幻想的掲示板99/05

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了解しました 投稿者:中島晶也  投稿日:05月31日(月)22時37分46秒

>シェヴァイク様

 いつもお世話になっております。

『地底の鰐、天上の蛇』の紹介は私がお引き受けします。ただ、今ちょっと取
り込み中ですので、少し先になります。本当はこの本からスタートするのがベ
ストなんですが、申し訳ないです。適宜コメントを付けさせていただきますの
で、シェヴァイクさんの方で先行していってください。
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田中貢太郎が二度も 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月31日(月)15時49分39秒

東様
福井掲示板の杉江松恋さんの質問に答えてあげてください。
続けて名前を見ると結構不気味だなあ。
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古今英米幽霊事情2 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月31日(月)15時41分56秒

な、なんと、ペネロピ・ライヴリー他著、山内照子編「幽霊がいっぱい」
(新風舎・1800円)が出ました。こんなに早く二巻目が出るとは・・・。
中野さん、日記に書いていただいてありがとうございます。これでおあいこです(笑)。

KAZUTO様、SATOMI様
大変申し訳ありませんでした。まるで東雅夫を二つに割ったようなご夫婦ですね(笑)。
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私と邪悪な人妻 投稿者:SATOMI  投稿日:05月31日(月)14時21分53秒

倉阪鬼一郎さま。

 きちんと説明してなかったのがいけなかったのか、時々誤解されている
方がおられるので、一応説明しておきますが、山尾悠子のリストを作って
いるのがKAZUTO、日記を書いているのはSF人妻で、世間では夫婦と呼ば
れている別人同士です。勘違いされたのでしたらご容赦の程を。
 相方がSF妻というキャラクターを創造してるわけでもなく、どれくら
い別人かというと、相方は泉鏡花や赤江瀑が好きですが、私は田中貢太郎
や岡本綺堂の方が好きです。全然違うでしょ?
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東雅夫(編)『屍鬼の血族』 投稿者:フク  投稿日:05月31日(月)12時38分32秒

読了シリーズ。藤田新策さんの表紙、ずっしり重い中身。うん、良かったです。
感想は別にまた書きますけれど、従来の吸血鬼アンソロジー(ってそんなに読んで
いないけれど)と違って、特に「日本」に拘られているところに凄さを感じました。
ある意味、ネタが分かりながら読んでいるのに、展開におののくような、そんな雰
囲気でした。(東さん、サインください(笑))

幻想文学もようやく、購入。興味あるところのみ先程拾い読みしましたが、これは
ミステリ者も必見ですね。宣伝しておきます。ああ、これから熟読。幸せ。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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管理人通信 投稿者:櫻井清彦  投稿日:05月31日(月)12時12分50秒

中嶋千裕さんの部屋アカシャBarをオープンしました。
みなさん、是非ともごらんになってください
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ご覧になってたんですか! 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月31日(月)02時06分49秒

シェヴァイク様
はじめまして、全部拝見しております(笑)。このたびは本当にありがとうございます。
どうぞ忌憚なくお願いいたします(まじめな話、通り一遍の誉め言葉より、濃い方の厳
しいご意見のほうがありがたいので)。
なお、ニフティだけでインターネットをおやりになっていない方も多いので、私はいっ
さい発言いたしません(発言者に遠慮されると困るので)。
その代わり、この掲示板でフォローすべきことがあれば折にふれて行いたいと存じます。
というわけで、来月の「ホラー映画フォーラム・探奇書房」(存在を教えてくれたのは
井上雅彦さんなのですが)をご期待ください(>皆様)。
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牧野修「偏執の芳香」 投稿者:松本楽志  投稿日:05月31日(月)02時00分49秒

牧野修「偏執の芳香」読みました。

期待が大きすぎたのか、どうもいまいちでした……
牧野先生の得意技といった感じで、
目の付け所とか、すごく好きなんですけど、
(「MOUSE」の「ドックデイ」を彷彿とさせますね)
それなのに、どうも消化不良というか。
どなたか識者の方の意見を伺いたいところです。

でも、まあ、牧野先生の新刊が読めるだけでも幸せかも。
ホラー大賞佳作の「スイートリトルベイビー」も楽しみです。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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お邪魔します 投稿者:シェヴァイク  投稿日:05月31日(月)01時34分48秒

 初めまして、「幻想的掲示板」の皆さま。

 中島晶也さんの発言「えらいこっちゃ」で紹介いただきました、ニフティ
・ホラー映画フォーラムの書籍会議室の会議室係をしているハンドルネーム
「シェヴァイク」と申します。中島さんの発言通り、明日(6月1日)から
倉阪鬼一郎先生の特集を始める予定ですので、倉阪先生含め、ニフティの会
員IDをお持ちの方は、よろしければ通りかかりにでも覗い行って下さい。
m(..)m
 特集で最初にアクティブに発言するのは中島さんと私と後一人くらいでし
ょうが、だんだんとファンが集まってくれればいいなと思っております。

 余談ながら、私が初めて倉阪先生の作品を読んだのは、高校時代に『ムー』
(笑)のカラー特集で「ク・リトル・リトル神話」にはまり、大学進学で上京
直後にむさぼるように読んだ『クトゥルー倶楽部』の「異界への就職」でし
た。『活字狂想曲』を最初の数ページ読んだ時、思い出されたのがこの作品
と生島治郎の「頭の中の昏い唄」でした(「昏い唄」は本にも出てましたが)。

 特集に備えて『悪魔の句集』など未読だった句集・歌集も取り寄せている
のですが、数年来探索中の『地底の鰐、天上の蛇』が古本屋で見つかってま
せんので、フォローをよろしくお願いします>中島さん。

 では、失礼いたしました。
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やっと虚ろな穴に手が回る 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月31日(月)01時20分47秒

藩文雀、もとい、半分弱読了。いいっすねー。

東様
失礼しました。それにしても、まことしやかな記憶が刷り込まれてたなあ。
きっと宇宙人に頭を手術されたんだ。ああ、電波が・・・。

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恐縮な限りです 投稿者:溝口哲郎  投稿日:05月30日(日)20時59分56秒

溝口@書物の帝国です。

 先ほどガイ・バート『体験のあと』(集英社)読了しました。中島さま、倉阪先生のおっしゃる
通り、18歳でこんな作品を書けるとはただひたすら脱帽すると同時に、力量のすごさを
感じました。ホラー者は必読だし、もっと読まれて評価されるべき作品ですね。感想はページ
に後程書きたいと思います。

中島さま>
 御恥ずかしい限りです。ただ印象に思い切り残ったのでメモの形で感想を挙げました。
 ひさびさに良質のホラーを堪能した気分です。ガイ・バートといい、この掲示板や「モダン・
ホラースペシャル」のお陰で色々と知ることができて、満足しております。
内向的なホラーなのですが、自身が変容していく過程がとても不気味でホラー者ならば満足
する作品だと思います。退廃的な自称アーティストたちの自堕落で、どうしようもない生活と
異質なものへのあこがれの二つの要素がうまくミックスされていて、深みにはまっていく気分
です。CIPHERについては気になったので、調べたのですがまさに中島様のおっしゃる通り
ですね。こういうときに多義的に意味がとれる、という意味では題名の翻訳はこれしかなか
ったのではないかと思っております。他の人がどういう反応をするかが楽しみです。

それでは、失礼します。
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中嶋千裕 投稿者:中嶋千裕  投稿日:05月30日(日)16時45分10秒

●東さま
 フォローありがとうございます。
 再開発ってのはさびしいですよね。ほんと。

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ちょっとほっとしました 投稿者:中島晶也  投稿日:05月30日(日)11時30分24秒

>>  問題は、このとことん内向的なホラーが、どこまで日本の読者に受け入れら
>> れるかということですね。

 と、書いた直後に溝口さんの感想を拝読。ちょっとほっとしてしまいました。
もともとホラーな因子をお持ちの方の感想に安心していては、いけないのだろ
うけど。
http://www.mita.keio.ac.jp/~dk995221/cipher.html

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キャシー・コージャ『虚ろな穴』 投稿者:中島晶也  投稿日:05月30日(日)11時03分39秒

 ようやく邦訳されたなあと思っていたら、原著の刊行からまだ8年だったん
ですね。10年は経っていると勘違いしてました。個人的に、「ブロックバス
ター系作家ばっかり紹介しといて、『モダンホラーはジャンルミックスのエン
ターテイメント』なんて乱暴な要約はないだろう」というイライラがあったの
で、よけいに長く感じられたのでしょう。ともあれ、偏ったモダンホラー観に
修正を迫る一冊がようやく邦訳紹介されたことは嬉しい限りです。

 問題は、このとことん内向的なホラーが、どこまで日本の読者に受け入れら
れるかということですね。怪異に遭遇した人間の内面的な変容を焦点にしてい
る辺りは、エイクマンに通ずるものがあるんじゃないかと思ってるんですが。
しかし、そのせいでコージャの長編は最近のものほど純文学への傾斜が強くな
っており、『虚ろな穴』がいちばん普通のホラーかも知れません(これきりで
邦訳はお終いかも)。そんなわけでジャンル全体への影響は薄いのですが、ホ
ラーの可能性の限界に挑んだ作家であることは確かなので、必読です。

 解説がえらく薄味で(ただでさえ地味なんだから、もっと宣伝しないと!)
原題の『The Cipher』について何も書かれていないので、補足しておきましょ
う。「cipher」には数字の零、価値のない物や人、暗号といった意味がありま
す。これほどしっくり来るタイトルは外にあり得ないのですが、日本語に訳し
ようがないですね。カタカナで『ザ・サイファー』とされてもマヌケだし(笑)。

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55号発売! 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月30日(日)03時41分16秒

ニム様
 セミナーではどうもでした。
 そうですか、池袋西武にもありましたか。小生は本日、神保町の三省堂で見かけ
ました。あのへんは地方小出版流通センターの直接取引店なのでスピーディなのだ
と思います。地方の書店にも、たぶん来週前半には入荷すると思いますので、もう
ちょい、お待ちください。>皆様
 あ、そうそう、早速お買いあげいただき感謝です!>ニム様

>期待の山尾悠子さんの作品はいきなり「巻頭傑作短篇」と銘打ってありました。

 ああ、あれはフライングなんですよぉ〜(笑)。小生が石堂に電話したとき、興
奮して「これは傑作だぞ!」と言ったものを、まんま銘打ってしまったという……。
ですから決して看板に偽りはないんですけど、むしろ敢えてさりげに提示して、読
者の皆様に「凄い」と思っていただいたほうが、より高等戦略だったかな、と反省
しております。

>幻想文学事典を巡る4人の座談会で、司会の東編集長だけ写真がありませんでし
>た〜。

 あれは、俺が撮ったんじゃないよー(笑)>鬼さん
 村上さんが撮ってくれたのを、わざわざ送ってくださったのです。ありがとうご
ざいました。>村上様
 でもって、石堂が「アンタは編集長なんだから顔なんか載せなくていいよね」と
御三方のところだけトリミングして載せた、というわけです(笑)。まあ、小生も
自分のとこの雑誌にしゃしゃり出るのは趣味ではないので、別にいいんじゃないか
と思っております。

>先日のSFセミナーで山尾作品集成の進捗状況についてお訊きしたのは私ですが、
>あれからまた具体的な形は出来てきたのでしょうか?

 その後は特に聞いておりません。もちろん、新しく情報が入ってきたら、差し支
えない範囲で即、お知らせいたします。

倉阪様

>井上氏から短篇集の解説の依頼が来ました。

 ほほお、それはまた、たいそうな腕の見せどころですね。(←いや別に他意はあ
りません、深読みしないよーにね>某氏)

 え〜、ちなみに小生、明日から4日間、岡山(金光町)〜兵庫(佐用郡)〜福井
(小浜)と取材旅行に出ます。こういうときのために日夜モバイル環境の整備に努
めているので(笑)、携帯とメール・チェック、掲示板書き込み(!?)は通常どお
り行なう予定ですが、FAXや郵便物をいきなり送られると帰京するまで店ざらし
状態となりますので御注意ください。>特に業界の皆様
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はつなつの遅番のボーイの指の血や 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月30日(日)02時10分36秒

こんにちは、みなさん

倉阪さん
 うーん、写真はひたすら苦手ですねえ。自己分析してみると、自分はもつと眉目秀麗
であるとの認識をもつてゐるからでせうか。まう何十年も生きてゐるのだからいいかげ
ん慣れてもよささうなものですが。

                                 西崎 拝

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55号その2 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月29日(土)22時13分17秒

東様
なるほど、了解しました。ご本人のコメントを待ちましょう(笑)。
さて、井上氏から短篇集の解説の依頼が来ました。まあ、石堂さんの言う「資質の違
い」を確認するのは私にとっても有効な作業だろうと思うので引き受けますが、ひと
月に解説二本は多いよなあ。プロの書評家じゃないんだから。

ニム様
はじめまして。
>幻想文学事典を巡る4人の座談会で、司会の東編集長だけ写真がありませんでした〜
だって東さんが撮影してるんですもの。
生徒さんに任せたらもっといい写真になったと思いません?(>西崎さん、藤原さん)

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55号 (not こんと) 投稿者:ニム  投稿日:05月29日(土)21時12分56秒

>55号が、いよいよ来週前半には店頭に並ぶ
今日池袋リブロに積んでありました。>げっと
ホラー講座に行く途中の編集長自ら配本なさったかと。

期待の山尾悠子さんの作品はいきなり「巻頭傑作短篇」と銘打ってありました。
今晩じっくり読むつもりでおります。
巻末の幻想倶楽部には籾山朱美さんの投稿が載っており、
それに引き続くコメントを含め、なんだかこの掲示板と企画室通信を見ているかのようでした。

#幻想文学事典を巡る4人の座談会で、司会の東編集長だけ写真がありませんでした〜。
ところで、先日のSFセミナーで山尾作品集成の進捗状況についてお訊きしたのは私ですが、
あれからまた具体的な形は出来てきたのでしょうか?
折々に公表して下さると嬉しいです。
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明日から取材旅行じゃ。 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月29日(土)11時57分36秒

倉阪様
 ゲラのFAXいただきました。つじつま合わせておきます。

>トンチンカンなところが多いなあ(苦笑)。オブセッションって一種のセッショ
ンだと思ってるのだろうか?

 ははは、まあ、カレシは文芸畑の編集者じゃないし(そういう問題じゃなかろう
ってか?)、安い給料で深夜までこき使われていることだし(笑)、大目に見てや
ってちょ。

千裕様
 ギャラリーにはよく分からないと思うので解説を加えますと、『幻想文学』の編
集部は最初、早稲田の安部球場ウラの大日坂途中にあった駄菓子屋さんの二階の三
畳間(←悪文である)にあったのですね。「今どき学生でも借りない」と顰蹙をか
ったものですが(笑)けっこう居心地はよかったと思います。駄菓子屋のおばあさ
ん(=大家さん)がとても理解のある方で、いろいろ便宜をはかっていただきまし
たし。あの一帯の再開発で、今やまったく当時の面影がなくなってしまったのは寂
しいことです。

櫻井様
 小生、その放送を見ていないので委細分かりませんが、小池氏ならさもありなん
(笑)。
 面白い人なんですよ、ホント。今度、連絡とることがあれば話題をふってみませ
う……彼は確かインターネットはやってないよな、残念。

KAZUTO様
 御苦労(?)さまです。それといつも御贔屓にありがとうございます。
『金羊毛』のコンプリートをお持ちってのは凄いですね(ウチの関係者でも持って
る人のほうが少ないハズ)。
 55号が、いよいよ来週前半には店頭に並ぶ(と、いうことでいいんだよね? 
>石堂様)ので、またよろしくお願いします。
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大きな声では言えないが(!?) 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月29日(土)11時07分41秒

倉阪様
 前者です。まあアサバも関係あるかもしらんが、彼はもともとホラーの人じゃな
いんだから、どーでもいいのよ(笑)。
 ホラーや幻想文学の最強の紹介者・導き手の一人であった荒俣氏が、ある時期か
ら急速に「文学」離れと「科学/オカルティズム」への接近を強めていったとき、
小生など非常な違和感を覚えたものです。まあ、これには全共闘世代とその下の世
代の違和感って側面もありそうですが……。
 でね、その前段階として、たとえば昔懐かしき『幻想と怪奇』4号の〈ラヴクラ
フト=クトゥルー神話〉特集に掲載された氏の評論「ラヴクラフトとかれの昏い友
愛団」があると思うわけですよ。その中で氏は「ラヴクラフトは偽せものの狂者だ
った。有害な知識を駆使して、逆社会の昏い暗黒に友愛団のきずなを索めようとし
た幾人かのほんものたちとは、本質的に違っていた。ラヴクラフトは、ぼくたちの
存在する日常世界(たとえそれが夜の部分であったとしても同じことだが)に生き
て、逆宇宙からやがて始まる侵冦を、虚構のうえで震えながら待っていたのだ」と
いうような発言をしていた。これは若書きとはいえ、従来のラヴクラフト観に大き
な一石を投じた指摘だと思うんですね(その前提としてコリン・ウィルソンのラヴ
クラフト論があったわけですが)。
 ただ、そこから氏の関心は「逆社会の昏い暗黒に友愛団のきずなを索めようとし
た幾人かのほんものたち」――すなわち現実のオカルティストや奇想科学者たちの
探求へと向かってしまい、「そうした世界像拡大の驚きに満ちた作業のなかに位置
づけられた幻想文学の『昼間』の歴史を眺めていこうと思う。そしてこれから先の
無駄話には、文学的幻想の華麗な翼は必要ないのかもしれない」(ちくま文庫版
『別世界通信』より)という類の発言をおりにふれ繰り返すようになった。
 もちろん、そうした探求には大いに意義があったとは思うんですよ。幻想文学と
いうものの存立基盤を明らかにするうえでは、ね。
 ……でもって(だいぶ回り道をしちまったが)、笹川氏の所論というのは、荒俣
氏の「ラヴクラフトとかれの昏い友愛団」の、さらに前段階に位置するものだと思
うんですね。簡単に図式化すると――【A】ラヴクラフト&クトゥルー神話への過
剰な思い入れ・過大な意味づけ→【B】やがて訪れる裏切りと幻滅(笑)→【C】
現実の「魔術」や「超科学」への接近……ってな感じですか(ん? これではまる
で、かつての某国書刊行会のラインナップみたいな!?)。
 ちなみに小生自身は、文学的想像力(虚構)と「現実」とを直接的に対峙させる
ことには積極的意義を認めえない……というよりホラーに即していえば、そうした
「情念」先行のアプローチは、かえって「ホラー・バッシング」への格好の口実を
与えてしまうだけではないか、とすら危惧しています。
 しかしなぁ……これのどこが「国内ホラー評論は、新しい展開を迎えることにな
る」(井上雅彦による『玩具修理者』文庫版解説「神話のキザシ」より)ような画
期的論考なのか、小生には理解不能であるよ(笑)。井上氏には、是非その論拠を
示してほしいものだ。
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おマンチェのはなし、しましょう 投稿者:中嶋千裕  投稿日:05月29日(土)10時18分50秒

●藤原さま
 はじめまして。中嶋千裕といいます。こんど、おマンチェについてかたりあいましょう。
 なぜか、ということについては、仮営業中の部屋のプロフィールをごらんください。
(すいません。ホラーじゃなくて)悪霊退散! (そそくさ)

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何が通りすがりですか 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月29日(土)01時36分58秒

KAZUTOさま
邪悪なSF人妻さんだったんですね。確かにあの本を会社で読むのは暴挙です(笑)。

なお、「活字狂想曲」はおかげさまで三刷になりました(大台はまだ先だけど)。

管理人さま
結構怖かったですよね。いずれ巧妙にパクろうかな。
おっしゃるとおり、壊したテープが戻るのはちょっと、という気もしましたが。

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責了天国 投稿者:藤原義也  投稿日:05月28日(金)17時55分40秒

今週は私もゲラの山に埋もれておりました。
今週の責了その1。ジム・トンプスンの『サヴェッジ・ナイト』(翔泳社)。
ジェイムズ・ケイン、ホレス・マッコイからジェイムズ・エルロイにつながる
暗黒小説の系譜を代表する巨匠トンプスンの、なんとも救いのない話。基本的
にリアリズムの小説なのに、主人公の殺し屋が、この世界は逃げ場のない地獄
だという実存的(?)認識に到達するラスト十数頁では、いきなりレッド・ゾ
ーンに突入し、現実と超現実との境が壊れてしまう。壊れた人たちの壊れた小
説(を何回もくりかえし読んでいると、こちらも壊れてきたような気がしてく
るのです)。
今週の責了その2。アレクサンドル・グリーンの『消えた太陽』(国書刊行会)。
お待たせしました。ようやく、ついに、今度こそほんとうに〈魔法の本棚〉完結
です。

というわけでいつになく働いてしまった一週間でした。夜更かしのおかげで、マ
ンチェスター・ユナイテッドのあまりにも劇的な大逆転もみれました。(マンチ
ェスターにとっては)欲求不満をかきたてる90分のあと、最後の3分間のロスタ
イムでおとずれた暴力的といってもいいくらいの衝撃的な結末。まるでソローキ
ンの『ロマン』のような試合でした。

来週は、とりあえず『ポジオリ』ですね。倉阪さん。

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私と『幻想文学』創刊号(笑) 投稿者:KAZUTO  投稿日:05月28日(金)17時27分32秒

通りすがりの中井英夫と赤江瀑と山尾悠子のファンです。

バブルに向けて世の中がイケイケ一直線だった頃、今やカレー屋になってしまった、店の名
はライフじゃなくって、京都書院河原町店の2階で平積にされていた『幻想文学』6号。
表紙を建石修志の手になる緑の線で描かれたインスマス人で飾った(と、ずっと思い込んで
たんだけど、確認の為に現物を引っ張り出してみると、色も図柄も記憶とは全く違う、異様
に思えるほどシンプルな表紙。だったら、この記憶はどこからまぎれこんできたんでしょう
ね)その号以来、定期的に、次の号が出る度に購入 ――「定期的に」は「購入」にかかりま
す(笑)――と同時に京都書院に置いてあるバックナンバーを揃えはじめて現在に至るわけで
すが、最後まで手に入らなかったのが、あの一冊だけ薄い創刊号でした。結局何年か前に、
ここでもちらっと話題になったアスタルテで、『金羊毛』3冊(創刊号、2号、復刊号)と
一緒に入手しましたが、それなりのお値段ではありました。

それ以前にも、一度創刊号をみかけたのは、まだ池袋芳林堂の中にあった頃の高野書店。そ
の頃の『幻想文学』コンプリートが置いてました。さすがに創刊号だけのために30冊程の
ダブリを買うのは、と思ったけど、今ならやっちゃうかも(笑)

http://www1.neweb.ne.jp/wa/kazuto/

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業務連絡です 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月28日(金)13時37分56秒

藤原様
ゲラ返送しました。明日着きます。

というわけで「ポジオリ教授の事件簿」は順調に進んでおりますので、期待して
くださっている皆様、ご安心ください。

松本様
よく間違えるのですが「墓地を見おろす家」です(サイコ座談会のゲラも違ってた)。

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怪奇探偵 投稿者:櫻井  投稿日:05月28日(金)12時43分27秒

怪奇探偵ファイル3を録画して、朝見ました。怪奇探偵の体験実話になってました。
結構こわいです。
ただ、私が思うに、相当脚色が入っていると思う。
死んだ女の子からもらったカセットテープが、集団テレポートしてたとか、
死んだ女の子のマンションの前でエンストしたとか。
テレポートは脚色だとおもうんだけどなあ。
Masudaさん、東さん、チャンスがあったら真相を聞いてくれませんか。

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墓地を見下ろす家 投稿者:松本楽志  投稿日:05月28日(金)12時08分31秒

こんにちは、ホラー勉強中なので、小池真理子「墓地を見下ろす家」をようやく読みました。
面白かったです。
ただ、ページにも書いたように、挿し絵が圧倒的に邪魔でした。
ホラー小説の本文に挿し絵を入れるときはもっと慎重にやって欲しいと思うんですが。
うーん、そういうのフツーあんまり気にしないんですかねー
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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ゲラ地獄その2 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月27日(木)23時51分50秒

東様
「サイコ座談会」のゲラも来てしまった。トンチンカンなところが多いなあ(苦笑)。
オブセッションって一種のセッションだと思ってるのだろうか?
とりあえず、「モダン・ホラー」は「モダンホラー」で統一しました。
なお、最後のページはそちらの発言との絡みがあるので、明日ぐちゃぐちゃに赤字を
入れたものをファックスします。
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ゲラ地獄 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月27日(木)12時24分59秒

東様
了解しました。評論のディテールを忘れてました(笑)。

>70年代から80年代にかけてのクトゥルー・プロパガンダにおいて、一部の人
>たちがどういう発言をして、それがどういう風潮へとつながっていったか……た
>ぶん共通認識があるハズの(!?)

うーん、これは思い出せませんね。荒俣宏ですか? 浅羽通明?
ちょっとよくわからない。
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了解 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月27日(木)09時28分11秒

倉阪様
 だとすると「オウムを考慮に入れる」の主語は小生、ということになりますね?
 あそこで小生がオウムに言及しているのは、当の笹川氏が評論の中でオウムや酒
鬼薔薇を持ち出していることに「いかがなものか」と疑義を呈するため、ただそれ
だけのためです。
 クトゥルー神話とオウムや酒鬼薔薇をこんなふうに安易に関連づけて、どーすん
だっ!(怒)……と「アタマを抱えた」わけですね(笑)。
 いつか来た道を、また繰り返すつもりなのか? と。だから「ポスト・オウムの
現在」といってるわけで。
 あえて極端な言い方をすれば、たとえばラヴクラフトを上回るような迫真の筆致
でクトゥルーの壮大な復活が何万回描かれたところで、目の前の「現実」は微動だ
にしない。でも、一本のナイフや一袋のサリンで(その当事者にとっての)現実は
いとも容易に変わってしまう、とりかえしのつかない形でね。
 そこの間に横たわる決定的な断絶をすっ飛ばして心情的共感の側面を強調するこ
とは、それも人生経験の少ない若い人たちをメイン・ターゲットとする(らしい)
こういう本のこういう文章の中で、妙に煽動的な口調で(「邪神によるテロリズム」
「内なるクトゥルーを召喚せよ!」)強調することは、百害あって一利なし、と小
生は考えます。
 70年代から80年代にかけてのクトゥルー・プロパガンダにおいて、一部の人
たちがどういう発言をして、それがどういう風潮へとつながっていったか……たぶ
ん共通認識があるハズの(!?)鬼さんなら、お分かりだと思いますが?
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外は荒れ模様 投稿者:中島晶也  投稿日:05月27日(木)06時59分04秒

 家が揺れてる……。会社に行くのが億劫になるなあ。部屋に籠もって『虚ろ
な穴』を熟読したい気持。

>東様
 なるほど。読者の注目度を考慮したらあのバランスになるのですね。一ホラ
ー・ファンとしては、せっかくのホラー時評なんだからホラーの本で埋め尽く
して欲しいと思ってしまうのですが、SFの雑誌ですものね。
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裏付け証言です。 投稿者:中嶋千裕  投稿日:05月27日(木)00時57分16秒

●石堂さま
 昨日はたのしかったです。ありがとうございました。またやりましょう。おっしゃると
おり、私の本質はロマンチストです。そこをもっと突き抜けたいんですが。新たなる刺激
が欲しいところです。
 いろいろな区切りを迎えて、今年は私にとって忘れられない年になるかもしれません。
すっかり元気がもどってきたのでよい作品が描けそうな気がしています。また見て下さい
ね。それから「次なる預言」が当たるように祈っていてね!
●東さま
 そうそう。思い出しますね。もう17年になっちゃったんだ。
 私の編集屋としての原点はあの3畳間です。私は医療業界や新聞社など、幻想文学とはほ
ど遠いところで他流試合をしてきましたが、こうして今、と、振り返る歴史があることは
嬉しいですね。お互いに長生きをして、よい仕事を残しましょう。
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否定的疑問です 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月27日(木)00時43分44秒

東様
すいません、?を入れるべきでした。
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ムム!? 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月26日(水)22時52分33秒

倉阪様
 すいません、下記の部分、もう少し詳しくお願いできますか?

>オウムを考慮に入れることが広い視野につながるのかなと、そこだけ気になった
んですけど

「つながるのかな」は否定的疑問? それとも肯定的推測?
 それによって、こちらのお答えが180度変わってしまうので。

 あ、それと「解説対決?」の件ですが(笑)、小生、『妖魔姫1』の解説では、
冒頭いきなり中村苑子『水妖詞館』をぶちかます荒技に出ておりますゆえ、よろし
ければ御笑覧ください。

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解説対決? 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月26日(水)20時59分59秒

中島様
>ひょっとして、ミステリ的には『体験のあと』より『ソフィー』の方が上な
>でしょうか?
そうでもないと思いますが・・・。一昨年は「赤い右手」「カリブ諸島の手がかり」
「マーチ博士の四人の息子」と変なミステリが豊作だったのでかすんでしまったので
しょう。

東様
わたしゃ菊地さんの長篇は「妖神グルメ」とか単発物しか読んでなかったんだよー。
一応、「モダンホラー」と「二重性」をキーワードにして書くつもりですが。
それから、SFマガジンですが、オウムを考慮に入れることが広い視野につながるの
かなと、そこだけ気になったんですけど。

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あ〜スッキリ(笑) 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月26日(水)10時10分04秒

 ……って、「近世幽霊百物語」のことね、誤解のなきよう。

松本様
 レスが遅れて失礼しました。

>幻想文学は創刊からずっと東さんと石堂さんでやっておられるんですか?

 そうです、とぉ〜っても長い、うんざりするくらい(嘘)長いつきあいです(笑)。
 あ、ちなみに小生と石堂が夫婦であると誤解している方がけっこういるようです
が、それは違います。
 初期の頃は事務所が早稲田にあったこともあって、まだ学生だった管理人様や中
嶋さんに学生スタッフみたいな感じで、お手伝いいただいた時期もありましたね。

>そもそも、何年前に始まったんでしょうか

 1982年4月の創刊ですから、ちょうど丸17年ってところですか。我ながら
気の長いことです。ボチボチ、創刊以後に生まれた読者が出てきそうな……(笑)。

中島様
 おや、もう出てますか、わっはっは。

>どうせ書くのならもう少しスペースを割いて詳しく書いた方が良かったのでは?

 商業評論家(?)としてのバランス感覚では、あの媒体で、ああいう趣旨のペー
ジに書く以上は、残念ながらあれが限界。『クリムゾンの迷宮』や『バトル・ロワ
イヤル』に優先的に紙面を割くのも、それゆえです。
 もちろん正式な反論があれば、何らかの形で場を設けて、き〜っちり対応したい
と思っています。
 あ、それから仕事の件、もうちょい、お待ちください。でも別に怖くなんか、な
いんだよん(笑)。
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『SFマガジン』のホラー時評 投稿者:中島晶也  投稿日:05月26日(水)07時31分16秒

 書いてしまいましたね、東さん。だけど、省略が多いほど疑心暗鬼を募らせ
る結果になりかねませんし、どうせ書くのならもう少しスペースを割いて詳し
く書いた方が良かったのでは? ホラーではない『クリムゾンの迷宮』や『バ
トルロワイヤル』(こちらは版元もホラーとして売り出していないような)な
んて、軽く触れる程度でもいいでしょうに。

>倉阪様
 ひょっとして、ミステリ的には『体験のあと』より『ソフィー』の方が上な
のでしょうか? 私はホラーとしてどうというより、小説として『体験のあと』
の方が面白いと思ったのですけどね。
『蜂工場』は壊れてて面白い小説なのでカルトで終わるのも仕方ないですが、
『体験のあと』はきっちり作ってあってまともに面白い小説なので、もっと評
判になって欲しいです。
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ガイ・バートの評価 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月25日(火)22時01分15秒

中島様
>ミステリ関係者の間では、評判にならなかったのでしょうか?
「このミス」では「体験のあと」は黙殺でしたね。第二作の「ソフィー」は福井・
千街両氏が2位に挙げており、これは私の好みだと思って読んだら案の定だった
ため「体験のあと」も買ったわけです。したがって、私のガイ・バート体験は
「モダンホラー・スペシャル」経由ではなく(ごめん)、ミステリ経由というこ
とになります。いずれにしても、同じイギリスのイアン・バンクス「蜂工場」の
ようなカルト小説になるのではないでしょうか。
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きょうのあっちはすごいね 投稿者:櫻井  投稿日:05月25日(火)12時06分19秒

管理人です。
昨日の夜の7時過ぎから朝の7時過ぎまで寝てしまいました。12時間睡眠じゃ。
今晩は、企画室通信を更新いたします。では。
さて、あっちはどういう展開になるのかな。
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少しわかったような気がするから不思議だ 投稿者:三枝  投稿日:05月25日(火)06時53分55秒

倉阪せんせい、どうも。
「怪奇の血」「本格の魂」のようなものだと訳してもらうと、突然わ
かったような気がするから不思議ですよ。
そうか、そのようなものであったのか……。英語だからつい、論
理的な話かと(←英語は論理的な言葉だという偏見がある)思っ
た私が悪かったのですね。
自分はなぜそのジャンルに強く心を惹かれるのかという、その
理由、個々人の胸の中にある漠然とした思いのようなものとで
も、一応理解しておきましょう。
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三題噺と神性 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月24日(月)22時48分59秒

ホラーにおける「怪奇の血」、ミステリにおける「本格の魂」、SFあるいはファンタ
ジーにおける「センス・オブ・ワンダー」、なんだか三題噺ができそうですが、これは
ジャンル内の神性めいた共通感覚で、明快に定義づけようとしたら必ず「否」の声が響
きそうです。例えば「怪奇の血」にも「熱血」と「冷血」があるわけで、熱血サイドか
ら定義づけをしたら冷血サイドは黙っていないでしょう。また、様式美に忠実に構築し
た作品に「本格の魂」が宿ると考える人もいれば、脱構築のアンチ・ミステリ的部分に
こそ宿ると考える人もいるでしょう。SFに関しては、個人的にはレム・ディック・ラ
ファティ・バラードといったところに「センス・オブ・ワンダー」を感じますが、全然
違うものに感じる方もいるはずです。要するに、ジャンルの上空にはいま挙げた三つの
神性がぼんやりと存在しているのですが、明快な定義付けはできないわけです(これが
神性たるゆえん)。以上、何も証明していませんが(笑)。
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なるほど! 投稿者:溝口哲郎  投稿日:05月24日(月)21時16分17秒

溝口@書物の帝国です。

『グランドホテル』を読了しました。なるほど、津原さんの短篇はパロディとして読んだほうが
いいんでしょうかね?>識者の方々。

倉阪先生>
倒されてしまいました(笑)。ボディブローをどんどん打ち込んで、くらくらしたところでとどめのアッパー!
はまさに本格ホラーの意味でのセンス・オブ・ワンダーですね。ホラーを読んでいて楽しいのは、ふとし
た日常が実はとてつもなく恐ろしいものだ、ということがわかる瞬間だったりします。今読んでいる『虚ろな
穴』を読んでいると、道端にある穴が気になってしまいます。

フクさま>
確かにホラーの絶版・品切本はまだそんなに値段が高くないですね。ハヤカワのモダンホラーセレクション
はそろそろ値段が高くなってきているみたいですが(レイ・ラッセルとか)。モダンホラースペシャルが今後も
末永くモダンホラーの入門書として読み継がれること希望。

石堂さま>
なるほど、ぼくも石堂さまの感覚に近いです。
ふと瞼を閉じると目の前に小説の世界が広がるときの素敵な気分はやっぱり幻想文学一般に
しか感じられないんです。ジャンル分けの仕事大変かと思いますが、私のような若輩の読み手の
導き手としてこれからも頑張ってください。ある種永遠に解決されえない問題かと思いました。

それでは、失礼します。
http://www.mita.keio.ac.jp/~dk995221/

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センス・オブ・ワンダーがわかりません 投稿者:三枝  投稿日:05月24日(月)12時36分09秒

》ジャンルとしてのファンタジーではなく限りなくセンスオブワンダーに
》近いものとして使ってみました

私、ここ最近SFの定義を「センス・オブ・ワンダーがあること」という
わけわからん説明をされて困っているのですが。
ここではこれは、ファンタジーの定義に近いものとして扱われていて、ま
た本格ミステリのコードも指すようですね。

いったい、「センス・オブ・ワンダー」ってのは、なんなのでしょうか?
その語は本当にジャンルの定義に使用可能なのでしょうか? 他者との感
覚の共用が可能な語なのでしょうか?
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いやでも 投稿者:フク  投稿日:05月23日(日)22時52分24秒

週末に古本屋チェックした限りでは、ホラーに古書価つけている店はまだまだ少ない
ようなので、あんまり古本屋さんに流れて欲しくないですね<モダンホラースペシャル
入手できないか、100円で入手出来るか、っていうのは古本屋がよいの魂が燃えます(笑)
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本格ホラーとボクシング 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月23日(日)22時14分34秒

溝口様
ありがとうございます。

>じわじわとボディブローが効いてきたというのが感想です。

地味にボディブローを打って、最後に見えないアッパーで倒すのが本格ホラー短篇の
コードかもしれません。
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田中文雄短編集「夏の旅人」と幻想文学 投稿者:松本楽志  投稿日:05月23日(日)15時51分13秒

 もだんほらーすぺしゃる、買わないと……
 しかし、おれ、「アンソロジーの逸楽」ですでにめろめろなんですけど(苦笑)

東さん:
> ところで『夏の旅人』、いいでしょう? 小生『幻想文学』の2号に書評を書き
>ましたが、参照は……無理だよね〜。

 あの短編集の「さすらい」は個人的には今まで読んだ短編の中でもかなり上位に入ると思います。
 なにが自分のツボにはまったのか、実は自分でもよく分からないのですが……。
 この田中文雄さんの作品集も、「異形コレクション」に教えてもらったものです。素人にとっては
あのアンソロジーは作家の開拓としてかなり有効ですね〜。

 幻想文学2号、古本屋にないかなあー
 幻想文学は創刊からずっと東さんと石堂さんでやっておられるんですか?
 そもそも、何年前に始まったんでしょうか(無知)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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右に同じです 投稿者:溝口哲郎  投稿日:05月23日(日)12時05分23秒

溝口%『虚ろな穴』読んでいます、です。

倉阪先生>
ずいぶん遅れてしまいましたが……、ケッチャムの評判について教えていただきありがとうございます。
『グランドホテル』収録の「雪夫人」読み終わりました。(詳しいことはネタバレになるので書けないので
すが)目眩の感覚を堪能させていたただきました。現実と怪奇が逆転する感覚というのでしょうか、
その瞬間の怖さが凝縮されていて、じわじわとボディブローが効いてきたというのが感想です。

東様>
フク様と同様、もう感謝感激の一言でございます。あの本がなければモダンホラー読みにはなら
なかったと思います。実際どんな本があって、どういう内容で、どういう感想をプロの方々がもたれ
たのかは、とても参考になります。ただ意外と入手難の本が多いのに驚きました。巻末のアンソ
ロジーには品切れのマークがあまりついていなかったので調査したのですが、ほとんど入手でき
ないみたいですね(残念)。話題になっているガイ・バートの本も入手したので、さっそく上記の
本たちを読み終えたら読みたいと思います。
モダンホラーをこれから読む人たちのための必携ガイド、古本屋さんの商売ネタ(笑)にもなる
のではないかと思います。
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ガイ・バートですが 投稿者:中島晶也  投稿日:05月23日(日)07時42分04秒

 ミステリ関係者の間では、評判にならなかったのでしょうか?

 第2作『ソフィー』は水準は超えているけれど、割と先が読めてしまうので
『体験のあと』よりは落ちると思いました。

>東様

>> たっぷり時間のかかりそうなお仕事を、近々お願いいたしますので、
>> 御覚悟を(笑)。

 ありがとうございます。でも、何だか怖いです(笑)。

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改めて 投稿者:フク  投稿日:05月23日(日)02時08分30秒

東さんにもレスを頂いたのですが、『モダンホラースペシャル』ホントにすごいです。
(今日、改めて読み直したんです)
というか、中島さんや石堂さんや東さんのコメントが巧いのか、「これも読みたい」
「あれも読みたい」気分になってしまいます。また絶版に印がついているところがまた
コレクタ魂をくすぐりますよね。
三回目のコメントですけれど、マジお勧め。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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ちょっとお久しぶり 投稿者:治田豪和  投稿日:05月23日(日)01時05分04秒

皆様
 SFセミナーの後、学校で論文の中間発表会というのの準備のためずっと
掲示板見られませんでした。あんなに大変だとは思わなかった…。しかし
一段落したため、またぼちぼちと覗かせて頂きます。いま、大量にた
まった過去ログをプリントアウトして読んでる最中です(笑)。
 では、今日はこのへんで。
p.s. ダ・ヴィンチは見ました(笑)
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去年までは、世の中が合っていたのだろうか…… 投稿者:三枝  投稿日:05月23日(日)00時34分52秒

いや、それだけ。
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レス&レス&レス 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月22日(土)22時41分47秒

 いや〜、ただいま本ッ気で修羅場の真っ最中ゆえ、いずれも手短かに。

フク様&溝口様
『モダンホラー・スペシャル』御愛読、感謝です。
 一冊の本、一つのシリーズが成立するには、作家やデザイナー、編集者、営業宣
伝部員はもとより、印刷・製本・紙問屋ほか多数のスペシャリストの無言の協同作
業が不可欠です。そういう視点を忘れたくないな、とは、いつも思うところです。

松本様
 延び延びになってる関西取材、月末から出発の予定ですが、大阪・京都はパスる
可能性も(笑)。
 ところで『夏の旅人』、いいでしょう? 小生『幻想文学』の2号に書評を書き
ましたが、参照は……無理だよね〜。

石堂様
 こらー、漫才いわれとるやんけー。発言は慎重にね〜(苦笑)。

中島様
 ほんっっっと〜に、お疲れさまでした。
 でも、時間は有効に使うべきかと(笑)。
 そこで! たっぷり時間のかかりそうなお仕事を、近々お願いいたしますので、
御覚悟を(笑)。委細は後日メールにて。

藤原様
 世の中まちがっとる!

倉阪様
 サテ……菊地さんの好物が、せんべいだから、とか(笑)。

 それではまた来週(!?)。
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魔界都市通信 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月22日(土)19時13分34秒

東様
唐突ですが、「秋せつらはなぜせんべい屋なのか」という分析をした先例は
ありますでしょうか? べつにそれが解説の骨子じゃないんですけど(笑)。

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推理作家協会賞 投稿者:三枝  投稿日:05月22日(土)11時46分50秒

ホラーだから受賞できないってことはないでしょう。
昨年の評論部門の受賞作に風間賢二氏の「ホラー小説大全」
がありますぜ。
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そうですか 投稿者:観衆A  投稿日:05月22日(土)03時23分00秒

藤原さま、はじめまして。速報ありがとうございます。

「屍鬼」一冊の方が「秘密」+「幻の女」より好きだった(&重かった)ので残念です。
某所で「秘密」映画化の話が進んでいて、主人公は広末涼子、と聞いたのですが
どうなったのでしょうか?
(ランドセルしょった広末、受験勉強に励む広末、家事をする広末...うーん)
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推理作家協会賞速報 投稿者:藤原義也  投稿日:05月22日(土)01時28分11秒

さきほど日本推理作家協会賞の選考会が終わりました。森英俊氏の「世界ミステリ
作家事典[本格派篇]が評論部門で受賞しております。
長篇部門では小野不由美「屍鬼」と東野圭吾「秘密」の一騎打ちと思いきや、「秘
密」と香納諒一「幻の女」のダブル受賞でした。歴史的な意味を考えると「屍鬼」
がとってもおかしくないと思っていたのですが、やはりホラーということで一言あ
ったのかどうか、そのあたりはわかりませんが、とりあえず上記のような結果です。
短編部門は北森鴻氏が受賞しています。

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光の国と影の国 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月21日(金)19時10分47秒

石堂様

>「僕は伊勢なので、伊賀とは国が違います」と言われてしまいました。
そんなに違うのでしょうか。

違います。「伊勢は光の国、伊賀は影の国」と亡くなった郷土史家の叔父は言って
おりました。

>もちろん麻耶雄嵩さんと似ているのは作品の色ですよ。お読みになっているので
しょうが、御自分ではあまり感じられませんか。

感じます(全部読んでますが)。綾辻さんも似てるけど。「奏鳴曲」は幻想小説に
してしまえばいいのにと思いましたね。

で、ミステリの話に戻りますが、「トランプのおうち」談義でふと思い出したのは
「殺人方程式」で、これはよくできた「トランプのおうち」だと思うんですけど、
「霧越邸」「迷路館」「人形館」「水車館」などと比べると私にとってはどうでも
いいミステリなんですね。やはり、トランプを裏返すと見たこともない面妖なカー
ドだったとか(笑)、そういうのじゃないと個人的にはダメです。
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記憶喪失者 投稿者:裏邪  投稿日:05月21日(金)18時52分53秒

倉阪師匠
昨日ウチの第一書庫をひっくりかえして、
<金羊毛 復刊号>見つけました。
知らないうちに水~作品を読んでいたのですね。
しかも編集後記に師が
きふねみづほ=水~祥と書いている(汗)。
多分、当時はそこまで読んでいなかったのでしょう。
ありがとうございました。
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ファンタジーのこと 投稿者:石堂藍  投稿日:05月21日(金)08時37分23秒

みなさまいろいろとありがとうございます。
ミステリの方はやはりファンタジー――センス・オブ・ワンダーのように広い意味のものです――を本格ミステリに
感じられるのですね! 私は本格ミステリにそれを感じないことがほとんどです。ですから芦辺さんのおっしゃりようは
論理的には理解はできたのですが、個人的な感覚とはたいへんにずれるので、それがミステリに親しい方にとっても共感
できるものなのかをちょっと知りたかったのかもしれません。基本的に私の脳を占めているのは、『日本幻想作家名鑑』に
どこまで、どのような作家・作品を入れたら良いか、というたいへんに即物的なもので、
理念的なものではまったくないのですが、みなさまの御意見はとても参考になります。
藤原さんのおしゃりようも西崎さんのお立場もたいへんによくわかります。
私のやっている仕事は限定的でありながら境界が曖昧なものなので、鬱陶しいほどジャンルのようなことを
考えていないと、崩壊してしまいます。つまり、量が多すぎて収拾がつかなくなってしまう。
かといって自分なりの理念にしたがっていると、幻想文学総体とは言い難い見取り図ができてしまいます。
それでまあなるべく多面的に考えて境界線引きをやっているわけですが、どのように線を引いても、
結局はどこからか文句が出るわけですから、もっと開き直っても良いのかもしれません……。

倉阪鬼一郎様
 『体験のあと』本当にぞくぞくするような小説でしたよね。中島さんの教示を受けるまで知らなかったのですが、
もっと騒がれてもいい作品では、と思います。倉阪鬼一郎の持っている世界にも近いものを感じます。
そうそう、もちろん麻耶雄嵩さんと似ているのは作品の色ですよ。お読みになっているのでしょうが、
御自分ではあまり感じられませんか。ここでも別段話題になっていないところを見ると、
私の誤解でしょうか。でも井上雅彦さんが鬼さんと似たようなことをやりながら、まったく肌触りの違う世界を
作り上げるのに対して、麻耶さんは、全然違うことをしているのに似た感じがあるのです。
ところで、モダンホラー・スペシャルの表紙を描いてくれた西村有望さんも三重県の出身なのですが、
彼からは「僕は伊勢なので、伊賀とは国が違います」と言われてしまいました。そんなに違うのでしょうか。
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マガーク少年探偵団 投稿者:塵芥  投稿日:05月21日(金)08時25分46秒

を読んで以来のミステリ好きです。
ちゃんとしたミステリ者ではないので大した事はいえませんけれども、本格ミステリが
本質的にファンタジーである、ということの意味を自分なりに考えましたので、恥を晒
すのを覚悟で書き込ませて頂きます。

本格ミステリというものを私は、(ミステリ的)論理によって展開される、謎解きを主
眼においたスタイルを持った物語(ミステリ)と理解しています。つまりジャンル内ジ
ャンルということですね。
本格ミステリというジャンルと、謎解きにおける論理の在り方が、ファンタジーという
言葉と関係していると考えます。
あまりにも普通ではない論理、恣意的で全く論理的でない論理に拠って構築され
るという物語の形態が、ファンタジーであるとは言えませんか。違う意味で、そういう
スタイルの物語が求められているということも、あるいはファンタジーかもしれませんね。

私は大好きなんですけれどもね、‘めくるめく’を味あわせてくれる物語は。だから頼
りない(ミステリ的物語内)論理を杖に、一冊の広大な世界に足を踏み出すのです(大
抵は敗走につぐ敗走ですけれども)。

以上のことは、私がファンタジーの語彙をまったく理解していないという場合があります
ので(多分に)、明らかに間違っていても、笑って流してやってください。
失礼しました。

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湯気のように立ちのぼり… 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月21日(金)01時06分00秒

フクさま
 組み合わされていくこと、どうしようもなく緻密になっていくこと、それが
藤原さんのおっしゃる付き抜けるところまでいかなくても、私の場合「幻想」
という感覚につながっていくのかなあという気がします。

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風呂にて熟考 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月21日(金)00時50分49秒

倉阪さま
 すみません。おっしゃるとおり新本格の一部は外します。

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知らないふりをしています 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月21日(金)00時34分05秒

中島様
好きなように書いてください(笑)。

橋詰様
そうだったんですか。あの書き方だと芦辺氏に対する反論だと読者は受け取りますよ。
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えらいこっちゃ 投稿者:中島晶也  投稿日:05月21日(金)00時23分26秒

 ニフティのホラー映画フォーラム(FHORROR)10番会議室「探奇書房」の
来月の特集は「倉阪鬼一郎」だそうです!

>倉阪様
 というようなわけで、あっちで召還されていますので、また好き勝手書かせ
ていただきます。ご容赦ください。
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とらんぷのおうち 投稿者:フク  投稿日:05月21日(金)00時11分24秒

 私はミステリの人間だからでしょうか。橋詰さんのトランプの家、という表現がよく
 わかるのです。本格ミステリが本格ミステリ足りうる為の構造とでも言いましょうか、
 何かが欠けると、本格が取れたり、ミステリでなくなったりしてしまう、その要素が
 緻密に組み合わさることにより本格ミステリが成立している、というイメージが沸き
 ました。
 ただ、この点からファンタジーとの比較を開始すると、どうしても藤原さんが述べら
 れている、「極度に人工的」という意味での共通点しか見あたりませんので、今ひと
 つ「本質」という点まで突っ込めないことが難であります。

 (だいぶ考えたのですけれど、ファンタジーが何を指すのかによって変わってきますねぇ)
http://www.din.or.jp/~fukuda/

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とらんぷのおうち 投稿者:フク  投稿日:05月21日(金)00時10分07秒

 私はミステリの人間だからでしょうか。橋詰さんのトランプの家、という表現がよく
 わかるのです。本格ミステリが本格ミステリ足りうる為の構造とでも言いましょうか、
 何かが欠けると、本格が取れたり、ミステリでなくなったりしてしまう、その要素が
 緻密に組み合わさることにより本格ミステリが成立している、というイメージが沸き
 ました。
 ただ、この点からファンタジーとの比較を開始すると、どうしても藤原さんが述べら
 れている、「極度に人工的」という意味での共通点しか見あたりませんので、今ひと
 つ「本質」という点まで突っ込めないことが難であります。

 (だいぶ考えたのですけれど、ファンタジーが何を指すのかによって変わってきますねぇ)
http://www.din.or.jp/~fukuda/

------------------------------------------------------------------------
むつかしいです 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月20日(木)19時36分03秒

倉阪さま
 私はファンタジーではないと言っているのではなくて、自分はどういうところに
ファンタジーを感じているか、ということを伝えたかったんですけれど、つまりは
全然伝わっていなかったということですね。
 あと、本格と新本格についてですけれど、これも私の中では同じ線と言いますか
本格の延長線上に新本格があるということです。倉阪さんのおっしゃる外本格にも
本格エキスが存在しているということで考えています。

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ファンタジーのニュアンス 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月20日(木)15時13分28秒

ちょっと説明不足だったので補足しますと、ジャンルとしてのファンタジーではなく
限りなくセンスオブワンダーに近いものとして使ってみました(芦辺氏ではなく、私
として)。確かに当たり前のことなんですが。
要するに、本格ミステリはアンチミステリ性を内包するものですから(これを前衛性
と言ってもいいわけですが)、その摩擦というか緊張関係において自ずと「ファンタ
ジー」が顕現するんじゃないかな。

------------------------------------------------------------------------
本格ミステリの幻想性 投稿者:藤原義也  投稿日:05月20日(木)13時12分54秒

芦辺氏の本格ミステリは本質的にファンタジーである、という発言
は前後のコンテクストをみないと何ともいえませんが(「サッカーは
格闘技である」的なニュアンスなら、それは絶対ちがうだろうと思
いますが)、極度に人工的な、その作品独自の論理がすべてを支配す
る、本質的に絵空事(ファンタジー)の世界という意味でなら頷け
ます。ただそういうことを言い出すと、すべてのフィクションは本
質的にファンタジーである、ということができるわけで、僕自身は
あまりそういう物言いには意味がないと思っています(それよりは
「本格ミステリは永遠の前衛である」といいたいところです)。
 ただ「理」を突きつめていく本格ミステリが結果的にある種の幻
想小説へと突き抜けてしまう例として、T・S・ストリブリングの
「ベナレスへの道」「81番目の標石」(倉阪訳『ポジオリ教授の事件
簿』収録、8月刊、待てしばし)、山口雅也の「実在の船」(『續・日
本殺人事件』収録。これは名作)、ちょっとタイプはちがうけれどチ
ェスタトンの『詩人と狂人たち』といった作品をあげることはでき
ます。ボルヘスの短編や、彼の紹介するジョン・ダンの時間論など
がもたらす「論理」の幻想性、眩暈のような感覚を上記のミステリ
には感じます。

そういえばジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』初訳の訳者は、
あのエピローグを、「これは訳がわからないから削ってしまいたいが、
どうか」といって編集部を慌てさせたそうです。
------------------------------------------------------------------------
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:05月20日(木)12時39分17秒

ただいまスキャナと格闘中。
きょうはこれだけ。
------------------------------------------------------------------------
鴨川の飛び石に並ぶ肉饅頭か!(誰もそんなことは言っていない) 投稿者:松本楽志  投稿日:05月20日(木)12時25分59秒

橋詰さん:
> ところで次回のオフ会ですが、京都で開催というのはいかがでしょうか? アスタ
>ルテ他を回ったあと、鴨川べりでアベック横目に語り合うというのは素敵(な筈だ)。

 おお、いいではないですか!
 いつかやりましょー……ってみんな京都になんか用ないか……(トーンダウン)
(東さんはまだ取材があるのかな?)

 それから、本格ミステリがファンタジーだってのは僕の中では「ふーん、そういう見方
もあるのか」って感じでいまいち「これだ!」っていう気がしないです。
 自分では意識してないけど、もしかしたらそれは倉阪さんの言う

>ファンタジーの要素が皆無の本格ミステリってあるんですかね?

 ってとこに起因するのかも知れません。
 (つまりそんなあたりまえのことを指摘しても面白くないぞ、って)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

------------------------------------------------------------------------
本格ミステリとファンタジー 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月20日(木)10時17分08秒

橋詰様

>本格及び新本格に限定します

まずここで引っかかるのですが、本格と新本格は違うでしょう。新本格は内本格(復古
本格)と外本格(前衛本格)に大別されます。後者は本格のコードを踏まえたうえで、
ファンタジーのようなベクトルの違うものも取りこんでいます。解説されているのはい
わゆる「ド本格」では? むろん新本格の一部は含まれますけど。

>(本格ミステリは)トランプの家を作るように作品を形成していくもの

感覚の相違ですが、トランプにたとえるのならカードマジックじゃないかな。
定められたカードでどんなマジックができるかが醍醐味でしょう(カードを食べても
火をつけてもOK)。トランプの家なんて作ったり見たりしても面白くもなんともな
いじゃないですか(と個人的には思うが)。

>「本格ミステリというのは本質的にはファンタジーである」という芦辺拓さんのご意見

一面の真ではあると思いますよ(確かにこれだけじゃわからないけど)。ファンタジーの
要素が皆無の本格ミステリってあるんですかね? ファンタジーの解釈にもよるんですけど。
少なくとも私は、ファンタジー皆無の本格ミステリなんて読みたくも書きたくもないなあ。

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ガイ・バート 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月20日(木)01時51分20秒

「体験のあと」読了。久々に興奮しましたね。
ほんとに18歳で書いたのかい?
詳しくは日記の次の更新で(って詳しく書けない小説なんだけど)。

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すごい違和感ですね 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月20日(木)01時32分13秒

こんにちは、みなさん

 同じようですね。口元を見ると。

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上のお姉ちゃんは同じ人? 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月20日(木)01時23分53秒

管理人さま
 龍胆寺雄といえば『幻想の街』の人ですね、無理やり縁を捜したりして。橋詰って
珍しいと思っていたのですが、意外と存在するようです。岡山東商の野球部にもいた
なあ。あといぶし銀のような名ショート橋詰選手(誰やそれは)。
 ところで次回のオフ会ですが、京都で開催というのはいかがでしょうか? アスタ
ルテ他を回ったあと、鴨川べりでアベック横目に語り合うというのは素敵(な筈だ)。

西崎さま
 ありがとうございました。おっしゃられるように、怪談からはとおい人かもしれま
せん。短編の長さについては翻訳のアンソロジーでしか読んだことがないのでよくわ
かりませんが(富士書店の短編集は未読です)、ご本に収録されなかったこと、少し
ばかり残念です。またの機会を楽しみにしております。

石堂さま
 >本格ミステリというのは本質的にはファンタジーである
 という芦辺拓さんのご意見について。ミステリに関して語ることは、私より適任の
方がおられると思いますし、また実作者である芦辺拓さんがどのような意味合いでお
っしゃったのかはわかりませんが、一読者として考えましたことをお伝えしたく。
 ミステリ(本格及び新本格に限定します)はまず作者がミステリを書こうとする意
志から出発し、そうしてちょうどトランプの家を作るように作品を形成していくもの
であると思っています。出来上がったトランプの家はどの一枚が欠けても崩壊してし
まうように、出来上がった作品も作者が描いた謎に関するどのパーツが欠けても成立
しえないと(これはまあ理想論ですが)。実際にトランプの家を目にしたときには、
これは今目の前にあるけれどもいつ壊れてしまうのだろうかという不安(と期待)を
もって眺めてしまう、この感覚が私にとってはミステリそのものの不思議さにつなが
っているような気がします。と言いますか、ミステリが書かれるということの不思議
さへと。どうも漠然とした言い方で申し訳ありませんが、少しは伝わりましたでしょうか。
 怪奇ミステリについて。たとえば島田荘司の『北の夕鶴2/3の殺人』で鎧武者の
謎とそれの思い出しても頭がクラクラするトリック。これは合理的ではありますが、大
方の読者はこんなのありかよ、と思ったことでしょう。怪奇じゃないんだけれど怪奇。
うう、どうすればよいのでしょう…、すみません。

倉阪さま
 当たったぞ、やっほい(連城三紀彦のことです)。なんか秘密を聞いてしまった
ような気がします、すみません。『暗色コメディ』傑作ですね、倉阪さんにぴった
り。
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猫の句をかなでまとめて朧かな 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月19日(水)22時20分41秒

裏邪様
水~祥「水~傳説」は「幻想文学」に書評が出ていました。書いたのは私だった
ような気がするな(笑)。なお、これは鎌田東二氏のペンネームです。オカルテ
ィストにしか書けない熱気のこもった作品でしょう。また、「金羊毛」復刊号に
も「きふねみづほ」というペンネームで短篇を寄稿していただきました。
講演会に招いたり、昔は幻想文学会と結構付き合いがあった方なんですよ。
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こんにちは 投稿者:裏邪  投稿日:05月19日(水)17時52分45秒

一般的掲示板に投稿した勢いをかって、
怖いけど、こちらにもおじゃまさせていただきました。

唐突ですが、若かりし頃買った本に
水~ 祥 著 『水~傳説』というものがありまして、
専門の方々のこの書に対する評価はいかがなものなのか
以前からお聞きしたいと思っていました。
わたしの中では幻想文学のジャンルに属するものなのですが
一度も書評をみたことがないので。
読まれた方がいましたらお願いします。

また、この著者の別の作品があれば
あわせて教えていただきたくお願いします。
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僻地には僻地の習い吸血鬼 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月19日(水)00時36分07秒

こんにちは、みなさん

西田さん
 お返事ありがとうございます。そうですか、『怪奇小説の世紀』を買ってい
ただいたのですか。とても嬉しいです。感想などもお聞かせ願えれば幸甚です。
 エイクマンは実はまだまだ恐い作品がいっぱいあります。「鐘が鳴り響く町」
「学友」と同じくらいのレヴェルのものが。版権をどこかがとってくれればやっ
てみたい気持ちもあるのですが。
『英国女流怪談集』なのですが、版元の都合で遅れております。自分が訳した
ものではギルマンの「黄色い壁紙」が恐いと思います。あと倉阪さんのウイル
キンス-フリーマンなどもいい味わいの話です。ほんとうに早く出してもらいた
いものです。でも、どうやらこの調子では年内に出ればいいという感じですね。

管理人さま
 うむ、スランプというより、仕事に追われて脳が傷んでいるようで、寝ても
断片的な悪夢ばかり見ています。労せずして楽しんでいるようで何となくすま
ない気もします。メールアドレスなのですが、長い返事を書かずにはいられな
い性分なので、今少しお待ちください。「恐怖の会その弐」は納涼会としてやっ
てもいいかもしれませんね。京都のアスタルテ書房有名ですね。一度行ってみた
いものですが。

ただのOLさん
 西田さんと貴姉の書きこみほんとうにありがたかったです。「本物」とはい
ささか過褒のように思いますが、そのお言葉に相応しいような仕事をしていき
たいと切に思います。これでとりあえず今やっているもの(V・ウルフなので
す)の仕上げをする力が湧いてきました。これからもよろしくお願いいたしま
す。

                             西崎 拝
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館果つ昔々の月明に 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月19日(水)00時04分13秒

西崎さんに倣ってタイトルを俳句にしてみました。

西田様
はじめまして。ありがとうございます。

>「東京創元社からハードカヴァーの英国女流怪談集も出ます」、と倉阪様は語って
おり・・・

わははは。これは版元に答えていただくしかないですね(笑)。
もっとも、いまゲラが出ると困るんですが。

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励ましのお便り 投稿者:ただのOL  投稿日:05月18日(火)21時46分50秒

はじめまして。

西崎様
 怪奇小説はこれからの季節にはいいですね。
 日本人は風情を楽しみますから。
 西崎さんの「好き」は他人の受け売りや真似ではなく
 心からのものだと思います。
 本物は色褪せることなく、いつまでも輝き続けます。
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管理人通信 投稿者:櫻井  投稿日:05月18日(火)20時56分04秒

橋詰さま
 掲示板無料の件、ほんとはただほど高いものはないはずなんですけど、
 個人的には費用が助かるのでありがたいです。
 ただ、毎日500人、1000人の読者を引っ張ってこれるパワーがある店子は、
 元締めにとっては大事なのでしょう。それで特別扱いしてくれるのだと思います。
 いやあ、こんなにたくさんの人が来てるとは思ってなかったんです、本当は。
 300人くらいだと思ってました。びっくりしてます、自覚してませんでした。
 道理で混んでるはず(笑)
 ところで、今月の「太陽」を立ち読みしていたら、龍胆寺雄の息子さんは橋詰さんとおっしゃるんですね。
 はじめて知りました。

 (余談)京都のアスタルテ書房も載ってました(生田耕作のページ)。
 佐々木さんとも10年以上ご無沙汰しています。佐々木さんお元気でしょうか
 (ご存じの方、ここに書き込みしてくださいね)

石堂さま
 重戦車攻撃のように長大で重い投稿ありがとうございます。ブルックナーの交響曲を聴くような
 気持ちで読ませていただいております。交響曲第8番のように、第3楽章で聖なる調べを奏でていただければ
 オーケーだと思います。冗談です(みなさん、笑えなくても笑ってくださいね)。
 投稿を読んで、営業だと思う人は少ないと思います。しかも投稿が増えるにつれ、心の叫びが聞けて面白いです。
 >東は「遠い目……」とか言ってカッコつけてましたが、あの人はどうせそういう準備が終わった
 >段階で登場するだけです。事典のようなものはやると決めたら、とにかく時間を作ってやるだけのことです。
 >そうでなければ永遠にできない、そんなものです。
 ここ、いいですねえ。漫才だなあ。もう、いっぱい好きなだけ書いてください。
 適宜、新しい情報、面白い話題を投稿していただければよろしいと思います。
 部屋は空いておりますので。よろしく。
 
西崎さま
 スランプなんですか。じゃあ恐怖の会2回目を開催して、ガス抜きしますか?
 メールアドレスを公開してくださいね。優しい読者から励ましのお便りが届くかもしれません。
 僕は、15日に東雅夫のお弟子さんたちに励まされて、気持ちが復活しました(見てますか?、村上さん達)
 僕なんぞは美味しければなんでも食べる性質ですが、ジャンルにこだわる偏狭もの(口が悪くてごめんなさい)
 も好きです。人間の資質は多様なんですから(答えになってないけど、答えは出ないと思います)。
 あ、論争するつもりはないので、突っ込まないでね>みなさま

西田様
 はじめまして。フツーの会社員大歓迎です(あたしもそう)。よろしくね。

新しい方々が続々いらっしゃって、挨拶しておりませんが、ちゃんと見ております。非礼をお許しくださいね。

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はじめまして 投稿者:西田  投稿日:05月18日(火)17時04分10秒

はじめまして、西田と申します。
フツーの会社員ですが以後よろしくお願いいたします。

倉阪様
 「天使の指」読んでしまいました。5歳になる娘がいる私には、かなり
 こたえました。ページをめくるのが恐い作品ランキング2位に入りました
 (1位は「隣りの家の少女」)。評論は苦手なので読み終わった直後の
 感想だけ。「(好意的に)反則だよー」

西崎様
 最近、古書店にて「怪奇小説の世紀(全3巻)」購入しました(印税がいか
 なくて申し訳ございません。版元に問い合わせた所、1巻が品切れだと
 いわれたもので)。エイクマン「列車」に期待しております。

倉阪様、西崎様
 「幻想文学51号」の倉阪様のインタビューの最後で「東京創元社から
 ハードカヴァーの英国女流怪談集も出ます」、と倉阪様は語っており
 ますがいつ頃の発売なのでしょうか?「渋い」とのことで期待して待って
 いるのですが。
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こんなことを書いている暇はないはずなのだが 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月18日(火)15時10分52秒

こんにちは、みなさん

 石堂さんの話に便乗するかたちになりますが、最近思つてゐることを少し。

 私は「ジヤンル」といふものに興味がほとんどありません。『リング』はSFで
もホラーでもミステリーでもスリラーでも何でもいいし、『ドラキュラ』をフア
ンタジーにしやうと、キャサリン・マンスフイールドを幻想小説にしやうと、ま
つたく構ひません。それがなぜかといふと、これは自分自身がノンジヤンル的な
位置にあるからではないかと思つてゐます。ジヤンルにこだはるのは当然そのジ
ヤンルに自分が足場をおいてゐるといふことであり、それによつて「内」と「外」
が出来て、自分の裡に、そして他人とのあいだにさまざまな葛藤が生まれたりす
るわけですよね。さういつた態度は理解できますし、また実は羨ましくもありま
す。たとへば、倉阪さんの自恃の気持ちのこもつた「怪奇作家」といふ自分紹介
の仕方には非常に清々しいものを感じます。翻つて、自分のことを考へると、自
分が果たして何が一番好きなのか曖昧になることが屡々です。ただ、読むといふ
なら、みなさんと同様、大体のジヤンルのものは読んでゐると思ひます。シエク
リイは何故か好きだし、コードウエイナー・スミスも嫌ひではありません。藤沢
周平もたまに読むし、宮部みゆきも読みます。キングも面白いと思ふことがある
し、イアン・バンクスも好きです。ゴースト・ストーリー、フアンタジー、英国
文学はそのなかでもとくに好きです。しかし、私はジヤンルとしてはこれが一番
好きといふのがないのですね。クラシツク・ゴースト・ストーリー、幻想小説、
ステラ・ベンスンのような英国のLight-Hearted なフアンタジーなどのことが
頭を掠めますが、どうもそれらはジャンルとしては成立しないやうです。といふ
か、考えてみると、自分が本を読む時は、自分にとつて重要な何かについて記し
ている本を探してゐるのではないかといふような気がします。つまり、ジヤンル
といふくくり方ではなく、もつと個人的な価値の区分けがそこで必要になつてく
るわけです。また、ジヤンルといふものがもたらす帰属意識があまり好きではな
いせいもあるかもしれません。何らかのジャンル帰属意識の強いかたが「うちの
ジヤンルでは〜」といふ話し方をすると相当強い違和感を覚えます。とは言え、
ジヤンルではないですが、一番好きなのは英米の古典的なゴースト・ストーリー
かもしれません。それとなら心中してもいいかなと思つてゐます。しかしさうし
たものの読者は無論少ないですよね。寂しいものです。たとへば、盆石のファン
の方、たとへばコーネル・デユプリーのファンの方とどちらが多いでせうか。ク
ラシックなゴースト・ストーリーの愛好家の方、寄る辺なき怪奇翻訳家西崎氏に
励ましのお便りを出しませう。

                             西崎 拝

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ジャンルの境界のことなど 投稿者:石堂藍  投稿日:05月18日(火)13時24分22秒

 『別冊・幻想文学 モダンホラー・スペシャル』の話題が出ているので、裏話を兼ねた宣伝を。
 この掲示板で再三議論されているように、日本の怪奇小説出版の歴史というのはある種輝かしい
栄光に包まれていると申しますか、ずーっとマイナーで、でもちゃんとファンも志ある編集者もいて
継続的に出続けていることは出続けていたんですね。それで編集長である東の意向として、
彼は出版史ということにこだわる人ですから、編集者やアンソロジスト、訳者など、
海外の怪奇もの紹介に携わってきた人たちを通じて日本における現代恐怖小説出版史を振り返っておきたい
ということでああいう形になったのです。モダンな怪奇小説を訳したら、意味がわからないから話を変えろ、
と言われた矢野浩三郎先生の話なんて涙無くして読めませんよね。モダンホラー・スペシャルのガイド以外
の部分というのはですから東の編集態度がよく表れたものです。
 ガイドに関しては、東の意向ではなく、私の意向が大幅に反映しています。
風間健司さんというキングを中心にモダンホラーをよく読んでいらっしゃる方にリストを作ってもらい、
それまで読んだことのないホラーの代表作をひたすら読みまくり、尾之上浩司さんにならってなるべく
作品を幅広く取り上げる、という方針で臨みました。モダンホラーの限界をこのガイドで示せているのでは、
と手前味噌ながら思います。モダンホラーというニュアンスになったら、このあたりまでではないかと。
恐怖小説の歴史にはゴシック小説というものがあり、そのスリラーのパターンというのは脈々と受け継がれているわけですが、
そういうものも恐怖を描こうとしている、味わわせようとしているというところはなるべく入れたいと考えました。
東のホラー講義で、怖いのがホラーじゃないのっ! と再三言われたのですが、
しかし……クーンツの『雷鳴の館』などは、実にゴシック小説的だし(御都合主義の展開とかロマンス
とか見知らぬ土地とかもう本当にそう)怖いし……。(こんなもので怖がれるなんて幸せ……とまた
鬼一郎さんに言われてしまいそう。)

 ところで中島さんはガイ・バート『体験のあと』がサイコもののホラーとして許せるあたり、
というお考えでしたが、あの作品をその後に読んだところ、確かにたいへんに恐ろしい小説でした。
でも読後の味わいは、私なんかは幻想小説って感じました。(自分で言ってても曖昧で恣意的な感じがするけど。)
ブリーストの『魔法』もホラーに入れていいみたいなことをおっしゃってましたが、
怪奇ものが好きな人は、自分の感覚に合うものをやっばり怪奇的と捉えて引き込もうとするところがあるんでしょうか。
私は何でも幻想小説に引き込もうとする悪癖を持っている。

土田様
 『幻想作家名鑑』のジュヴナイル・SF系の増補については全部私がやるのです。
もともとあれを担当したのは私なんですから。それは大した作業ではないと思います。
チェックしてくれるヘルパーは欲しいな、とは思いますが(何が落ちてる、これは誰それの筆名など。
前回は知らなくて赤っ恥というのがあった)。今度は古典を入れるので、その下調べが大変かな、
とは思います。室町小説集とか、江戸の草子とかを読んだりするのが。東は「遠い目……」
とか言ってカッコつけてましたが、あの人はどうせそういう準備が終わった段階で登場するだけです。
事典のようなものはやると決めたら、とにかく時間を作ってやるだけのことです。
そうでなければ永遠にできない、そんなものです。御要望があればどうぞおっしゃってくださいね、
この作家の扱いをもっと大きくしろとか(笑)。

 もうひとつ、芦辺拓さんのようなファンタジーも書かれる本格ミステリ作家の方から、
本格ミステリというのは本質的にはファンタジーである、という御意見をいただいたのですが、
ミステリにも詳しいみなさんのお考えを聞かせていただけたらと思います。また怪奇ミステリ
(怪奇的な材料をふんだんに使っているけれども現実的な解釈をするミステリ)についてはどうか。
実際に『日本幻想作家名鑑』には島田荘司氏のミステリをはじめとして怪奇ミステリなども挙げているわけですが、
境界はどのあたりにあるだろうと、このごろは考えてしまうものですから。

櫻井様
 なんだか営業に使わせてもらっているようで申し訳ないです。こういう話題を提供して、
というのがありますか。できる範囲で御要望に応じたいと思います。
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やっぱしね 投稿者:管理人  投稿日:05月18日(火)12時25分54秒

ちょうど一日きっかしで、アクセス800でした。
やっぱしね、みなさん、玄関からじゃなく直接ここに来ちゃうんだ。
おいしいとこばかり食べたがるんだから、もう(笑)

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重ねて感激! 投稿者:フク  投稿日:05月18日(火)00時06分27秒

「別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル」、読みました。本の出し手へのインタビューと
いう面白い試み、中島さんの評論の素晴らしいこと、雰囲気の伝わる東さんの対談、とより深
い理解が得られました。何よりの収穫は、学生の頃一冊だけ読んで「うわー」と感じたまま、
題名を忘れてしまい喉に小骨が引っかかっていた作品の題名が判明したこと。
その本とは、チャールズ・L・グラント『ティー・パーティー』でした。
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ケッチャムなど 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月17日(月)23時44分13秒

溝口様
ジャック・ケッチャムの評価は、本国ではキング絶賛なんですけど、モダンホラー
自体がもはや下火でサイコスリラーにとって代わられていますから、その文脈で評
価されているのだと思います(アメリカは専門じゃないのでやや不安)。ちなみに、
この掲示板では「ケッチャムはスーパーナチュラル・ホラーに手袋を投げつけてい
るのだから、本格ホラー作家も負けないように」と中島さんにハッパをかけられて
いるのですが、どうもあれを読むと「私もあんな鬼畜なものを書きたい」と思うも
ので(笑)。

橋詰様
>連城三紀彦はいかがなんですか? 
えー、次の「幻想文学」に「幻想ミステリの国内・国外ベストを1つずつ選べ」という
無体な問いがありまして、国内は新本格から「霧越邸」を選んだんですけど、新本格以
前として「暗色コメディ」も挙げておきました。これはメチャクチャ好きです。
完全収録版「戻り川心中」も買ってあるのですが、「魔界都市ブルース」を読まなきゃ
いけないし・・・。

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眼帯のちぎれて飛びし春野かな 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月17日(月)23時41分38秒

こんにちは、みなさん

管理人さま
 ずいぶん、多くの方が見ているのですね。衆人環視のなかで愚痴を言ってしまった
なと少しあせっております。

橋詰さん
 優しいお言葉ありがとうございます。いま脳が弱っているので、そのような言葉を
かけていただくと、涙が出てきそうになってしまいます。昨日今日の苦闘のおかげで
少し先が見えてきたので、頑張りたいと思います。
 ウッドハウスですか。いい趣味ですね。以前アンソロジーに入れようかとさんざん
迷った作品があるのですが、サイズの問題があって結局入れなかった記憶があります。
ウッドハウスの短篇の長さの感覚は私の感覚より少し長いような気がします。
 恐い話はどうでしょうか。ブライラーのリストにも載っていないところを見ると、
もし書いていたとしても少ないのではないでしょうか。題材的にはかなりリアリズム
的な作家のような気もしますね。

倉阪さん
 大陸書房のカーシュですか。羨ましいです。

                                西崎 拝
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再び失礼します 投稿者:溝口哲郎  投稿日:05月17日(月)22時33分53秒

溝口@書物の帝国です。

 ジャック・ケッチャムの評価はモダンホラーの間ではどうなっているのでしょうか?
読了中は多少気持ち悪いのですが、とてもうまい作家だなぁと思いました。鬼畜系
ホラーと思っていたら、かなり問題提起があってすごい作家だと思ったのですが。

中島さま>
 あ、こちらこそはじめまして。是非色々とためになるお話を御聞かせくだされば
ありがたいです。昨今苦労してホラーを漁っているわけなのですが、ここの掲示板
でのファンタジーやホラー論議は本当にためになります。

倉阪先生>
 ぼくもハミルトンの『フェッセンデンの宇宙』を日下三蔵さんに競り落とされて涙し
ました(笑)。カーシュの本は確か小林文庫さんのところで格安で売られていて、3000円
にもなって驚愕した次第です。

フクさま>
 モダンホラー・スペシャルは本当にいい本ですよね。ぼくもあれをガイトブックとして、
都内の古本屋や本屋を回っています。別冊・モダンホラー・スペシャルは入門書とし
て参考になりますし、本当にいい本ですよね。東様本当にありがとうございます。
(おかげさまで、難しいところを除いて7割程度までは入手したように思えます。)
またああいう特集があると嬉しいです。

とりとめがなくてすみません。では。
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モダンホラー・スペシャル 投稿者:フク  投稿日:05月17日(月)20時41分03秒

現在、八時半過ぎ。掲示板カウンタ345(目出度い)管理人様の↓によると本日お昼から
カウンタスタートとすると…一体、何人ROMってるんでしょ。

本日、都内某所で「別冊幻想文学 モダンホラー・スペシャル」を入手しました。(すみま
せん、通信販売で買うべきなんでしょうけれど)いや、東さんが再三、議論時に例として挙
げていたいだけのことはあります。この掲示板で議論される土壌となる前提、キーワードが
沢山書いてあり、ぱらぱら眺めているだけで、一種の興奮さえ感じたり。(変かな?)
まだホラーの血が濃くない人(つまり私のような)にとっては、便利なサブテキストになり
そうです。NHKの教養講座の番組とテキストのようなものかも。読了後、この掲示板を見
る楽しみは、きっと増しています。じっくり読もうっと。

ということで、未購入者の方にも(勝手に)オススメしておきます。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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おめでとうございます 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月17日(月)20時30分58秒

管理人さま
 おめでとうございます。よくわかりませんが「無料」というのはよいことだ、
と思います。次は5万8000人を目指しましょう!(ミーコちゃんごめん)。
ちなみに、今の掲示板のカウントは318です。すごいなあ。

西崎さま
 夕暮れに花の色が冴えてくる季節になりました。時間を費やしたらそれで出
来上がる、というお仕事ではないとは存じておりますが…。一ファンとして早
くに手に取ることができますよう期待しております。(小声で)頑張ってくださいね。
それから、PGウッドハウス好きなのですが、彼は怖いお話は書いてるのでし
しょうか?

倉阪さま
 ラブクラフトの色紙って、その色紙って日本製ってことはないですよねえ。
 サインといえば、昔買った『毒薬と宰相』(講談社ロマン・ブックス)が
色川武大宛有馬頼義のサイン本で仰天したことがあります、300円でした。
有馬頼義より色川武大宛って方が嬉しかったなあ。と、ミステリのお話をしよ
うと思ってたのに、ついうっかりしてしまったではないか。倉阪さんは、連城
三紀彦はいかがなんですか? 視点をどんどん変えていったりとか。

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管理人から 投稿者:管理人  投稿日:05月17日(月)12時58分17秒

カウンタをつけてみました。
5/17昼で、本体のカウンタが約7000(6950)、ここの掲示板が0スタートです。
ついでにいうと、先月末に、ここは無料掲示板になっています(容量は増えたまま)
なんでも、アクセス数が多かったのと内容・身元に問題が無い点が評価されたみたいです。
昨今まわりがかまびすしいようですが、道楽にはしったマニアックな話をしてください。

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オークション 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月17日(月)12時24分31秒

溝口様
>大陸書房のダーレスを落札されている姿が印象的でした。
あれはジェラルド・カーシュです(笑)。日下三蔵が帯だけのために吊り上げたから
三千円になってしまいましたが。

オークションといえば、ファンタジー・コンベンション(亀レスですが、大阪と東京
と二回あったはずです)でラヴクラフトの色紙をせり負けたのがいまだに悔しい。

中島様
了解しました。なお、風間賢二と風間健司は別人ですから混同しないでくださいね
(>ギャラリーの方)。
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愚痴 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月17日(月)03時47分00秒

こんにちは、みなさん

 嗚呼、仕事が進みません。来月半ばまでできないと来年の刊行分に回されてしまうと
いうし。日暮れて道遠し。

                    ペトラーキすごいぞ  西崎 拝
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キングに関する密約 投稿者:中島晶也  投稿日:05月17日(月)01時42分12秒

>倉阪様
 キングについては風間健司さんに一任することにして、どれを読んでいない
かはお互い追求しないようにしましょう(笑)。

>溝口様
 はじめまして、でしたね?
 溝口さんの掲示板は毎日拝見していますよ。活気があって良いですね。その
うちお邪魔すると思いますのでよろしく。
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キングのメタ面白いですか? 投稿者:三枝  投稿日:05月17日(月)01時41分55秒

あれもくどさ(冗長さ)だと、思いますが。
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ありがとうございました 投稿者:溝口哲郎  投稿日:05月16日(日)23時13分38秒

こんばんは、溝口@書物の帝国です。

松本様>
私も初期のホラーウェーブ叢書に関しては松本様と同意見です。友成純一氏の『電脳猟奇』
と牧野修氏の『屍の王』だけは見かけるのですが、高瀬さんや森さんの本は見かけなかった
と思います。

中島様>
どうもお手数をおかけしました。ありがとうございます。
私も同感です>バーカー。あの『血の本』の装丁は購入するのをためらうくらい
不気味なものでした。バーカーの本を読んでいると人体への感覚が麻痺してき
ます。人間は血の詰まった袋なんだぜ、ヘイ!というバーカーのメッセージが
ひしひしと伝わってきて、夢中になって読んでおりました。(最近5巻まで読み終
わりました。もったいなくて6巻目を楽しみにとっております。)バーカーという
作家を知ったのは、自分の場合映画でした。ヘルレイサーやミディアンなど、
こういうイマジネーション溢れる作品も創れてしまうバーカーの世界に夢中に
なったものでした。

倉阪先生>
こちらこそご挨拶もせずに失礼いたしました。大陸書房のダーレスを落札されている
姿が印象的でした。「墓銘碑」のラストについて解説ありがとうございます。ポイント
ポイントを読んでいくうちにその情景が想起されて、ぞくぞくしました。「天使の指」の
ようなバーカー的、「墓銘碑」のようなゴチック的なホラー楽しみにしております。
#書店で『活字狂想曲』を見かけなくてブルーです。

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キングについて 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月16日(日)22時56分52秒

中島様
読んでいないわけじゃないんですよ。まあ「IT」が未読なので大きなことは言えない
のですが(笑)。好きな作家じゃないことは確かです。「いかにも肉食人種」という無
駄の多さが性に合わないのでしょうかね。最も評価するのは処女作の「キャリー」です。
あの作品は無駄が少なく、メタまで入ってたし。なお、「ミザリー」も挙げたいのです
が、あれはスリラーですからね(笑)。もう一作なら「グリーン・マイル」かなあ。

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話題になっていた記憶がありますが 投稿者:三枝  投稿日:05月16日(日)19時37分19秒

「ノンセクシュアル」は、あちこちの書評で見ましたよ。私が
森奈津子さんのファンであるせいでよけいに気に留めるこ
とになったのかもしれませんが。でも、「ああ、これでやっと
森奈津子も、一般の人に知られる作家になるのか」と思っ
たくらいです。
話題性はあったのではないですかね。

バーカーはイギリスですか。すみません。話の舞台に米国
が出てくることが多いのと、ハリウッドで映画を作っていたよ
うな記憶があったので、混乱が生じました。
装丁に関しては、私個人は「まぎらわしいなあ」と感じました。
もっとも、ホラーの想定は互いに似ているせいかもしれませ
ん。
バーカーしか読まない読者は、私もですね。キングは一応
目を通しましたが、比べると冗長でつまらないと感じました。
しかし、キングはバーカーを絶賛していたのでは?

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バーカーの話だけ 投稿者:中島晶也  投稿日:05月16日(日)17時54分48秒

>三枝様
 管理人さんから警告が出たので、バーカーについてだけ。

 些細なことながら事実の誤認がありますのでその確認から。まず、バーカー
は英国の作家です。米国のモダンホラーより英国のモダンホラーに何となく惹
かれるものを感じる私としては、ちとこだわりたい点なので(笑)。それと、
集英社文庫の『血の本』の装丁は、ホラーにしてもあまりにもグロテスクだと
当時評判になったほどで、同時期のキングの文庫本とは似ても似つかないです。

 キングの読者層がどれだけバーカーに流れたかは知りません。同じホラーと
言っても両者の作風がかなり違うのは確かで、キングしか読まない読者の方が
多いのは間違いないです。でも、バーカーしか読まない読者がいたかとか(あ、
倉阪さんだ……)、どれだけ重なっていたかとかは知りようがないです。です
から、主としてキングの読者がバーカーを支えたのではないかという三枝さん
の推論については、私としてはどちらとも言えないですね。ただ、当時かなり
の広がりを見せていた映像系のホラー・ファンの流入が、ある程度はあったの
ではないかとは思います。バーカーはキングの愛好家よりも、ホラー映画(古
式ゆかしい怪奇映画ではなく)の愛好家に勧めるに相応しい作家ですので。

 外の話は大森望さんのところへ返します。

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管理人から 投稿者:櫻井  投稿日:05月16日(日)10時58分31秒

経営論・営業論は、管理人の私から見ても、議論が尽きているようにおもいますので、
終了していただきたいです。個人的にも、面白く感じないですし。
ここの大家としては、作家論・作品論を聞きたいと願います>みなさま

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またもや地雷を踏んだか? 投稿者:中島晶也  投稿日:05月16日(日)08時30分01秒

>東様
 お断りしておきますが、あくまで私個人の体験で、記憶だけを頼りにした話
ですよ。

 去年の秋まで私は、大阪市内に在住して奈良市内の職場に通勤していたので、
中継点である難波を中心とした新刊書店にほぼ日参していたのです。なのに新
刊書店で最初に見つけた「HORROR WAVE」叢書は、第1弾の『ノンセクシャル』
ではなくて、第2弾の『アルーマ』だったんです。しかも、その『アルーマ』
も私が入手した書店以外では見掛けなかったように思います。次の『シンプル
レッド』は著者が有名だったせいか、比較的よくありました。そして、それと
前後して『ノンセクシャル』をようやく古書店のみで見掛けるようになったと
記憶しています。

 一店舗当たりの配本数が極度に少なくて、発売日に即完売状態となり、帰宅
時に大阪で新刊書店に寄っていた私には見つけられなかったという推論も成り
立たないことはないですが、それはちょっとあり得ないように思います。ちな
みに奈良県内では、『ダ・ヴィンチ』で『アルーマ』が話題になるまで「HORROR
WAVE」叢書は新刊・古書を問わずまったく見掛けなかったと記憶しています。

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は? 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月16日(日)03時15分41秒

 前々信を参照のこと。
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バーカーは 投稿者:三枝  投稿日:05月16日(日)03時02分42秒

絶対に短編向きの作家ですね。
長編も書いたって良いけど、映画なんかは撮らなくても
良いのに、とは、思う。

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バーカーの話なら 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月16日(日)02時57分49秒

経営論はよその掲示板でやってますから、浮世を忘れる別天地(「ホテル紅葉」だっけ?)
である「幻想的掲示板」としては、作品論やイデア論をやりませんか?
バーカーのイメージ喚起力は高く評価しております。それだけに「血の本」だけで長篇
作家に転向してしまったのは惜しみても余りありますね。

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私が再三言っていたのは、 投稿者:三枝  投稿日:05月16日(日)02時39分21秒

個人の努力(才能)を、会社の宣伝力のおかげというのは、
いかがなものなのか、なんですが。東さん。
あれは、角川でも、ほかの編集者がやっていたらこけたと
思いますよ。私は。

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り、り、律儀な人だ…… 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月16日(日)02時24分00秒

中島様

>その一方でゾッキ本が早々と古書店に流通していましたから。
 ほ、ほんとですか!? 出来ればもっと具体的に教えてください。
 もしも実際にそんなことが起こっていたのなら大問題なので……。

>以上のことからここまで這い上がって来られたのは、それぞれの本自体の力によ
>るものであるという印象を私は抱いています。
 まったくそのとおりです。だからこそ、編集サイドとしては、それぞれの作家さ
んに対して申し訳なくてたまらんわけですよ。もしも他社で出ていたら、もっと売
れたんじゃないか、もっと注目されたんじゃないか? とね。

>世間一般の認知度は、ひょっとしたら『このホラーが怖い』の方がまだ上かも(笑)。
 ひょっとしなくても上です(笑)。まあ、あれはランキング本だし低価格なので、
いっぱい認知してもらわなきゃ意味がないわけですがね。

>東さんが様々な媒体で一貫して主張され続けているのはむしろ、「こんなに本が
>売れない時代に宣伝もしないで本が売れるか!」で、
 確かにそれもありますが、そもそも小生が、角川ホラーが成功して学研やぶんか
社がこけた理由として指摘したのは「パブリシティを含めた営業力の圧倒的格差」
なのでして、わざわざ素人さんにも分かりやすいように「パブリシティを含めた」
と強調しておいたのですがねー。たんに広告をバカスカ打てば売れる、とか、そう
いう単純な話ではないわけですよ(笑)。
 対取次(そもそも取次店がOKを出さなければ何万部刷っても未出荷のまま倉庫
に山積みされるだけ)、対書店(書店が売る気になってくれなければ返品の山)、
対マスコミ(様々な媒体やキーパーソンとの信頼関係・経済関係の積み重ねが最終
的にモノをいう世界)そして対読者(広告・イベント等)に、どれだけ有効なケア
ができるか……といったことを指して「パブリシティを含めた営業力」といってみ
たわけであります。
 この点において角川がいかに優れた組織であるかは「角川商法」という言葉が定
着していることからも明らかでしょう。「角川ホラー」の大仕掛けは、そうした積
年のノウハウを結集し、組織を挙げて「絶対に売る!」という気迫をひしひしと感
じさせるものでした。
 それともうひとつ、非常に気になるのでここで強調しておきたいのですが、小生
が「営業力」を理由に挙げたのは、角川と学研、ぶんか社の決定的違いはそこだろ
うと思う、ということであって、学研やぶんか社の営業部に、売れなかった責任の
すべてを押しつける気は毛頭ないのですよ。
 責任云々をいうのであれば、それは企画に関わった編集者、作家、デザイナー、
そして営業部門を中心とする会社組織全体が等しく負うべきものだと思います。
 また、ぶんか社について特に厳しいことをいうのは、編集制作サイドの意気込み
とそれ以外の部署の意気込みに、余りにも落差がありすぎたから、です。こちらが
コレだけのことをやっているのだから、せめてコレくらいはやってよねっ、という
ことですな(笑)。

倉阪様
 御説ごもっとも。
 ホントにねぇ、せめてコンスタントに1万部をクリアしてくれたらねえ……。
 ああ、なんてつましい私たち(大笑)。

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そう、角川ほど売れるのが変なの 投稿者:三枝  投稿日:05月16日(日)02時22分22秒

どうも中島さん。
バーカーは普通程度には、宣伝されていた。それから、集英社文庫
なので配本が多く、人目につきやすかった。さらに東さんの説を加
えると、当時はスプラッターブームで追い風もあった、ですね。
で、もちろんバーカーは米国ホラーの若手ナンバーワンだったから、
本自身に力もあったし、キングと同時期に似た装丁で配本をうけた
ってのも良かったのでしょう。(私はあれは宣伝で売れたのではな
く、配本の仕方が良くて、キングの客が流れてついたのだと考えて
います。)
で、私は思うのですが、ぶんか社のホラーの場合、角川ほど宣伝が
できなかったという話ですが、その角川があったからこそ、ほとん
ど宣伝がなくてもある程度売れる条件はあったのではないか、と。
つまり角川の成功があって、「ホラーはおもしろい」という雰囲気
はできていたはずだし、以前と比べてホラー自体が注目される環境
にあった。

なんで私がこれほどしつこく、「売れたはずだ(売れるなら)」と
言うかと言いますとね、つまり「宣伝してもそんなに売り上げは伸
びなかったのではないか」と思っているからなんです。
ぶんか社の叢書はいい本が出ましたし、それは東さんの編集者とし
ての力だと思うのですよ。本も良いし、私は注目はされなかったと
は思っていないんです。
でも、売れなかった。
これは、本格ホラー的なものは、元々そんなにニーズがないってこ
とを表しているのじゃないかしらん?
少なくとも本来角川の文庫みたいな冊数売れるようなものではない。

つまり宍戸さんがホラー文庫を立ち上げる前に、大々的にアンケー
トをとったという意味が、そこにあるのではないですかね。
宍戸さんは、ホラーなんて最初から売れると思っていなかった。で、
人がホラーを読まない理由を知ろうとでも思って、ホラーの印象を
アンケートしたんでしょう。
そうしたら、案外と普通の人はホラーを「スーパーナチュラルで…」
とかの定義で考えていなかった。(単にホラーに関して無知だった
んでしょうが ^^;;)要するに、「怖かったら、なんでもホラー」
と考えていた。
だから宍戸さんは、その誤解につけ込むという手を思いついたんで
はないかいな?と。つまり、サイコミステリとかサイエンスパニッ
クとかを、ホラーと称して売るという、詐欺ですね。
つまり私が言いたいのは、やっぱり角川ホラーがあれだけ売れたっ
てのは、その詐欺を考えてついた宍戸さん個人の才覚じゃないかな
あってことなんですよ。
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本格ホラーの目標値 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月16日(日)01時12分17秒

>もし純粋に営業論・経営論を楽しみに来られたのでしたら、ここはあまり歯ごたえの
>ある論客はいないと思いますよ。

中島さんのおっしゃるとおりで、私も1万部を超える世界のことはよくわかりません
ね(笑)。大森説によると「目標設定3万」だそうですが、ちょっとハードルが高す
ぎるような気がします。もっと現実的に1万3千(ハードカヴァー)くらいが妥当か
なと思いますね(これでも大変だけど)。これならたとえ年一冊(200万)でも、
他の仕事を加えればどうにか食えますからね(所帯持ちは年二冊)。そういった専業
本格ホラー作家が輩出される土壌になればと思います。
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ホラーウェイヴ 投稿者:松本楽志  投稿日:05月15日(土)23時54分20秒

 は、全然知らないうちに出て全然知らないうちに消えてました。
 うーん、情報に疎いだけかも(笑)

 しかし、やりとりみてるとみなさん(ぼくもたまに使いますが)の言ってる「世間一般」ってのが
どの程度正しいのか、アンケートしたくなりますね。
 あ、これはたんなる感想です。それでは
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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借りがあるからなあ 投稿者:中島晶也  投稿日:05月15日(土)23時25分03秒

>三枝様
 イデア主義布教のための営業論なら、これまでにも何度か話題に上っていま
すよ。営業の方が優先されたことは一度もありません。念のため。

 さて、バーカーの『血の本』の初版時は私も学生でしたが、自宅から40分
ほど電車に乗って通学していたので、社内吊り広告は何度も目にしたように記
憶しています。各新聞にも広告が載っていました。続刊が出る度に、多くの書
店で平積みにされていました。これは正確には『血の本』が単独でそのような
扱いを受けていたのではなく、集英社文庫の1冊として混じっていたというだ
けだったように思いますが、同時にこれは、その当時のホラーとしては破格の
扱いだったのです。当時ホラーをコンスタントに出版しジャンルを支えていた
主要な版元は、早川文庫、創元推理文庫、国書刊行会の3つでした。でも、こ
れら御三家ともに営業力では集英社文庫にとても及ばないことは、三枝さんも
ご存じでしょう。集英社文庫に入ったというだけで、バーカーの『血の本』は
ホラーとしては営業的にかなり恵まれた環境にあったと言えるのです。

 ぶんか社の文芸部門の営業力は、上記の御三家よりさらに下回るものと推察
されます。「HORROR WAVE」叢書のスタート時には、関西では都心の大書店でも
ほとんど手に入らず、その一方でゾッキ本が早々と古書店に流通していました
から。状況が好転したのは、『アルーマ』が『ダ・ヴィンチ』のホラー企画で
取りあげられてからのように思います。現在、最終配本の『屍の王』が比較的
多くの書店で入手できるようになっていますが、以上のことからここまで這い
上がって来られたのは、それぞれの本自体の力によるものであるという印象を
私は抱いています。いよいよこれからというところなのに版元に見放されたの
は、残念なことです。

 雑誌の『ホラーウェイヴ』の方は、『アルーマ』が話題になった後だったの
で、多少条件はましだったように思いますが――。

>> 状況からいって、「ホラーウェイヴ」は、国内唯一のホラー
>> 専門誌ということで、充分話題になったはずだと思っていま
>> す。

 それは本格ホラーに理解のある三枝さんの贔屓目でしょう。世間一般の認知
度は、ひょっとしたら『このホラーが怖い』の方がまだ上かも(笑)。

>> 電車の中吊りなどで大々的に宣伝を展開した雑誌も次々
>> 転けている現実に、本は広告をうてば売れるってものでも
>> ないだろうと思うのですが。

 東さんが様々な媒体で一貫して主張され続けているのはむしろ、「こんなに
本が売れない時代に宣伝もしないで本が売れるか!」で、三枝さんのご理解と
はちょっとズレがあるようです。

 ところで、もし純粋に営業論・経営論を楽しみに来られたのでしたら、ここ
はあまり歯ごたえのある論客はいないと思いますよ。データの収集に来られた
のならそこそこ役に立つでしょうけど、大森さんの掲示板でも「ここんとこが
判らん。中島、答えろ!」とお呼びいただければ、出前に参上しますけど。た
だし、判らないことは判らない(実はけっこう多い)という制限付き(笑)。

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溝口さんに質問(バーカーの宣伝) 投稿者:三枝  投稿日:05月15日(土)19時21分04秒

初版の頃に宣伝したかどうかを、お伺いしたいんです。
(あたしはその頃大学生で、大学から徒歩10分の下宿にい
たため、電車の中の状況を知らないのです。)
一時、バーカーの短編集は店頭からなくなっていました。最
近の宣伝、増刷は、ホラーブームによる復活ではないのか
と思うのです。

状況からいって、「ホラーウェイヴ」は、国内唯一のホラー
専門誌ということで、充分話題になったはずだと思っていま
す。
電車の中吊りなどで大々的に宣伝を展開した雑誌も次々
転けている現実に、本は広告をうてば売れるってものでも
ないだろうと思うのですが。

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混乱こそ我が墓碑銘 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月15日(土)12時50分42秒

溝口様
はじめまして。オークションのときは熱中していてご挨拶できませんでした。
「墓碑銘」のラストは、もっとぼかすかどうか迷ったのですが・・・。入れ子のどの
パーツにもチラー・ポイントがある短篇を書いてみたかったのです。

橋詰様
ホラーの伏線というのは作者のモードを換えるためのものでもありまして・・・どうも
うまく説明できませんな。出直してまいります。

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はあ? 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月15日(土)11時21分23秒

 私は「また遊んでくださいね、さようなら」と言ったはずですが。
 その「また」とは今ではありませんし、いつになるかも分かりません。
 それでは、本当に、本当に、さようなら〜。

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はじめまして 投稿者:溝口哲郎  投稿日:05月15日(土)08時51分39秒

はじめまして、溝口@書物の帝国です。

掲示板いつも拝見しております。とても勉強になります。
山尾悠子さんの新作が今度の幻想文学で読めると思うとわくわくします。

倉阪先生>
SFセミナーのオークションにて御姿を拝見。肩に乗せられた
先日先生の短篇(『時間怪談』『さむけ』)に収録されている二編を読みました。
両方とも背中の後ろがむずがゆくなるような怖さでした。特に「墓銘碑」のラスト
はまったく想像しておりませんでした。途中挿入される古い館にまつわる「墓銘
碑」の呪いの陰惨さと弟子と職人の会話の和やかさがとても対称的で、それが
見事に働いてラストが強調されて恐怖を堪能させていただきました。
 「天使の指」は知らない場所ではああいうぞっとするような行為が日本のどこか
で行われているんじゃないかという妙な妄想が働いてしまいぞぞぞときました。
古代指導者とされる人たちのインスピレーションはこういうことから来ているのか
という想像をするだけで楽しめました。例の儀式についてはバーカー的な画像が
脳裏に出てきて堪能できました。

三枝さま>
去年の集英社文庫のセレクションには少なくともバーカーの『ミットナイト・ミートトレイン』
が入っていました。電車の広告、書店のポスターなどで見ました。この例からも考えると
過去に大幅に宣伝されなかったということは考えられないと思います。(初版が1987年
で今まで売れているということはロングセラーですね!)

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おや、営業の話をしても良いの? 投稿者:三枝  投稿日:05月15日(土)08時02分52秒

バーカーって、大新聞、車内吊りとかの広告、されたんです
か? それよりも、たくさん刷って、たくさん撒いたから(顧客
層、大学生とかに届いた)効果があった気がするんですが。
(自社媒体への宣伝は、ぶんか社もしたんですよね? もち
ろん、媒体の数の違いは東さんも始める前から知っていた。)

るぅさんからはお返事もらってないんですよね。代わりに東さ
ん、答えていただけません? 答えたいようですし(笑)。

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おお、勝ってしまった 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月15日(土)02時46分18秒

松本さま
 ディキンスン、ダブりは人(倉阪さんだ)にあげちゃいましたけど、ポケミス分
なら全部ありますから、よければお貸しします。関ミス連のときとか。
 それから、前者を本格と思う人ってやっぱり多いんですか? 自分がそう思わな
いので最近あんまりその辺のこと考えてないんですけど(もう歳かなあ…)。

倉阪さま
 私にもできました(笑)。

>「過程の本格」で念頭に置いているのはコリン・デクスターです。あのコードだ
>と正解が何でも良くなってしまうので、ホラーになっても読者は納得するだろうと(笑)。

 う〜ん、こうこられると考えてしまいます。けどミステリ特有の気味悪さ(謎が解
けたときの肌触りと申しましょうか)と馴染むと、忘れ難い印象を残すと思います。
 ホラーの伏線で思い出すのは、幻想文学37号の座談会(「ゴースト・ストーリに
憑かれて」)で倉阪さんが話してはった『赤い館』の「緑のお猿さん」。こんなふう
なのはミステリでも使えそうな気がしますが、どうなんでしょうか?

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相場は2000円? 投稿者:中島晶也  投稿日:05月15日(土)00時40分03秒

>西崎様
『真夜中の檻』に関する情報提供ありがとうございます。
 しかし、またもや2000円……。平井呈一が翻訳した本だと、そんな安
い値段で流通しているものはないのに。筆名が違うから、誰だか判っていな
いのでしょうか。さては『幻想文学』を読んでいないな(笑)。
 

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うーん、なるほど 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月14日(金)22時23分00秒

松本様

>でも実際問題として「考えたらミステリになるよーん」的な匂いの強いホラーがあった
>としてしたら、「これは伏線か!?」とか気になって、ホラーどころではなくなりそう
>な気がするし、逆にその匂いが薄いとだれも気づかないで終わりそうな気がしてしまい
>ます

う。そういうものを書こうかなと思っているので(もう書いたかも)、やや不安ですね。
あと、「過程の本格」で念頭に置いているのはコリン・デクスターです。あのコードだと
正解が何でも良くなってしまうので、ホラーになっても読者は納得するだろうと(笑)。
いずれにしても、むやみに複雑になるのが難点ですが。

>伏線って、ことはなんらかの解決があってこその伏線ではないでしょうか。
>回収されない伏線は伏線じゃなくてたんなる「意味ありげ」ってやつで、こ
>れはミステリのコードじゃないと思うんですが……。

確かに本格ホラーのコードかも。アトモスフィアを醸成して、読者の不信を解体する
ための伏線・・・って呼ばないか。ミステリは左脳で解決されるけれども、ホラーは
右脳で溶けてしまうんですが。ああ、頭が痛くなってきたぞ。

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ミステリな問題 投稿者:松本楽志  投稿日:05月14日(金)20時14分02秒

倉阪さん:
>そこで、ミステリな皆さんに質問。
>島田理論に基づいたきわめて恣意的なミステリがあるとします。進行はミステリなの
>ですが、伏線などはなく、かなり唐突に驚くべき解決が与えられる、まあそういう作
>品ですね。

 ただ、これを「本格」といってしまう読者は絶対多いと思いますよ。
 僕はこう言うのは認めない偏狭な読者なのですが、一般的な「本格」ほど適当なものは
ないと思ってます。
 島田理論のどの部分を援用してるかにも依ると思いますね。

 ところで──本論とは関係ない話ですが。
 「伏線がない」というのも実は難しくて、たとえば、ラストを予想させないために「あ
るシーンを意図的に書かない」というのを伏線ととらえるかどうか、とか、難しいですよ
ね。
#ほんとに関係ない話になってもうた

>いっぽう、いやというほど伏線を張り巡らせた作品がある。ただし、ミステリ的な解
>決は与えられず、ホラーに着地する。これはどちらが本格ミステリのエッセンスに近
>いでしょうか? 私は後者だと思うんですけど。

 どっちかえらべ、といわれたら、僕もこっちが本格に近いとは、思います。
 ただ、これって、想定しにくいですね……
 伏線って、ことはなんらかの解決があってこその伏線ではないでしょうか。
 回収されない伏線は伏線じゃなくてたんなる「意味ありげ」ってやつで、これはミス
テリのコードじゃないと思うんですが……。

 ってこれは橋詰さんと倉阪先生とのやりとりで解決したのかな。なるほど、読み返し
てわかる伏線ですか……難しそう……
 でも実際問題として「考えたらミステリになるよーん」的な匂いの強いホラーがあっ
たとしてしたら、「これは伏線か!?」とか気になって、ホラーどころではなくなりそ
うな気がするし、逆にその匂いが薄いとだれも気づかないで終わりそうな気がしてしま
います……。

>ピーター・ディキンスンの「盃のなかのトカゲ」(この小説で騒いでいるのは私だけ
>かも)は、記号的なスーパーナチュラルであってホラーにはなっていないのですが、
>後者のコードなんですね。個人的には「火刑法廷」のコードより魅力を感じます。

 ディキンスン、読みたいなあ……
 橋詰さん、余分に持っていたりしませんか?(笑)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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『真夜中の檻』 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月14日(金)19時57分02秒

こんにちは、みなさん

『真夜中の檻』は古書の世界では別段価値をもつてはゐないやうですね。二年ほど
前にどこかの目録でやはり二千円といふ値がついてゐたやうに記憶してをります。
その時はもうすでに売れていましたが。

                               西崎 拝

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なんだなんだ 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月14日(金)19時21分57秒

 マガジンのレビュー(嗚呼とうとう書いちゃったよ、例の件)を仕上げて戻って
きたら、小生が口をはさむ前に、出たり入ったり(笑)。
 ……というところへ当のホソキンさんから電話が(大笑)。
 ちなみに「あの凄い人」についての話題は一切出なかったことを、ここに言明し
ておきますです。全く別件。ということで……(オフで話せばいいような気もする
けど、関心のあるギャラリーもいるかと思うので)

細田様
 バーカーの場合は、刊行時期がスプラッタ・ブーム真っ最中とぶつかる絶妙のタ
イミングだったのが大きかったよーな記憶がありますが。
 ただし、小生が別の場所でコメントした「もっと広告を! 営業努力を!」って
のは、もっともっとささやかなお願いなんですけどね〜(笑)。
 つまり集英社がいかにバーカー売り出しにおざなりだったとはいえ、少なくとも
多くの自社媒体や大新聞、車内吊りをはじめとする通常の広告枠内での宣伝はなさ
れたわけでしょう。
 小生が言っているのは、そういう広告すら、マトモに打ってはもらえなかった、
ということなんですよ。つまり営業戦略を云々する遙か以前のレベルというか。
 ちなみにぶんか社が打ったHORRORWAVEの広告は――
「ペントハウス」「ホラーM」「恐怖の快楽」(以上、自社媒体/しかしペントで
ホラー宣伝してもな〜)
「ダ・ヴィンチ」(それも7行枠のちっこい欄ね)「幻想文学」(無料掲載!)
 ……ぬわんと、これっきり、でっせ(笑)。
 これで角川なみの成功を収めろなんてのは、ちっと虫がよすぎやしませんかって
んだい。(←なぜかべらんめえ)
 しかも口では「文芸書は別扱い」と言いながら、結局のところ営業の現場サイド
では、タレント本やハウツー本やヘアヌード写真集と売り上げを較べて云々される
……あげくの果てに何を言い出すかと思えば「もっと売れる人の本を出せ、京極夏
彦とか」(大笑)。
 いやはや、既存の大手出版社が新作獲得に血眼になるような売れっ子を、何の実
績もない(おまけに何の資本投下もする気がない)新参会社へどうやって連れてく
るというのか……そのあたりで小生としては「こら、アカン。話が違ってきた」と
見切りをつけ、すでに仕事を依頼してしまった作家さんたちへのフォロー画策を開
始したわけですね。
 まあ、ぶんか社の場合は、たまたま業績悪化・大リストラの時期にぶつかったの
がマズかったとは思いますが、いずれにせよ、期待する部数に見合った宣伝・営業
努力くらいは惜しまないでね、というのが、フリー編集者のささやかな願いなので
ありまするよ。
 あ、ちなみにこうやってクライアントの内情に立ち入るのは、あくまでも例外と
いうことで。他社に関しては基本的にノーコメントとさせていただきます。

中島様
 いや、ホントに、すいませんでした。
 その後の「るぅ」氏の御感想など見ていても、ちゃんと伝わる人には伝わってい
る(当たり前のことだけど)ようなので、オッケーじゃないかと(笑)。

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そこを着地させるには? 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月14日(金)15時15分50秒

橋詰様
やっとカット&ペーストのやり方を覚えたので(笑)頻繁に使っております。
>後者の場合、たとえば「幽霊が犯人」として、最終的にそのことを読者に納得させることがで
きる伏線が書かれていれば、それは本格とよんでいいと思いますけど、これでは「ホラーに着地」じゃあないですよね。
確かにそうなんです。納得できると全然怖くありませんからね。初読時には怖く(ホラー)、
再読すると伏線に気づいて感心する(ミステリ。それと過程の本格ね)というのが理想なの
ですが、様式の問題が絡んでくるので配合が難しいんです。

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そりゃしらなんだ 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月14日(金)14時42分10秒

倉阪さま
 津田三蔵も上野産だったんですか。ふ〜ん、と一人納得。聞いたところでは、
麻耶さんもロシア好きだそうですよ(やっぱり)。
 あと、ミステリのお話。前者は単に「本格ミステリじみたお話」だと私は考えま
す。数年前の話題作を思い出しました。やはり過程が大事で、それがあるからこそ
本格といえるのですから。後者の場合、たとえば「幽霊が犯人」として、最終的に
そのことを読者に納得させることができる伏線が書かれていれば、それは本格とよ
んでいいと思いますけど、これでは「ホラーに着地」じゃあないですよね。

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やはり、荒らすのが目的だったようです。 投稿者:三枝  投稿日:05月14日(金)11時49分15秒

御迷惑をおかけしました、中島さん。

どうもあのオジサン、私が最初から来ていることを知って
いてやっていたようです。(保護者じゃないので、私が謝
る理由もないといえば、ないんですが。私が無関係とはい
えませんので。)
嫌がらせに他人の掲示板をつかうとは……。

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さっそく移動 投稿者:細田  投稿日:05月14日(金)11時41分19秒

来ないところに移動します(笑)。

http://www2c.biglobe.ne.jp/~hosoda/

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細田氏は、掲示板を荒らすのが目的でしょうか? 投稿者:三枝  投稿日:05月14日(金)09時56分51秒

》「あの凄い人」というのがどなたのことなのか明記されて
》いないのでよく判りませんが、意見交換すら不可能な方が
》もしいらっしゃるなら、

ああ、それは「彼にとっては」私です。
自分に反論された瞬間から、ああ言い出すんですよ。細田氏
は。
反論されない間は、「意見に同意する」とか、言っているん
ですがね(笑)。つまり、彼にとっては「意見交換できない
人」とは、「自分に反論する人」なんです。

私は、イデア論に関しては、中島さんや東さん、倉阪さんに
のご意見に反論する点はまるでないし、むしろ「そういった
意見こそ聞きたかったのだ。すごく同意する」とか、思うの
ですが。もう、こんなに相手の意見を鵜呑みにしちゃって良
いのか?と自分に疑問をもっちゃうくらい(笑)。

たぶん細田氏は、「ある意見に反対した人」のことを、「そ
の発言者と対立する人」という、意見内容ではなく人間関係
の問題に転換してしまう習癖があるのでしょう。
ですから、私と東さんが対立しているかのように見える(経
営論で意見が合わないだけです)ことで、イデア論その他に
ついても、三枝に反対すれば身方をしてもらえると思いこん
だのかもしれません。
意見を純粋に意見と考えることは、人間には難しいんでしょ
うね。

------------------------------------------------------------------------
じゃあ、逃げてください>細田さん 投稿者:三枝  投稿日:05月14日(金)09時42分56秒

バーカーは10万部行っているでしょ。
ここは経営論ではなくイデアを話すところだそうですから。
じゃまでしょう。

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そんな怖い話題は…… 投稿者:中島晶也  投稿日:05月14日(金)09時01分37秒

>細田様
 はじめまして。

「あの凄い人」というのがどなたのことなのか明記されていないのでよく判り
ませんが、意見交換すら不可能な方がもしいらっしゃるなら、そういう方を呼
び寄せるような話題は、避けた方が無難なのではないでしょうかね? いざと
なったら個人は逃げられるけど、掲示板は基本的には逃げられないですし。

 あくまで個人的な意見ですが、浮き世を離れたホラーのイデア主義な話をで
きる場は今のところ外にないので、ここは大切にしたのですけどね。

------------------------------------------------------------------------
えーと 投稿者:細田  投稿日:05月14日(金)04時35分06秒

大森掲示板の続きは、こちらでしてもかまいませんか、東さん? いや、あのすごい
人が来たらすぐ逃げますが。議論、ていうか意見交換にならなくなっちゃうんで。

宣伝しないで売れた本、っていうと、クライヴ・バーカーの集英社の奴、なんてのを
思い浮かべたんですが、集英社の基準だと売上ラインをクリアできなかったのかな。
http://www2c.biglobe.ne.jp/~hosoda/

------------------------------------------------------------------------
凶徒津田三蔵 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月14日(金)01時30分28秒

橋詰様
この人は伊賀出身です(藤枝静男に同名の小説あり)。大津事件については
調べればわかります。こんなにボカす必要はないような気もしますが(笑)。

------------------------------------------------------------------------
舞妓さんにはなれまへん 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月13日(木)23時44分28秒

倉阪さま
 郷土色?大津事件? ざっと読み直したけどわかれへん…。大津事件の犯人か、
それとも被害者のこと? 掟破りをしようかなと思いましたが、卑怯なのでやめました。
こっそり教えてくださいませ。
 

------------------------------------------------------------------------
盃のなかのトカゲのコード 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月13日(木)23時23分58秒

松本様
<おっと、ここはミステリ掲示板じゃなかった。
いや、私はかなりコアな新本格ミステリ作家でもあるので(誰も言ってくれないから
自分で言っているのだが)、全然OKですよ。藤原さんもいるんだし。
そこで、ミステリな皆さんに質問。
島田理論に基づいたきわめて恣意的なミステリがあるとします。進行はミステリなの
ですが、伏線などはなく、かなり唐突に驚くべき解決が与えられる、まあそういう作
品ですね。
いっぽう、いやというほど伏線を張り巡らせた作品がある。ただし、ミステリ的な解
決は与えられず、ホラーに着地する。これはどちらが本格ミステリのエッセンスに近
いでしょうか? 私は後者だと思うんですけど。
ピーター・ディキンスンの「盃のなかのトカゲ」(この小説で騒いでいるのは私だけ
かも)は、記号的なスーパーナチュラルであってホラーにはなっていないのですが、
後者のコードなんですね。個人的には「火刑法廷」のコードより魅力を感じます。

------------------------------------------------------------------------
ありがとうございます&古本自慢 投稿者:中島晶也  投稿日:05月13日(木)23時17分13秒

>土田様
 2000円ですか。美本なら5ケタの大台に乗るだろうと予想していたので、
状態の悪い本と聞いてもお買い得のような気がしますねえ。

 ちなみに私が今までに買った古書の中で一番単価が高かったのは、加治木義
博の怪作ハルマゲドン・ファンタジー『落・奈落』金15,000円也でした。
買って何年もしないうちに、バージョン違いの署名本を500円で見つけて大
笑い。お陰で我が家には『落・奈落』が2冊もあります。

 ところで、この本けっこう有名なのに、『幻想文学』の終末特集で触れられ
ていませんねえ。>東様、石堂様。

------------------------------------------------------------------------
横高には作家がいないのよね 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月13日(木)15時02分49秒

倉阪様
 俺と浅羽(通明)では余りにも偏りが……。
 あ、待てよ、仁賀克雄センセイがいたか!(笑)

------------------------------------------------------------------------
麻耶雄嵩その3 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月13日(木)13時03分06秒

橋詰様
「翼ある闇」の二つ目の見立てには、実は郷土色が現れているのでは?
ヒントは大津事件(ネタバレになりかねないので詳しく書けない)。
それにしても、巽昌章・倉阪鬼一郎・麻耶雄嵩と京極夏彦・村崎百郎・千街晶之、
どちらが強いだろうか(同じ高校ね)。あ、横須賀高校も相当かも(笑)。

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こちらこそよろしくお願いします。 投稿者:土田裕之  投稿日:05月13日(木)01時39分35秒

東様
 増補版、鶴首してお待ち申し上げます。ただジュブナイルやYA、架空戦記を含めると
 すごい量になりそうですね。
中島様
 入手は数年前で「真夜中の檻」は2000円でした。
(でも表紙もそってて状態は悪いですよ)
 最近どこかの目録で見かけたような気もしますが、確信はありません。
 立風書房や「幻想と怪奇」誌で改稿されているかどうかは調べていません。
 実家にあるのでたしかではないですが、表紙は黒地にろうそくの絵がモノクロで
 かかれているようなくらーい表紙だったと記憶しています。
 今後見かけることがあればお知らせします。

------------------------------------------------------------------------
麻耶雄嵩その2 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月13日(木)01時22分39秒

石堂さま
 ありがとうございました。麻耶雄嵩さんの顔写真が載っていることを心から
期待しております。実は関西ローカルで麻耶雄嵩さんとはお会いしたことがあ
ります。と申しますか、デビュー前から顔だけは知っていた(男前だったから)。
本当に素敵ですよね〜。あのかっちょいい人がこんなゴリゴリの小説(『翼ある
闇』のことです)を書くとは、とちょっとびっくりしました。本格一本槍の方で
あるということは、世間的に十分認識されているのでしょうか。ディキンスンの
解説でも、あの初々しいところがいいわ、と喜んだのでした(すみません、超ミ
ーハーモードに入ってしまいました)。

倉阪さん
 単に出身地が一緒ということでは…。悪循環(いや、同居人が言うのですが)とま
では申しませんよ、わたくしは。皆さん立派な方ですし。

------------------------------------------------------------------------
麻耶雄嵩 投稿者:松本楽志  投稿日:05月12日(水)23時31分21秒

わたくし、麻耶雄嵩の後輩(大学、サークル)ですが、

石堂藍さん:
>彼はとてもハンサムでして、ヴィジュアル系作家としても、キャラクターを
>含めて、売れるくらいだなあと感嘆し、私はすっかりミーハー・ファンになってしまいました。

 これに大爆笑です。
 麻耶雄嵩をいじめる材料をゲット(笑)
 いや、確かにかっこええっすよ。しか〜し!(以下略)

>自作を語るときの困惑ぶりと、他者のミステリーを語るとき(オフレコで)のクールさとの
>落差がたいへんに面白く、活字にできないのがとても残念でした。

 これは僕もいつも感じてます。
 ミステリに対してすっごく真摯な方ですよね。
 作品を発表が遅れることも多いですが、納得させられるわけです。
 おっと、ここはミステリ掲示板じゃなかった。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

------------------------------------------------------------------------
はじめまして 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月12日(水)22時16分02秒

土田様
春陽文庫版の「ふしぎなふしぎな物語」、私も1しか持っておりません。
今後ともよろしく。

石堂様
東情報によると「麻耶雄嵩さんと私が似ていた」という感想をお持ちになったそう
ですが、あれはルックスのことじゃないのね(笑)。

------------------------------------------------------------------------
雑誌に歴史あり!? 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月12日(水)18時10分17秒

土田様
 はじめまして。『幻想文学』を長年御愛読いただいているとのこと、ありがとう
ございます。
 息の長いことだけが取り柄みたいな雑誌ですが、それにお付き合いいただいてい
る息の長い読者の方が多いことだけは、秘かに誇らしく思っております。

>東様へは日本幻想作家事典の増補版も期待しております。
 ありがとうございます。
 実は『日本幻想作家名鑑』については、国書刊行会さんから増補改訂版刊行のお
誘いをいただいておりまして、石堂とも相談のうえ、今年後半からボチボチ作業に
取りかかろうかと思っております。
 ただ、刊行以来10年近く経って、日本の幻想文学シーンも激変しておりますの
で、すんなりとは行かないだろうなぁ……と遠い目になっちゃいますがね(笑)。
これまた気長にお待ちいただければ幸いかと。
 もちろん、より充実した内容にするべく、御指摘の点なども含めて色々新趣向を
凝らしたいと考えております。
 それでは今後とも何卒よろしく。この場にも、お気軽にお越しくださいまし。

------------------------------------------------------------------------
恐縮です 投稿者:中島晶也  投稿日:05月12日(水)08時12分14秒

>石堂様
 気にしないで下さい。そんなに丁寧な対応されると恐縮してしまいます。
 と言いつつ、「あの石堂藍を謝らせた男」で売り出そうかと秘かに画策して
たりして(嘘)。

>土田様
 はじめまして。自己紹介を拝見して自分と途の踏み外し方がよく似ているの
で、親近感を抱いてしまいました。
 ところで、もし差し支えなかったら、参考までに『真夜中の檻』をいくらで
購入されたか教えていただけないでしょうか。

------------------------------------------------------------------------
『幻想文学』55号についてまた 投稿者:石堂藍  投稿日:05月12日(水)07時11分16秒

橋詰様
麻耶雄嵩さんのインタビューは確かにわりと珍しいかも。
彼はとてもハンサムでして、ヴィジュアル系作家としても、キャラクターを
含めて、売れるくらいだなあと感嘆し、私はすっかりミーハー・ファンになってしまいました。
自作を語るときの困惑ぶりと、他者のミステリーを語るとき(オフレコで)のクールさとの
落差がたいへんに面白く、活字にできないのがとても残念でした。
というわけで、あと二週間ほどで発売になりますので、
楽しみに待っていてください。

中島晶也様
書評の一説を使わせていただき、ホラーサイドからならこう見えるだろうなあ
というあたりを表現したつもりだったのですが、ごめんなさい。
偏狭だなどと思ったことは一度もありませんよ。
中島さんのはホラーに対する見識、というのではありませんか?

------------------------------------------------------------------------
二つの非論理 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月12日(水)01時10分07秒

フク様
書評ありがとうございました。本格ホラーを書いたつもりなのに「全然ホラー
じゃない」と評されることがあるのですが(ネット上で)、要するにその人に
とって「怖くなかった」というわけなんですね。腑に落ちました。
さて、「マニアックスの手触り」で書き忘れたのですが、非論理には二つある
わけです。一つは体質としての非論理(ホラー)、いま一つは論理の果てに逢
着した非論理(マニアックスに代表されるミステリ)です。ゲーデル、量子力
学、ソシュール、禅、なんでもいいんですけど、そういったものを突き詰める
と「論理の無根拠性」に逢着するわけです。ですから、同じ非論理でも過程が
違うから手触りが違うんですね。
島田理論の話などもしたいのですが、また改めて。

------------------------------------------------------------------------
感激です。 投稿者:土田裕之  投稿日:05月12日(水)01時06分25秒

始めまして。
土田と申します。
倉阪氏や東氏のホームページがあるとは思いませんでした。
自分は幻想文学を2号から購読しており、おかげですっかり
SF者から幻想文学(特に怪奇小説)愛好家へと変貌してしまいました。
思えば高校生のころ偶然書店で見かけた同誌から影響を受け、
もう早17年。読むスピードが遅いので、積読になる一方ではありますが、
蔵書のコアは同誌紹介作品の拡張もしくは抜粋という感じです。
また、倉阪様には同誌の書評を見て、直接著書を購入させていただいたこともあります。
(お礼のご連絡もせず、大変失礼いたしました。)
これから著作を楽しみにしております。
東様へは日本幻想作家事典の増補版も期待しております。
そこでつたない読者から勝手な要望があります。
前記事典の増補がなされた場合は、目次が欲しいです。
幻想文学最新号、楽しみにしております。
(もちろん山尾悠子氏の新作も。前号には心底驚きました)
ご迷惑でなければ、また書き込みをさせていただきますので、
よろしくお願いいたします。

追記 「真夜中の檻」はよくこんな状態の本を売るなあという、どっしょもない状態の
ヌレ本を所持していますが、確かにあまり見かけないですね。
自分は春陽文庫版の「ふしぎなふしぎな物語」を所持するのが
いまのところの目標です。(といっても、もう10年以上探していますが・・)
「流れの背後の市」や先進社版の怪談集も・・・(あー、きりがない)

------------------------------------------------------------------------
ベクトル 投稿者:フク  投稿日:05月11日(火)20時29分17秒

倉阪先生
個人的に非常に納得いく素晴らしい御意見、ありがとうございます。

ミステリ全般に何となく流れる行き詰まり感は確かに存在します。特にトリック部分に言える
ことですが、過去の名作を焼き直したり、不自然な解決でお茶を濁していたりする作品は俗に
言う新本格推理諸作でもよく見かけられます。
その風潮に対抗する手段の一つと言えるのでしょうか、初めから超能力、時間移動、分身……
有りの世界を描いてその上で仕掛けを施す手法が西澤保彦氏筆頭に出てきています。この場合
SFとミステリのハイブリッドと世間的には言われているわけですけれど、このSF部分にホ
ラーを持ち込んでミステリとのハイブリッドを企む作品は今後、ミステリ側からも確実に増え
ていくのではないかと感じてきました。
『ローウェル』はとにかく『ロスマク』とは少しニュアンスが違うかもしれません。京極夏彦氏
の『鉄鼠の檻』はラストの味わいのためにホラーのコードが使われているような。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

------------------------------------------------------------------------
SFセミナーの写真 投稿者:ミーコ  投稿日:05月11日(火)09時02分05秒

ミーコはOKだよ。先生もいいって。
それから、大森さんの日記に座標軸が出てたけど、あれにミーコを置いて
説明すれば面白かったのにって言ってるよ。「顔はホラーだけど体はSF」
とか「どう見てもSFだけどしっぽだけホラー」とか。

------------------------------------------------------------------------
恐縮です 投稿者:中島晶也  投稿日:05月12日(水)08時12分14秒

>石堂様
 気にしないで下さい。そんなに丁寧な対応されると恐縮してしまいます。
 と言いつつ、「あの石堂藍を謝らせた男」で売り出そうかと秘かに画策して
たりして(嘘)。

>土田様
 はじめまして。自己紹介を拝見して自分と途の踏み外し方がよく似ているの
で、親近感を抱いてしまいました。
 ところで、もし差し支えなかったら、参考までに『真夜中の檻』をいくらで
購入されたか教えていただけないでしょうか。

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『幻想文学』55号についてまた 投稿者:石堂藍  投稿日:05月12日(水)07時11分16秒

橋詰様
麻耶雄嵩さんのインタビューは確かにわりと珍しいかも。
彼はとてもハンサムでして、ヴィジュアル系作家としても、キャラクターを
含めて、売れるくらいだなあと感嘆し、私はすっかりミーハー・ファンになってしまいました。
自作を語るときの困惑ぶりと、他者のミステリーを語るとき(オフレコで)のクールさとの
落差がたいへんに面白く、活字にできないのがとても残念でした。
というわけで、あと二週間ほどで発売になりますので、
楽しみに待っていてください。

中島晶也様
書評の一説を使わせていただき、ホラーサイドからならこう見えるだろうなあ
というあたりを表現したつもりだったのですが、ごめんなさい。
偏狭だなどと思ったことは一度もありませんよ。
中島さんのはホラーに対する見識、というのではありませんか?

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二つの非論理 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月12日(水)01時10分07秒

フク様
書評ありがとうございました。本格ホラーを書いたつもりなのに「全然ホラー
じゃない」と評されることがあるのですが(ネット上で)、要するにその人に
とって「怖くなかった」というわけなんですね。腑に落ちました。
さて、「マニアックスの手触り」で書き忘れたのですが、非論理には二つある
わけです。一つは体質としての非論理(ホラー)、いま一つは論理の果てに逢
着した非論理(マニアックスに代表されるミステリ)です。ゲーデル、量子力
学、ソシュール、禅、なんでもいいんですけど、そういったものを突き詰める
と「論理の無根拠性」に逢着するわけです。ですから、同じ非論理でも過程が
違うから手触りが違うんですね。
島田理論の話などもしたいのですが、また改めて。

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感激です。 投稿者:土田裕之  投稿日:05月12日(水)01時06分25秒

始めまして。
土田と申します。
倉阪氏や東氏のホームページがあるとは思いませんでした。
自分は幻想文学を2号から購読しており、おかげですっかり
SF者から幻想文学(特に怪奇小説)愛好家へと変貌してしまいました。
思えば高校生のころ偶然書店で見かけた同誌から影響を受け、
もう早17年。読むスピードが遅いので、積読になる一方ではありますが、
蔵書のコアは同誌紹介作品の拡張もしくは抜粋という感じです。
また、倉阪様には同誌の書評を見て、直接著書を購入させていただいたこともあります。
(お礼のご連絡もせず、大変失礼いたしました。)
これから著作を楽しみにしております。
東様へは日本幻想作家事典の増補版も期待しております。
そこでつたない読者から勝手な要望があります。
前記事典の増補がなされた場合は、目次が欲しいです。
幻想文学最新号、楽しみにしております。
(もちろん山尾悠子氏の新作も。前号には心底驚きました)
ご迷惑でなければ、また書き込みをさせていただきますので、
よろしくお願いいたします。

追記 「真夜中の檻」はよくこんな状態の本を売るなあという、どっしょもない状態の
ヌレ本を所持していますが、確かにあまり見かけないですね。
自分は春陽文庫版の「ふしぎなふしぎな物語」を所持するのが
いまのところの目標です。(といっても、もう10年以上探していますが・・)
「流れの背後の市」や先進社版の怪談集も・・・(あー、きりがない)

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ベクトル 投稿者:フク  投稿日:05月11日(火)20時29分17秒

倉阪先生
個人的に非常に納得いく素晴らしい御意見、ありがとうございます。

ミステリ全般に何となく流れる行き詰まり感は確かに存在します。特にトリック部分に言える
ことですが、過去の名作を焼き直したり、不自然な解決でお茶を濁していたりする作品は俗に
言う新本格推理諸作でもよく見かけられます。
その風潮に対抗する手段の一つと言えるのでしょうか、初めから超能力、時間移動、分身……
有りの世界を描いてその上で仕掛けを施す手法が西澤保彦氏筆頭に出てきています。この場合
SFとミステリのハイブリッドと世間的には言われているわけですけれど、このSF部分にホ
ラーを持ち込んでミステリとのハイブリッドを企む作品は今後、ミステリ側からも確実に増え
ていくのではないかと感じてきました。
『ローウェル』はとにかく『ロスマク』とは少しニュアンスが違うかもしれません。京極夏彦氏
の『鉄鼠の檻』はラストの味わいのためにホラーのコードが使われているような。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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SFセミナーの写真 投稿者:ミーコ  投稿日:05月11日(火)09時02分05秒

ミーコはOKだよ。先生もいいって。
それから、大森さんの日記に座標軸が出てたけど、あれにミーコを置いて
説明すれば面白かったのにって言ってるよ。「顔はホラーだけど体はSF」
とか「どう見てもSFだけどしっぽだけホラー」とか。

------------------------------------------------------------------------
SFセミナーの写真到着 投稿者:管理人  投稿日:05月11日(火)00時24分00秒

中島さんから、SFセミナーの写真が到着しました。
全部公開したいところですが、嫌な方もおられましょう。
心当たりがある方で、掲載の嫌な方は、櫻井までメールください。
(橋詰さんの件は、中島さんから聞いております)
メールの期限は、5/15までといたします。
(ここの掲示板の登場人物紹介になってしまうかもしれません)

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緊張してます 投稿者:橋詰久子  投稿日:05月10日(月)15時47分13秒

石堂藍さま 
 はじめまして。『幻想文学』のご案内ありがとうございました。麻耶雄嵩のインタヴュ
ー楽しみです。と申しますのは、比較的露出度の低い作家かと思いますし、幻想文学なら
ではのアプローチということで、氏が何をどんなふうに語っているのかと。
 『幻想文学』ときおりバックナンバーを開いておりますが、その都度新しい発見があり
とても勉強になります(単に私が移り気なだけなのかもしれませんが)。書評欄も読み飽
きることがありません。先日名古屋の古書肆+アトリエVOUという古本屋へ行きました
が、店主は絶対『幻想文学』読んでるなっていう品揃えで、貴誌で紹介している本がたく
さん置いてあり、おおこんなとこにも愛読者が、と感慨深かったです。

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あの禍禍しい大会の名だけは・・ 投稿者:中野善夫  投稿日:05月10日(月)07時37分38秒

ファンタジー・コンベンションとは、一回だけで後が続かなかったかの忌まわしき日本ファンタジー大会
のことでしょうか。その丁度真下に私の名前があるのが心の傷を広げます。動揺して、新仮名で書いてし
まいました。

話は変はりますが、コッパードの新刊(もちろん新作ではありません)が2001年1月に出るやうですね。
Man from the Caravan and Other Storiesといふ題名でPhoenix Short Storiesの一冊。収録作品が判らない
ので、とりあへず買つてみます。このやうにイギリスでは思ひ出したやうにコッパードの本が再刊される
のだから、日本でも5冊くらゐ本が出てもよささうなものだと思ふのですが、こんなことを思ふのは日本
に十人もゐないのかも知れませんね(本当は百人くらゐはゐるだらうと思つてゐる)。

------------------------------------------------------------------------
マニアックスの手触り 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月09日(日)23時51分31秒

その前に、石堂様
ご教示ありがとうございました。担当さんがファックスしてくれると思います。

みらい子様
ホラーセミナーですか・・・ファンタジー・コンベンションの二の舞になるかも(笑)。
(それから、リンク作成の方へ)中野善夫さんの日記が抜けてます。

さて、本題。松本様、フク様
「火刑法廷」のコードは作例が多いですけど、わりと簡単に「最後はホラーになる」
と評されますね。しかし、あれはシニフィエはホラーでも、シニフィアンはミステリ
なんです。「マニアックス」所収のいくつかの作品もそうなのですが(要するに理詰
めに計算して書いている)、従来の比較的単純なコード(解決がAでラストがA+の
ような直線的展開)より複雑です。ですから、怖くはないのですが、その代わりに冷
え冷えとした不気味な手触りが生まれていますね。
もう一つ注目すべきは、先行する「侘の密室」も含め、密室物が多いことです。「赤
い額縁」の中で「かつては幽霊だったものが密室から抜け出す犯人に変貌した」とい
う意味のことを書きましたが、密室物が手垢にまみれてしまい、逆にスーパーナチュ
ラルに戻りつつあるのかもしれません。ホラーではありませんが、小森氏の「ローウ
ェル城」や法月氏の「ロスマク」などもベクトルが似ていますね。
いずれにしても、ホラーサイドもこういう動向をチェックしておくべきだと思うので
すが、私は国内の新刊ミステリをフォローするのが絶望的な状況なので、みなさんの
書評を参考にさせていただきます(今年は全然読んでないなあ)。

------------------------------------------------------------------------
SFセミナー御礼 投稿者:柏崎玲央奈/みらい子  投稿日:05月09日(日)22時45分19秒

 お忙しいところ、SFセミナーに御参加下さりありがとうございました!
 いろいろぶしつけなお願いを致しまして、申し訳ありませんでした。またそれをご海容くださりありがとう
ございました。
 おかげさまで「真夏の前のホラーの部屋」は大変人気も高く、好評でした。今度はぜひ昼の企画でじっくり
と「ホラーとSF」についてお話をうかがうことができればと思いました。また内容の充実ぶり、観客の関心
の高さを見ると、ホラーセミナーのような催しもできるのでは? と思われます。
 それでは、本当にありがとうございました。とりいそぎ、御礼まで。

http://www.twics.com/~hamada/sfseminar/

------------------------------------------------------------------------
ミステリホラー、ホラーミステリ 投稿者:フク  投稿日:05月09日(日)22時41分40秒

がくしさん:
> なんかホラーミステリと言うより、ミステリホラーって呼びたいような(何を言
> おうとしてるのだオレは)そんな感じです。

この気持ちというか、すごく最近感じられます。ホラーとミステリを融合された作品
(と呼ばれているもの)を読んだときに、どっちに傾いているかによって、呼び方を
変えたくなります。同じジャンルミックスでも全く受け取る印象が別ですから。あま
り出版サイドは気にされていないようですけれど。
(やっぱり前が形容詞、後ろが主語?)

幻想文学、もちろん買いますっ!すっごく楽しみです。
本屋で入手出来るようになったらまたお知らせ頂けると更に嬉しかったりします。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

------------------------------------------------------------------------
訂正(ログには格納しなくても良いです……) 投稿者:松本楽志  投稿日:05月09日(日)13時40分14秒

> いやあ、怪奇小説家の神髄を見せていただいたような気がします。まじで。

 怪奇小説の神髄、ですね……

------------------------------------------------------------------------
マニアックス 投稿者:松本楽志  投稿日:05月09日(日)11時24分07秒

>石堂さま、東さま

 幻想文学、もちろん買います!
 今年の春はメフィストを買わなかったので金銭的にもばっちり!

>倉阪さん

>それに付随して、松本さま
>「怪奇十三夜」の書評ありがとうございました。思い出しました(笑)。

 いやあ、怪奇小説家の神髄を見せていただいたような気がします。まじで。
 それより以前に出された、自費出版の本はもう手に入らないのでしょうか?
 すごく読んでみたいなあ。

 そういえば東京創元社のKさんってぼくの先輩じゃ……

>それから、山口氏と並べられるのは畏れ多いです。

 僕はオタクは嫌いなんですが、マニアは好きなんで……。

>「マニアックス」はもう少しミステリ・ホラー両サイドから突っ込んだ批評
>があってもいいと思うのですが、その件はまたいずれ。

 これかなり興味がありますね。だれか批評して欲しいです。

 ミステリ読者としてはマニアックスは「《次号につづく》」はめちゃめちゃ好き
なのですが、ホラーに接してからはどうも「割れた卵のような」が気になるんです
よね。
 これってホラーとミステリのハイブリッドだとおもうんですが、でも「赤い額縁」
とか(長編か)、小林泰三「獣の記憶」とかとはぜんぜん毛色が違うじゃないです
か。
 なんかホラーミステリと言うより、ミステリホラーって呼びたいような(何を言
おうとしてるのだオレは)そんな感じです。
 
 最近読んだらまた感想が変わりそうですね。ちゃんと読み返そう。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

------------------------------------------------------------------------
読売新聞の書評をご覧になりましたか。 投稿者:石堂藍  投稿日:05月09日(日)09時39分58秒

失礼、ここはホラー関係なのかと思ったので。
『幻想文学』55号の内容、ミステリということなら、山口雅也、麻耶雄嵩のインタビューのほか、千街晶之さんの評論が
大作で素晴らしいです。福井健太さんは、山口・麻耶・倉阪鬼一郎について語ってくれています。
芦辺拓の過去の名推理を斬って捨てる短篇もありますし、森村さんが入魂の京極ミステリ論を書いてくださいました。
ミステリ作家20人のアンケートも載ります。
というわけで、本格ミステリファンは当然必読でしょう。

倉阪鬼一郎さま
本日の読売新聞の新刊書評欄に倉阪鬼一郎『活字狂騒曲』の書評が載っています。
大変に正当な褒め方をしてありますので、ご覧ください。
こういうところに全文引用したりすると、著作権の侵害になるんですよね。

------------------------------------------------------------------------
次は書きます 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月09日(日)00時20分37秒

中島妻さま
こないだ怪奇川柳集をいただいたので、次はタマをそろえて書きます(汗)。

石堂さま
書き忘れたのですが、ここのギャラリーは本籍ミステリの方が多いんだから、宣伝
するなら山口・麻耶インタビューなどでしょう。商売気がないな。

それに付随して、松本さま
「怪奇十三夜」の書評ありがとうございました。思い出しました(笑)。
それから、山口氏と並べられるのは畏れ多いです。「マニアックス」はもう少し
ミステリ・ホラー両サイドから突っ込んだ批評があってもいいと思うのですが、
その件はまたいずれ。

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『真夜中の檻』 投稿者:中島晶也  投稿日:05月08日(土)20時10分14秒

 私も持っていません。それどころか、古書店の店頭でも目録でも、一度も見
掛けたことがありません。今、市場に出たら、凄い値段が付くのでは。

>倉阪様
 身に余る光栄ですけど、キャラクターにかなり隔たりがあるので読者が納得
しませんよ。次号は怪奇俳句のコーナーがないと聞いて、うちの嫁がたいへん
がっかりしております。

>石堂様
 私はそんなに頭が固くはないですよ〜。『蒼いくちづけ』は読んでいません
が、「SF的に変奏」ということなら、言い訳に使っているようなのとはまた
違うものなのでしょう。

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翻訳の連載など 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月08日(土)18時08分32秒

石堂様
翻訳は次もどうかなといったところですね。秋からウォルポールに手をつけないと
いけないし。
なお、メイン・レビュアーの座は中島さんに譲りましたのでよろしく。思い出した
ように書くかもしれないけど。俳句時評は次は大丈夫と思われる。
それから、ミステリ特集の紹介で福井君が抜けてるよ(笑)。

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RE:幻想文学55号 投稿者:籾山朱美  投稿日:05月08日(土)12時38分12秒

石堂藍様

読者カードで、早く「幻想文学」のホームページを開け〜と
せっついた者でございます。
情報ありがとうございます。やっぱりインターネットってすばらしいっ!
(知り合いの掲示板にも宣伝しておきました)

地方にいると、都内で評判になっているのにカケラもみかけない本は
山のようにあります。「幻想文学」はそういう人間にとってほんとうに
ありがたい地図でありデータベースであるので、
どうか末永く続けてくださいませ。

私は直接購読ですので、本が届くのが楽しみです。

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(無題) 投稿者:石堂藍  投稿日:05月08日(土)07時06分06秒

ミステリvs幻想文学――幻想文学55号が、あと一歩というところまで来たので、ちょっと宣伝。
建石修志さんの描いてくれた表紙を昨日入稿しました。本文ももあまもなく入稿なので、
五月末までには書店店頭に並ぶでしょう。『幻想文学』は少部数なので、入稿から出来上がりまで、
時間がかかります(ほかの仕事が入っていると後回し後回しにされるから)。
ともあれ、この掲示板においでの方関連の内容をちょっとご紹介します。
特集《ミステリvs幻想文学》では、森英俊氏がホラー・ミステリの未訳の作品を
たくさん紹介してくれています。私は英語がまったくできないので、
こういう記事は宝の持ち腐れなのですが、皆さんには面白いのでは。
『異形のテクスト』の横山茂雄氏が英国のゴシック小説から
センセーション・ノヴェルについてその歴史を、ミステリの発生とからめつつ
概説してくれています。ホラー・ファン、ミステリ・ファンは必読です。とても勉強になります。
尾之上浩司氏が奇妙な味の作家の概説を書いています。取り上げるべき作家の数が多いので、
本当に概説ですが、早川書房はあの傑作集を復刊せんかい、という論調。
夢野久作研究家の藤田知浩氏が夢野久作と乱歩に対するポオの影響について
概論を寄せてくれました。藤田氏は若いながらもなかなかの書き手で、
将来きっと素晴らしい夢野久作論を書いてくれるのでは、と私は大変に期待しています。
それから京極夏彦と新耳袋の座談会も掲載。妖怪とか怪異とかが好きな人は、これを読んで共感してください。
特集関連はこんなところかな。
倉阪鬼一郎氏はとてもお忙しい、ということで、俳句時評も翻訳も書評もお休みです。
このほか、倉阪鬼一郎氏、西崎憲氏、藤原義也氏による『幻想文学大事典』をめぐる座談会が少しですけど、載ります。
中島晶也氏の書評は『セレファイス』と『覚醒するアダム』、
風間健司氏はマクレガーの『繭』についてちょっと批判的に書いてきました。

私もいろいろ書いてますけど、ガイドに関しては、できるだけ褒める方向で、書いてます。
いまいち……とか言い出すときりがないので。いつでもそうなんですよ。
今回は作品としてどうでもよすぎるものはかなりカットしました。
ページ数の関係もありますが、ミステリのひどいのって本当にとんでもなくひどいものですから。
とにかく新本格の幻想関連はほとんどと言ってもいいほど読んだのですが、
取り上げている作品を見れば、どれだけ落としたかがわかるでしょう。
篠田真由美さんに本を借りたので、切れなくてすみましたが、
自分で本を買っていたら、怒りのあまりこういうところに罵詈雑言をまき散らしたかも。
書評ですけど、これはかなりありのままの所感を書いています。
ほめているなら評価しているということで、けなしているならそれだけの作品ということが多いです
(作家の人にはごめんなさい、でも作家のために書いているのではなくて、
『幻想文学』を読んで本を選んでいる読者のために書いているのですよ、当たり前ですが。
『幻想文学』の愛読者には、地方でろくに本が手に入らず、これを参考にして本を買っている人も多い。
なるべく信頼できる情報を提供したいというのが私の願いです。もちろんミスも読み違えもありますが)。
時にはけなせない場合もありますが、そういう時はなるべく軽く触れるようにしているので、
読む人が読めばわかるようにはなっているのでは……と思います。
内輪だから褒めるなどという発想は私にはまったくないので(先日東から人からはそう言われると聞いて驚いた)、
そう思って読んでいただければいいのですが。

長くなってしまいました。すみません。ということで、掲示板を覗いていらっしゃるだけの方も、
『幻想文学』を買ってくださいね。

もうひとつ宣伝。SFマガジンの7月号、今月25日発売のものが、神林長平特集なので、
神林フリークの私も原稿を寄せています。全作品ガイド。長篇の評論が書きたかったなあ。
神林作品の中でも、今は手に入らない(私も持っていない)光文社文庫の『蒼い口づけ』はSFホラーです。
中島晶也さんなら、SFを怪奇の言訳に使っていると言うところでしょうか。
私には霊的現象をSF的に美しく変奏していると思えるのですが。
たぶん、今の読者はもっともっと肉付けされているものを好むのでは、
という気がしますが(いくらでもおぞましくできる内容なので)、
これは神林さんの持ち味なので仕方ありません。
ホラーがはやっているらしい今こそ、復刊してほしいものです。
それでは。

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Ash-Tree Pressのホームページ 投稿者:中野善夫  投稿日:05月08日(土)05時01分15秒

中島さんありがたうございました。このページ、前に見たことがあつたのですが、その
時はあまり有益な情報がなかつたので、URLもなくしてすつかり忘れてゐました。何と
註文までできるやうになつてゐるではありませんか。クレジットカードも使へる。表紙
を眺めてゐるとどんどん買ひたくなつてしまつて困りますね。

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追悼・中島河太郎 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月08日(土)02時57分43秒

なぜか誰も書かないので私が書きます(さすがに小林文庫にはあったなあ)。
数々の名アンソロジー、わけてもいまだに本邦のスタンダード・アンソロジーである
「現代怪奇小説集」(立風書房・紀田順一郎氏と共編)の編者だった中島河太郎氏が
逝去されました。平井呈一の名作「真夜中の檻」(中菱一夫名義・うー、持ってない)
が世に出たのは、氏の慫慂によるものです。謹んでご冥福をお祈りいたします。

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馬鹿にしてませんって(笑) 投稿者:中島晶也  投稿日:05月08日(土)01時30分51秒

>東様
 勘弁してください(笑)。
 しかし、つくづくお好きですねえ。

>>  まあ、ジャンル論メインで分かりやすく進めたいなら、最低限、パネルなり黒板
>> なりを用意して、個々の作家・作品の座標軸を明示しつつやるべきでしょうが、

 次回はマグネットのボードか何かを用意しましょう。

「『ソラリス』はここに置かさせて下さい」
「いや、SF者としてそれは認められません」
「代わりに『××』をここに」
「あ、いいのですか? そんな大胆な」

 ――てな感じで、めちゃくちゃ盛り上がるのでは。
 トラブルの元になるかな?

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Ash-Tree Pressのホームページ 投稿者:中島晶也  投稿日:05月08日(土)01時09分23秒

 ネット上をぶらぶらしているうちに、Ash-Tree Pressのホームページにたど
り着きました。皆さん既にご存じなのでしょうね? 出版物の書影付きの紹介
とかがあって、私はここの本はまだ1冊も買っていないのものですから、「な
るほどこれが限定500部の世界かあ」と感心してしまいました。
http://www.ash-tree.bc.ca/ashtree_overview.html

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ナ〜イスな突っ込み 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月07日(金)22時08分54秒

ありがとう! 其の壱/中島様
 でもホントなのよ(笑)。
 まあ、ジャンル論メインで分かりやすく進めたいなら、最低限、パネルなり黒板
なりを用意して、個々の作家・作品の座標軸を明示しつつやるべきでしょうが、セ
ミナーは聴衆も一体になってワイワイやるのが持ち味なのでしょうから、仕方なか
ったかも。
 全然関係ないですが、治田さんへのコメントを「普段馬鹿にしているSFに親し
むというのもありですよね」と見誤ってしまい、「中島さんて、過激……」と思っ
たワタシです(笑)。

ありがとう! 其の弐/齋藤様
 はじめまして。
 いやぁ、まさか本当に突っ込んでくださる方がいるとは! 嬉しいっす(笑)。
 やはりここは、ギャラリーも濃いのぉ……。
 ちなみに妖怪オンチの方には何のことやら、だと思いますので解説しておきます
と、『稲生物怪録』に登場する稲生平太郎少年が、最後に化物の総大将の山ン本五
郎左衛門から「魔王の木槌」を授けられ、それを打ち叩けば山ン本を召喚できると
告げられる……というお話に基づく引っかけなのでした。
 先日出た『怪』5号にも、水木&荒俣&京極の最強トリオ(!?)が、広島・国前
寺に現存するこの木槌を見物に出かけたリポートが載っていましたね。
 ついでに宣伝しておきますと、来月刊行される小生編『書物の王国 妖怪』(国
書刊行会)には、平田篤胤版『稲生物怪録』が現代語訳で完全収録されますので、
何卒ヨロシク!
 し、しかし。
>1919年に「稲生武太夫」という映画があることを知りました。
 なんとまぁ。小生も全く存じません。うーん、気になりますねえ。どなたか、戦
前の映画に詳しい方、いらっしゃいませんか?

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URL情報 投稿者:フク  投稿日:05月07日(金)15時06分07秒

SFセミナーのレポート関係、下記から飛ぶと便利です。倉阪先生のページも
リンクされています。

有里さんのリンク
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/diary/sfs99_link.htm
東洋大SF研のリンク
http://www.toyonet.toyo.ac.jp/~lp970052/seminar/index.html

あと友人が運営している妖怪に関するサイトがありますのでご紹介まで
http://YOKAI.nu/
(結構有名かも)

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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妖怪ファン的ツッコミ 投稿者:齋藤靖朗  投稿日:05月07日(金)12時40分31秒

はじめまして。ホラーにはさほど詳しくなく、畏れ多くて(笑)ずっとROMでしたが、
どうしても気になってしまったことがあったのでおそるおそる書き込みさせて頂きます。

東様
>挑発してみませう。トントン。(←木槌を叩く音)
>「おーい、でてこーい」(笑)

おいおい。
それでは稲生さんではなく、山ン本さんが来てしまう(笑)。

……す、すいません。妖怪ファンとしては見逃せなくて。
東さんもこのツッコミを期待して書かれたのだろう……と勝手に想像しております。
まあ、山ン本が現れれば平太郎氏が退治にくる(笑)という考え方もありますが。
大変失礼致しました。『屍鬼の血族』買いましたのでお許し下さい。

全然このページのテーマから離れていて申し訳ありませんが、せっかくなので稲生関係
でもうひとつ。日本映画データベースのHPで1919年に「稲生武太夫」という映画
があることを知りました。東さんは詳しいことを御存知でしょうか? どんな映画なの
か気になって仕方ありません。

今回は会社のアドレスなのでリンクはお許し下さい。
近く個人アドレスを取得してHPも開設の予定です。
御迷惑でなければそのときにまたお邪魔させて頂きたいと思います。

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私は出走しておりません 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月07日(金)12時22分04秒

中島様
そういう酔狂なことをやっている暇はないので、ご勘弁ください。
それから、「SFセミナーのホラー部屋に来るような人は一般人ではない」という
認識で臨みましたので(笑)、まあ確かにわかりにくかったかもしれませんが。
個人的には、牧野修・小林泰三・恩田陸といったボーダー作家の話題も振りたかっ
たです。

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御期待に添へず申し訳ない 投稿者:中野善夫  投稿日:05月07日(金)04時12分08秒

中島さん、貴重な情報ありがたうございます。The Smoking Leg And Other Stories
はShort Story Index Reprint Seriesの一冊のことですね。今度買ひます。それでも
私の手元に届くのは数ヶ月後になるので今回の話題からは脱落です。

それから、昨日「期待に沿ふ」と書いてしまひましたが、「期待に添ふ」の方がよい
でせうね。

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一名脱落か? 投稿者:中島晶也  投稿日:05月06日(木)23時37分59秒

 中野さんが「二人提督」の原文をお持ちでないとは意外な。しかし中野さん、
『The Smoking Leg And Other Stories』はリプリント版が新刊で入手可能な
のはご存じですよねえ?……って、我ながらしつこ過ぎるな(笑)。

 まあ、今しばらく稲生平太郎氏のご登場を待ってみましょう。

>東様
 どうもお疲れ様でした。

>>  小生なんかも、もともと引っ込み思案で口ベタなもので、いつも不完全燃焼の感、
>> しきりです。

 えええ〜っ?(以下略)

 ところで、ぼちぼちSFな人たちのセミナー・レポートがあちこちに上がっ
てきていますが、否定的な評は見あたらないようでほっとしています。でも、
私としては福井健太さんの

>> 予想通りの雑談モードで、それはそれで面白
>> かったのだけれど――例によって、というべきか――解っている人同士の相互確認に終
>> 始して、一般向けに「ホラー」を紹介できたかどうかは疑問だったかも。

という評がいちばん的を射ているような気がします。

>治田様
 アニメの部屋にいらっしゃったのですか。なるほど、せっかくの機会だから
普段後回しにしているSFに親しむというのもありですよね。ぜんぜん思いつ
かなかったホラー馬鹿な私。

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怪奇探偵あらわる! 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月06日(木)21時54分44秒

なにげなくテレビをつけたら「幻想文学」でおなじみの小池壮彦さんが出ていて
びっくり。フジテレビ「驚異体験! アンビリバボー」という番組の「怪奇探偵
事件ファイル」なるコーナー(今回が二回目)で「怪奇探偵」をつとめていたの
です。読者から実話を募ってドラマ化し、小池さんが頻繁に現れてコメントする
というスタイルでした。なかなか堂に入った解説ぶりでしたね。最後のお便り募
集コーナーには、寸劇仕立ての探偵プロフィールまで流れていました。睡眠時間
二時間、好物はラーメン、水瓶座A型(笑)・・・ひょっとして「幻想文学」関
係者のなかでいちばん有名になってしまうかも。

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了解 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月06日(木)14時51分52秒

浅暮様
では、SFをまじえて「四派対抗麻雀」にしましょう。
前回は後輩が入ったのでミステリの場になり、福井君に名をなさしめてしまいましたが、
麻雀はツキをやり取りするエソテリックなゲームだから本来ならホラーが勝つはずなん
ですよ(グノーシスはロジックに勝つ)。
どうして皆さん負けず嫌いなのかという気もしますが(笑)。

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お返事 投稿者:大多和早苗  投稿日:05月06日(木)07時38分55秒

東様
> (!?)新説・怪説を盛り込んでありますので、ひとつ御容赦くださいまし。
あ、いやそんな……。再録以外の作品はもちろん、
再録の作品も事の次第に気づいてからは(好きな作品ばかりなので)
とても懐かしく読ませていただきましたので(←あーナガマサだーなどなど)
お気になさらないで下さいませ。(@_@;あたふた)

倉阪様
こちらこそお世話になりました。(相方がとっても羨ましかった私です)

                              大多和拝
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「二人提督」・SFセミナーのことなど 投稿者:中野善夫  投稿日:05月06日(木)03時52分21秒

SFセミナーでは怖い話好きの方々にお逢ひできて嬉しかつたのですが、私は
モダンホラーのことはさつぱり判らないし、人と話すのは些か恐怖を伴ふ行為
なのであまりお話しできなかつたのは残念でもありました。今後ともよろしく
お願ひ致します。

ところで、私は「二人提督」の原文は持つてゐないし、邦訳の方は手元にない
ので中島さんの御期待に沿ふことはできません。メトカーフの邦訳の収録され
てゐる本は全部埼玉の方の家に置いてあるので。一昨日、Ash-Tree Press版
のメトカーフを註文してみました。John Metcalfといふ有名なカナダの作家か
何かがゐるやうで、データベースを検索するときには甚だ迷惑であることに気
がつきました。

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(無題) 投稿者:浅暮三文  投稿日:05月06日(木)02時53分51秒

セミナーお疲れさまでした。なんだかパソコンの調子が悪くて題名が英文でしか書けません。
倉阪様、紙パイを立川の高島屋で買いました。マグネット式で便利そうな奴です。これで
次回はどこかで一席まじえませんか。暮れの京都のフェスとか……。この書き込みの題名は
福井健太氏復讐計画その1としておきます。セミナーお疲れさまでした。    グレ拝

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お返事 投稿者:治田豪和  投稿日:05月05日(水)23時35分00秒

 東さま
 そうですか。オカルト小説はそんなに古いのですか(といっても昔はそうい
うものが大っぴらに信じられていたのだろうから当たり前なのかもしれませ
んね)。モダンホラースペシャルで勉強させていただきます。

 中島様
 前回の書き込みで名前入れ忘れました。すみません。
 また何かの機会に顔を合わせられたらいいですね(でも私も相当あがり
症)。

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エレファント・姦は十蘭 投稿者:ママ  投稿日:05月05日(水)22時58分30秒

 SFセミナーでは皆様お世話になりました、ありがとうございました。思い出し
たら楽しいことばかりです。
 さて、『枯草熱』を読んでましたらコリンズ『三人の魔女の部屋』が出てきて、
それで「三人の(魔)女」って一体どこからやってきたのだろうか、と考えてます。
ギリシア神話からシェイクスピアまでの間にあったのは何なのでしょうか? そう
してシェイクスピアから後もずっと語られていたのでしょうか?(映画にもありま
したよね)

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平太郎召喚!(笑) 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月05日(水)18時18分33秒

中島様
 セミナーは遠路はるばる、お疲れさまでした。
 お目にかかれて嬉しかったです。
 しかし、ああいう場で思い通りに喋るってのはムズカシイですよね〜。
 小生なんかも、もともと引っ込み思案で口ベタなもので、いつも不完全燃焼の感、
しきりです。
 ところで「二人提督」の誤訳の件は、手っ取り早く稲生平太郎氏御本人に解説し
ていただくのがイチバンかと思います。
 実は先日、ここのアドレスを教えたら、早速覗いていらしたようなので、ひとつ
挑発してみませう。トントン。(←木槌を叩く音)
「おーい、でてこーい」(笑)

 ちなみに「死者の饗宴」の悪訳は、確かにメトカーフにとって「不運」でしたね。
 初読の際、これのどこが名作なんだか、アタマをひねった覚えがあります。
 だいたい翻訳小説を読んでいて意味不分明、隔靴掻痒の場合は、往々にしてピン
ボケ翻訳に起因することが多いわけですが、ことモダン・ゴースト・ストーリーに
限っては、原作のせいか翻訳のせいか、はなはだ微妙ですからね〜(笑)。

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「二人提督」の誤訳 投稿者:中島晶也  投稿日:05月05日(水)16時25分07秒

「稲生平太郎さんが『幻想文学』の連載で、結末に誤訳があると書いていたよ
うに思う」との倉阪さんのお言葉を手掛かりに探してみたところ、確かに「不
思議な物語」の23号掲載分に誤訳の指摘があったのですが、

>>物語の根幹をなす部分で幾つか致命的な誤訳が見られるのは残念である。

と書いているだけなので、残念ながら具体的にどうなのかさっぱり判りません。
しかも結末とも特定されていないので、広範囲に原文との照らし合わせをしな
くてはならないようです。うーむ、気になりますねえ(笑)……忙しいのに我
慢しきれなくなって調べてしまうのは、果たして西崎さんか? 中野さんか?
倉阪さんか? はたまたかく言う私自身か?!

 ところで稲生氏によると、『死者の饗宴』も「不運にも訳文には誤りが目立
つ」そうです(笑)。

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SFセミナー雑感 投稿者:中島晶也  投稿日:05月05日(水)10時28分44秒

 皆様、お疲れさまでした。

 倉阪さんと東さんのところへはサインを求めるファンが何人もやってくるし、
ホラー部屋も予想以上の盛況で、ホラーに対する関心の盛り上がりを実感させ
られました。ところが、自分がその期待に応えられたかというと、あんまり役
に立っていなかったような(笑)。ホラー・サイドの一般認識を話せばいいの
か、自分独自の見解を話せばいいのかとか、どうも勝手がよく判らなくて中途
半端なことばかり言ってしまったような気がします。聴衆にも、せっかくお招
きいただいた大森望さんを始めSFセミナー関係者の皆さんにも、申し訳ない
です。

 それはそれとして、ネット上でのみしか話したことのない皆さんと直にお会
いできたのは楽しかったです。セミナー企画の終了時間が遅かったので、眠く
てこちらの調子が出なかったのがちょっと心残りでしたが……。できれば今度
は、ちゃんと目が覚めている時間帯にお会いしたいです。

 心残りと言えば、治田さんと笹川さんとは、すれ違う程度の接触で終わって
しまったのが残念です。東さんからお聞きしたところでは、笹川さんは国産ホ
ラーについて、この掲示板で話題になっているのとはまた違った問題意識を感
じていらっしゃるとのこと。

 笹川さん、お仕事が落ち着かれたら、ぜひこの場で討論しましょう。

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Bad Land 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月05日(水)02時15分05秒

こんにちは、みなさん

東さん
 おお、感謝です。といってもすでに複数のものを抱えているので今すぐは
できないのですが、ぜひやりたいです。倉阪さんの英米百綺譚の代打という
感じかな。平井呈一や澁澤龍彦の『ふらんす怪談』、「三浦老人」のような
悠揚迫らざる文章を書きたいといつも思っています。ああいうものはしかし
人間が表れるものなので、小事に汲々としている小生にはじつに難しいです。

      日夏耿之介の『唐山感情集』を入手。欣欣自笑。 西崎 拝

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ああ、あのときの 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月04日(火)23時25分58秒

塵芥様
帰りがけで頭がぼうっとしておりまして、要領を得ない説明だったかもしれません。
あしからず。

大多和様
はじめまして。先日はだんなさまにお世話になりました(違ってたりして)。
書き込みを拝見して、ずっと前に買ったマグラアを読んでいないことに気づき
ました。読みます。

管理人様
ログご苦労様でした。ほんとに本になるくらい量がありますね(笑)。

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おつかれー 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月04日(火)04時58分57秒

松本様
 わははは。「とっとと『アンソロジーの愉楽』を参照せんかーい」とこちらが突
っ込む前に気がつくとは、さすがなり(笑)。
 しかし「厭な子供」じゃなかった(笑)「厭な土地」は本当に良い作品ですよね
ぇ。とりあえず『幻想文学』で載せてもいいっすよ。>西崎様

大多和様
 はじめまして。『屍鬼の血族』お買いあげいただきありがとうございます。そし
てゴメンナサイ。解説の最後にその旨、明記しておいたのですが……確かにウッカ
リすると騙されるかも(装幀もまったく違うし)。
 ただまぁ収録作品20編のうち、『血と薔薇のエクスタシー』からの再録は10
編なので、小生としては全面刷新の意気込みで上梓した次第。あの日下三蔵氏を悔
しがらせた(と、SFセミナー会場にて判明)柴田錬三郎の怪作「吸血鬼」や、岡
部道男の幻の名作「ドラキュラ三話」完全復刻をはじめ、ちょっと他ではお目にか
かれない作品も新たに収録しましたし、解説にも日本吸血鬼文学史の再考を促す
(!?)新説・怪説を盛り込んでありますので、ひとつ御容赦くださいまし。
 しかし、マグラアとミルハウザーとクラサカですか! 良い御趣味かと(マジ)。

治田様
 会場ではチラリとしかお目にかかれず失礼しました。そうか、アニメ部屋にいた
のね(笑)。
 オカルト=魔術小説というのは、これはこれで無茶苦茶歴史の古い(それこそギ
リシア・ローマやシェイクスピアまで溯る)分野なので、ちょっとカンタンには概
括できないのですが、キング登場以前の「モダンホラー」においては――『ローズ
マリーの赤ちゃん』とか『エクソシスト』とか――「オカルト」はメイン・テーマ
のひとつだったのです。そのあたりも『モダンホラー・スペシャル』を御参照くだ
さいねっ。

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セミナー 投稿者:塵芥  投稿日:05月04日(火)04時36分48秒

こちらの掲示板でははじめましてです。
「真夏の前のホラーの部屋」を聴講させて頂きました。ジャンルホラーにおいて
曖昧であった部分を自分なりに解決することが出来ました(もっとも、全てを明ら
かにしたわけではないのですけれども)。大層、面白かったです。

倉阪様におかれましては、帰り際にとてつもなく初心者な質問をさせて頂きました。
それにも丁寧にお答え下すってとても恐縮しました。また、明快な解答を与えて下す
ったこと、サインを頂戴しましたこと、あわせてお礼申し上げます。ありがとうございま
した。

ミーコちゃんを目撃しました。猫毛がアレルゲンでなければ、抱かせて頂いたのに。

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セミナー 投稿者:治田豪和  投稿日:05月04日(火)01時56分54秒

  SFセミナーお疲れ様でした。なかなかに、楽しかったです。(星界の紋章
の全13話連続鑑賞というのを見てたら、徹夜してしまいました)昼間からいま
したが、フクさんや橋詰さんら掲示板の何人かには声掛ける機会逸しまし
た。申し訳ないです。

 倉阪さん、東さん、笹川さん&大森さんのホラーの話とても楽しかったで
す。特に掲示板でもありましたが、SF等とされているものでも手法的に充分
ホラーと呼べるものがあるという実例や、あと、言われるまで気づきません
でしたが、オカルトは説明のつかないものを描くという意味でのホラー、とは
違うという話。
 ただ聞いているうちに、また本格ホラーという言葉と、モダンホラーという
基本的な言葉で混乱して来ましたが、本格ホラー、というのは結局(おおざっ
ぱに)、現実を侵犯する超自然的な非現実を描いたもので、モダンホラーは
論理的に導かれる恐怖とか、スリラーという見解で良いのでしたよね? とす
るとオカルトはモダンホラーになるのでしょうか。聞き逃し、二度ぎき、見解
の誤りがあるかもしれないですが。話を蒸し返してすみません。

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メトカーフ 投稿者:西崎 憲  投稿日:05月04日(火)00時09分17秒

こんにちは、みなさん

松本さん、倉阪さん
 メトカーフ、微妙なツイストが気持ちいい作家ですね。「二人提督」は
誰かが致命的な誤訳があると言つてゐたやうな気がしますが、つきあわせ
てゐないので判りません。倉阪さん、お気遣ひ感謝します。Bad Land 早く
訳したいです。はてどこに企画を持ちこまうかな。
 
                             西崎 拝

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はじめまして、こんにちは。 投稿者:大多和早苗  投稿日:05月03日(月)23時58分56秒

 倉阪さんのホームページがあると聞き、早速お邪魔しました。
 こちらで話題になっている「ジャンル」について、難しいことは
 全くわからない(自分の中では漠然と区別できている、と思うのですが)
 未熟者ですがどうかよろしくお願いいたします。

 ちなみに、自分の中での幻想文学ナンバーワンは「パトリック・マグラァ」の
 「血のささやき、水のつぶやき」と「スティーブン・ミルハウザー」の
 「展覧会のカタログ」と倉阪さんの「百鬼譚の夜」です。
 あ、三つもあってナンバーワンはおかしいですね。うみゅう。
 (百鬼譚の夜以外の↑作品をこちらで話題にしても良いかわかりませんが
 自己紹介のつもりで書きました。畑違いでしたらご指摘くださいませ。ぺこり。)

 おまけ-日常に潜むホラーなできごと−
 先月書店で「屍鬼の血族」を見つけ早速購入。読み始めたところ……。
 殆どの話の筋を知っていた。たらり。
 この本が「血と薔薇のエクスタシー」の改訂版だと知るまでの数日間
 ホントに頭おかしくなったのかと本気で悩みました。←おばか。

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おつかれさまでした 投稿者:フク  投稿日:05月03日(月)19時34分00秒

 皆さん、お疲れさまでした。
 簡単ですが、一泊二日分の「SFセミナーレポート」ホームページにアップロード
 しました。規模が大きすぎて私視点になってしまった点はご容赦下さい。
 
 色々勉強になりました。またよろしく。
 あ、ミーコちゃんもお疲れさま。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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おつかれさまでした 投稿者:ミーコ  投稿日:05月03日(月)16時49分02秒

わーい、一番乗りだ。
SFセミナー、おつかれさまでした。またあそぼうね。

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メトカーフ 投稿者:松本楽志  投稿日:05月02日(日)10時03分14秒

 今日はSFセミナーですね。きっとここも静かでしょう。しくしく
 で。

自己フォロー
> 全然知らないんですけど、結構アンソロジーとかには取られているんでしょ
>うか? この手の雰囲気をずっと書いてるのなら、他のも読んでみたいなあ。

 そうか、幻想文学の「アンソロジーの逸楽」見たら一発じゃん!<他のを捜す
 さすが東さん。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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覚えてゐませんメトカーフ 投稿者:中野善夫  投稿日:05月02日(日)04時15分32秒

「二人提督」は『恐怖の愉しみ』に収録されてゐた作品ですね。全然覚えてゐません
でした。他に、「死者の饗宴」が『怪奇幻想の文学1 真紅の法悦』に、「メルドラ
ム氏の憑依」といふのが『悪夢の化身』に収録されてゐるさうです。どれも読んだ筈
なのに全然覚えてゐません。情けない。読み返したかつたのですが、本が手元にあり
ませんでした。ああ、本を全部手許に置ける家に住みたい。

さういへばAsh-Tree PressからNIGHTMARE JACK AND OTHER STORIESが出てゐまし
たね。書棚を見たら何と買つてゐないので、近いうちに註文してしまはうかなと思ひ
ました。

先月註文したAsh-Tree Pressの本がまだ届かないので苛々してゐる中野でした。

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(無題) 投稿者:治田豪和  投稿日:05月02日(日)02時03分31秒

 皆さんこんばんは。
 私もセミナー顔を出してみようと思います(管理者のか谷は告知済みです)。
 できればまた色々生のお話を拝聴したく思います。
 直前表明で恐縮です。
 

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誤字発見 投稿者:中島晶也  投稿日:05月02日(日)00時40分56秒

 私の2つ前の発言「SFセミナー前夜」の

>> 3.はちょっと無難すぎます。ちっとも怖くな
>> いし。

 は、「1.は」の間違いです。3.も怖くはないけど、無難どころか志の高
い意欲的な小説でありました。角川さんはもったいないことしましたねえ。

>倉阪様
 ああ、やっぱりお家からむき出しでミーコちゃんを抱いて来られるわけでは
ないのですね。ほっとしたような、がっかりしたような(笑)。

>フク様
 都筑道夫氏は国産怪談の流れを受け継ぎつつも、英米の「モダン・ホラー」
を意識しつつ書いています。だから都筑氏は、「モダンホラー」については批
判的な姿勢を採られていますね。
 純文学系のホラーなら、国産怪談との関係はともかく、英米のホラーの流れ
とぜんぜん無関係に独自の世界を築き上げている作家は多いですよ。私の一押
しは河野多恵子。角川ホラー文庫に『妖術記』、講談社文芸文庫に『不意の声』
が入っていて、どちらもシャレにならない怖さです。

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SFセミナーその他 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月01日(土)23時40分24秒

松本様
メトカーフは身を乗り出してくる人がほかにいるので譲ります(笑)。
「Bad land」という未訳の傑作があるのですが、西崎さんがやりたそうなので
譲りました。

中島様
私は7時に入ります。知った顔を見つけてからミーコを出しておきましょう。
それから、お説なるほどです。「クリムゾンの迷宮」ほどの配合ならジャンル
ミックスのモダンホラーでOKでしょうが。どうも作家モードと批評家モード、
さらにジャンルマーケット・モードと原理主義者モードがあるもので、混乱す
る場合がありますね。

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ジョン・メトカーフ「二人提督」 投稿者:松本楽志  投稿日:05月01日(土)23時05分36秒

 こんばんは。

 識者の方に質問です。

 先日読んだ、ジョン・メトカーフ「二人提督」という作品がめちゃくちゃツ
ボにはまったんですが、このメトカーフとか言う人はこんな雰囲気の作品を書
いている作家なんですか?

 全然知らないんですけど、結構アンソロジーとかには取られているんでしょ
うか? この手の雰囲気をずっと書いてるのなら、他のも読んでみたいなあ。

 みなさま。もし、大昔に読んで内容を忘れてしまっておられるなら再読して
みてください。僕はすっごく好きな作品です。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/gakusi/

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ジャンルミックス 投稿者:フク  投稿日:05月01日(土)22時34分56秒

 東さま
 「日本のモダンホラー」について、ありがとうございます。考え方の基本になるポイ
 ントなので。逆に考えると米国のモダンホラーの影響を受けず、怪談小説から進化し
 た和製ホラーってあるのかな、とかひねくれたことを考えるのですが。都筑道夫氏の
 ホラーの一部にそういう作品が散見されるように感じられます。

 ジャンルミックス、中島さんの挙げられた疑問、私も同感です。現在の広義のミステリー
 (音引き)の定義が「物語中に何らかの「謎」さえあればなんでもOK」という現在、
 ホラーはいうに及ばず全ての小説がジャンルミックスと言えるのではないかと思います。
 もちろん、作者が意識的に取り入れていれば別ですが、書かれた作品を別の人間が評する
 のにジャンルミックスをテーマに挙げるのは不適当な気がするのですよね。『ジャッカー』
 評を読んでから考えたのですけれど。

 明日は知っている方が先日お会いした方だけ、なので皆さんよろしくお願いします。

http://www.din.or.jp/~fukuda/

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ジャンルミックスあれこれ 投稿者:中島晶也  投稿日:05月01日(土)20時28分55秒

>倉阪様
 細かい話で恐縮なのですけど、『屍鬼』のミスディレクションの仕掛けだと
か、『黒い家』の真犯人の隠蔽までジャンルミックスと言ってしまうと、ほと
んどすべての小説がジャンルミックスになってしまうのではないでしょうか?
この辺は小説の基本的なテクニックの範疇で、ジャンルミックスとは言えない
ような……。
 倉阪さんが以前おっしゃられていた、

>> いや、むろん本格ホラーを書きますけれども、媒体によってはジャンル内ジャンル
>> ミックスもやります。現実があり、現実的な恐怖が前座として現れ、最後に真打と
>> してスーパーナチュラルが登場するというコードですね。読者の不信を段階的に崩
>> していくわけです。

にしても、長編ホラーの手法としてはオーソドックスなものの一つでしょう。
中編ですけど、T・E・D・クラインの比類無き傑作『王国の子ら』なんかが
典型ですよね? あれをジャンルミックスという人はまずいないでしょう。作
家としてあらゆる手法に貪欲でありたいという意思表明としては大歓迎なので
すが、評論家モードで他者の作品の分析に使われるとちょっと違和感があるん
です。

 だからといって「ジャンルミックスはどこから始まるのか?」とか言い出す
と、また切りのない線引き問題になってしまいますが、私見では例えば『宇宙
から来たツタンカーメン』がジャンルミックス(ホラーとSF)の典型で、『狼
男とサムライ』(ハマー風ホラーと時代劇――ですが、舞台設定の問題に過ぎ
ないとも言えるので)辺りがボーダー・ラインかな、などと思います(←なぜ
バカ映画ばかり例に挙げる?)。これぐらいはっきり混ざっていないと、ジャ
ンルミックスとは言えないのではないのかなあ。

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SFセミナー前夜 投稿者:中島晶也  投稿日:05月01日(土)19時30分43秒

 いよいよ明日ですね。私は夜に弱いので、今日は夜更かしして明日は昼まで
寝るつもりです。会場到着予定時刻は、19:30。直にお会いしたことのな
い方ばかりですので、ミーコちゃんを頼りに倉阪さんを探すことにします。

 ところで、今日の昼になってようやく『バトル・ロワイヤル』を読み終わり
ました。今週になってから、

1.『ジャッカー』
2.『クリムゾンの迷宮』
3.『バトル・ロワイヤル』

の3つの長編を読んだわけですが、ホラー度で順位を付けると1.→2.→3.
となります。というより2.はミステリー、3.はSFであって、私はどちら
もホラーと呼びたくはないです。

 ところが、小説として評価すると3.→2.→1.となります。3.はホラ
ー小説大賞の選評からは想像も付かないような泣ける小説でした。金八先生の
パロディーさえなければなあ。必然性の乏しいお遊び(と私には思われる。金
八先生は見たことないんだけど)で読者層を限定してしまうなんて、損なばっ
かりなのに。2.はこの著者らしい手堅い作りで読みだしたら止まらない面白
さでしたが、伏線が親切過ぎてかなり早い段階で落ちが読めてしまうのが残念。
結末にもう一捻りあればねえ。3.はちょっと無難すぎます。ちっとも怖くな
いし。

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おっとシマッタ 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月01日(土)02時48分51秒

 忘れていたぞ(笑)。
 え〜「日本のモダンホラー」について、ひとつ言い忘れていたことがあったので、
付け加えておきます。
 実は海の向こうでキングやクーンツがモダンホラーに着手した70年代後半、ほ
とんど同時進行に近い形で「モダンホラー」と酷似した内実を備えた作品を手がけ、
しかもセールス的にも成功した作家が、日本にもいたのです。
 その作家の名は……西村寿行(笑)。
 『滅びの笛』(76)と続編の『滅びの宴』(80)、あるいは『蒼茫の大地、
滅ぶ』(78)といった長編は、当時「動物パニック小説」などと呼ばれましたが、
異常現象が喚起する恐怖の諸相を多視点で追求するスタイルといい、過激なエロ・
グロ・バイオレンス描写といい、ホラー・SF・スリラー・冒険小説などの要素が
渾然一体となったジャンルミックス的性格といい、いわゆる「モダンホラー」と軌
を一にするものだった。そして80年代に入るや、寿行の関心は「ホラー・ジャパ
ネスク」へ……と、いうような話を、昨年、角川文庫版『デビルズ・アイランド』
の解説に書きましたので、よかったら参照してみてください(って、今日はこれば
っかり)。
 ……というわけで、いま自分でくだんの解説を読み返してみたら、『ジャッカー』
解説の、まんま裏返しをやってることを発見(大笑)。
 うーん、しかし、この鮮やかな対照の妙は……我ながら笑えるのぉ。

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ええっとね 投稿者:東 雅夫  投稿日:05月01日(土)02時13分35秒

倉阪様
 最初にひとつ、確認を。誤解を招くといけないので一応申し上げておきますが、
小生は『黒い家』をノン・ホラーとは考えておりません。あれは「ノン本格ホラー」
だと思っています(鬼さんの発言も、それを前提とするものだとは思いますけど)。

 でもって本題ですが、たしかに文化的土壌も文学風土もまったく異なる日本とア
メリカのホラー事情を比較しても、そんなに実りがあるとは思えませんね。
 ただし、「他山の石」とすべき点が多いのも事実なので、その轍を踏まないよう
心しなくては、って感じですか(笑)。
 それとまぁ、いかにキングやクーンツ的なモダンホラーの影響を受けているとは
いえ、日本人が書いたホラーに(それが優れた作品であればあるほど)「ホラー・
ジャパネスク」的要素が認められるのは当然のことでしょう。ただし、小生のいう
意味でのソレは、もう少し意識的な志向性なんですけどね。
 つまり「ホラー・ジャパネスク」といっても、『リング』や『BRAIN VA
LLEY』と、『死国』や『屍鬼』におけるソレとを同列に論じるわけにはいかな
いだろう、ってことですな。
 ま、そのあたりは、鬼さんの「突っ込み」の主旨とは離れた問題なので、あくま
でも「補足」ってことで。
 というか、キチンと個々の作家作品に即して考えていけば、それくらいややこし
くなるものを、十把一からげにして米国モダンホラーと比較すること自体、非常に
大づかみな立論になるのは明らか、ということなんですよね、そもそも(笑)。

 ちなみに『リング』の「貞子」は、江戸の四大幽霊(累、お菊、お露、お岩様)
以来、実に200年ぶり(!?)に出現した新時代の「幽霊スター」である、という
趣旨の言及を含む論考「貞子はなぜ怖い!?」を、たまたま『化粧文化』の今年度号
(なんと年刊誌だそうな)に書いたところであります(笑)。よろしければ、御参
照ください……って、いつ発売なのか、確認してなかったゾ。追って「企画室通信」
のほうで告知させていただきます。
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ニアミスです 投稿者:倉阪鬼一郎  投稿日:05月01日(土)00時03分42秒

下の東氏の書き込みはニアミスです。
ただ、東氏の解説する「モダンホラー」は「本格モダンホラー」でして、風間氏の
立場だと「黒い家」などのノン・ホラーも入るわけですね。だからややこしいんです。

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