子  投稿日:04月18日(日)08時27分06秒

皆様こんにちは。
先日、Ash-Tree PressよりH. R. Wakefield の短編集を購入いたしました。
まだ手元には届いていないのですが、もう既にお読みになった方も多いかと思います。
読み始める際の参考にしたいので、お薦めの作品等あればお教えいただけないでしょうか?
また、同出版社の Annual Macabre の1997年版を現在読んでいる途中ですが、
面白いので別の号にも興味がわいております。
1997年版以外のもので面白かった年のものがあればご感想をお聞かせください。
私はこういう本を読み始めてまだ日が浅いので、今後の参考のため、洋書を購入する際の
心得などございましたらご教示いただければ幸いです。

中野先生
約束ですよ。ちゃんと返事書いて下さいね。
それと、「投稿者」のとこから私の名前が消えないんですけど、どうしたらいいですか?

西崎様
お仕事は残念ながらうまくいってません。要領が悪いのですね。
先生もお仕事頑張って下さい。

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補足など 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月18日(日)00時18分23秒

管理人様
ちょっと危機意識が不足していました。しばらく様子を見て送付は見合わせます。

中島様
さすがに五日連続で角川「サイコ」文庫を二冊ずつ読むとめいっぱい飽きますね。
むろん面白い作品もあり、変質者に感情移入できる篠田節子「美神解体」、ミザ
リー物の新津きよみ「愛読者」は良かったのですが・・・。

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ご迷惑おかけしました 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月18日(日)00時02分43秒

管理人様
確かに原稿を添付してメールを送りました。外に出ていたFDなので、
それが原因かもしれません。明日新しい専用のFDで送り直します。
申し訳ありませんでした。

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おかしいな 投稿者:管理人  投稿日:04月17日(土)23時00分28秒

鬼さん>
 レスキュー隊が出ようと考えていたのですが、復旧できたようですね。よかった。
 ただ事態はよくないですね。レポートします。
  (鬼さんの状況)
  パスワード認証エラーですね。
  よくあるケースは、パスワードを盗まれて使えなくなる場合。
  名字や名前をそのままパスワードにすると盗まれます
  (僕は3年ほど前ニフティで5万以上使われました。クレームを付けてなしにしてもらいましたが)
  一応、プロバイダに確認して、使用料金をチェックした方がいいと思います。
  (カスタマーサポートとの交渉は鬱とおしいですが)
  ウィルスだと性質がわるいですね。
  マイクロソフト・ワード同封メールでうつるというメリッサが話題になってましたしね。
  ウィルスチェックソフトで調べた方がいいですが、なければ様子を見た方がいいですね。
 (管理人の異変)
  鬼さん、僕にメール送りました?
  メール届いてたので、受信・同封ファイルセーブしたとたん、
  InternetExplorerが、バージョン不適切で起動しなくなりました(マックだけどおかしい)。
  (もちろん謂われなきエラーでした。MacOS7以降が必要とわめくが、私はOS8.1だもんね)
  仕方なく、ネスケで起動して(起動できた)、鬼さんの状況を確認しました。
  それでPPP接続を解除しようとしたら、終了ダイアローグが出ないので、強制リスタートしました。
  リスタートしたらInternetExplorerは動くようになりましたが。
  ウィルスかなあ。マックのウィルスは少ないので、数回しか見たことないし、ウィンドウズから
  マックにうつるウィルスなんて聞いたことないので。
  一応動くようになったけど、信用できないので、月曜日会社で調べてみます。
    
中島さま 治田さま>
 いらっしゃいませ。よろしくお願いします。

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緊急事態解除! 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月17日(土)19時58分28秒

私は偽者ではありません。えー、昨晩「パスワードが間違っている」という表示が
出て入れてくれなくなったのです(保存してあったのに)。一定期間変更しないと
そうなるのかなと思い、変更しようとしたら「このサービスはいま使えません」の
繰り返し。おまけにパスワードを思い出せない。本日、再度試みたのですが、事態
はいっこうに改善されない。業を煮やしていろいろやっているうちにぐちゃぐちゃ
になったので、インストールし直して最初から会員になり、二つIDがあっても仕
方ないから古いほうを削除、一日がかりで復活したという経緯です(疲れた)。
というわけで、メールアドレスが変わります。
kirovk@msn.com です。kが追加になっただけなのですが。

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緊急事態発生! 投稿者:橋詰久子  投稿日:04月17日(土)12時59分47秒

 倉阪さんがインターネットに接続できなくなったそうです。原因は不明。
名前使われてないかなって心配してはりますけど、大丈夫ですよね。ちな
みにニフティはできるそうなので、メールはOKだそうです(すみません、
私よく理解できてないので…。あの、とにかくメールが届いたのです)。
夏来健次さんも機械の調子が悪くて修理中、伝染病かもしれません。けど、
倉阪さんに言ったら一緒にするなって怒られるかな。
 時間かかるかもしれないので、掲示板保存しておいた方がよいのかとか、
どうすればいいのでしょうか?

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祝・ホラー掲示板 投稿者:治田豪和  投稿日:04月17日(土)02時13分16秒

 ホラーな掲示板のお引越しおめでとうございます。
 今後はますます濃くなっていくのでしょう(私は初めて福井さんの掲示板に
来たとき、それがホラーの掲示板であると思っていました)。

 櫻井様
 どうもはじめまして(福井健太さんの掲示板でもお名前は拝見しておりま
した)。治田豪和です。改めてHP及び掲示板の開設おめでとう御座います。
運営は大変なのでしょうが頑張ってください。これからも暇を見て顔を出
しますのでよろしくお願いします。

 中島様、倉阪様
 自分で振っておきながら、返事が大幅に遅れて申し訳ありません。
 恐怖小説と怪奇小説についての貴重なご意見を、どうも有り難うございま
した。
 皆様のterror, horror談義をも踏まえて自分なりに今までの意見をまと
めてみたのですが、以下のような感じでしょうか(かなり前書いたのと変わっ
てしまいました)。ちょっと勝手な解釈かも。苦しいですが。
 微妙に意見が異なるかもしれませんが、中島さん言うところの「怪奇によ
って召喚される恐怖」における、「怪奇」、或いは超自然的ではなくともとに
かく恐怖を結果として呼び覚ます根元に位置するものに比重がかかってい
るのがterrorであり、これが言葉を変えるならばどちらかというと直接的恐怖
にあたり、そのなかでも幾分「超自然的傾向を多く含有しているもの」を現
在の状況では特に「怪奇小説」という。一方、「怪奇によって召喚される恐
怖」の中の「恐怖」に力点が置かれたもの、必ずしも超自然的とは言えない
が、精神面で影響を強く及ぼしているように描かれるものが、現実、非現実
的の両傾向を含めて「恐怖小説」であり、horrorにあたる。そしてterror, 
horror二つをひっくるめた感じのものが広義・俗称としてのホラー、といった
ところでしょうか。あくまで一解釈としてですが。
 たとえば蛆虫だらけのおぞましいゾンビを考えたとき、それを文字どおりお
ぞましく、嫌悪感たっぷりに描いたり、漠然とその存在感を匂わせ、登場人物
を不安や脅えの中に誘うような描写をしたらhorror、逆に、それ(ゾンビ)が恐
怖の存在であるのだけれど、どちらかというと形態描写というか冷めた目で描
いたり、おぞましさを強調しないという意味で描写に凝らなかったり、ゾンビ
そのものよりもむしろその襲撃、攻撃による直接的被害を描くことを主眼にお
いたら「terrorで怪奇」な小説になり得るでしょうか。
 しかし上の定義だと「怪奇ではないterror」に相当する日本語が必要になっ
てきてしまいますね。難しい、、、。
 あと、その考えで行くとやはり「畏怖」の入る余地がなくなる気がします。
「広義のホラー」の中に、terror, horrorとは似て非なるものとしての、別系統の新たなる位置づけが必要? 
 もっとも確かに厳密にジャンルとして(特に怪奇と恐怖とか)区別できるもの
ではないのでしょうが。無意味かもしれないとは思いつつも、ついつい考え
込んでしまったもので。 

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あの、これだけです… 投稿者:橋詰久子  投稿日:04月17日(土)01時00分32秒

 200人目の来訪者となりました。なんか嬉しいです。
実は十三人目でもあったのですが。

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こちらでもよろしく 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月16日(金)21時19分35秒

こんにちは、みなさん

吉村さま
 お仕事のほうは如何ですか? 順調にいってますでしょうか。こちらでも
よろしくお願いいたします。

                           西崎 拝

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おじゃまします 投稿者:中島晶也  投稿日:04月16日(金)20時57分50秒

 開設おめでとうございます。
 皆様、こちらでもよろしくお願いいたします。

 手ぶらでは何ですので、お土産を持参して参りました。英語のペーパーバッ
ク専門古書店のリンクです。店名はTHE BOOK RACK。分野別の目録がアップさ
れていて、もちろん注文が可能です。悲しいことにホラーは「Occult」と分
類されていますが、一般の小説の方にもホラーが結構あるので要チェック。
 マニアックなものはありませんから、インターネットで古典ホラーをばしば
し取り寄せられている方には物足りないと思います。でも、邦訳される見込み
の薄い、ちょっと前のモダンホラーを漁るのには重宝するかも。値段も数百円
のものばかりですしね。

>倉阪様
 一足お先にサイコ地獄(なんて書くとバチが当たりそうだな)から抜けちゃ
いました(嬉)。今日からはまた、超自然的恐怖な日々です。

「幻想文学の部屋」って、Niftyのですよね? 確かに濃いのですけど怪奇より
耽美なので、私は少し浮いてしまう感じです。

>> ところで、terrorを原義どおりに使用するとしたら、私がterrorだと思って
>> いたもの(「このホラ」アンケートの小林孝夫氏など、私だけではないと思い
>> ますが)、つまり「畏怖」や「崇高美(sublime)」を眼目とする恐怖はどう
>> 呼べばいいのでしょうか?

 私もよく判らないからこのネタを振ったんです(笑)。皆でこれから考えまし
ょう。

 THE BOOK RACKはこちら↓
http://www.na.rim.or.jp/~bookrack/indexj.html

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今度は大丈夫かなあ? 投稿者:Masuda  投稿日:04月16日(金)13時45分17秒

中嶋様
 ロバフリが、ビッグコミックスピリッツ誌で、終わりなき日常を生きているセンセイと対談して
 いるのを見て、椅子から落ちそうになりました。これからもよろしく。

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お礼など 投稿者:管理人  投稿日:04月16日(金)12時21分19秒

東さん>
 引っぱり込んですいませんが、期待しております。
 中華大魔王も引っぱり込んじゃおうかな(笑)
 えーと、誕生日の件、宣伝しておいたら誰かからプレゼントがもらえるんじゃないかと思って(笑い)。
 来週までには外します。

倉阪さま>
 高井さんの件、ありがとうございます。
 ヒット数にこだわるつもりはぜんぜんないんです、心の中では。
 でも鬼さん、東さん、僕のページそれぞれにカウンタをおいて、ウェブ内競争しますか?(笑)
 それとURLの件ですが、よほど不自由な事態にならない限り変更する気はないです。
 ミラーサイトを作って、遊び放題したいという欲望はありますけど。

高井さま>
 はじめまして(たぶんお会いしたことはないと思います、間違いでしたらすいません)
 よろしくお願いします。
 >私は、インターネットというものに手を出して以来、もう4年近くたちますが
 >こういうサイトができるのを本当に首を長くして待っていました。
 僕も待ってたんですけど、まさか自分で作ることになるとは思いませんでした。

中嶋さま>
 ほんにご無沙汰です。錬金術のこと教えてくれー。

吉村さま>
 はじめまして。よろしくお願いします。

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おめでとうございます。 投稿者:吉村 満美子  投稿日:04月16日(金)08時37分32秒

はじめまして。開設おめでとうございます。
これを機に皆様のお仲間に入れていただきたいなと思っております。
どうぞよろしくお願いします。

中野先生
遂に念願かないました。ばんざい。

にしざきさま
いつも私のくだらないメールにお返事下さってありがとうございます。

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おめっとさん 投稿者:中嶋千裕  投稿日:04月16日(金)07時34分30秒

櫻井さん

ぶさた。
あれ、このまえ送ったのですが、早すぎたかな?
とにかく、うれしいなあ。
私はどちらかというと、錬金術の人なのでそのへん、きたいしてますよ。

おーい。増田さん、幻想音楽談義をしようよお。ロバフリが『アンアン』に出てたよ。
いくら甘いものが好きだからって、女の子が彼を知ってるとは思えないよね。

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開設おめでとうございます 投稿者:高井 守  投稿日:04月16日(金)05時57分55秒

倉阪氏に下で紹介していただいている高井です。

本格的な幻想文学会系のサイトが登場したようで、
本当にうれしいです。

私は、インターネットというものに手を出して以来、
もう4年近くたちますが
こういうサイトができるのを本当に首を長くして待っていました。

というわけで、
当サイトも、これまでの倉阪氏に加え、
貴サイトのホームページにもリンクを貼らせていただきますので、
よろしくおねがいいたします。
http://www.jp.piko.to/

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ホラー一番乗りかな? 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月16日(金)00時14分58秒

櫻井管理人様
幻想文学会OBの高井守君にはこちらから連絡しました。
彼のサイトは http://www.jp.piko.to/ です。
もう5万ヒットを超えてますね。
それから、今後このサイトのURLが変更される可能性はあるでしょうか。
新しい名刺を作らねばならないのです。

中島様
「幻想文学の部屋」発見しました(笑)。あそこも濃いですね。

ところで、terrorを原義どおりに使用するとしたら、私がterrorだと思って
いたもの(「このホラ」アンケートの小林孝夫氏など、私だけではないと思い
ますが)、つまり「畏怖」や「崇高美(sublime)」を眼目とする恐怖はどう
呼べばいいのでしょうか?

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おそまきながら…… 投稿者:東 雅夫  投稿日:04月15日(木)22時53分08秒

櫻井管理人様
 ホームページ開幕、おめでとうございます。
 お世話をかけますが、ひとつ、よろしくお願いします。
 実はまだ、上半身だけ地上に這い出した状態でして(笑)、本格蘇生はもうちょいと
お待ちくださいまし。>皆様
 あ、それから誕生日のコメントは気恥ずかしいので早く外しておくれよぉ〜(笑)。

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管理人レポート 投稿者:管理人  投稿日:04月15日(木)12時15分08秒

トップページのアクセスカウンタで不具合が見つかったので、修正しました。
再び0からカウントです(といっても現在、既に40をこえていますが)。
昨晩の11時過ぎにウェブの更新をかけようとしたんですが、
混んでいたのかレスポンスが悪くて、中止しました。一部、正常表示できなかったかもしれません。失礼しました。
この掲示板ですが、本日レベル1にグレードアップしました。
一回の表示件数は20に設定してあります。最大登録件数は150件です。
書き込みが頻繁になっても少し大丈夫です(不安を感じるけど)

橋詰さま
 はじめまして。ありがとうございます。
 よろしくお願いします。
 野球ネタでも結構ですので。

福井様
 ありがとうございます。
 本当はこんな展開になるとは思ってなかった!
 兄弟サイトとして運営できれば幸いです。
 (といっても、俺はちっともホラーな人じゃないんだよな。ミステリーでもないし。)

では。

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はじめまして 投稿者:福井健太  投稿日:04月14日(水)23時28分29秒

 このサイトでは「はじめまして」ですね。今後ともよろしくお願いします。
 このたびは開設おめでとうございます&有難うございます。うちも少しだけ改装したので、
その際、こちらをリンクに追加させていただきました。御了承ください。
 それでは、何かありましたら御連絡いただければ幸いです。どうもでした。
http://member.nifty.ne.jp/kfukui

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業務連絡です 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月14日(水)13時59分41秒

櫻井様
前にメールをいただいたアドレスに著作リストとプロフィールの
改訂版を送りました。これでいいのかな?

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はじめまして 投稿者:橋詰久子  投稿日:04月14日(水)13時21分36秒

管理人さま
 開設おめでとうございます。
 福井くんのところでたまに書き込みをしている者です。
 本邦初(?)のホラーHPとして発展されんことを心より祈っております。
 

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ありがとうございます 投稿者:管理人  投稿日:04月14日(水)11時51分56秒

みなさん、こんにちは。
暖かいお言葉をかけていただき、ありがとうございます。
1日でアクセスカウンタの数字が、100を超えてしまいました。
福井さん、倉阪さん、東さん、福井さんの掲示板の方々の威力恐るべし!ですね。
パイロット版のつもりでしたが、既に動き出してしまっているような気もします。
(実は予想外だったんですけど)
掲示板がうまく動くようみなさまのご協力をお願いします。

フク様
 早速掲示板にご記入いただきありがとうございます。
 早々にリンクも張っていただき感謝いたします。今後ともよろしくお願いします。
 背景色の件、ホームページボタンのURLを修正するときにデフォルトカラーにしたら、
 背景色が変わってしまったんです。普通、RGBカラーの16進の数字を憶えてませんものね。

西崎様
 先日は、面白いお話ありがとうございました。
 早速の書き込みありがとうございます。
 こちらこそよろしくお願いします。

Masuda様
 書き込みありがとうございます。
 Masuda様は、私の知っているマスダ様でしょうか。
 私の知っているマスダ様でしたら、ちょくちょく書き込みしてくださいね。

倉阪様
 ありがとうございます。この掲示板の主要メンバーとして活発な書き込みを期待しております。
 おおいにここを盛り上げて下さいね。

中野様
 はじめまして。書き込みありがとうございます。
 どんどん発言していただいて結構です。よろしくお願いします。

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おめでたうございます 投稿者:中野善夫  投稿日:04月14日(水)04時44分39秒

開設おめでたうございます。
あの、こちらでも一つ宜しくお願ひします、と恐る恐る挨拶してみる
中野でした。

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おめでとうございます 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:04月14日(水)00時40分45秒

masuda君
メールアドレス入れなきゃだめだよ。

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リンク 投稿者:フク  投稿日:04月13日(火)22時51分07秒

あれれ、背景の色が変わっている??
小生のページのリンクに早速加えました。少しでもアクセス数のお役に
立てれば幸いです。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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これで送れるのかなあ? 投稿者:Masuda  投稿日:04月13日(火)21時58分15秒

ド素人なので、転送できるのかどうか不安です。とりあえず、おめでとうございます。

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開設おめでとうございます 投稿者:西崎 憲  投稿日:04月13日(火)13時30分18秒

櫻井さま

 先日はどうも。開設おめでとうございます。これからよろしくお願いいたします。

                                 西崎 拝

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訪問者一番乗り 投稿者:フク  投稿日:04月13日(火)13時25分00秒

こんにちは。
先日はどうも、です。いよいよHP始動ですね。おめでとうございます。今後、
どのような形で盛り上がっていくのか、楽しみです。

先日御許可も頂きました(つもり)ですので、早速今晩にでもこちらにリンク
を張らせて頂きます。

それでは、足跡まで。
http://www.din.or.jp/~fukuda/

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最初は管理人が書くべきでしょうね 投稿者:櫻井清彦  投稿日:04月13日(火)12時07分24秒

昨晩、掲示板の設定だけして、何も書かずに寝てしまった。
だいぶ酔ってたもので。
どなたか何か書いてくれるかと期待したんですが、やっぱり書きづらいのでしょうね。
というわけで、管理人が始めに書きます。
よろしければ、訪問された方がなにか足跡を残して行かれればありがたいです。
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